「それにしても、オクタヴィアを使うなんて、良く考えたわね…」
黒髪の美女が目を細めながら相方に囁いた。時折、苦しそうに呻き声をあげながら、下に組み敷いた相方の手を握る。
「でしょ?私だってやる時はやる…んっ…」
蒼い髪の相方が言葉を詰まらせ、呻いた。フフフ、と上に跨りながら、悪魔は笑う。
「どうしたの?もう降参なのさやか?」
艶めかしく、さやかの上で動く悪魔の腰。
「だって、あんたの中…熱っ…て」
「だめよ…まだ…」
息を荒げて、ほむらは動きを激しくする。中に収まっているさやかの屹立したモノを締めあげ、吸い上げようと、ほむらの柔らかい内部が温かく、優しく絡んでくる。さやかが苦しそうにうめきながら、腰を動かしてきた。
「うあ…もう、無理って…出…」
「だめ」
ぴたりと動きを止め、ほむらはさやかに覆いかぶさった。頬を寄せ合い、満足気にため息を漏らす。艶やかな黒髪が、さやかの汗ばんだ顔にかかる。
「…まだお話しましょう?」
「……うん」
はあ、はあと息を荒げながら、なんとかさやかは返事をする。その顔は紅潮し、目には涙が浮かんでいた。ほむらは猫のように、ちろりと舌でさやかの涙を舐めた。
「貴方のその顔可愛いわ」
「意地悪…」
ほむらは白い歯を見せながら笑った。
二人は家に着いてから、今回の客船旅行について雑談を交わしていた。そうして夜も更け、ベッドに入りながらも会話は弾み、とうとう「行為」の最中にも会話は続いていたのだ。二人は一糸纏わぬ姿で交わり続けている。
「あの「女教皇」ってさ…」
「なあに?」
さやかがすぐに射精してしまわないように、ほむらはゆっくりと動きを再開する。奥に当たる度に二人はくぐもった声をあげた。互いの体温が心地いいからか、二人は密着したまま腰を動かし続けた。
「…「裏」があるって…ん…どういう…意味…なの?」
「…あれね…貴方も…あの…図柄で気付いたでしょ?…あっ…」
ほむらは喘ぎながら、さやかの顔に頬を寄せる。温かい息がさやかにかかる。
「ザクロとか…柱のこと?」
「ええ…女教皇にはね独身女性の意味もあるの…頑なな処女性ね」
深呼吸して、ほむらはまた動きを再開する。今度は少し激しい、二人の結合部から水音が鳴り始めた。あまりの心地よさにさやかが喘ぐ。その顔を満足気に見つめるほむら。彼女の顔もまた、恍惚としてきた。
「でも、それはあの幕が破られるまでの話…あのザクロの幕が…破…さや…か…っ」
「あ…ほむら…私もう…」
激しい水音が鳴り響く、ほむらは上体を起こして激しく動きだした。もうすぐ到達するのだろう。トランス状態のようだ。黒髪を乱して、腰を激しく振り続ける。ベッドが激しく軋む。二人はしっかりと両手を繋ぎ合せて、互いに普段からは想像もつかない嬌声をあげながら高みへと昇る。
「さやか、おいで…」
恍惚としながらも、ほむらは相方の名を呼び、優しく最奥へと誘う。
「んあっ…ほむらっ…」
さやかが腰を痙攣させ、下から激しくほむらを突きあげた。射精だ。
「あ、…さやか…大き…」
ほむらがさやかの射精に合わせ、身体をびくん、びくんと痙攣させる。内部に温かい液体が満ちるのを感じながら、ほむらはゆっくりと身体を倒した。さやかの肩に顔をつける。数回波のように絶頂が訪れた後、ほむらは目を瞑り満足気に息を吐いた。
「女教皇」は「愚者」を最後まで導いて眠りに落ちた。
* * *
「いやあ、楽しかったなあ」
佐藤教授を家まで送り届けてから、高橋はようやく自宅のアパートへ着いた。そうして、今回のゼミ旅行を思い出しながら荷を解いていく。おそらくこんなに波瀾に富んだ思い出はそうそう作ることはできないだろう。
「あれ…?」
高橋はタロットカードが一枚無いことに気付く。
「うわあ、あの時落しちゃったのかなあ…」
最後の一枚、あの美しい二人の未来を占ったカードだ。二人のことを思い出し、高橋は一人微笑む。
「でもまあ…いいか、これもいい思い出だし」
そう、あの二人に会えて、関わりを持てただけでもものすごく貴重な気がするのだ。一枚欠けたタロットはもしかしたらあの二人を占うためのものだったのかもしれない。そう思い、高橋はタロットを引き出しに収めた。
――XXⅠのカードがが欠けたタロットを。
END
XXIのカードとは、「世界」―
このお話はこれで完結です。お読みいただきありがとうございました。
普段とは違う場所(船)でとにかく二人がめちゃくちゃいちゃいちゃするのを書きたかったので大満足でした。二人の物語はまだまだ続きますので、短編集共々よろしくお願いします。
また、作中オリキャラ佐藤教授が別荘にほむらを招待していましたが、その話は今構想中です。また近々UPできればと考えています。
最後に妄想&執筆の糧にもなるので、感想等ありましたら気楽によろしくお願いします!ではでは~