ピクシブ版では淡泊すぎたので怪獣プロレスをつけました。
シンジは目の前の光景が信じられなかった。
ミサトは怪物に捕まっている。
そして、目の前で拘束されている。
「ミサトさん。」
シンジは困惑した。
お腹は膨らんでいる。
まさか、奴らに…何かをされたのか。
「ミサトさん…。」
「もう無理なのよ…。連中は私たちをここに連れてきて…慰み物に…。」
シンジは口を覆った。
なんてひどい連中なんだ。
その時、上の地上で爆音と地鳴りが響いた。
ごぉおおおんん!!!!
こんなことをするのは人間だけだ。
きっと、応援だ!!!
「ミサトさん!!!応援だ!!!ここから逃げられるよ!!!」
シンジは明るさをとりもどした。
だが、ミサトは首を弱弱しく振った。
「無理よ…。」
「え?」
「無理なのよ…、この触手は…。ここの支配者の体の1部なの。だからはがれないの。それにお腹が痛い。」
「…ミサトさん…。」
その時だった。
別の声がした。
「君がなぜこんなところに!?」
この高い声は日向マコトだ。
日向は驚いた感じだった。
そして、彼もミサトの光景を見て驚いた。
「か、葛城さん!」
「日向くん、彼をおねがい…。」
日向もシンジ同様驚いた。
こんなに弱弱しい彼女を見るのは初めてだった。
その時だった。
彼女の腹部から何かが蠢いている。
「う、うぐああああああああああああああ!!!!」
「ミサトさん!!!」
「お腹が痛い!!!」
ミサトが叫んだ。
今にもお腹の物は出てきそうに動き出している。
「シンジ君、もう時間がない!!!私を殺して!!!」
「え?」
「シンジ君、お願い私を殺して!!!あんな奴らの子供を産んで死ぬぐらいならあなたに殺されたいの!!!」
シンジは肩を怒らせミサトに怒鳴った。
「なにをいってるんだよ!!!!!」
ミサトは弱弱しく言った。
腹の動きが加速している。
このままでは生まれてしまう。
「私が今、この瞬間に死ねば…この中にいるバケモノも死ぬ…お願い…。私なんどもみたの!!!体の弱い女の人がうめき声をあげて…産む前に死ぬと、赤ん坊も出てこなかった。でも最悪のタイミングで瞬間で生きていると…生まれてしまう。そうなってほしくないの!!だからっ!!!だからっ!!!」
その時、ミサトは腹痛に再び激痛が走った。
「あぐッ!!!!」
腹部から何かが蠢いている。
最悪のタイミングだ。
血管が浮き出て、まるでミミズのように太くなっている。
「ミサトさん…!」
「産むんだったら、あなたとの子供が欲しかった…。」
冗談のようにみえるが、そうじゃない。
そんなに僕を愛してくれていたのか。
駄目だ…殺したくない。
でもここで殺さなかったらあの女の人のように…。
それはもっと嫌だ。
「シンジ君、約束して。」
「…はい。」
「あなたは生きて、何があっても強く生きて。」
その時、シンジの目から熱い何かが流れることに気が付いた。
涙だ。
シンジの目から涙が覆った。
シンジは涙を流し、鼻水を垂らした。
その姿にミサトも涙を浮かべた。
「…うん。」
「ありがとう…。」
その時だった。
日向はシンジの肩に手をあてた。
そして、銃を手渡した。
「…シンジ君、やってくれ。」
「日向さん。」
「頼む…。僕じゃできないよ…。その資格がない。」
資格がない。
そうか、この人は…ミサトさんを愛しているんだ。
だから、彼女の意思を尊重している。
僕はこの人の決意を踏まないといけない。
シンジは決意した。
「…ミサトさん、愛してます。」
シンジは銃を構えた。
ミサトに以前教わった。
白兵戦術を…。
射撃方法を。
シンジは涙をため、こぼしながら力強く叫んだ。
「ミサトさん、愛してる!!!!…僕は…ぼく、僕はッ!!!!!ずっと、あなたを忘れないからっ!!!!」
シンジは渾身の言葉で言った。
素直な純粋な気持ちをミサトにぶつけた。
それを聞いたミサトは感謝で打ち震えた。
神様はいるんだ。
最後の最後に、彼をここに運んでくれた。
野垂れ地ぬわけではない、誇り高い人としての死をシンジは与えてくれる。
愛のために死ねる。
ミサトも涙を浮かべ言った。
「ありがとう、あなたに愛されて…私、幸せだったわ。」
シンジの腕が震えた。
それをみて、ミサトは言った。
「ミサトさん…。」
「シンジ君、愛してるわ。」
「…僕も、愛してるよ。」
シンジはミサトの頭に銃口を向けた。
ミサトは目をつぶった。
パァン!!!!!!!
