ほむら達の乗っている船は、全長200mで総人員700名、客室は100室あるカジュアル客船にしては比較的大きなものだった。客室もまたグレードがあって、相部屋から個室まで8つに分かれていた。その中でもほむらとさやかの二人にあてがわれた部屋は2名個室の最もグレードの高い部屋だった。佐藤教授の計らいだ。
海が見える窓に、二つのベッドと快適を極めた部屋だが、今、美樹さやかは部屋の雰囲気を楽しんでいる余裕は全くなかった。
「…ちょ、ほむら…ちょっと待っ…んん!」
さやかは顔を紅潮させながら、必死に言葉を紡ごうとしているが、喘ぎ声に代わってしまってどうにもならない。上に圧し掛かっている相方の細い腕を掴み、どうにかして意思を伝えようと頭をあげるが、また苦しそうに枕に後頭部を押し付けた。そこに伸びてくる白い手と長い黒髪。苦悶するさやかの頬を細い指が這い、優しく撫でる。そうして今度はその指は蒼い髪へと移動し、さも愛おしげに髪に指を絡めると、梳いていく。
「さやか」
囁いて、悪魔はその唇を苦悶する相方のそれへと押し付ける。
「ん……ッ」
ため息のような声を出しながら、ほむらがさやかの唇を吸い始める。
ちゅう…じゅぷ
と音を立て、それから次第に音は大きくなり、ほむらの頭もせわしなく動く。相方の顔が離れないように、彼女はその細い白い腕を頭に絡めて固定した。手首のブレスレットが部屋の淡い光を受けて反射する。
二人は衣類を全て脱ぎ捨て、ベッドの上で身体を重ねていた。夜の海が見えるからとはしゃいで窓際の方を選んだのはいいが、そんなのは最初の内で、最中の二人にはそんな余裕は無かった。もう何度か激しく達したのだろう、真新しいはずのベッドのシーツは乱れ、互いの体液で湿り気を帯び、くしゃくしゃになっている。
「ん…」
「う…んんっ」
仰向けに寝転んださやかの上にほむらが覆いかぶさる形で、さきほどから行為は続いていた。健康的でひきしまった、それでいて柔らかそうなさやかの身体に、白磁のような透明な白い肌の華奢なほむらの身体が重なっている。互いの太ももを挟むようにして足を絡め、身体を前後に揺する。
「はあっ…」
「ふはっ…」
互いの口が離れた途端に、透明な糸がつう、と数本垂れた。数秒ほど息継ぎをして、またほむらは赤い舌をさやかの口の中へと押し込むと、自らの口で封をした。苦しそうに眉をしかめるさやかの顔を、ほむらの長い髪がカーテンとなり隠す。ほむらの左耳のイヤリングが身体を前後に揺する度にちかちかと光った。
「さや…か…?」
ゆっくりと口を離しながら、ほむらは相方の名を呼ぶ。同時に互いの口から唾液が零れた。
「ほむ…ごほっ、私…もう」
相方の唾液でむせ、咳き込みながらさやかは喘ぐ。目は固く瞑られ、必死に波のように迫ってくる快楽と戦っている。その不器用な苦悶した表情を、ほむらは目を三日月型に細め、味わうようにしばらく眺める。そうして、いいわよ…ととても小さく囁いた。さやかの喉に唇をあて、強く吸うと、ほむらは激しく身体を動かした。ひときわ大きく声をあげてさやかが達した。
「……だめ…もう、死にそうだわ…」
長いため息をついて、さやかはうつ伏せになって倒れた。枕に顔を押し付けてぐったりとして動かなくなる。その背中にほむらは頬を寄せ、甘えるように身体をぴったりと擦り寄せてきた。歌うように笑いながら目を瞑る。
「あら…まだ10時にもなってないわよ?」
「ひい…待って休憩…あんた…強すぎんのよ」
「貴方が弱いのよ…」
くすくすと笑って、ほむらはさやかの背中を指でなぞる。そうして囁くように歌をうたいはじめた。どこか遠い昔に聞いたことのある歌だったが、さやかは思いだせない。だがそのひどく優しい歌声に誘われて、さやかは眠りへつこうとしていた。
「ねえ…眠ったの?」
