※この作品はR-18です。

TSアイテムで人生が変わる話   作:てぬてぬ@TSF

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シスコンショタが歳の離れた姉に憑依して彼女の婚約者と妊活えっちする話

金崎蒼佑は悩んでいた。小学校の高学年としても幼げな顔立ちにしかめ面を浮かべ、勉強机の椅子をきいきいと鳴らしながら天井を見上げている。

 

彼の悩みとは、つい先月結婚式を挙げた姉のことだ。新居に引っ越した彼女と蒼佑は10以上も歳が離れている。彼にとって、姉は第二の母親のような存在だった。好き放題に甘え、無垢な愛情を向け続けてきた。

 

「琴音お姉ちゃん・・・・・・」

 

だから、蒼佑は未だに姉・・・・・・天塚琴音の結婚を受け入れられていない。彼女がいなくなった日常はまるで大きな穴が空いたようで、味気無く色褪せたものに感じていた。

 

分かってはいる。姉と結婚した奴、天塚順一は一言で言えば「いい男」だ。琴音を心から愛し、蒼佑にも優しくしてくれている。それでも、生まれてからずっと一緒にいた姉を奪われたという気持ちは抑え切れない。だからこそ、可愛らしい顔を歪ませて悩んでいた。

 

「う、うぅ・・・・・・」

 

姉は結婚式の時、とても幸せそうだった。だから余計な手出しをしてはいけない。蒼佑は平穏な家庭環境で育まれた善性からそう思っている。邪魔者は自分なのだと。琴音の幸せを遮ってはいけないと、分かっている。

 

なのに、幼稚な心は琴音を求めていた。辛い、苦しい、耐えられない。小学生の精神では、生まれてからずっと一緒だった存在がいなくなるという現実を受け入れられないのだ。

 

彼女の新居は近所だ。行こうと思えば一人でも行ける距離。だけど、姉にはもう家庭がある。自分のいない、順一と二人きりの家庭が。心がきゅっとするような感覚を覚え、蒼佑は苦しげな溜め息を吐く。

 

「はあぁ・・・・・・最低だ、ぼく」

 

彼は、姉の結婚を素直に祝福出来ない自分が大嫌いだった。自分のことだけを考えて、勝手に辛くなっている。どうにかしたいがどうしようもない。鬱屈した感情を発散も出来ず、ただ苦しみ続けている。

 

姉に迷惑をかけたくない一心で、新居に移ってから彼女には会っていない。既に精神は限界が近く、様子のおかしさに気付いた両親に心配もされていた。このままでは駄目だ。前を向いて、先に進まないと。

 

「・・・・・・よし。大丈夫、別に琴音お姉ちゃんがいなくなるわけじゃないんだし。うん。大丈夫、大丈夫」

 

自分に言い聞かせた蒼佑は、手付かずの宿題をこなし始めた。が、その速度は遅い。どうしても姉のことを考えてしまう。結局全部終わらず、明日小学校に行ってから残りをやる羽目になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「あれ・・・・・・?こんなお店あったっけ?」

 

下校中。友達と別れた後に、蒼佑は記憶に無い建物を見つけた。夕暮れに照らされたそれは、広めの路地があったはずの場所に窮屈そうに収まっている。一部が木造で年季を感じさせる佇まいだ。

 

「えぇっと・・・・・・駄目だ、ぜんぜん読めない」

 

看板も寂れていて、どんな店なのか見当も付かない。扉には「商い中」と書かれたプレートが掛けられているので、何かを売っているとは思うが・・・・・・。姉のことで疲れていた蒼佑は目の前の店のミステリアスさにあてられたのか、ふらふらと扉に近付き開いてしまう。

 

店内に足を踏み入れると、そこは古い駄菓子屋のように見えた。蒼佑は駄菓子屋を訪れた経験は無いが、漫画やテレビでどんなものかはなんとなく知っている。色とりどりな駄菓子がずらりと並び、甘い匂いが漂ってきた。

 

「わぁ・・・・・・!」

 

目を輝かせて棚に駆け寄る蒼佑。実際に見る駄菓子は漫画や映像で見るよりも魅力的だ。奇妙なデザインだったり、どんな味なのか想像が付かないもの、やたら大きなものまで多種多様。落ち込んでいた彼の気分は、多少なりとも紛れているらしい。と、