銃声は響いた。
膨らんでいたミサトの腹部は激しく動くとゆっくりと動きを止めた。
母体が死んだことで、赤ん坊も死んでいった。
そのすぐあと、シンジは泣き叫んだ。
「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
シンジは気が付いた。
泣けるんだ。
自分に涙が蘇った。
ミサトさんの影響で…。
「泣ける、泣けるんだ…僕は…僕は…。」
父さんに続いて、ミサトさんまで失った。
僕にはもう何もない。
愛する人はいない。
「…僕、ボクは‥‥。」
ぐすっ…。
鼻水を啜る音だ。
シンジが振り返ると、驚いた。
日向も泣いていた。
「…日向さん。」
「悔しいな…。」
シンジは日向をみた。
そして、気が付いた。
彼はやっぱり、ミサトさんを愛していたんだ。
「僕じゃなくて君なんだ…。殺されるにしても…君の方が愛しているんだ。僕は僕は…ダメだったんだ…!!!!!悔しい!!!!悔しいよ!!!!」
日向さん、愛していたんだ。
ミサトさんを。
あの冷たい反応も恐らくは嫉妬だった。
だが、シンジには日向を憎めなかった。
憎めるはずがあるだろうか。
同じ女を愛した男同士。
「日向さん。」
「でも、よかった。」
「!?」
「君でよかったよ、彼女が最後に愛したのは…本当に…。」
日向は大きな声をあげると泣き始めた。
「ありがとう。葛城さんの死に目に会えただけでも彼女も喜んでいるよ!!本当に、本当に…ありがとう!!!」
日向は涙をぬぐった。
そして,言った。
「すまん。ああ、いいんだ…。さあ、脱出しよう。」
シンジはうなづいた。
そして二人は階段をかけあがり、走っていった。
シンジは驚いた。
自衛隊の隊員たちが火炎放射器を使い次々にタコ人間たちを焼き殺していったのだ。
「君が家出したことで基地が大騒ぎになって、ようやく救助部隊が組まれたんだ。ようやくだよ!!!もっと早ければ…!!!今頃…!!!」
日向は悔しそうに言った。
そして、目の前で死んでいる人間とタコの間の怪物の死骸を蹴り上げた。
「クソッ!!!!」
シンジは驚いた。
本当に悔しがっている。
「あ、…そうだ!ここの爆破命令が出る。」
「…どうして?」
「ここにある物全てを悪い連中に利用されないために、全部爆破だ。」
「ミサトさんの遺体も…。」
「悔しいよな…。」
シンジは怒りで震えた。
これ以上彼女を利用されてたまるかっ。
「あの人のためにも、爆破しましょう。」
「…そうだよな、それがいい。」
日向はシンジの手を取り、走りながら説明を始めた。
「ここは以前、中国軍と人身売買組織がてをくんで生物兵器の実験場にした。30年以上前、最初の実験が行われ寄生生物をとある中年の男二人に入れた。その内の一人は途中で死に、地中に埋められた。しかし、そいつは死んでいなかった。地下に根を張りずっと生きていた。そいつは人々の恐怖を餌に生きるとんでもない怪物だった。」
シンジは話を聞いた。
「壁にイソギンチャク型がいたが…あれは、その本体のいわば体の一部だ。葛城さんのいうとおりだ。」
そうか、だから逃げられなかったんだ。
「そして、二体目はタコ型に成長した。地下にいたデカい奴だ。そいつは元々性犯罪者だった。だが、それだけじゃすまなかった中国軍は、複数の性犯罪者や浮浪者を連れてくると怪物を量産した。恐らく怪物を大量にうもうとしていたんだ。」
シンジはようやくわかった。
「それが反逆を起こして基地を乗っ取られた。」
「そうだ…。」
「でも、何で寄生体がいたんですか。」
