次回はたっぷりやることやります。
ゲンドウが死んだ。
それから数週間ほどたった。
シンジはそれ以降、明らかに悪い兆候がみえていた。
何も発さなくなった。
自分の家にとじこもるようになった。
軍学校に通わなくなった。
ミサトは頭を抱えていた。
これには覚えがある。
ミサトが失語症だったころ、何も言えなくなる時期があった。
とてもつらい時期が…。
ミサトはその日、速く訓練とパトロールを終えて帰ってきた。
「たっだいま。」
バルコニーにシンジが立っていた。
彼は物惜し気な表情で空を見ていた。
ミサトはそのうなじに何とも言えない色気を感じた。
「ミサトさん…。」
シンジのさびしそうな声がした。
ミサトは思わずドキリとした。
色々な意味で。
胸が高鳴るのを感じた。
どうしたんだろう、どうしてここまで彼は色気があるんだ。
「何、シンジ君。」
「僕…」
「どうしたの。」
「なんでもない。」
ミサトはため息をついた。
だが、シンジはつづけた。
「涙、出ないんだ。悲しいはずなのに。」
シンジは寂しそうに言った。
その時ミサトは思い出した。
自分が寂しい時、加持はいやしてくれた自分を。
抱いて…。
そして、性的に受け止めてくれた。
「シンジ君…。」
でも、彼は14歳。
そんなことまだ早い。
そうだ、あるじゃないか。
最近できた、観覧車。
「ね、シンちゃん。デートにいかない。」
シンジはあっけにとられた。
「デート!?」
「そう!」
「デートですか…。」
シンジの表情に明るさが戻ってきた。
これでいい。
「わかりました、いつですか?」
「今。」
「え!?」
シンジは呆然としていると、ミサトの車に乗り走らせた。
神戸港の先、そこには遊園地があった。
夜はすっかり更けており、時間は閉店ギリギリOKだった。
「さあ、シンちゃん…早くいこー!!」
「はああ…。」
ミサトは手を取った。
シンジは呆然としつつも、ミサトに流されるままだった。
ミサトの手にひかれるまま、シンジたちは簡易的な水族館の中へ入った。
水槽の中にはタコがいた。
『このタコには8本の触手があります、その内生殖機能がないモノには吸盤がありません。』
シンジは興味深そうにみていた。
ミサトは聞いた。
「動物好き?」
「好きというわけではないけど、まあ気になるかな…。」
シンジはふと思い出した。
父と以前水族館にきたことがある。
「さ、そろそろ観覧車にいきましょうか。」
「あら、引っ張ってくれるのねー素敵。」
「そんなんじゃないってば!」
ふと、ミサトはシンジの背中を見てあることを思いついた。
「ね、シンちゃーん。」
「はい?」
シンジは振り向いた。
その時だった。
「つっかまえーた!」
そういうと、シンジの顔にミサトはとびついた。
ミサトの豊満な胸がシンジの顔にぴったりとはまった。
「フフ、どんな気持ち?」
「恥ずかしいです。」
「照れちゃって、かわいーの。」
「もういいですか・・・。」
シンジは離れた。
ミサトのスキンシップは派手だ。
水族館から離れたシンジとミサトは観覧車の近くにきた。
そして、列に並んだ。
徐々に彼らの番が来て、乗ろうとした。
その寸前だった。
金髪ソフトモヒカンをした若い男がやってきた。
その傍らには風俗嬢なのか、派手な女がいた。
男はシンジを押しのけて無理矢理割り込んできた。
「わ!」
シンジは小さい悲鳴をあげると地面に倒れた。
「邪魔や、ガキ!」
ミサトはその瞬間、男の肩をつかんだ。
「あんだ…?」
「まずその子に謝りなさい!」
「失せろ、アバズレ。」
男はミサトの手を払いのけた。
その時だった。
ミサトの我慢していた何かがブチギレてしまうのがわかった。
男の肩を叩いた。
「なんやねん、しつけえなァ!!」
「さっさと謝れ。」
「うっとうしいなあ、なめんなよ!!!」
「やめようや、よっちゃん。」
「やかましい!クソアマ!己は黙っとれ!」
女は男に怯えたじろいていた。
どうやら女を見下すタイプか。
「謝れば許してやったのに。」
「しゃしゃっとんちゃうぞババア!」
男はボクシングのファイティングポーズのように両手の拳を前に置いた。
そして、素早く右ストレートを放った。
ミサトは、それを瞬間で避けると一本背負いの形で持ち上げ地面にたたきつけた。
「がはっ!!!」
男は地面に倒れ、背中を痛めたのか悲鳴をあげていた。
すると、警備員数名がやってきた。
「先にやったのは向こうです。」
ミサトは冷静に言った。
男のツレだった女もみとめていた。
男はそのまま医務室へと搬送されていた。
シンジはその手際の良さに驚いていた。
「じゃ、観覧車乗るか!」
「えっ、あ・・・はい。」
やっぱミサトさん強いなあ…。
シンジはそんなことを想いながらぼーっとミサトをみていた。
「どうしたの、シンジ君?」
「いやー、強いなーって。」
「なんで私が強いのか、教えようかー?」
「はいっ。」
「それはね、あなたの料理がおいしいからよ。」
ミサトは笑顔になっていた。
先ほどの阿修羅のような顔は消えていた。
彼女の笑顔をみて、シンジはミサトを見て胸がドクドクと高鳴っていた。
なんだろう、ミサトさん…だらしないけどやっぱ美人だ…。