 

「おや、お客さんかな?」

 

「ひゃっ」

 

店の奥から聞こえてきた声に悲鳴を上げて視線を向けると、レジの向こう側に着物姿の少女が佇んでいた。妖しげな笑みを顔に浮かべ、じっと蒼佑を見つめている。

 

「だ、だれ?」

 

「誰も何も、ここの店員さね。いらっしゃい、少年。どんなものをお求めかな?」

 

「え、えっと・・・・・・」

 

目の前の少女は微笑んだまま、どこか古臭い物言いで問いかけてきた。見た感じ蒼佑よりも年下に見えるのに、とても大人びた雰囲気だ。

 

「別に、たまたま入っただけで。こんな店がここにあるなんて知らなかったし」

 

「ほう、そうかい。それは嬉しいね。ここに引き寄せられたということは、少年には悩みがあると見た。どれ、よければ聞かせてくれないかい?」

 

最近の苦悩を言い当てられ、びっくりした表情を浮かべる蒼佑。が、すぐに思い直す。前に何かの本で読んだことがある。悩みは誰にでもあるもので、それなのに悩みがあると言い当ててくるのは詐欺師やインチキ占い師の手口だと。

 

「な、悩みなんて誰にでもあるじゃないか。君にだってあるでしょ、悩みくらい」

 

「ははは、それはまぁその通り。だけど、少年の悩みは根深そうだ。ふぅむ・・・・・・多分だけれど、兄弟姉妹の関係と見た」

 

「えっ」

 

内容まで言い当てた少女は、ゆったりとした動きで蒼佑に近付き顔を覗き込んでくる。くりっとした愛らしい瞳はしかし、なんとも言えない底知れなさを漂わせていた。思わず一歩後ろに下がるが、同じく一歩詰められて距離が離れない。

 

「あぁ、成程。兄弟姉妹の誰かが遠くに行ってしまったのかな。それが苦しくて仕方ないと。分かるよ、ずっと一緒にいると思っていた存在が離れていくのは悲しいものだ。心を病んでもむべなるかな、といった所だね」

 

すらすらと告げ、少女はにっこりと微笑んだ。怖い。今までに無い恐怖を味わい、蒼佑は青ざめ震え始める。なんで全て知っているのか。まさか心を読まれているのか。自分よりも幼いはずの、得体の知れない少女が言葉を続ける。

 

「それならこの辺りがよさそうかな。さて少年、ここは駄菓子屋だ。一つ、進めたい駄菓子があるんだが・・・・・・買う気はあるかい?」

 

───結局。少女の圧に押し切られた蒼佑は、数百円の駄菓子を購入した後逃げるように店を後にした。駆け足で家まで帰り、母親の声を聞き流して自分の部屋に逃げ込む。ランドセルを下ろしてからベッドに倒れ込み、荒れる息をなんとか整えた。

 

「はっ、はぁ、ふぅ・・・・・・」

 

さっきの出来事は何だったのだろう。起きたまま悪夢でも見たのだろうか。しかし、まさぐったポケットには確かに駄菓子が入っていた。ぐしゃぐしゃになったレシートと一緒に。

 

「やっぱり、夢じゃなかったんだ」

 

こぶし大の紙箱には錠剤のようなお菓子が描かれている。開けてみると、実際の薬と同じくシートのようなものに包装されたラムネ菓子が確認出来た。コンビニで似たようなお菓子を買って食べたのを思い出す蒼佑だが、記憶の中のそれと比べてやや小さい。

 

色も白ではなく、うっすらとピンクっぽい色をしていた。紙箱によるとピーチ味らしい。じっとラムネ菓子を見つけた後、少女が言っていたことを思い出す。

 

「眠る前に、これを一錠食べるといい。きっと会いたい人の所に行けるはずさ」

 