「わからない、だが資料を読む限りではどうやら寄生生物も、ゴジラも別の次元からやってきた生命体みたいだ。」
「え?!!!」
その時だった。
大きな地鳴りが響いた。
シンジと日向は思わず地面に倒れた。
これは地震ではない。
「下からだ…。」
モニタールームに到着したシンジと日向はそこで恐ろしいものをみた。
先ほどの地下から地割れがおきて、30mほどの大きな触手と人間の目のようなものが浮かび上がっていたのだ。
「まずいぞ、ここの主を怒らせたみたいだ!!!!」
日向は叫んだ。
モニターでは、巨大な触手は自衛官もタコ人間も襲っていた。
そして捕食していた。
「なんで仲間を襲ってるんだ?」
「部下も獲物なのさ…。」
日向はモニタールームにあるパソコンを起動した。
そして、あるプログラムを推すと起動させた。
研究施設内部にある、ベルが鳴り響き、シグナルが赤く転倒し始めた。
彼はためいきをついた。
ミサトの死体をもっていけないのがつらかったのだろう。
シンジもそれはわかっていた。
「…行こう。」
日向はシンジの背中を押した。
シンジはうなづくと、モニタールームを後にした。
二人は急いで駆け足になった。
他の自衛官も同じくあとにつづいた。
「だずげでええええええええええええ」
「なんでおれたちまでええええええええええ!!!」
「びえええええええええええええ!!!」
タコ人間どもの悲鳴が聞こえた。
シンジは振り向いた。
あいつ等だ、間違いない。
ミサトさんを嬲り凌辱し楽しんだ、人間にも怪物にも劣る下劣なゲスども。
触手はのびると、冷酷にタコ人間の体を突き刺し徐々にエキスを吸い取っていった。
ミサトを嬲ったタコ人間は自分たちが神と崇めていた存在に消されるハメになった。
内臓を突き刺し、肉と血をまき散らしながら触手に吸い込まれて行く哀れな傀儡たちの最期がそこにあった。
「ざまあみろ!」
シンジはミサトさんを弄んだ報いだと毒づいた。
二人は駆けあがると、大きな穴にたどりついた。
そこには即席の梯子があった。
「さ、先にのぼれ!!!!」
日向は背後をみた。
巨大な触手が延びている。
シンジは地上にかけあがった。
「日向さん!!!!早く!!!!!」
日向もつづいて梯子を上った。
地上に上がった。
あとについてきた数名の自衛官も続こうとしたが…。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!!!」
触手は数名の自衛官を巻き付くとゴキリと背中をへし折った。
日向は助けようと振り返ったが、遅かった。
舌打ちをした。
『爆破まで、あと20秒。』
「クソ!!!逃げるぞ!!!!!」
シンジと日向は走りながら外にでた。
星々が輝いていた。
こんなことじゃなけりゃ天体観測もありだったんだけどな・・・。
シンジは少しそう思った。
そして、二人はジープに乗り込んだ。
「クソッ!!!!!!」
日向は急いでアクセルを踏んだ。
なんとか廃工場を逃げ出した。
そして、山を下っていった。
駆けおりるようにくだった。
すると地鳴りと轟音が響いた。
そして、爆破がされた。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・。
「うわあああああ!!!」
「畜生!!!!!」
爆破の影響でおきた地鳴りの影響でジープが横転した。
シンジと日向は悲鳴をあげた。
衝撃でシンジは思わず気絶した。
「・・・うう・・・・シンジ君大丈夫か。」
日向の声だ。
シンジは自分の無事を確認すると声を出した。
