今回はエロ少なめ、シリアス多めです。
追記
1~3話の後書きにアンケートを載せてみました。
宜しければ是非。
あれから一体どれくらいの時が経ったのだろうか。俺はそんな事を考えながら一心不乱に腰を振り続ける。アイズは四つん這いになり、後ろから突かれる度に甘い声を上げる。
その表情には苦痛の色はなく、むしろ悦びに満ちていた。俺はアイズの背中に手を当て、そこに舌を這わせる。その刺激にすら感じているのか、アイズはビクンッと身体を震わせた。
あの後、何度も交わり続けたアイズの腹の中はお互いの体液で満たされ、動く度にそれが掻き混ぜられるような感覚があった。結合部は既にドロドロになっており、アイズが腰を振る度に溢れ出るほどである。
それでも尚、俺達は互いに求め合い、幾度となく絶頂を迎えた。俺の体力はペニス共々限界に近かったが、アイズは俺に休憩なんてさせまいと言わんばかりに、今度は俺の上に跨るとそのまま挿入して動き出した。
「はぁ……はぁ……ねぇ、もっとぉ……!もっともっとちょうだい……!」
普段は決して見せる事のない表情をしたアイズは蕩けた顔で懇願してくる。いつもの凛としたアイズはもう何処にもいない。そこにいるのはアンアンと喘ぐ、快楽に溺れまくる1匹の雌だった。
俺はアイズの要求に応えるべく、下から突き上げるように激しく動いた。パンッ、パァンッという卑しい音と共に肉同士がぶつかり合う。
アイズは獣のような叫びを上げながら、より強い快感を得ようと必死になっている。俺もまた、強烈な締め付けによって精子が込み上げてくるのが分かった。
「あぁっ……イイっ……そこ好きぃ……!」
アイズは一際大きな声で喘ぐ。どうやらGスポットに当たったようだ。俺はその場所を重点的に攻め立てると、アイズは嬉しそうな声で叫んだ。
「ああぁっ!!イクゥウウッ!!」
アイズは盛大に達し、それと同時に膣内が激しく収縮する。それによって俺も絶頂を迎えそうになり何とか堪える事が出来たが、アイズがそれを許さなかった。ペロリと舌なめずりをしながら更に腰の動きを早めていく。
「ああ……だめぇ……私だけなんて嫌だぁ……一緒にイキたい……だから早く出して……」
甘えるような声でおねだりしてきたアイズの姿を見た俺はゾクッとすると同時に興奮を覚え、一気に射精感が高まる。そして遂に我慢の限界が訪れた。俺はアイズの一番奥まで挿入すると、そのまま欲望を解き放った。
「ふああぁぁああぁぁっ!」
同時にアイズも達し、身体を大きく仰け反らせながら痙攣しているが、それだけでは終わらなかった。アイズはまるで搾り取るかのようにギューッと強く締め付けてきたのだ。それにより残っていた精液が意識ごと全て持っていかれそうになる。
「あっ……出てる……熱いのいっぱい……幸せ……」
涙と涎を垂らしながらうわ言のように呟くアイズは、程なくして力なく俺の上に倒れ込んだ。どうやら気絶してしまったようだ。俺は辛うじてそれを受け止めると、優しく頭を撫でる。
こうして見るとまるで恋人同士のように見えるが、実際はそうではない。まあ所謂セフレっていう奴であり、いつの間にかこういう関係になっていた。何故こうなったのかは自分でも明確には分からないが、気付いた時にはこういう関係になってたって感じだった。
恐らくだが、お互い小さい頃に親を亡くした影響で人一倍人肌が恋しかったのだろう。それ故にこうなったのは必然だと思っている。ただそれだけの事だ。それ以上の感情はない…はずだ……。俺は自分に言い聞かせるように心の中で呟いていた。しかし何故か胸の奥がチクリと痛む。この痛みの正体が何なのかは分からなかった。
俺はアイズの髪を軽く整えてから、ゆっくりと引き抜く。アイズの秘所からは収まり切らなかった精液がゴポリと溢れ出し、その光景を見て再び劣情を催すが、流石にこれ以上はまずいと思い自重する。俺は気絶したアイズを背負いながら覚束ない足取りでテントへと向かった。
◇ ◇ ◇
スゥスゥ、と可愛らしい寝息を立てるアイズをこうして背負うのは久しぶりだ。確か初めて2人で階層主を倒した時以来だろうか? あの時は今よりも背が低く、まだ幼さが残る顔立ちしていたアイズだったが、今ではすっかり大人っぽくなり美しい女性へと成長していた。
