※この作品はR-18です。

SDGPD -THE RED GUN-   作:星龜

5 / 7
濱之(ハマノ) 厳哲(ガンテツ)という男(後)


 

職場であるSMクラブに行く途中、瑞穂は、スマートフォンで、何者かに電話をかけた。

 

「もしもし、私よ。

今日の9時に来れる?

…

そう。

なら、いつものホテルで。」

と、電話を切る。

 

瑞穂がやったのは

姫予約。

 

風俗嬢が客を予約する

という

本来は禁止行為

なのだが、瑞穂には

姫予約をする必要

があったのだ…。

 

◇

 

再び【ノヴァティ】に来た飛鳥は、厳哲(ガンテツ)を捜した。

 

(いた…!!)

 

厳哲(ガンテツ)は、イートインコーナーで、他のリスター達と談笑していた。

 

「来たよ…。」

と、厳哲(ガンテツ)のところに行く飛鳥。

 

「おぅ、来たか☆

紹介するよ☆

この娘が、さっき話した、蒼ちゃんの従姉妹の…

え〜っと…

名前、何だったっけ?」

と言う厳哲(ガンテツ)に

 

「秋月 飛鳥です…!!」

と、怒り半分に名乗る飛鳥。

 

「そうそう☆

秋ちゃんだ☆」

と、飛鳥を紹介する厳哲(ガンテツ)。

 

厳哲(ガンテツ)と談笑していたのは、佐野と

30代半ばと思われる男性

と

30代後半と思われる女性

の3人だった。

 

「尹(ユン) 想鐵(サンチョル) だ。

よろしく。」

と自己紹介する、30代半ばの男・尹(ユン)。

 

眼光鋭く、短髪角刈りのヘアスタイルゆえ、なんとなく、板前を思わせるような顔だ。

 

座っているのでわかりにくいが、立てば身長は180センチはあるだろう。

 

「えっと…

中国の方ですか?」

と訊く飛鳥に

 

「いや。

在日韓国人だ。」

と答える尹(ユン)。

 

「今市(いまいち) リサよ☆

よろしくね☆」

と自己紹介する、30代後半の女・リサ。

 

ポニーテールの髪型にハスキーボイスと、年齢のわりに、若く見える。

 

ひょっとしたら、本当に若いのかもしれない。

 

 

「じゃ、始めようか☆」

と厳哲(ガンテツ)が言うが

 

「私、ガンプラ、持ってないの。」

と言う飛鳥。

 

「大丈夫だよ☆

ちゃんと秋ちゃんの分、用意してあるから☆」

と、右手には、自分のSDCSガンダムを

左手には、飛鳥用のSDCSガンダムを持つ厳哲(ガンテツ)。

 

「用意いいですね…★」

と、厳哲(ガンテツ)からSDCSガンダムを受け取る飛鳥。

 

飛鳥のガンダムは、厳哲(ガンテツ)のガンダムとの識別のためか、胸と両肩が赤く塗られていた。

 

 

厳哲(ガンテツ)、飛鳥、尹(ユン)、リサ、佐野の5人は、4番ステージに向かう。

 

(瑞穂…

ウソついて、ごめん…。)

と心の中で瑞穂に謝って…

 

飛鳥はコクピットルームに入った―。

 

◇

 

コクピットルーム内のシートに座る飛鳥。

 

 

『GUN-PLA DUEL, Stand up.』

というアナウンスが流れ、システムが起動し始めた。

 

正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターの光で、コクピットルーム内がほのかに明るくなる。

 

 

『Please set your GUN-PLA.』

 

ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。

 

 

『Begining PLANET PARTICLE dispersal.』

 

ステージからプラネット粒子が散布される。

 

デュエルステージが、宇宙を示す黒色になる。

 

そして、25分割されているステージの11番から13番までのグリッドが30センチせり上がっていく。

 

 

そして―

 

 

『DUEL start!!』

 

デュエル開始の合図が鳴り響く―!!