「じゃ、行こう!」
ミサトはシンジを連れ、観覧車に乗った。
観覧車に入ると、ミサトは街をみた。
関東・東北は、15年前のゴジラ襲撃で破壊しつくされた今でも残留放射能が恐れられ隔離されている部分が多い。
四国も山口県が壊滅した。
北海道はロシアに支配された。
沖縄・九州は中国との紛争で大きく傷ついた。
残っているのは中部・関西だけだ。
名古屋は大阪を超え、現在日本最大の経済都市に。
首都は京都になっている。
だが、いつかここにも、名古屋や京都にも『怪獣』はやってくる。
必ず…。
だから、こうやって楽しめるのも『今だけ』だ。
この光景も…。
「シンちゃーん、この光景ちゃんとみていたほうがいいわよ。ここもいずれゴジラに破壊されるかもしれないから。」
ミサトは淡々と言った。
「…はい。」
「つってもここは9年前から無事だけどね。」
「え?そうなんですか?」
「うん。」
ここの観覧車に乗るのは8年ぶりだ。
前に来たのは彼氏と一緒。
彼氏、加持リョウジ・・・。
その時、シンジは気が付いた。
ミサトは寂しそうな顔をしている。
「ね、ここ前にも来たんだ。『彼氏』と。」
「彼氏?」
「そ、加持。」
「そ、そうなんですか・・・。」
ミサトはふと、暗い顔になった。
「あいつは、台湾で死んだ。」
「え?」
「台湾で、スパイやってて死んだの。そして、中国軍とマフィアにやられた。バカな男よ。」
ミサトは何かつまるものがあるという表情だった。
バカの部分で暗く笑ってみせた。
その笑いがシンジには悲しく、そして色っぽくみえた。
「台湾で何かあったの?」
「うん、昔沖縄をめぐって日本と中国が紛争状態になったことがあったの。その前段階で中国軍が台湾を軍事的に制圧した。米軍がゴジラを迎撃している空白を埋めるために…。」
「…。」
シンジは黙った。
「あいつとは大学が同じで、職場も同じで…一緒に沖縄で軍事作戦にも参加したな。初めて人を殺した日にアイツに慰めてもらったの…。あいつは台湾での任務をするためにいって、それで…。」
ミサトの目に少し悲しみが出ているのが見えた。
シンジはミサトの目をじっとみつめた。
ミサトは笑顔を無理矢理作った。
シンジに悲しいことを思い出させたくないから。
「シンジ君には…長生きしてほしいな。」
「ミサトさんもね。」
「そうね、その時は…私たちどうなってるのかな?」
「さあ。」
「カップルとか?」
ミサトはその時自分の言った言葉が信じられなかった。
ってカップル?!何言ってるんだ…。
私バカじゃないの!?
相手は子供だって!
「あ、あの・・・今のはごめん、き、聞き流して。」
ミサトは顔を赤くすると言い訳をしようとした、その時だった。
シンジは冷静に返した。
「ダメですか?」
シンジは少し悲しそうな顔をしていた。
その悲しそう目をみると、ミサトは胸がしめつけられそうになった。
「シンジ君。」
「…いいじゃないですか、カップル。」
「え?」
「僕、ミサトさんが好きですよ…。」
「え!?え!?ええええ!?」
ミサトは信じられなかった。
シンジはミサトの手をつかみ、握り返し…目を見た。
「ダメですか、好きになっちゃ。」
その真っすぐで真剣な目にミサトは圧倒された。
胸が激しく高鳴るのを感じた。
なんて純粋な少年なんだ。
「シンジ君…」
「愛してます、ミサトさん。」
「アンタ、子供なのに…大人をバカにして。」
「僕はバカになんかしていない!」
目が真剣だ。
その時、ミサトはシンジが加持とだぶってみえた。
そうだ、ここで私たちは愛を誓い合った。
ここで…。
だったら…もう捨てるものなんかない。
「私も、シンジ君好き。」
「ミサトさん…。」
シンジは顔を俯きながら、照れた。
ミサトはシンジの手を強く握り返した。
その時、花火がした。
珍しい花火だ。
「わーきれいだな…。」
シンジはそういった矢先だった。
ミサトはシンジの顎をつかむとキスをした。
「!!!」
彼はその時気が付いた。
だが、ミサトは泣いていた。
彼氏を思い出してるようだ。
明るい笑顔の中に、たまに寂しそうな顔をすることがある。
シンジはキスをしてくるミサトを受け入れた
彼女の腰に手をまわした。
ミサトもシンジの首に手を巻いてキスをしている。
舌が、唇が、唾液がシンジの中に入ってきた。
「んッ…」
シンジがそろそろ息苦しくなってくると、ミサトはいたずらに彼を解放し告げた。
「ぷっは・・・!!はああ!!!・・・・。」
シンジが粗い呼吸をしているとミサトは微笑んだ。
「大人のキスよ。」
「キスなんて初めてだ…。」
シンジの反応にミサトはかわいさのあまり胸が締め付けられそうになった。
なんてかわいいんだ、この子は…。
「シンちゃん…。」
ミサトはにっこりと微笑んだ。
初めてのキスは私が戴いた。
天にも昇る気持ちだ。
ようやく解放されたシンジは照れながら言った。
「好きです、ミサトさん。」
「…嬉しい。」
観覧車の花火は二人を溶け込んだ。
そして、花火とともに二人はキスを再び交わした。
次回は性的描写が満載です。
ちょっとだけゴジラもでてきます。
お楽しみに。
金曜日に更新します。