「日向さんは・・・」
「僕は平気だ・・・早くいくぞ。」
日向はジープのドアを蹴破った。
そして、シンジの助手席のベルトを外した。
これでシンジも逃げられる。
シンジは窓ガラスを蹴破ると、日向と同じタイミングで脱出した。
二人は観た。
廃工場のあった崖は崩れおり、爆風と爆炎とともに海の中へ消えていった。
「これで終わりだな。」
日向はシンジの肩をポンと押した。
その時だった。
海からバシャンッ!!!という音が響いた。
大きな水しぶきがあがるのがみえた。
と、同時に触手が延びているのがシンジにはみえた。
「みろ!!!」
日向が叫んだ。
そこにはいた。
巨大なタコの怪物だ。
否、魔神だ。
タコの魔神。
頭部はタコだが、胴体・手足があるところは人間のようだった。
それは腹部が膨らんでいた肥満のようだ。
そして、背部と腹部には無数のイソギンチャク型の触手があった。
その大きさは、500mはくだらないだろう。
魔神は無数の人間の目玉をもっていた。
アゴの部分にタコの触手が這えていた。
それがうねうねと蠢いていた。
「あれだ・・・あれが地下にいたやつなんだ!畜生!!!爆破でも死ななかったんだ!!!」
日向は悲鳴をあげた。
タコの魔神は海からおきあがると、廃工場があった崖の上ににゅっと立ち上がった。
その姿はクトゥルー神話のクトゥルフにもみえた。
ぎろっ・・・。
無数の目はシンジと日向を睨んだ。
「まずい・・・・。」
「こっちをみてる!!!」
タコの怪物は海から起き上がると、ゆっくりゆっくりと人間の手足を伸ばして起き上がった。
そして雄たけびをあげた。
ギシャアあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
何百という女性の恐怖と苦痛で肥え太ったそれは、大きな体をもちあげ徐々に近づいた。
触手をのばし、シンジと日向に狙いを定めた。
その時だった。
日向の無線に声が入ってきた。
「日向三尉、こちら柴田です!応答願います。」
「なんだ!柴田!今それどころじゃない!!」
「瀬戸内海付近にゴジラを発見、そこから緊急避難してください。」
ゴジラ…。
無線の声はシンジにも聞こえた。
その時だった。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…。
タコが浮かび上がった崖の600m先にある瀬戸内海から何かが浮かび上がるのがみえた。
「日向さん…アレ…。」
シンジは指さした。
海から黒い何かが浮かび上がった。
黒い岩山のようだ。
「ゴジラだ…。」
日向はのけぞった。
そして、シンジの手をつかむと必死でその場から離れた。
タコの怪物も手が震えていた。
タコはその時ようやく知った。
自分は神ではない。
格上がいる。
黒い岩山のようなゴジラは白い目を輝かせた。
上半身を起き上がらせると唸り声をあげた。
グルルルルルルル………アォオオオオオオおおおおおおおおおおおおンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!
ゴジラは咆哮を出した。
黒い恐竜のような鎌首はタコ魔神より少し大きいようにみえた。
怯え始めたクトゥルフのようなタコの魔神は思考をはりめぐらせた。
どんな生物も手足と頭部をやれば、死ぬはずだ…そう確信して触手を伸ばし、槍のような爪をとがらせるとゴジラの左目・腰にある第二の脳めがけて突き刺した。
グサッ!!!!!
刺さった。
そして、電撃を放った。
バチバチバチィ!!!!!!!
