大阪。
現在の怪獣被害もあり、日本最大の都市のひとつとなった大阪には多額の予算が集められ要塞都市と化していた。
大阪府知事である松村は300mほどある南港のタワーホテルの頂上にある高級居酒屋で宴会をしていた。
そこには岡山の知事である山本・神戸の知事である田中も来席していた。
松村と山本は端正な顔立ちをした青年・田中ははげた頭にでっぷりとした腹をした中年だった。
松村はホステスを両脇にかかえながらカラオケを歌っていた。
「なんや、山本さんノリ悪いぞ! どないしたんや、暗い顔して」
田中は話しかけた。
すると山本は重い口調で話した。
「いや、実は……あの中国に売った土地の件が自衛隊にバレてしまって……」
「秘書のせいにしたらええがな! 飲め!!!」
田中は山本のグラスに酒をそそごうとした。
その時だった。
ドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
轟音と地鳴りがした。
松村は地面に倒れた。
その地鳴りの大きさに田中と山本は焦った。
「これ地震ちゃうか!!!」
田中は叫んだ。
だが、違った。
ここは南港。
大阪湾に近い。
彼らは窓から大阪湾をみつめた。
大阪湾の先には500mほどの大きな壁がある。
この壁で全てを守っている。
「中国軍やろか」
松村は起き上がると否定した。
「ありえん、うちは中国政府に1兆円近く投資してもらってる」
「じゃあなんや」
「わからん、でもこの大阪湾には水爆100発ですら耐えれる特殊装甲の大きさ500mの壁がある。だから襲われることは……」
松村は壁を指さした。
その時だった。
ビシッ……。
壁がひび割れを始めた。
「え?」
松村は困惑した。
ごおおおおおおおおおおおおおおおおんん!!!!!!
轟音が響いた。
地鳴りもやってきた。
そして、壁が崩れていくのがみえた。
壁が崩れると、そのなかから黒い影がみえた。
白い目が邪悪に輝いていた。
「あ、そ、そんなアホな……」
松村は青ざめた。
その時、いた。
ゴジラがいた。
「ご、ゴジラ……!!!!」
ゴジラはゆっくりとせまってきた。
松村は一目散に逃げ始めた。
他の知事やホステスもあとにつづこうとした。
だが、次の瞬間だった。
ゴジラは海から尾を持ち上げた。
棍棒のように太い尾はタワーホテルよりも長く大きかった。
300mあるタワーホテルは一瞬で崩された。
「う、うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」
ガレキの中で知事やホステスは悲鳴をあげると、そのままその一つに押しつぶされ内臓と骨が砕け死んでいった。
すぐさま自衛隊の艦艇が派遣されて砲撃が始まったが、ゴジラはビクともしなかった。
破壊の神は大阪にやってきた。
その頃、地上では他の知事より一目散に逃げた松村は自分の若さ・学生時代に陸上部にいたこと・弁護士時代にスポーツジムに言っていたことを心から感謝した。
市民を押しのけ、我先に逃げた。
松村は勝ち誇ったように笑った。
「ざまみろ!! ボケェ!!! この俺様は怪獣如きでは、絶対に……・死なん!!!」
京都のベテラン政治家に頭を下げた。
神戸のヤクザどものおべっかをとった。
そして、大阪のリーダーになった。
中国と日本政府の間を行き来し、今日まで生きてきた。
そして、それはこれからも……。
そのはずだった。
その時、上空から何かが群れてやってくるのがみえた。
月明りで何かがみえる。
アレは自衛隊のヘリじゃない。
松村にはわかった。
大阪府知事である以上、彼にはわかるのだ。
だが、何だアレは。
「あれはなんや……」
松村は目を凝らした。
そこには『群れ』がいた。
昆虫の群れだ。
4mほどのトンボのような姿をしていた。
そうだ、アレは怪獣メガニューラ。
あれがいるということは群れのリーダーがいる!!!!
「なんや、なんやあれは!!! なんであんなもんがいるんや!! 専門家はなにをやってる!!!」
松村は思い出した。
そうだ、予算を減らした。
財源を確保したかったんだ。
砦があるから、それで慢心していた。
「あ、あ……あああああああああああ!!!!!!」
松村は震えた。
イナゴか雲霞のような、メガニューラの群れは大阪市にやってきた。
周囲の市民をメガニューラの群れが襲っている。
その鋭いカマで切り裂き、アゴで肉を引き裂いている。
タワーマンションに群がると、まるでシロアリの群れのごとく……食いつくした。
「なンやあ、りゃ!! なんやあの食欲は!!!」
松村は腰を抜かした。
ふと、海を見た。
ゴジラは黙っている。
そして、天を観ていた。
松村は視線の先を追いかけた。
そこにはいた。
メガニューラの女王、メガギラスだ。
メガギラスは尾をとがらせ、針をみせた。
その針が輝くと、メガニューラの群れが一気にゴジラに襲い掛かった。
ぶおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!
