王国に対抗する為、俺達が次に向かう目的地。
それは武国である。
そこは、これまで常識的だった魔法などの技術は他の国に比べたらあまり発展していない。
その代わり、数々の武術が発展し、武器などの開発が盛んだと言われている。
そして、その国の王族は、代々武術家として名を残しているらしい。
そんな国に行こうと思った理由もまた、同盟を結び、王国に対抗する為だ。
「それにしても、3人旅か」
「何、嫌なの」
俺の一言を聞いてか、ベルベットは不満そうに俺を睨む。
「そんな事ないよ、ベルベットには今まで助けて貰ったし、不満はないよ。
ただ、他の皆に申し訳ないような気がして」
「あんたは、別に気にする必要はないわ。
それに、あの中で多分、一番暇なのは私達ぐらいだから」
「うっ、そう言われると、否定できない」
実際、戦闘能力が一番高いベルベットだけど、やる事はほとんどない。
訓練の指導など行えない事もあり、暇を持て余している。
そして、俺自身はほとんど戦闘で役に立たないので、同様の理由だ。
「そういう意味では、あんたの背中で寝ているそいつもだけど」
そう、俺の背中で今も寝ているレンだ。
彼女は城にいる間もほとんど暇な状態だった為、今回の旅に同行する事になった。
というよりも、城にいても、こうしてほとんど寝ているので、ほとんど変わらない。
「というよりも、あんたもあんたで、背負って、疲れないの」
「えっ、特には」
ベルベットはそう問いかけるが、俺は元々体力はある方なので、特に問題ない。
「そう、なら良いけど」
俺の答えに対して、ベルベットは呆れたように言いながらも、そのまま歩き続ける。
ここから武国までの道中は長い。
「そう言えば、気になった事が一つ」
「何?」
そうしている間にも、ベルベットの方から質問が来た。
「あんたのクラスメイトって、結局どういう奴が多いの?」
「どういうのと言われましても」
そう言われると、質問に答えにくかった。
俺のクラスメイトは良くも悪くも個性的なメンバーが多々多い。
「あんたのクラスメイトで実際に会った奴と言ったら、シオンやイオのような奴もいたら、あんたを殺そうとした奴もいるじゃん」
「まぁ、そうかもな」
それを否定する事はできない。
実際に、殺されそうな目にあったから、否定できない。
「それでも、まぁ、もう1度会いたい奴は本当に多いから」
実際にイオのように助けを求めているクラスメイトがいるかもしれない。
だったら、俺はできる限り、そいつらも助けたい。
そして、もしも敵となって現れたとしても説得したい。
「どうせ、あんたの事だから甘い事を考えているでしょ」
「ごめん」
「別に、その馬鹿に付き合うのも悪い気はしないから」
そう言って、不敵に笑みを浮かべるベルベットに感謝しながら、俺達は武国へと向かって、再び歩く。