武国での用事はほとんど終わりを迎えた。
だからこそ、俺とベルベットは、次の旅を行う為の準備の為に買い物を行っている。
「それにしても、あんたは別について来なくても良かったけど」
ベルベットはそう言いながら、俺達を案内してくれるフランに対して、溜息を吐きながら言う。
それに対して、フランは、頬を膨らませる。
すると
「だって、チチとハハ。
旅に出たら、しばらく会えない。
私は武国で修行がしばらく続くから」
そう、フランは残念そうに言う。
そう言われたら、俺もベルベットもそれ以上は言えないだろう。
そのままフランに案内される形で、再び武国を見て回る。
周りを見る限り、江戸時代の日本のような風景だ。
だが、江戸時代とは大きく異なる点もある。
それは、着物姿の人々が多いことだ。
どうやらこの世界では和服が主流らしい。
そして何より驚いたのは、武器屋だった。
刀、槍、弓、薙刀など様々な武器が置かれている。
それらが、この国での武術に必須な物だと察することができた。
そして、ここに売られているほとんどの食材も江戸に関する物が多い。
「それにしても、米ね。
懐かしいわ」
「ベルベットも米を食べていたのか?」
「えぇ、小さな村だったから、こういうのもあったのよ」
そう、懐かしそうに呟きながら、米の入った袋を手に取る。
それを見た店員さんは驚いたような顔をしていた。
「こりゃ珍しいお客さんだ。
まさか異国の方まで食べているとは思わなかったぜ。
どうだい? 美味しいかい?」
「…………悪くはないわね」
「それは良かったよ」
「それじゃ、保存食として買うわ」
「毎度あり」
そうして、ベルベットの主婦な一面で、次々と旅に必要な物を買っていった。
そんな中で。
「あのぉ」
「んっ?」
そう俺達が買い物をしていると、後ろから声を掛けられる。
振り向くと、そこにはよくRPGで出てくる僧侶を思わせる格好をした少女がいた。
「もしかして、旅の人ですか。
実は、少し聞きたい事がありまして」
「聞きたい事?」
「はい、実は私、この周辺でゴブリンがいたという情報を聞きまして。
大量発生したゴブリンを追って、ここまで来ました」
「ゴブリンが?
また、なんで」
そう、少女の話を聞くと、俺は首を傾げる。
「その、実は私の故郷がゴブリンに襲われまして。
その原因を探る為にここまで来ました」
「故郷の村?」
その言葉を聞いて、俺はどこか覚えがあった。
「はい!
もしかして、その時に村に立ち寄りませんでしたか?
なんだか、友人から聞いた特徴と似ているようで」
「もしかして」
その時に、俺は赤髪の少女を思い出す。
俺達はすぐにその事を話すと
「それじゃ、やっぱり!
その節は、本当にありがとうございます!」
「いや、そこまでは」
「私、アリシアと申します。
その、ゴブリンを倒したあなた達に聞きたいのですが、その、旅に同行しても良いでしょうか」
「旅に?」
その事にベルベットは怪訝な表情をする。
「はい! 私強くなりたいんです!
何よりも、ゴブリンをあそこまで大量に発生させたのが人為的だと知りました!
だから、私は村を守る為に強くなりたいんです!!」
「言っておくけど、私達は正義の味方でもなんでもないわよ。
道中はかなり危険よ」
「それでも!!」
そう、俺達に詰め寄る。
「そう、覚悟があるようね。
だったら」
そう、ベルベットはそのまま俺の方に手を向ける。
「こいつに処女を渡す覚悟を見せなさい」
「「えっえぇええぇ!!」」