転生したら大好きな世界で思うように生きていくことができる件 作:Laginera
―シノビマスター基地・闘技場
【風切が戦姫衆と手を組んだ。戦姫衆は戦力を整えシノビマスター基地に襲撃する予定である】
この事実に忍学生達とレジェンド達は悩ませていた。3大妖魔の修羅、900年前のカグラである鴇の封印解除に続きプロの忍び達も簡単に手を出せない忍集団・戦姫衆が活動をはじめたのだ。しかもその中に風切が加わるということに天城封結衆の羽衣、日和、天音は戦姫衆に風切を取り戻しに行こうとするのを止められたところだった。
凛「仲間を取り戻したい気持ちはわかる。だが戦姫衆は簡単に勝てる相手じゃない! 少しでも情報が手に入らないと迂闊に行動できん。だから今は奴らが動くのを待つんだ…」
凛はそう言って3人を説得したが、天音は一人駆け出し他の忍達が止めに行ったのだ。
ジャ「修羅や鴇の相手でも手いっぱいだというのに、更に戦姫衆まで動き出すなんてねえ」
ジャスミンは頭を掻きながら資料に目を通す。
雪泉「小百合様。 一体戦姫衆とは何者なのでしょうか? 相対してわかったのは今の私たちでは歯が立たないということだけです…」
ジャ「…あいつらは善忍と悪忍、両方から敵視されいる忍集団さ。」
ジャスミンが言うにいはメンバーは5人おり、それぞれが戦闘・諜報の得意分野を持っている。一人一人の実力は忍学生達を簡単に倒せるような実力を持っている。
しかも下級の妖魔なら簡単に扱える傀儡の術の持ち主もいるので下手をすると妖魔と戦うことより厄介だということだ。
ジャ「よりにもよってこんな時に活動を始めるなんてね。もし戦姫衆と鴇が出あったら最悪利害の一致で手を組んで本格的に忍達を滅ぼすために活動するだろう。戦姫衆の目的も忍界のせん滅にあると聞いているからね」
飛「そんな…」
ジャスミンの言葉に皆意気消沈し、暗い表情を浮かべるが
焔「情けない顔をするな飛鳥! それでもお前は私の最強の友達か!?」
飛「焔ちゃん!? 」
焔「確かにこれまでよりさらに強い敵が出てきたかもしれない。だがそんなこと今までだってあっただろう! 私たちはその度に訓練を重ねて乗り越えて来ただろう! 一度圧倒されたからなんだ! だったら次は私たちがより強くなってあいつらを圧倒すればいい! そうだろう!?」
飛「…そうだね焔ちゃん! 今ここに居ない雲雀ちゃんも修行で頑張っているんだ! だったら戻ってきたときに一緒に戦うためにももっと強くならなくちゃね!!」
飛鳥と焔の言葉が忍達に活気を取り戻させ、皆が戦姫衆や妖魔達と戦うために訓練をしようと張り切る。
ジャ「そうだ、雪不帰や修羅との戦いで生き残ったあんた達なら戦姫衆も倒せるかもしれない。更にきつい修行をするから覚悟しときな! あんたたちを更に強くしてやるからね!!」
こうして忍学生達は訓練へと向かった。
ラ「さて、そろそろいいですよタイタン」
タ「かなり待ったぞ」
待っていたかのようにタイタンが現れる。
凛「何だ貴様は?」
タ「私はタイタン。そこのラギネラに頼まれて妖魔や鴇、戦姫衆らの情報を集めていたものだ~」
両「独特な話し方ですね」
タ「戦姫衆についてだが、ある街でそのメンバーと思わしき人物が活動している情報を手にした」
ジャ「早速かい!」
タ「そいつの名は…零姫。チームナンバー2の実力者だそうだな」
ラ(私らと因縁があるからあまり口にしたくないだろうな)
タ「奴は【ネオドミノシティ】の治安維持局長、ジャン・ミシェル・ロジェとつながりがあるようだ」
タイタンはネオドミノシティの資料と治安維持局長のプロフィールを取り出す。
凛「いけ好かない顔だな」
タ「奴はネオドミノシティ市長・イエーガーと同等の権力を持っている人物で、町全体の治安維持を管理している。実質の統治者ということになる」
ラ「戦姫衆は彼を利用して何か良からぬことを企んでいるのでしょうか?」
タ「奴は自身の権限で工場エリアの拡大を行っている。おそらくだが戦姫衆との接触時に何らかの契約をしたのではないかと考えられる」