 

 

「行けっ!!」

 

カタパルトデッキに設置したガンダムが射出される。

 

カタパルトデッキを滑走中に、ガンプラにプラネット粒子が散布されて

プラネットコーティング

が施され、ガンプラは、あたかも実機のように動くのだ―。

 

そして…

 

ガンダムが、デュエルステージに姿を現した―!!

 

◇

 

ステージを疾走する、飛鳥のガンダム。

 

(アイツはどこ!?)

と飛鳥はレーダーを見るが、反応は無い。

 

そのまま、真っ直ぐに進んでいくと…

 

正面モニターに

(b)前方注意!!《/b》|

と表示された。

 

(何が…?)

と思った、次の瞬間!!

 

「きゃっ!?」

 

揺れるコクピットルーム。

 

何かにぶつかったことをしめしている。

 

(何…?)

と、正面モニターを見るが、やはり

(b)前方注意!!《/b》|

という警告文が表示されていた。

 

(前に、何があるの?)

と考えていたら…

 

突如、ロックオン警報が鳴った!!

 

同時に、再び、コクピットルームが小刻みに揺れる。

 

被弾した証拠だ。

 

(どこから…!?)

と、慌ててレーダーを見る飛鳥。

 

(!?)

 

厳哲(ガンテツ)のガンダムは右旋回しながら、飛鳥のガンダムの背後にまわりこんでいる。

 

「このっ!!」

と

左旋回

して振り返る、飛鳥のガンダム。

 

そして、反撃しようと

左レバーのトリガーを引くが、シールドをかまえるだけ

で、ビームライフルを撃たない…。

 

(そうだった★

右のレバーだった★)

と、右のレバーのトリガーを引いてビームライフルを撃つが、シールドで防御されてしまう。

 

逆に、厳哲(ガンテツ)のガンダムからの反撃を回避できず、再び、被弾してしまう…。

 

[壁に気づかないたぁ、カッコ悪いよ、秋ちゃん★]

と、厳哲(ガンテツ)からの通信が入る。

 

(壁?

壁にぶつかったの…!?)

 

厳哲(ガンテツ)に指摘されたのは癪だが、厳哲(ガンテツ)に言われるまで、そのことに気がつかなかったことを情けなく感じる飛鳥…。

 

(!!)

 

正面モニターを見れば、厳哲(ガンテツ)のガンダムが迫ってきていたため

左旋回

して距離をとる。

 

[秋ちゃん

左利き

なのかい?]

と、厳哲(ガンテツ)からの通信が入った。

 

「そうだけど…。」

と、飛鳥が答えると

 

[セッティング変更の時間をあげるよ☆

コントロールのセッティングを、左利き用に変えてごらん☆

やり方はね…]

と、セッティング変更の説明をする厳哲(ガンテツ)。

 

(どういうつもりか、わからないけど…。)

と、厳哲(ガンテツ)の指示に従い、コントロールのセッティングを左利き用に変える飛鳥。

 

変更そのものは簡単で、ほんの数秒で終わった。

 

[変更終わったかい?

じゃ、いくよ☆]

と、再び、接近してくる厳哲(ガンテツ)のガンダム。

 

飛鳥のガンダムは、左旋回して距離をとり、ビームライフルを撃つ。

 

(あぁっ!!)

と、表情が明るくなる飛鳥。

 

セッティングの変更前と比べて、格段に動きが良くなった。

 

厳哲(ガンテツ)のガンダムに向けて数発撃ったビームライフルも、ほとんど防御されたが、そのうちの1発は防御しきれず、右肩に命中したのが見えた。

 

[やるじゃん、秋ちゃん☆]

と、厳哲(ガンテツ)に褒められる飛鳥。

 

(アンタに褒められても、嬉しくないってのっ★)

と思いつつも…

 

胸の奥が熱くなっていること感じていた…。

 

◇

 

観戦している尹(ユン)やリサも、飛鳥の動きの変化に気づいていた。

 

「壁にぶつかるなどと、間の抜けた女だと思っていたが…。」

と言う尹(ユン)。

 

「動かし方のコツでもつかんだのかしら?」

と言うリサに

 

「違うな。

ハンマー(ガンテツ)がセッティング変更の時間をあたえたんだ。

まったく、イヤらしい男だよ、ハンマー(ガンテツ)は…★」

と、不敵な笑みを浮かべる尹(ユン)。

 

◇

 

(何で…!?