荒唐無稽な話だ。そもそも駄菓子にそんな力は無い。もしかしたら、危ない薬物なのかも。ゾッとした蒼佑はラムネ菓子を紙箱ごと放り投げた。壁に当たり、軽い音を立てて床に落ちる。さっきのことは忘れよう。そう自分に言い聞かせベッドから起き上がった。今日こそ早めに宿題を済ませないと。母親から夕飯に呼ばれるまで、さっきの記憶を押しやるように宿題に没頭し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

「ふー・・・・・・」

 

夕飯やお風呂を済ませ、宿題もきっちりと終わらせた蒼佑はぐいっと伸びをして声を漏らす。丁度いい時間だ。そろそろ寝よう。そう思って机から立ち上がると、視界の隅に例の紙箱が映った。

 

「・・・・・・いや、嘘に決まってるし」

 

眠る前に一錠食べると、会いたい人の所に行ける。少女は確かにそう言っていた。信じられないという気持ちと、もしかしたらという気持ちが湧いてくる。いや、そんな得体の知れないものを食べるわけには。しかし。でも。

 

「うぅん・・・・・・どうしよう」

 

葛藤の末、蒼佑は紙箱を拾い上げた。姉に会える。それは彼にとって抗いがたい誘惑だ。このラムネ菓子を食べずとも、直接会いに行けばいい話ではあるが・・・・・・。元々そんな勇気が出せなかったから今に至っている。

 

妖しげな少女から購入した怪しげな菓子は、もしかしたら全てを解決してくれるかもしれない。もしなんの効果も無いならよし。何かあったとしたらあの店を訴えてやる。子供らしからぬスレた思考で、蒼佑はシートからラムネ菓子を取り出した。

 

「ん、んん。味は普通だ。あ、でもちょっとミントっぽい」

 

恐る恐る口に含んで舐めてみると、予想以上に安っぽい味だ。ピーチの風味も確かにするが、ミントの風味の方が強い。そんな風に味わっていると、ラムネ菓子は蒼佑の口内ですぐに溶け、形を失い消えていった。そして、そこから何も起きない。口の中の味が無くなるように何度唾を呑み込んでも、なんの変化も無いのだ。

 

「・・・・・・やっぱり嘘だった。せっかく買ったのに」

 

つまらなそうに呟き、蒼佑はベッドに寝転がり毛布に潜り込む。今度あの店に文句を言いに行ってやろう。そんなことを考えながら目を閉じた。本当はお菓子を食べたからもう一度歯磨きをしないといけないが、今更洗面所に行くのは面倒だ。このまま寝てしまおう。

 

そのまま眠ろうとする彼は、己の感情に気付いていなかった。何も起きなかったのを安堵しているということに。徐々に睡魔が忍び寄り、微睡み始める頃。蒼佑は奇妙な浮遊感を覚えたが、眠気に押されそのまま意識を手放した。自分に起きていることを理解しないままに。

 

 

 

 

 

 

 

「っつぅ!?」

 

急な衝撃をお尻に感じ、蒼佑は意識を浮上させた。慌てて辺りを見渡すとそこは知らない部屋。寝室なのか、大きめのベッドが二つ並んでいる。他にある棚や照明、壁紙のどれもが新品のようだ。

 

「え、あ、えぇ?どこ、ここ・・・・・・?」

 

反射的に立ち上がろうとするが、足がもつれて上手くいかない。視線を足元に落とすと、何故か長いスカートのような衣服が見えた。蒼佑が寝る前に来ていたパジャマとは明らかに違う。それに声も変だった。いつもの自分のものとは違う、甘さを感じる声。

 

「あ、あれ?」

 

自分が着ている衣服を確認するが、おかしなことに気付いた。手足が長い。それに、胸元が膨らんでいる。何かがおかしい。寝る前とは違い、まるで体が別人のものになっているような違和感。何も分からず混乱していると、部屋の扉が誰かによって開いた。

 

「大丈夫か?何か物音がしたけど・・・・・・」

 

姿を現したのは蒼佑も知っている男。愛しい姉と結婚式を挙げた、天塚順一だ。風呂上りなのか、パンツ一丁の体にタオルを肩掛けしている。姉を奪った憎むべき相手が何故ここに?順一は蒼佑の元に歩いてくると、心配そうな表情を浮かべたまま手を差し出してきた。

 