だが、ゴジラは痛みなど感じていないのかビクともしていなかった。
何でもないように歩いている。
逆に放たれた電撃を背中にため、エネルギーに変えている。
魔神は困惑していた。
ゴジラは触手を平然と掴むとひっこぬいた。
そうすると、ゴジラの細胞は瞬時に自己再生をはじめ空いた穴を修復していった。
左目も瞬時に再生した。
そして、力任せに魔神の触手を引っ張り放り投げた。
タコ魔神は数㎞ほど吹き飛ぶと、市街地に向かって落下していった。
ばごおおおおおおおおおおおん!!!!!!
衝撃波と振動がシンジたちにも伝わった。
市街地に逃げようとしたシンジたちだったが、逆の方へと進んでいった。
ズゥゥゥゥンン…。
地鳴りが響いた。
轟音が響いた。
破壊の神がやってくる。
それはまるで、魔神に弄ばれ、犯された女の怒りの声が、破壊神を呼び寄せるようだった。
タコ魔神は、人型の手足を使いなんとか起き上がった。
ズゥゥゥゥンン…。
ゴジラが迫ってくる。
市街地に倒れたタコ魔神は大きなタコの口をあけくちばしを開いた。
そして、そこから硫酸性の毒霧を放った。
ブシュウウううううううー!!!!!!!!!
強酸性の毒霧はゴジラにクリーンヒットした。
噴射された、市街地の半径1000m範囲内にある高速ビルや高速道路が融解していった。
硫酸性の毒にやられたことでビルの外壁は一瞬で溶け、鉄骨がむき出しになった状態で倒れた。
人々は悶絶し悲鳴をあげながら、ドロドロと溶けていった。
だが、ゴジラには効いていない。
ゴジラの皮膚はビクともしていない。
硫酸がきかない。
魔神は震えた。
彼には誤算があった。
長い間地下世界にいた彼は他の強者にふれてこなかった。
ギャア……。
弱弱しい悲鳴をあげた。
もはや、そこに女たちの苦痛と恐怖を肥やしにした恐怖の怪獣の姿はなかった。
圧倒的格上の破壊神に怯える哀れでちっぽけな小怪獣でしかなかった。
タコ魔神は、イソギンチャク型の分身を使い傀儡のタコ人間を操りながら生きてきていた。
その中には元の人間の意識もあった。
その意識はこのようにおもっていた。
『なぜなんだ、なぜこうまで襲ってくる。俺ただ自由になりたかっただけなんだ。お前はなんなんだ!!!』
タコの魔神は恐怖に震えていた。
格上の存在ゴジラに出会ってしまった。
これは、悲劇だったのだ。
ズゥゥゥゥンン…。
地鳴りが響いた。
轟音が響いた。
タコの魔神は怯えていた。
『俺のそばによるなァああああああああああああああああああああああああああああああああ!!』
再び触手をのばすとゴジラの体に巻き付いた。
そして、全力の力で締め上げたはずだった…。
ゴジラは体中が超・高温で包まれた。
それには怒りのエネルギーがこみあげていた。
ぎゅああああああああああ!!!
タコ魔神は悲鳴を上げた。
触手の全ては焼き爛れると、灰のように崩れて溶けていった。
激痛にのたうちまわった魔神は命乞いをはじめた。
『…助けて!!!』
ゴジラは魔神の言ってる事が理解できなかった。
したがって、わかるはずもなかった。
それは魔神にすら理解できなかった。
次はゴジラの番だ。
鋭い歯の生えたアゴはタコの魔神の左腕に噛みついた。
そして、力任せに持ち上げた。
ギャアああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
タコの魔神は激痛のあまり悲鳴をあげた。
魔神は両手両足をバタバタとさせながら、何とか破壊神から離れようとした。
だが、全ては無駄なあがきだった。
ゴジラは魔神の左腕を食いちぎった。
ぶしゃあああああああああああああああああああ!!!!!!
