「ここが、武国か」
道中、様々な事が起きたが、ようやく目的地である武国へとたどり着く。
事前に教えられたので、その国の様子はある程度知っているつもりだったが、その国の雰囲気を見る。
この国ではありとあらゆる武術が集っている事もあり、町のほとんどが道場だったり訓練場だ。
「それで、ここに来た目的って、なんですか?」
そう、ラフタリアは俺の方に訪ねてくる。
「この国の王様と同盟を結びたいけど、会う方法はないかな?」
「王に会う方法ですか。
もうすぐ行われる武道大会に参加して、優勝すればできると思いますが、それには師匠の許しが必要ですが」
「師匠?」
その言葉に俺は首を傾げる。
「はい、私とフランの二人の師匠です。
そこで剣術を教わったので、ただ」
「ただ?」
そうラフタリアは少し困った表情で目を逸らした。
「師匠は、凄いけど、変態」
そんなラフタリアの代わりにフランは答えるが。
「凄いけど」
「変態」
そう、俺とベルベットは同時に答えた。
「うーん……まあ、会ってみればわかるか」
とりあえず、今は行くべき場所がある。
「それでは、その道場に案内します。
こちらです」
そうラフタリアは言って、先ほどとは逆に先導し始めた。
しばらく歩いていくと大きな屋敷が見えてくる。
ここだと言われて中に入ると、そこは広い庭だった。
そしてそこには木刀を持った男が立っていた。
年齢は三十代後半くらいだろうか。
体格が良く、引き締まった筋肉をしている男だ。
「あの人が、師匠」
「いえ、あの人はたぶん、道場破りですよ。
それに」
そうしている間にも、俺よりも体格の良い男の人はそのまま道場にある木刀で吹き飛ばされる。
「武蔵、またもや勝利っと!」
そう、道場から出てきたのは女性だ。
簡素な着物を身に纏っており、白い髪を結って纏めている。
「えっと、武蔵って、もしかして、あの」
「知っているんですか?」
「えっと、俺の世界で有名な剣豪ですけど、男のはずだけど」
「んっ、私の事を知っているの!」
そう、武蔵さんはそのまま俺に寄り添っていく。
「新免武蔵ここに推参! ってね」
そうして武蔵さんはそのまま自己紹介をしてくれた。
それと共に武蔵さんに事情を話してくれた。
「それにしても、ラフタリアとフランを助けてくれて、本当に助かったよ。
それで、確か武闘大会に参加したいんだっけ?」
そう武蔵さんが言った。
「まぁ、それは良いけど、武道大会に参加するにあたって、君の実力を知りたい」
それと共に、武蔵さんは俺に詰め寄る。
「ちょっと、大会に参加するんだったら、私の方が」
そうベルベットは俺の代わりに出るように言う。
「ふふっ、いやぁ、武術も良いけど、たまには、こういうのも試してみたいからねぇ」
そう、武蔵さんは女性がしてはいけないような表情をしていた。
「聞きたいけど、もしかして、変態だって言っていたのは」
「そういう事」
ベルベットはそのままフランに尋ねる。
「いやぁ、君、なかなかに私好みだから」
「あっ、これって」
これまでのパターンなのか、既に分かり切った事もあって、俺はそのまま武蔵さんに連れ去られていく。