訳の分からないままその手を取り、体を支えられながら立ち上がる。と、またしても奇妙なことに気付いた。視点が高い。蒼佑はまだ小柄で、順一とはかなりの身長差があったはず。それなのに、立ち上がってみると彼の肩辺りまで視点が上がっていたのだ。

 

「そんなに見つめられるとちょっと照れるな。ほら、座って」

 

じろじろと視点の違いを確認していると、順一は何を勘違いしたのか頬を赤らめながら蒼佑をベッドに座るよう促してきた。本当に訳が分からない。

 

「えっと、その」

 

ここはどこなのか。自分はどうなっているのか。聞かないといけないのに、上手く言葉が出てこなかった。仕方がないので蒼佑は順一を睨みつける。上目遣いのそれに、彼の頬はさらに紅潮した。どうしてなのか、今の蒼佑には分からない。

 

「あー・・・・・・。誘ってるんだよな、うん。流石の俺も遠慮出来ないぞ」

 

ブツブツと呟いて、順一は意を決したように蒼佑へ顔を近づけた。そして、

 

「んむっ!?」

 

二人の唇が重なり合う。突然のことに思考が停止し、蒼佑はされるがままにベッドへと押し倒された。キスの音が脳内に響き、全身が熱くなっていく。押しのけようにも力が入らない。

 

「んちゅ、ふっ、んんん・・・・・・!」

 

順一の舌が口内に侵入し自身の舌と絡まり合う。経験も知識も無い蒼佑は、何をされているのかも分からなかった。気付けば上着が脱がされ、膨らんでいた胸元が露わになっている。おかしい。絶対におかしい。心の内の何かが警鐘を鳴らしていても、蒼佑は抵抗出来ないままだ。

 

露わになった二つの丸み、それを支えていた下着も取り除かれる。ここでようやく唇を解放されたが、蒼佑には何かを言う気力は残っていなかった。熱い息を吐き、目の前の順一を見つめる。姉である琴音を奪った男のはずなのに、どうして心臓が高鳴ってしまうのだろう。

 

「琴音・・・・・・」

 

姉の名を呼び、順一が再び覆いかぶさってくる。蒼佑を優しく抱き締めながら、首筋や肩口にキスを繰り返した。その度に体が震え、悦んでいるのが分かる。気持ちいい。未知の快感を前に、幼い心はもう限界を超えていた。

 

自分から求めるように順一を抱き返し、快感に身を任せる蒼佑。混乱も、疑問も、目的も。何もかもが溶け落ちて流されていく。

 

「なぁ。俺の、頼めるか?」

 

ひとしきり体へのキスを受けた後、ぐったりと横たわっている蒼佑の口元に順一が男性器を近付けた。精通も迎えていない蒼佑のものとはまるで違う。

 

「これ、おちんちん・・・・・・?」

 

「ははっ、今まで何度も見てるじゃないか。なんか、今日の琴音は雰囲気が幼いよな」

 

おっかなびっくり手を伸ばし触ってみると、熱と脈動が感じられた。亀頭は皮を被っておらず、その下の部分には血管が浮き上がっている。初めて見る形だ。蒼佑のものはここまで大きくないし、ここまでごつごつもしていない。

 

初めて見るシルエットのそれは、何故か触っているだけで体が熱くなってくる。下腹部からじんわりと熱が広がり、その熱が脳を蕩けさせているかのようだ。先端から溢れる液体はべたべたとしていて、微かにすえた匂いが感じられる。

 

「本当に今日はどうしたんだ?いつもならすぐに咥えてくれるのに」

 

たどたどしい手つきに焦れたのか、苦笑しながら言う順一。その言葉に蒼佑はぼんやりと彼の顔を見上げた。咥える・・・・・・目の前の、これを?男性器を口に含むなんて、性知識に乏しい蒼佑には考えられない発想だ。

 

しかし、肉体がそれを欲してくる。舐めたい。むしゃぶりつきたい。本能的な欲求に抗う余裕も無く、蒼佑は舌を伸ばして亀頭の部分を舐め取った。弾力と固さ、熱さ、そして少しのしょっぱさを感じる。

 

「ん、あーむっ」

 

「っく」

 