俺の背中に当たる柔らかい膨らみも昔と比べて遥かに大きくなり、今は服越しでもハッキリとその形が分かる程である。
ふと思うが【ロキ・ファミリア】は美人かつ胸の大きい女性団員が多い気がする。特にティオネとアリシア……あとはリヴェリアもそうだ。多分、冒険者の中ではトップクラスの美形集団だと思う。
それに次々と入団してくる新人冒険者も皆美形揃いで、ロキのセンスには毎度の事驚かさせる。そんな事を考えながら歩いていると、アイズが身じろぎをするのを感じた。
「…んん」
どうやら目が覚めたらしい。眠たげな声を出しながら俺の首に手を回して抱きついてきた。密着度が増し、柔らかさと温かさを感じると共に良い匂いが鼻腔を刺激する。
「…ケイ…ここは?」
アイズはボーッとした様子で尋ねてくるが、意識がまだはっきりしていない様子だ。無理もない。未知のモンスターの攻撃を受けた上にあれだけ激しい行為に及んだのだから、疲れ果てていて当然だ。俺はアイズに現状を説明しつつ、なるべく刺激を与えないように注意しながら歩き続ける。
「そう…だったんだ……」
アイズはそう言うと、俺の背中に顔を埋めた。少し恥ずかしがっているのかもしれない。俺はアイズに気付かれないように小さく笑った後、言葉を続けた。アイズは俺の話に時折相槌を打っていたが、聞いている内に少しずつ思い出してきたようで、口数が段々と少なくなってきた。
そして話し終える頃には一言も発しなくなってしまった。気まずい空気が流れる中、暫くの間俺はアイズを背負いながら無言のまま歩いていたが、アイズが口を開く事で沈黙を破った。
「ねえ、ケイ……」
アイズは消え入りそうな声で囁く。何か言いたい事があるのだろうが、中々切り出せないといった感じだ。俺は敢えて何も言わずにアイズの言葉を待つ事にしたが、アイズの様子がおかしい事に俺は疑問に思った。やがてアイズはポツポツと小さな声で語り始めた。
「私ね……ずっと怖かった。誰かを好きになる事が…」
突然の告白に一度足を止めそうになる。アイズの表情とその言葉の真意は分からなかったが、その声色から彼女がどんな心境でそう言ったのかだけは分かった。だからこそ俺は何も言わず、ただ静かに聞き入っていた。
「私達は冒険者、いつ死ぬかさえ分からない……明日を無事に迎えられる保証なんて何処にも無い存在。だから私は今まで誰も好きにならないよう、誰とも深い仲にはならないようにしてた。そうすれば辛い思いをする事なんてないし、きっといつかはこの気持ちも忘れる事ができると思ったから。何より私はもう、あのような思いをしたくないから…」
恐らく、あのような思いとは愛する両親を眼の前で失った時の事を言っているのだろう。俺はその当時の事をフィン達からかじった程度しか聞いていないが、アイズにとってそれはとても辛く悲しい出来事だった事は容易に想像出来る。
そして、それからのアイズの生活は性格と共に一変したという。毎日のようにダンジョンでモンスターを狩り続け、強さを求めてひたすら突き進んだ。【復讐姫】という、まさにその時のアイズの心境を具現化した様なスキルを発現させてまで戦った。
その結果、アイズはレベル6という高みにまで上り詰めたが、そこまでしても尚、アイズの心は満たされる事はなかった。そして、いつしかアイズは強くなればなるほど、心のどこかで渇望するようになったのだ。
『もっと強くなりたい』と…しかしいくら強くなっても決して満たす事の出来ない飢え。それがアイズを苦しめ続けた。だがアイズは諦めなかった。必死に強くなろうと努力し続けた。
だがアイズが求めているものは一向に手に入らない。そんな日々が続く中で、アイズの心は次第に疲弊していった。だからアイズは『依存』という名の安らぎを求めたのだろう。その結果がこれだ。
俺はアイズに掛けるべき言葉を探そうとしたが、結局見つからず口を閉ざした。今のアイズは弱々しくて、触れたら壊れてしまいそうだから。
「でも、ケイは違った。ケイと一緒に居るだけで幸せな気持ちになった。他の人じゃ駄目だった。ケイじゃないと嫌だった。私はそれが分かった時、初めて自分がケイの事が好きなんだって分かった。その時は凄く嬉しかったけど、同時に不安にもなった。この幸せはいつまで続くのかって。こんな幸せは、長く続かないんじゃないかって……」
