※この作品はR-18です。

異世界脱獄転生   作:ボルメテウスさん

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閉ざされた世界で

機国との本格的な同盟により、これまで逃亡していた俺達はついに反撃に出る事になった。

 

これまで、転移者によって、戦況を支えられていた王国だが、俺という存在によって、戦況は一気にひっくり返った。

 

戦闘経験も、戦いに対する覚悟もあったが、転移者の圧倒的な能力による差によって、それを生かす事ができなかった者達。

 

だが、俺の『契約』の能力は、その差を埋めていた。

 

そうした戦いの最中、俺達が辿り着いたのは、王国にいる王がいる場所。

 

そこにあったのは。

 

「鏡?」

 

そこにあったのは鏡の柱のような存在。

 

それが一体何なのか、疑問に思う。

 

それは、一緒に来ていたベルベットも同じだった。

 

「何なのよ、一体」

 

「それは、お前達が言う、黒幕のような存在だ」

 

その言葉と共に、鏡から声が聞こえる。

 

見ると、そこには茶色いコートを身に纏った男が立っていた。

 

その男には、どこか見覚えがあった。

 

「あんたは」

 

「こうして話すのは久し振りだな。

いや、この場合は初めてというべきか」

 

「あんたは一体」

 

「俺は神崎士朗。

この世界に来た、最初の転移者の抜け殻だ」

 

「最初の転移者の抜け殻」

 

その言葉に、俺は思わず、首を傾げる。

 

「かつて、この世界は、お前達の世界と全く同じだった。

まるで鏡映しの世界。

その時の俺は、ここをミラーワールドと呼んでいた」

 

「ミラーワールド?」

 

「そう、ここは、ある少女の願いを形にした世界。

だが、その少女は死に、俺はその子を生き返らせる為に来た。

しかし、この世界では何も生み出す事ができなかった」

 

「何もって、ここにはベルベットや皆がいるじゃないか」

 

「お前達はこの世界で命を落とした者達の思いによって、作り上げた存在。

その思いが、こうして本来だったら、現実と同じ光景だったはずのミラーワールドを大きく変えた」

 

「ここは、異世界は異世界でも、俺達の世界の、鏡映しの世界だって言うの」

 

「まったく、笑えないわね。

シェリーが言っていた言葉が、当たっているなんて」

 

「それだったら、俺も」

 

「いや、お前達を含めた転移者は現実に存在した。

そして、このミラーワールドでかつて命を賭けて、願いの為に戦った存在だ」

 

「願いを賭けて」

 

「数えるのも馬鹿らしいぐらいに、戦いは繰り返された。

だが、それらの結果は、思い通りにはならなかった。

そして、最後の戦いで、ミラーワールドは閉ざされた」

 

「それじゃ、ここは」

 

「人間が、欲望となる存在がいなくなった世界。

そこでは、多くの人々の思いが募り、別の世界へと発展した。

閉ざされたもう1つの世界が、正体だ」

 

「だったら、なんで転移者がここにいるんだ」

 

「人間が、自分の中で抱えている欲望が、この世界へと引き寄せた。

現実の世界では生きづらいと感じた者。

それらは、地獄の蓋が開かれた事をきっかけに、活発になった」

 

同時に神崎は、俺の方を見つめる。

 

「お前はどうする。

城戸真司。

かつて、幾度となく命懸けの戦いに参加し、その戦いを止めようとしたお前ならば、この鏡を破壊するか」

 

「そうすれば、どうなるんだ」

 

「転移者は全て元の世界に戻る。

同時に、この世界は完全に元に戻る」

 

「そうか、だったら、俺は、破壊しない」

 

そう言い、見つめる。

 

「あんた、元の世界には未練はないの」

 

そう、ベルベットは、俺を見つめる。

 

「確かに、未練はある。

だけど、もしもこの世界を造り出したのが、俺達だったら、その責任を果たさないといけないとな」

 

「はぁ、あんたは、本当に変わっているわね。

けど」

 

その言葉と共にベルベットは、変わらない馬鹿な俺に見る。

 

「例え、私が人間じゃないとしても、どこまでもあんたと一緒にいてあげるわ」

 

「あぁ、これから、よろしく頼むよ」

 

その言葉と共に、俺達の、戦いがまた、一歩始まる。




今回で、異世界脱獄転生は打ち切りのような終わりをさせて貰いました。
ある意味、異世界設定で合うのではないかと書かせて貰い、これ以上はたぶん続けられないと思い、終わらせて貰いました。
短い間でしたが、応援、本当にありがとうございました。
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