それは、まさに圧勝だった。
「これは、凄いっ!
まさかの新星のベルベット選手がまたもや優勝候補を倒し、次の試合へと進みました!!」
そう言いながら、ベルベットの勝利に実況が興奮している。
「やっぱり、とんでもない」
俺はそう言いながら、ベルベットの強さに思わず感服する。
相棒であるベルベットの強さに俺自身も驚きながらも、この調子なら優勝間違いなしだと思っていた。
だけど。
「さて、次は」
そう言いながら、次の試合の相手を見る。
そこにいたのは。
「えっ」
それは、俺のクラスメイトであるリョウトだった。
なぜ、あいつがいるのか疑問に思っていると、既に会場で互いに睨み合っていた。
「お前、キドの事を知っているのか?」
会場にいるリョウトはそのままベルベットに向くと共に聞く。
「キドねぇ。
なんでそんな事を聞くの?」
「あいつと話をしたいからだ」
「そう、だとして、あんたに会わせる訳にはいかないでしょ」
そう、ベルベットはこれまでにない殺気と共に、リョウトを睨み詰める。
「あれ、これってもしかして」
ベルベットはどうやらリョウトが王国からの追っ手だと思っているようだな。
それを思うと共に、試合が始まった。
同時に、ベルベットは殺す気なのか、手にある剣をそのままリョウトに振り下ろす。
その剣は確かにリョウトの首元にある。
だが。
「へぇ」
その剣はリョウトに届かなかった。
まるで、透明な壁に防がれたような。
「バリアねぇ」
それと共にベルベットは獰猛な笑みを浮かべながら言う。
そのまま再び剣を振りかざすと同時に今度は横薙ぎにする。
だが、それもまた阻まれる。
それは先ほどと同じ光景だった。
だが、一つ違う点があるとすれば。
ベルベットの表情だろう。
そこには驚愕があった。
その事に気づいたのか、彼女はさらに攻撃を加える。
何度も何度も攻撃を繰り出すが、結果は同じ。
「無駄だぜ、お前の攻撃は、俺には通用しないわ」
「へぇ、そうね。
けど、衝撃は完全に殺せない様子ね」
ニヤリと笑う。
ベルベットは、そうまるで悪役を思わせる笑みを浮かべる。
そして、もう一度剣を振るう。
その威力は凄まじく、空気すら切り裂いているようだった。
しかし、それでも当たらない。
全て完璧にガードされている。
ベルベットは、一度距離を取る。
相手から目を離さないようにしながら後ろへと飛ぶ。
そして、着地するとすぐに前転するようにして距離を詰める。
その動きはまさに獣のようだ。
相手の懐に飛び込むようにして攻撃を仕掛ける。
そして、その手にある剣を投げ捨てる。
本来だったら負けるはずだろう。
だが、その拳が振り上げる。
その威力は、リョウトにとっては予想外だったのか、防ぐ事ができなかった。
そのまま吹き飛ばされた。
地面に叩きつけられると同時に、痛みに顔を歪める。
「どんだけ、化け物なんだよ」
どうやら、バリアでは完全に防げなかったようだ。
なんとか生きている事だけが分かる。
だが
「さて、トドメを「ストップ! ベルベット! 駄目だから!!」ちっ」
「キドなのか」
俺の声を聞いて、リョウトは驚きに目を見開いていた。
「とにかく、話ができれば良いけど」
この状況で、味方であって欲しい。
そんな思いと共にリョウトに聞く事ができれば良いけど。