大きく口を開けて亀頭を呑み込むと、順一が呻き声を漏らした。上目遣いで確認すると表情が歪んでいる。痛いのだろうか?いや、違う。きっと気持ちいいのだ。どうやら、男性器を刺激されると快感を覚えるらしい。

 

彼が気持ちよくなっているという事実に、何故か嬉しくなってしまう。心がぽかぽかと暖かくなり、もっと気持ちよくなってほしいと口の動きを早めた。前後にしゃぶりつきつつ、舌で様々な箇所を刺激する。蒼佑にとっては初めての経験なのに、まるで何度もやったことがあるかのように手慣れた動きだ。

 

ぐぽぐぽという卑猥な音が辺りに響き、合間に順一の押し殺した声が混ざる。どうして自分は姉の婚約者の男性器を舐めているのか。当然浮かぶはずの疑問は、既にどこかへと吹き飛んでしまっている。蒼佑は熱心に、あるいは熱に浮かされたように男性器をしゃぶり続けた。それがフェラチオと呼ばれる行為だと知らないままに。

 

「琴音、そろそろっ・・・・・・!」

 

切羽詰まった順一の声。それが示すことを蒼佑は理解出来ない。ただ、口の中の男性器が一層固さと大きさを増したのは感じていた。口の動きを止めないまま、より深くまで咥え込んだ瞬間。男性器の先端から凄い勢いで粘液が噴き出す。

 

「んんんぅっ!?」

 

喉奥を叩く大量の粘液を、溺れないように飲み下す蒼佑。むせそうになるのを堪え、むしろもっと欲するかのように吸い付いた。粘液はしょっぱくて苦い。とても美味しいとは言えないものなのに、味覚がおかしくなったのかもっと飲みたいと感じている。

 

「ん、ごくっ、んぐっ」

 

どくどくと注がれ続け、そしてその全てを飲み切ってしまった。粘液を飲んだからだろうか、全身の熱さが増している。特に下腹部が疼いて仕方がない、蒼佑は男性器から口を離し、順一の顔を見上げた。この疼きを止めてくれるのはこの男だと、肉体が訴えかけてくる。

 

「琴音、君は・・・・・・あぁもう、いつも無理に飲まなくていいって言ってるのに。可愛いなぁ」

 

大きな手で頭を撫でられると、嬉しさと安心感が胸の内に広がった。もっと撫でてほしい。もっと触れてほしい。蒼佑は肉体の感覚に抗えず、煽情的かつ媚びたような笑みを浮かべてしまう。その表情が刺さったのか、順一の男性器が再び膨らみ始めた。

 

「・・・・・・よし。さっき話した通り、もうコンドームは付けないぞ。いいよな、琴音」

 

言葉の意味は分からなかったが、蒼佑は流されるままに頷く。それがいわゆる子作りの同意だとは気付いてもいない。順一は照れ臭そうに微笑んだ後、ベッドの中央に移動し蒼佑に覆いかぶさった。二人の顔が近付き、再び唇が重なり合う。

 

「ちゅ、んむ・・・・・・」

 

自分から舌を伸ばし、順一の舌と絡め合う。溢れる唾液を送り込み、また相手の唾液を飲み下す。濃厚なディープキスを交わしながら、蒼佑は股間の辺りに何かが押し当てられていることに気付いた。熱く固いそれは、先程まで夢中でしゃぶっていた男性器だろう。

 

何か、いけないことをしているような気がする。僅かばかり残った理性が警鐘を鳴らしてくるが、その程度ではもう踏み止まれない。蒼佑は大きく股を開き、受け入れる体勢を取った。そこは既にどろどろで、順一はそのまま腰を押し進める。

 

「っつあぁぁっ!」

 

蒼佑の口から一際鋭い嬌声が漏れ、ベッドの上でのけぞった。脳がバチバチとスパークし、全身を快感が駆け巡る。精神的には初めての体験は、しかし肉体にとって慣れ親しんだものだった。順一のものを容易く呑み込んだ股間が蠢き、双方に甘美な刺激を与える。

 

