職場であるSMクラブに行く途中、瑞穂は、スマートフォンで、何者かに電話をかけた。
「もしもし、私よ。
今日の9時に来れる?
…
そう。
なら、いつものホテルで。」
と、電話を切る。
瑞穂がやったのは
姫予約。
風俗嬢が客を予約する
という
本来は禁止行為
なのだが、瑞穂には
姫予約をする必要
があったのだ…。
◇
再び【ノヴァティ】に来た飛鳥は、
(いた…!!)
「来たよ…。」
と、
「おぅ、来たか☆
紹介するよ☆
この娘が、さっき話した、蒼ちゃんの従姉妹の…
え〜っと…
名前、何だったっけ?」
と言う
「秋月 飛鳥です…!!」
と、怒り半分に名乗る飛鳥。
「そうそう☆
秋ちゃんだ☆」
と、飛鳥を紹介する
30代半ばと思われる男性
と
30代後半と思われる女性
の3人だった。
「
よろしく。」
と自己紹介する、30代半ばの男・
眼光鋭く、短髪角刈りのヘアスタイルゆえ、なんとなく、板前を思わせるような顔だ。
座っているのでわかりにくいが、立てば身長は180センチはあるだろう。
「えっと…
中国の方ですか?」
と訊く飛鳥に
「いや。
在日韓国人だ。」
と答える
「
よろしくね☆」
と自己紹介する、30代後半の女・リサ。
ポニーテールの髪型にハスキーボイスと、年齢のわりに、若く見える。
ひょっとしたら、本当に若いのかもしれない。
「じゃ、始めようか☆」
と
「私、ガンプラ、持ってないの。」
と言う飛鳥。
「大丈夫だよ☆
ちゃんと秋ちゃんの分、用意してあるから☆」
と、右手には、自分のSDCSガンダムを
左手には、飛鳥用のSDCSガンダムを持つ
「用意いいですね…★」
と、
飛鳥のガンダムは、
(瑞穂…
ウソついて、ごめん…。)
と心の中で瑞穂に謝って…
飛鳥はコクピットルームに入った―。
◇
コクピットルーム内のシートに座る飛鳥。
『GUN-PLA DUEL, Stand up.』
というアナウンスが流れ、システムが起動し始めた。
正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターの光で、コクピットルーム内がほのかに明るくなる。
『Please set your GUN-PLA.』
ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。
『Begining PLANET PARTICLE dispersal.』
ステージからプラネット粒子が散布される。
デュエルステージが、宇宙を示す黒色になる。
そして、25分割されているステージの11番から13番までのグリッドが30センチせり上がっていく。
そして―
『DUEL start!!』
デュエル開始の合図が鳴り響く―!!
「行けっ!!」
カタパルトデッキに設置したガンダムが射出される。
カタパルトデッキを滑走中に、ガンプラにプラネット粒子が散布されて
プラネットコーティング
が施され、ガンプラは、あたかも実機のように動くのだ―。
そして…
ガンダムが、デュエルステージに姿を現した―!!
◇
ステージを疾走する、飛鳥のガンダム。
(アイツはどこ!?)
と飛鳥はレーダーを見るが、反応は無い。
そのまま、真っ直ぐに進んでいくと…
正面モニターに
と表示された。
(何が…?)
と思った、次の瞬間!!
「きゃっ!?」
揺れるコクピットルーム。
何かにぶつかったことをしめしている。
(何…?)
と、正面モニターを見るが、やはり
という警告文が表示されていた。
(前に、何があるの?)
と考えていたら…
突如、ロックオン警報が鳴った!!
同時に、再び、コクピットルームが小刻みに揺れる。
被弾した証拠だ。
(どこから…!?)
と、慌ててレーダーを見る飛鳥。
(!?)
「このっ!!」
と
左旋回
して振り返る、飛鳥のガンダム。
そして、反撃しようと
左レバーのトリガーを引くが、シールドをかまえるだけ
で、ビームライフルを撃たない…。
(そうだった★
右のレバーだった★)
と、右のレバーのトリガーを引いてビームライフルを撃つが、シールドで防御されてしまう。
逆に、
[壁に気づかないたぁ、カッコ悪いよ、秋ちゃん★]
と、
(壁?