アイズはそこで一旦言葉を区切ると、ギュッと俺を強く抱きしめる力を強めた。俺は無言のまま話を聞き続ける。
「だからね、初めてケイと結ばれた時は本当に幸せだった。ケイと一つになれたって思う度に胸の奥が熱くなった。ようやく私だけの『英雄』を見つけられたんだなって…本当にそう思った。」
アイズの口調は段々と弱々しくなっていき、それと同時に背中が湿っていくのを感じた。そう。アイズは泣いていた。嗚咽混じりの声で泣きながら俺に想いを伝えていた。
俺はアイズの告白に対して何も言う事なく、ただ黙って聞いていた。アイズが何故泣いているのか分からない程馬鹿ではなかったが、それでも何も言わなかった。
「…だから…お願い、ケイ。いつまでも傍にいて。これから先、例えどんなに苦しい事があったとしても、私は決して諦めない。貴方と一緒なら、きっと乗り越えられると思うから……。だから、どうか離れないで……。私を置いていかないで……。もう、1人は……嫌だ……」
アイズの声は震えていた。アイズの小さな嗚咽が聞こえ、俺の首元に涙が滴り落ちる。アイズは泣きながら懇願するように言葉を紡いだ。その声は悲痛なまでに切実で、聞いているだけで胸が締め付けられるような感覚に襲われる。
俺は無言のまま歩き続け、アイズもそれ以上何も言わなかった。ただ、首元にかかるアイズの小さな息遣いだけがやけに大きく聞こえた。
やがて、アイズは再び眠りについた。背中に感じる温もりと、微かな寝息を感じながら俺はテントへと急ぐ。幸いモンスターは一匹も現れなかった為、無事テントまでたどり着く事ができた。
俺はアイズをそっと簡易ベッドに寝かせる。目の周りを赤くしたアイズに起きる気配はなく、そのままスヤスヤと眠っていた。俺はその様子に安堵し、その場を後にした。
アイズを起こさないように静かにテントを出た後、俺は焚き火の前で広大なダンジョンを見上げていた。俺は今、何をすべきなのか、アイズが俺に伝えてくれた言葉の意味を考える。アイズは今まで誰とも深い関係になる事を拒んでいた。その彼女が初めて俺を求めてきた。
俺と結ばれ、心の底から幸せだと口にしてくれた。そして、俺にずっと一緒にいて欲しいと言ってくれた。嬉しかった…が、俺の心の中は曇天のように暗かった。理由は分かっている。俺の胸に去来する感情。それは後悔だった。
正直、アイズがここまで思い詰めているとは思わなかった。いや、薄々感づいていたのかもしれない。アイズの様子は明らかにおかしかった。まるで何かに怯えているかのように。
恐らくアイズは何かしらの理由で自分を恐れているのだろう。そして、その原因を作ったのは間違いなくあの時の出来事だ。アイズをあそこまで追い詰めてしまったのは他ならぬ俺なのだ。
だからこそ俺は自分の愚かさを呪った。俺はアイズと向き合うべきだったのだ。彼女の本当の気持ちを知る為にも。そして、俺の本心をアイズに伝えるためにも。しかし、現実は非情である。
アイズを救えなかったばかりか、アイズの心の傷を更に広げてしまう結果になってしまった。俺はアイズを守れないどころか、アイズを苦しめる原因を作ってしまったのだ。
思わず自嘲的な笑みを浮かべる。アイズを守ると誓ったはずなのに、結局アイズを苦しめる要因を作り出したのは紛れもない自分自身だという事に。ふと視線を落とすと、いつの間にか握りしめていた拳から血が流れていた。どうやら爪が食い込んで出血してしまったようだ。
俺は苦笑いしながら指を開いていく。すると、掌には無数の引っ掻き傷が出来ており、皮膚が破れて鮮血が流れ出していた。
俺は溜息をつく。どうすればいいのだろうか。アイズの気持ちは分かった。アイズの想いの強さを知った。だが、今の俺はアイズの為に何が出来るのだろう。どうしてもこれ以上踏み出す事が出来ない。アイズの気持ちを知りながらも、未だに踏ん切りをつける事が出来ない自分に腹が立つ。
この期に及んでまだ俺は迷っている。そんな自分が酷く醜く見えた。眼の前にパチパチと揺らめく炎がまるで俺の迷いを表しているようだった。
次回で一旦アイズ編は終わりです。
最後はちゃんとイチャラブしますのでご安心を。