本格的な侵略が始まった当日。
その時に見えた俺の感想は思わず目を見開いてしまう。
理由としては、ベルベットの戦闘能力は、俺が考えていた以上に高くなっていた。
「これは、凄まじいねぇ」
そう、ウルティマが言うのも無理はなかった。
王国からの刺客だと思われる連中と共に俺の元クラスメイトである転移者も混じっている。
そのクラスメイトはどうやら水を操る事ができるらしく、先程から水を使って、様々な攻撃をベルベットに向けて行っていた。
だが
「どっどうなっているんだよっ!!」
ベルベットに攻撃が当たる事はなかった。
というよりも、ほとんどの攻撃がベルベットに当たる事はなかった。
それは彼女の身体から発している黒い炎が影響しているのか、攻撃を全て燃やしていた。
まさに業火と言う言葉で間違いないだろう。
「まさか、これ程までとはね」
そう、ベルベット本人も驚きながらも、その手を真っ直ぐと王国の兵士に向けて、開く。
同時に、手の平から炎を放射した。
そしてそのまま、王国の兵士達に向かって放たれた炎は彼らを包み込んだ。
「あぁ……熱いぃいい!! 助けてくれぇええ!!!!」
そんな声を聞きながら俺は、ベルベットに目を向ける。
「ベルベット」
「分かっているわよ。
殺しはしないわよ」
彼女は俺の言葉に答えてから、再び炎を放つ。
クラスメイトの奴もすぐに水を出して、消火しようとするが、やはり効果はないようだ。
そして、ベルベットの攻撃が終わった時には、既にクラスメイトの姿はなく、地面に横たわる王国の兵士しかいなかった。
それを確認した後で、ベルベットは再び歩き出す。
しかし、その表情には若干の疲労が見られた。
それもそうだろ。
「これ、結構面倒ね。
確かに、劇的なパワーアップは行えるけど、疲労もかなりあるわね」
そう言いながら、ベルベットは自身の手を見ながら言った。
彼女の言葉通り、今のベルベットはかなり疲れていた。
「大丈夫か」
「平気よ。
まぁ」
そう言いながら、ベルベットはそのまま俺を引き寄せる。
「あんたの膝で、しばらく寝かして」
「うわっと」
その言葉と共に、ベルベットは俺の胸に顔を埋めていた。
「うわぁ、この子、大胆過ぎるでしょ」
ウルティマの言葉に、俺も同感だった。
何せ、いきなり胸に飛び込んできたんだからな。
しかも、抱きつくように。
さすがにこれは予想外過ぎて反応が遅れてしまった。
「まぁ、とりあえずはこれで目的はなんとかできそうね」
そう、ウルティマは笑みを浮かべながら言う。
「さて、どうなるか」