自分の中に男性器が、おちんちんが入っているという実感。どこに入っているかも分からないが、とにかく気持ちよくて仕方がない。あるべき所にあるべきものが収まったような感覚は、多幸感と共に蒼佑の心をぐちゃぐちゃに溶かしてしまった。

 

「はぁっ、ぅんんんっ、あはっ!」

 

女性の性感に振り回され嬌声を上げる。普段よりもあられもない様子に、順一の興奮も際限無く増していった。力強く腰を押し付け、奥の奥まで擦り抉っていく。その度に蒼佑の体は跳ね、震え、更なる嬌声が部屋に響いた。

 

「っふぅっあぁぁっ!!」

 

気持ちよすぎて苦しい。心臓が爆発して、体がバラバラになってしまいそうだ。挿入によって与えられる快感は絶大で、蒼佑の心、その全てを埋め尽くしている。赤子のように泣き叫んでいるのに、しかし表情はうっとりと蕩けていた。体が子を孕みたがっている。

 

「あぐっ、だめっ、だめぇっ!!むりだからっううああぁぁっ!」

 

発情し切った顔での嘆願は、順一の心を煽るだけだった。嬌声をキスで塞ぎ、豊満な胸を揉みしだく。いつもよりも幼げで、いつも以上に感じてくれている愛する妻。中身が別人だとは気付かないまま、愛情と本能、情欲に突き動かされ腰を振り続けた。

 

「っ出すぞ、奥に!」

 

蒼佑の唇から己の唇を離し、妻を抱き締めて順一が叫ぶ。こみ上げてきたものはもう止まらない。息も絶え絶えの蒼佑は何を言われているか分からず、身を震わせ声を漏らすだけだ。男性器の根本がぷくりと膨らみ、精液が駆け上がっていく。

 

「っっっ!!??」

 

体の中の奥に熱いものがぶちまけられた瞬間、今までとはまた違う感覚が蒼佑を襲った。満ち足りた幸福感や凄まじい快感はそのままに、何か別の気持ちが湧いてくる。燃え盛るような熱ではない、穏やかで暖かい感覚だ。

 

「うあっんんっくうぅっ!!?」

 

初めての絶頂を味わいながらも、その感覚は体の奥底で蠢いている。視界が真っ白になり、全身が跳ねて。快感の奔流に呑まれているのに、穏やかな気分になってしまうのは何故だろう?何かを慈しみたくなるような、本能的かつ根源的な欲求。蒼佑は知らない。それが母性だということを。

 

奥に放たれた精液は胎内に飲み込まれ、腰を引いた時もあまり零れてこなかった。荒い息を吐く順一が目をやると、蒼佑は半分意識を失った状態で笑みを浮かべている。煽情的な姿に思わず息を飲み、大量に射精したばかりの男性器が反応した。

 

順一も琴音の様子がおかしいことは分かっている。いつもよりも幼げな雰囲気で、発する言葉も極端に少ない。やはり、直前に子作りの約束を取り決めたのが影響しているのだろうか。いずれにせよ、初心な反応を受けて今回は燃え上がってしまった。

 

普段はおしとやかで控えめな琴音が、普段からは想像もつかない程乱れている。その事実に二度射精した男性器が膨らみ固くなった。彼女の腰を両手で持ち上げ、ぐずぐずにほぐれたそこに再び挿入する。

 

「っああぁ!?」

 

意識を失いかけていた蒼佑が目を覚ました。精液を飲み干したばかりの子宮口を押され、疲れ切った喉から何度目になるか分からない嬌声が漏れる。絶頂の余韻が残る体は酷く敏感で、母性に呑まれていた蒼佑の心を焼き焦がした。

 

「えっはっんんんっ!!?」

 

何が起こったのか理解出来ずベッドの上で悶えるが、腰を押さえられている為逃げられない。とっくに限界を迎えているのに与え続けられる快感に、最早半狂乱と言ってもいい精神状態に追い込まれている。

 

それでも順一の腰は止まらない。愛する妻との子供を授かる為、もう一度子種を注ぎこもうと奮闘していた。結果、蒼佑は異性の快感に溺れてもがくことしか出来ない。そんな様子すら愛おしく感じ、順一は腰の動きをどんどん早めていった。

 

「いっああっくぅぅっ!だぁっめぇ!?」

 