壁にぶつかったの…!?)
(!!)
正面モニターを見れば、
左旋回
して距離をとる。
[秋ちゃん
左利き
なのかい?]
と、
「そうだけど…。」
と、飛鳥が答えると
[セッティング変更の時間をあげるよ☆
コントロールのセッティングを、左利き用に変えてごらん☆
やり方はね…]
と、セッティング変更の説明をする
(どういうつもりか、わからないけど…。)
と、
変更そのものは簡単で、ほんの数秒で終わった。
[変更終わったかい?
じゃ、いくよ☆]
と、再び、接近してくる
飛鳥のガンダムは、左旋回して距離をとり、ビームライフルを撃つ。
(あぁっ!!)
と、表情が明るくなる飛鳥。
セッティングの変更前と比べて、格段に動きが良くなった。
[やるじゃん、秋ちゃん☆]
と、
(アンタに褒められても、嬉しくないってのっ★)
と思いつつも…
胸の奥が熱くなっていること感じていた…。
◇
観戦している
「壁にぶつかるなどと、間の抜けた女だと思っていたが…。」
と言う
「動かし方のコツでもつかんだのかしら?」
と言うリサに
「違うな。
まったく、イヤらしい男だよ、
と、不敵な笑みを浮かべる
◇
(何で…!?
何で、胸の奥が…
こんなにも熱く…!?)
と、モヤモヤした思いを抱いたまま戦う飛鳥―。
この胸の奥の熱さは何か?
GPDの楽しさがわかってきたからか?
違う…。
違う。
じゃ、この、胸の奥の熱さは何だ…!?
何が楽しい?
何が嬉しい?
何が、こんなにも、私の胸の奥を熱くするの…!?
「くっ!!」
と、
[今の、いい動きだったぞ☆]
と、
それを聞いた飛鳥の表情が、わずかに緩んだ―。
それに気づく飛鳥。
(まさか…私…!?)
この、胸の奥の熱さは…
(私…
□
自称『ハンマーの
しかし、そう呼ぶ者は誰もおらず、もっぱら
『ハマさん』
とか
『ガンさん』
と呼ばれている。
年齢は、おそらく40代半ば。
身長は低く、150センチをこえたくらい。
小太りな肥満体型に七三分けの頭と、お世辞にも、女性ウケするような容姿ではないのにもかかわらず、女性に対する接し方が、非常に馴れ馴れしい。
そんな
川内永の三連星
と呼ばれる
旧GPD時代からガンプラデュエルをしており、全国大会に出場したこともある、凄腕のリスター
なのだ。
□
見た目で損をしている男…
イヤな男…
それが、飛鳥の…
しかし…
実際には…
女性に対する接し方は馴れ馴れしいが、しかし
言っていることに筋が通っている。
(そういえば…
私のこれまでの人生で
こんなにも親身になって話をしてくれた男はいなかった
な…。)
自称『ハンマーの
しかし、そう呼ぶ者は誰もおらず、もっぱら
『ハマさん』
とか
『ガンさん』
と呼ばれている…。
年齢は、おそらく40代半ば。
身長は低く、150センチをこえたくらい。
小太りな肥満体型に七三分けの頭と、お世辞にも、女性ウケするような容姿ではないのにもかかわらず、女性に対する接し方が、非常に馴れ馴れしい。
しかし、実際は
他人に対して親身になれる、心優しい、面倒見のいい人物
なのだ―。
(そういや、瑞穂も、濱之さんのことを、あんまり嫌っていなかったな…。)
と思い出す飛鳥。
瑞穂だけではない。
佐野も…
リサも…
みんな、
(ふふっ☆)
と、思わず、笑みがこぼれる飛鳥。
もう、飛鳥の中では、
「いくよっ!!」
と、スラスターを噴かし、