※この作品はR-18です。

異世界脱獄転生   作:ボルメテウスさん

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幾度も

「さて、まず貴方達に説明しなければならないのは、転移者の能力に関してよ」

 

「転移者の能力?

 

それはまぁ」

 

「それが、どうやって決まるのか、あなたは分かるかしら?」

 

そう、シェリーからの質問を聞いて、俺は首を傾げる。

 

「えっと、まぁ、その人次第なのかな?」

 

「ある意味、正解ね。

 

転移者の能力のほとんどはランダム。

 

だけど、魂の質によって、それは変わるわ」

 

「そうなのか」

 

まぁ、確かに同じ能力でも、人によってはかなり違う可能性がある。

 

それを考えれば、俺自身も、それに該当する。

 

「能力に関しては本当にランダムよ。

 

どんな能力が出るのか。

 

だけど、その質だけは、違うわ」

 

「というと?」

 

「魂は、輪廻転生をされない限り、多くの経験を積めば、その力は高まる。

 

その経験が多ければ、多い程に、その質は高まるわ」

 

「ちょっと待ちなさいよ。

 

それだったら、こいつの魔力提供はどう、説明するのよ」

 

そう、ベルベットは俺に対して言う。

 

「そうね。

 

私も疑問に思ったのは、そこよ。

 

この世界の住人を、転移者と同等かそれ以上の強さにする魔力提供。

 

そんなの、普通は不可能よ」

 

そう言いながら、シェリーは俺を見つめる。

 

「キド、あなたはこれまでの人生、どれぐらい死にかけたの」

 

「死にかけたって」

 

「魂は、敗北の経験が強くさせる事もある。

 

あなたの行った魔力提供は、それこそ、どれぐらい死んだのか、分からないぐらいの経験で成り立っているのよ」

 

「そこまで」

 

俺はその言葉に思わず、首を傾げる。

 

「それ程なの」

 

「そう言われても、俺は本当に、どこにでもいる普通の高校生だったからな」

 

「そうなの?」

 

「ああ、ただ、どうも色々と巻き込まれるだけなんだよな」

 

「それでも、普通はこれ程の能力には発展しないよ」

 

シェリーの言葉に、俺は少しだけ考える。

 

確かに、この世界で魔力提供のおかげとはいえ、本当によく生きていたと思う。

 

「とにかく、詳しい検査は機国で行いましょ」

 

「そんな事、できるのか?」

 

「あそこはそういう方面には強いわ。

 

おそらく、あなたの魔力提供の謎も解けるはずよ」

 

「まぁ、確かに」

 

どちらにしても、目的地が機国である以上は、そこに行くしかないだろう。

 

「そう言えば、あなた、名前は?

 

キドって、確か、日本で言う所の名字でしょ」

 

「んっ、俺の名前?」

 

そう言われたら、こうして名前を聞かれるのは久し振りだった気がする。

 

「俺はキド。

 

城戸真司だよ」

 

そう、俺は自分の名前を告げた。

 

その時に、僅かに、近くの雫から、何かが覗き込んだ。

 

そんな気がした。

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