ジャ「なるほどねえ、アンタよくその情報掴めたねえ」
タ「私なりにツテというものがある」
大「奴らの居場所がわかったのなら早速向かおうではないか!」
タ「待て! 今ネオドミノシティに無策に行くのはまずい!」
凛「どういうことだ?」
タ「ネオドミノシティは少々特殊な街でな」
タイタンの話によればネオドミノシティは技術が発達した近代都市であるが、中世のような階級制度が存在し、貴族などの上流階級の「トップス」と労働を行う一般市民の「コモンズ」で分かれている。2:8でトップスはわずかだがあらゆる権利を握っている。
立ち入り許可のないよそ者が入っただけで不法侵入扱いされることがあるくらいだ。
ジャ「随分時代錯誤がある街だね」
タ「ロジェが独裁的な体制を行っているからだろう。市民からは90パーセント支持されているがその支持率も怪しい。コモンズの反対派を切り捨てているのだろう」
凛「何とかしてその街に入ることはできないのか?」
タ「許可証を作れば入れるが、審査に時間がかかる。その許可証をもらえるのもネオドミノシティのトップス関係者がほとんどだから難しいだろう。だから私は独自に侵入ルートを調べていた」
タイタンは続けて街の資料を取り出した。
タ「トップスのガードは厳重だが、コモンズエリアは緩い。 外部とつなぐゲートに検問があるが賄賂を渡せば侵入を見逃すようなザル警備っぷりだ」
ラ「…」
タ「トップスエリアはコモンズエリアに囲まれるようにできている。トップスは外部に行くとき地下の移動車両かモノレールを使うがコモンズは地上のゲートだ。そこでゴミや不要物を外部の処理施設に運んでいく運搬車両が通る。その運転手に交渉してコモンズ内部まで連れて行ってもらう」
凛「侵入方法をわざわざ用意してくれてのは感謝する」
ジャ「だけどメンバーを絞っておかないと戦姫衆の動向を探る前に潰されかねないねえ。ここは慎重に行くべきだ」
こうしてタイタンから得た情報を元に戦姫衆が潜んでいるネオドミノシティへの潜入をどうするかの作戦会議が始まった。
レジェンド達と別れ自分たちのチームで話し合いをしようと思ったが
タ「それと、ラギネラ。貴様に個人的に届けるよう依頼されたものだ」
ラ「?」
タイタンから渡された手紙を確認すると住所が書かれた紙が入っていた。
要件はそこで言うということなのか。
住所に書かれた喫茶店に行くと
「お待ちしておりました。そちらに待たれている方がいます」
とウェイターに言われ案内される。
「兄ちゃん。第二の人生楽しんでいるか」
「!」
よれよれの服を着ているその老人を見て思い出した。この世界に来る前コンビニで機器の使い方がわからないから尋ねられた高齢のお客さんだ。
「まあそんな焦った顔するな。ちょいと用件があるだけだ」
老人はそう言って煙草を吸い始める。
「なあ、世界ってのはどうやって作られるか知っているか?」
「さあ?」
「案外簡単なんだよ。世界っていう概念は人の頭の中に簡単に作れる。人間ってのは不思議なもんで本一冊、遊戯一つで自分だけの世界を作れるもんだ」
「…」
「まあ、あまりに増えすぎたんだ」
「はあ」
「人間てのは頭を使って進化してきたくせに、いまだに原始的な行動から進化できない。どれほど発達しようとそのせいで理不尽ってのが生まれ、その世界に嫌気がさして世界ってのを作っちまうんだ」
「…」
「だから溢れちまった。世界だけ作られて更新されることなく忘れ去られて崩壊する世界が…。まあ、〈次元〉っていやわかるか」
「…」
「その対応としてアンタのような創造力のある人間に新たな世界を作ってもらって、受け皿になってもらうんだ。代わりに好きに生きれるための力をくれてやるがな」
「あなたは…」
「まあそれだけだ。今後そのために色んな異変があるだろうが、アンタならなんとかできるさ」
「それは随分な過大評価ですね」
「それくらいできる人間にしか転生できる権利は与えてねえよ。さて、そろそろ別の次元に行かなきゃならんから失礼する」
老人はそう言って喫茶店から去っていった。
ラ「はあ、面倒なことになりそうだ」