あれ程の量を飲み干した子宮が、しかし更なる子種を求めて疼きを増す。心と体がドロドロに混ざり合って、与えられる快感と湧き上がる母性のままに悶え続けた。もう、自分が誰かも分からない。ただただ気持ちよくて愛おしい。津波のような感情に蒼佑の自我が流されていく。

 

そして。二度目に注がれて絶頂した瞬間、蒼佑は突如として浮遊感を覚えた。さっきまでの快感も、母性も、どこか遠くに離れていく。いや、違う。自分が離れているんだ。気付けば彼は事後の二人を見下ろしていた。

 

ぐったりとして意識を失っている琴音に、精を注ぎ尽くして荒い息を吐いている順一。なんの疑問も抱かないまま、蒼佑はただ羨ましく感じてしまう。さっきの出来事をまた経験したい。琴音の体に憑依していた事実にも気付かずに、決して届かない手を伸ばした。

 

意識が薄れて消える直前。最後に見えたのは、二人が唇を重ねる所だった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・あ、なんか動いてる」

 

「でしょう?この中に赤ちゃんがいるの。ふふ、今日も元気いっぱいみたいね」

 

半年後。天塚夫妻の家を訪れてた蒼佑は、姉である琴音のお腹に耳を当てていた。胎児は健やかに育っているようで、彼女のお腹は目に見えて膨らんできている。胎動を感じながら、何故か蒼佑は頬を赤らめていた。

 

あの日経験した異性の快感と、赤子を孕む母親としての母性。それらを自覚したのは、例の駄菓子屋の少女に教えられてからだった。

 

『会いたい人の所に行けただろう?まぁ、本人に乗り移ってしまうのだけれどね。さて、それじゃあ保健体育の授業といこうか』

 

あの時の自分は、順一の妻である琴音として抱かれたのだ。それも子供を授かる為に。真実を知り、蒼佑は無性に顔が熱くなるのを感じた。信じられない。そんなことあるわけが無い。そう思おうにも、琴音としての性行為は彼の魂に深く刻まれてしまっている。

 

『それで、どうする?君が望むのなら、同じ菓子を売ってあげるよ』

 

悪魔のように囁き、少女はにっこりと微笑んだ。また、姉になって順一に抱かれることが出来る。その誘惑は耐え難く、蒼佑は再びラムネ菓子を買ってしまう。そして、琴音の妊娠が発覚するまで、日を置きつつ何度も彼女に憑依し抱かれ続けていた。

 

幸い、琴音は性行為の記憶が無いことに疑問を覚えつつも事実には気付いていない。気持ちよすぎて記憶が飛んだのだろうと解釈しているようだ。そもそも、弟に憑依され体を使われているなど思いもしないだろう。

 

妊娠が分かってからは夫婦の営みも控えめになっている為、蒼佑が憑依する頻度も下がっている。しかし、0にはなっていない。今、膨らんだお腹に耳を当てて感じている胎動さえ、つい先日琴音の体で直接感じていた。

 

「琴音お姉ちゃん、順一さん。もう名前は決まっているの?」

 

お腹から耳を離し、二人に問いかける。琴音のことは今でも大好きだが、何度も抱かれる内に順一への好意も増していった。あれ程思い悩んでいたのが嘘のようだ。

 

「そうねぇ、色々と候補はあるけれど・・・・・・」

 

「まだ決まってはいないかな。そうだ、蒼佑君。よければ君の意見も聞かせてくれないか?」

 

「い、いいんですか?」

 

順一に提案され、頬を赤らめながら言葉を返す蒼佑。今琴音の胎内にいる赤子は、もしかしたら蒼佑が乗り移っていた時に孕んだ子かもしれない。そうなると自分が母親ということになるのか。飛躍する思考を止める気も無く、琴音のお腹を愛おしげに撫でた。

 

二人と生まれてくる子の名前を考えながら、蒼佑は幸せそうに微笑む。その表情は年相応に純真で、しかしどこか女性的な雰囲気も漂わせていた。彼は思う。今日の夜、またラムネ菓子を食べよう。そして、もう一度琴音の体で赤子の存在を感じよう、と。

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