ほむらの声でさやかは現実へ引き戻される。気がつけば、ほむらはさやかの耳元へ顔を近づけていた。
「ううん…寝てないわ」
「嘘おっしゃい」
くすくすとほむらの笑い声が至近距離で聞える。と、耳に痛みを覚えてさやかは声をあげた。ほむらが耳たぶを噛んだのだ、しかも甘噛みという優しいレベルではない。まるでさやかを捕食するような勢いの噛み方だ。痛いと抗議の声をあげたら、ほむらは舌でさやかの耳を舐めはじめた。くすぐったさに身をよじるさやか。
しばらくして、思いつめた様な、熱を帯びた声でほむらが囁いた。
「ねえさやか…」
「何?」
「……子ども…作りましょう?」
さやかはただ無言で頷いた。
さやかの身体の一部はほむらの手で改造されている。生殖器を女性のそれから男性器のものへと変換させられているのだ。それは悪魔の気まぐれで、気の向いた時にどちらでも変換できるようになっていた。そして、今まさにさやかの一部は改変され、二人は文字通り繋がっていた。
「んっ……んっ…ん…」
普段より一オクターブ高い声でほむらは喘ぐ。
うっとりと目を瞑ったまま。
結合部から音を立てながら、ほむらは相方の上で身体を揺すり髪を振り乱す。まるでトランス状態に入った巫女さんのようだ。その肢体の美しさにさやかは見惚れるが、すぐにそんな余裕は無くなって声をあげた。
「あっ…ほむら…っちょっ…動かないでっ」
――吸い込まれそう…
さやかは声をあげ、必死に堪える。ほむらの中はものすごく熱くて、そして柔らかい。油断すると今にも放出してしまいそうなほど心地よい。目を瞑るとちかちかと火花が散って、腰が震えた。と、急に動きが止まる。さやかが目をうっすらと開けると、そこには恍惚とした表情を浮かべたほむらの顔が至近距離にあった。
「ずるいわ…」
「え?」
「貴方だけいい声で鳴いて…」
そう言うと、ほむらはさやかの耳元へ顔を寄せて囁いた。
「私も鳴かせてみなさいな?」
そう言うと、ほむらはさやかと身体を密着させて、下になる。あまりの気持ちよさにさやかがほむらの肩にもたれたまま、長いため息をつくと、ほむらは笑った。そうして、細い腕を回してさやかを下から抱きしめると、ゆっくりとさやかの腰に足を絡めた。
「ほんとしょうがない人…」
「だって…」
ぎこちなくさやかが身体を揺すり抽送をはじめる。声をあげるほむら。イヤリングが枕の上で揺れた。ベッドが軋みはじめた頃、ようやくほむらが「鳴き」はじめる。ほむらの細い白い首にさやかは唇をあてて吸う。
「噛んで……」
聞いたことのない艶めかしい声でほむらが囁いた。
さやかは歯を立ててほむらの首筋を噛んだ。
「――――-っ、――っ!」
一瞬身体を大きく後ろへのけ反らせ、ほむらはひときわ大きく声をあげた。
びくん、びくんとほむらの身体の内部が痙攣し、さやかはそのまま誘導されるように中へ放出した。
互いを強く抱きしめたまま、二人は意識を失った。
お読みいただきありがとうございます。ようやっとエロ回です。
うちの大人二人(ほむら&さやか)は大学時代に身体を重ねているという設定です。どうしてそうなったのかは、未だにほむら自身よくわからなくて「悪魔なだけに魔が差した」と自嘲気味に考えています。二人の性行為のスタンスは、ほむらがさやかの体(下半身)を改変して生やし、それを体内に受け入れる場合と、ほむらが自身の力で己に生やし、さやかの中に入る場合もあります。つまりどちらも攻め受けになるということで。ただ、ほむらがさやかを中に受け入れるパターンが多く、それを望んでいる様です。(これについては、また別の機会にその心情を書きたいと思っています)
エロを目指していますが、果たしてエロいのかただアダルトなのか…修行あるのみです(何)
ではでは妄想の糧にもなりますので、感想等ありましたらよろしくお願いします!