何で、胸の奥が…

こんなにも熱く…!?)

と、モヤモヤした思いを抱いたまま戦う飛鳥―。

 

 

この胸の奥の熱さは何か?

 

GPDの楽しさがわかってきたからか?

 

違う…。

 

厳哲(ガンテツ)に攻撃を命中させれた嬉しさか?

 

違う。

 

じゃ、この、胸の奥の熱さは何だ…!?

 

何が楽しい?

 

何が嬉しい?

 

何が、こんなにも、私の胸の奥を熱くするの…!?

 

 

「くっ!!」

と、厳哲(ガンテツ)のガンダムからの攻撃を回避する飛鳥。

 

[今の、いい動きだったぞ☆]

と、厳哲(ガンテツ)からの通信が入る。

 

それを聞いた飛鳥の表情が、わずかに緩んだ―。

 

それに気づく飛鳥。

 

(まさか…私…!?)

 

この、胸の奥の熱さは…

 

(私…

厳哲(あんなヤツ)に…!?)

 

□

 

濱之(ハマノ) 厳哲(ガンテツ)

 

自称『ハンマーの厳哲(ガンテツ)』

 

しかし、そう呼ぶ者は誰もおらず、もっぱら

『ハマさん』

とか

『ガンさん』

と呼ばれている。

 

年齢は、おそらく40代半ば。

 

身長は低く、150センチをこえたくらい。

 

小太りな肥満体型に七三分けの頭と、お世辞にも、女性ウケするような容姿ではないのにもかかわらず、女性に対する接し方が、非常に馴れ馴れしい。

 

 

そんな厳哲(ガンテツ)だが、じつは

川内永の三連星

と呼ばれる

旧GPD時代からガンプラデュエルをしており、全国大会に出場したこともある、凄腕のリスター

なのだ。

 

□

 

見た目で損をしている男…

 

イヤな男…

 

それが、飛鳥の…

 

厳哲(ガンテツ)の第一印象だった。

 

 

しかし…

 

実際には…

 

女性に対する接し方は馴れ馴れしいが、しかし

言っていることに筋が通っている。

 

(そういえば…

私のこれまでの人生で

こんなにも親身になって話をしてくれた男はいなかった

な…。)

 

 

濱之(ハマノ) 厳哲(ガンテツ)

 

自称『ハンマーの厳哲(ガンテツ)』

 

しかし、そう呼ぶ者は誰もおらず、もっぱら

『ハマさん』

とか

『ガンさん』

と呼ばれている…。

 

年齢は、おそらく40代半ば。

 

身長は低く、150センチをこえたくらい。

 

小太りな肥満体型に七三分けの頭と、お世辞にも、女性ウケするような容姿ではないのにもかかわらず、女性に対する接し方が、非常に馴れ馴れしい。

 

しかし、実際は

他人に対して親身になれる、心優しい、面倒見のいい人物

なのだ―。

 

 

(そういや、瑞穂も、濱之さんのことを、あんまり嫌っていなかったな…。)

と思い出す飛鳥。

 

瑞穂だけではない。

 

佐野も…

 

尹(ユン)も…

 

リサも…

 

みんな、厳哲(ガンテツ)を慕っている…。

 

 

(ふふっ☆)

と、思わず、笑みがこぼれる飛鳥。

 

もう、飛鳥の中では、厳哲(ガンテツ)はチビでデブで、女に馴れ馴れしい、ウザい男ではなくなっていた。

 

「いくよっ!!」

と、スラスターを噴かし、厳哲(ガンテツ)のガンダムに迫っていった―。

 

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