風を切る音がする。
雲霞のようなメガニューラの群れ、何万体という群れはゴジラに襲い掛かった。
ゴジラは動いていない。
松村は目を驚かせた。
まるで、象を襲うグンタイアリや……。
アレは勝てるんちゃうか。
「お、ええぞ!!! コバエども!!! はよう、ゴジラをやってくれや!!!!」
松村は腕を振るい、小躍りした。
そして、松村の声に反応するようにメガギラスはゴジラの目めがけて、トゲをとがらせた。
音速を超えるスピードだった。
シュンッ……。
その時発生したソニックブームと衝撃音が松村の耳を突き刺した。
松村の耳から血が飛び、鼓膜が破れた。
そして、キーンというむなしい音が響いた。
それ、と同時だった。
ゴジラの口が動いた。
そして、メガギラスのトゲを咥えると音が響いた。
ぺきっ……。
メガギラスの尾にあったトゲは砕け散った。
そして、ゴジラは口を動かすと大きな光を発生させた。
その光は松村の目に降り注ぎ、その威力のあまり松村の視力が消えてしまった。
「あ、あああああああっ!!!!」
みえん、なにがおきたんや。
音もきこえん。
なにがあるんや。
だが、松村は幸運だった。
ゴジラの放った光とともに圧倒的な熱波が迫ってきた。
そして、それは衝撃波を発生させメガギラスを貫き、ゴジラの体にまとわりついていたメガニューラの群れを一瞬ですべて焼き蒸発させた。
松村も死んだことに気が付かぬまま死んだ。
そして、熱波と衝撃波は大阪から奈良までに及ぶ全てを焼きつくすと、かつて日本第二の都市と言われた大阪は塵となってきえていった。
ゴジラの白い瞳のない目は輝いた。
大阪湾へと消えていったのだった。
数時間後
夜は明け、朝日がさしていた。
神戸の基地に淡路島での任務を終えた日向が戻ってきた。
彼は眼鏡のヨゴレを拭きながら、ため息をついた。
長い時間をかけたが、ようやくひと段落ついた。
「はあ…終わった」
日向はため息をついた。
すると、基地でざわつきがおきているのがわかった。
「どうしたんですか?」
日向は上官の高雄コウジ陸将に話しかけた。
髪の毛の一つのないスキンヘッドで、190㎝以上の巨体をした高雄は気まずそうな顔をしていた。
「うむ、日向かよく戻ってきたな。実は…。」
高雄は気まずそうに眼を泳がせている。
常に威厳があり、高らかに笑う豪放・快活な彼らしくない。
どうしたんだろう。
日向は首を傾げた。
「どうしたんですか…」
高雄は困った表情で告げた。
「大阪にゴジラが襲撃した」
日向は目を驚かせた。
大阪?
あそこは要塞都市だぞ!!!
「本当ですか?」
「それだけではない」
高雄は明らかに焦っていた。
彼の巨体は揺れていた。
恐らく日向同様寝ていないのだろう。
「葛城の部隊と連絡がとれん」
「えっ、なんですって!!!」
日向は震えた。
彼女は確か、岡山県で任務をしていた。
科学研究所の調査だ。
まさか誘拐されてしまったのでは。
「今すぐ、救援に!!!」
日向は高雄の肩をつかんだ。
普段なら彼ではありえない。
「だが、我々はゴジラ討伐最優先となった、大阪での救出・救援・ゴジラ追跡の任務が最優先だ…ヤツさえ来なければ…救出隊を送ることもできたのに」
高雄は唇を噛み悔しそうに呟いた。
日向は肩を落とした。
「お前は疲れているだろう、休め」
「…ありがとうございます」
「すまない」
高雄はそういうと、申し訳なさそうに部下を連れて去っていった。
自分たちは軍隊。
国民の生命・財産が最優先だ。
できることは限られている。
神戸基地内・コンフォート
シンジは目が覚めた。
もう朝か。
結局、ミサトさんは帰ってこなかった。
「せっかく、お祝いするつもりだったのに…」
シンジは残念そうに、料理を冷蔵庫になおした。
だが、シンジの中で不安が生まれた。
彼女は、今頃どうしているのだろうか…。
そのころ。
シンジの不安をよそにミサトはこの世の地獄を味わっていた。
彼女にもはや今が何時なのかわからない。
壁から生えたイソギンチャク型の触手が横に並んでいる女性たちと同様に彼女も磔状に縛っていたからだ。
「もう帰して」
「おうちにかえりたい」
「誰か助けて」
「Help me…」
いろんな女性の声が響く。
白人の女もいた。
ミサトは声が漏れるのを我慢した。
唇をかんだ。
そして、やつらが悦ぶ様を味合わせまいとした。
「か、つ、らぎさん…。」
声がした。
ミサトは前方を見た。
長良スミレがいた。
180㎝近い褐色の日米ハーフ。
男以上の怪力で、女丈夫。
そんな彼女が苦痛の顔をしていた。
おなかが大きく膨れていた。
「わたし、もうだめ…」
「長良さん、諦めてはいけないわ…」
気休めだ。
長良は自嘲気味に笑った。
その次の瞬間だった。
「う…」
長良スミレはうめき声をあげた。
そして、次だった。
「う、うええッ!!!!!」
痙攣すると動かなくなった。
「長良准尉!!!」
次の瞬間だった。
長良の腹部が大きく膨らむと、口から大きな血を吐き出しながら何かがでてくるのがみえた。
血にまじったそれは…小さなタコにみえた。
それは尺取虫のようにねっとりと動くと、どこかへと去っていった。
「…長良さん。」
長良スミレは死んだ。
ミサトはその時気が付いた。
自分はああやって死ぬんだ…。
その時、壁際にあった触手がのびるとミサトの首を締め上げた。
「う、あぐ…」
そして、再び彼女の秘所に触手が入り込んだ。
それは彼女を強く刺激した。
そして、彼女の膣内を体液が放出された。
彼女はその時気が付いた。
この触手はすべて、何かに操られている。
首に張り付いた触手は閉めあがった。
「あ、う…。」
息が漏れた。
やがて、彼女は首を締められてそのまま気を失っていった。
地獄はまだ終わらない。
次回は24日あるいは25日夜に更新します