毒と硫酸に満ちた血液があたりに飛び散った。
失った腕を抑え、魔神は倒れた。
ゴジラは左腕を飲み込んだ。
ゴジラの顎の中にあった鋭い牙がミンチ作業機のように動くと、一瞬でタコ魔神の左腕は消え去った。
地面をはいながら、芋虫のように魔神は逃げた。
それをゴジラは無表情で追いかけた。
その時わかった。
こいつは捕食者なんだ。
俺は…食われる身なんだ。
『やめろ、やめてくれええええええええええ!!!』
ゴジラは逃げるタコ魔神を足で押さえつけると、別の腕を食いちぎった。
それが終わると足に、もう一つの足に…。
ゴジラの小さい白い目は細くなった。
魔神の強いエネルギーはゴジラにとっては、美味だった。
両手両足のなくなったタコ魔神は腹部で大きく息をしていた。
『ま、まだ生きている…。』
まだ死ねない。
タコ魔神は自分のタフさを呪った。
やがて、ゴジラは尾を使いタコ魔神の胴体と首を締め上げ持ち上げた。
そして、ギュっと締め上げた。
ぎえええええええええええっ・・・・・・・・・・!!!!
タコ魔神は激痛のあまり悶絶した。
ゴジラは溢れる美味しい負の精神エネルギーに興奮した。
苦しめば、苦しむほど美味しい。
そして、つかむと口の中に運んでいった。
牙まみれの顎でタコ魔神の体はズタズタにされ、強酸性の血を噴水のように噴き出した。
そして、肉は徐々に細切れになっていった。
ゴジラの体内にいた無数の微生物が餌を分解していった。
激痛が広がった。
数々の女性を嬲っていた触手は破壊神の前では、ただの餌だった。
イソギンチャク型の触手がうねりながらゴジラの口の中へ消えていった。
彼が呑み込んでいた恐怖と苦痛が消えていくように、タコ魔神の体からゆげがでていった。
魔神は両腕をふるい、命乞いをした。
だが、ゴジラは無慈悲だった。
やがて、下半身が食われて行くと上半身だけになった。
ぎいいいいいいいいぃいんんんんんんんんんんんんんんんんんんやああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!
タコ魔神の断末魔の悲鳴がとどろいた。
安全な場所で日向とシンジは唖然とした表情でみつめていた。
やがて、上半身もゴジラの口の中に消えていった。
そして、触手が最後のあがきをとめると体中にあった目を白黒させながら徐々に食われて行った。
『ようやく自由になったのにい…。』
タコの魔神は誰にも聞かれない声で泣き叫び、ゴジラの胃の中へ消えていった。
女性の苦しみと恐怖を糧にした魔神は格上の破壊神の餌食となった。
ゴジラは満足そうにげっぷすると、海の中へと消えていった。
と、同時に日の光がみえた。
海の中に入った破壊神の背びれは朝日を避けるように闇夜とともに海の中へ消えていくのがみえた。
日の光がシンジと日向を暖かく包んでいた。
安全な山奥の中で二人は隠れ一部始終を見ていた。
「ああ、よかった…ようやく終わった。」
日向が安堵の声を出した。
「おおおおおい!!!シンジくうん!!!!!」
シンジは自身を呼ぶ声がしたので振り返った。
そこには先ほどの浮浪者青葉がいた。
「元気だったか!!よかったぜ!!!」
「青葉さん!」
「…で、彼女は?」
シンジと日向は沈黙とともに悲しそうな顔でみつめあった。
青葉は察すると溜息をついた。
「…そうだったのか。」
「でも、青葉さんがペンダントを拾ってくれてよかったよ。」
「そうか…じゃあ、一緒に安全なところまでいこう。」
ふと、強い風がした。
常夏になったはずの日本に、寒い風が吹いた。
シンジは風が吹いた方を振り向いた。
日差しが暖かくシンジを包み込んだ。
その中で、シンジはミサトの残したペンダントを握りしめた。
次回、エピローグ
ゴジラたちの正体が明らかになります
12月30日・31日に更新します