エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥ 作:夕凪カサネ
そもそも「稲妻の戦士ヒカリ」は、この手のエロゲにしては珍しく、意外とシリーズ展開されている。
まず、90年代に、二作目「稲妻の戦士ヒカリⅡ」まで発売された。
その後、長い間シリーズは途絶えていたが、十数年経ってから突如として復活。CG等を刷新したリメイク版として、ⅠとⅡが連続してリリースされた。ただ、このリメイク版であるが、あまり高い評価は得られなかった。数多くのエロゲメーカーが次々と倒れていく中、「稲妻の戦士ヒカリ」シリーズを手掛けていた企業「エービーCD」も例外ではなく、倒産の危機を迎えていたそうだ。
そんなエービーCDが、苦し紛れに出したリメイク版。しかし、それは、蓋を開けてみれば、オリジナルの作品から音声やBGMを使い回しており、単にグラフィックだけを差し替えた、リメイク版発売当時のエロゲに求められるクオリティには達していない、残念な出来のゲームとなっていたのである。
オリジナル版を知っている古参のファンはガッカリし、リメイク版から入った新規ユーザーはそのボリュームの少なさに怒りを覚え、レビューサイトでは散々な評価を下されていた。
それでも、一部の古参ファンはシリーズ復活の機運に喜びを感じていたし、新規ユーザーの中には元来「稲妻の戦士ヒカリ」が持つ魅力に取り憑かれた者もいた。
俺は、もちろん、新規ユーザーの一人である。そして、ゲームのボリュームには決して満足していないながらも、どこか漂っている独特の魅力に惹かれて、続編であるⅡのリメイクはおろか、必死でオークションサイトで出品されるのを待ち続け、オリジナル版を競り落とすに至るまで、「稲妻の戦士ヒカリ」シリーズにハマることとなったのである。
そんな俺のお気に入りは、一作目に登場する女魔法使いミナと、二作目に登場する女シーフ・アルマであるが……
話が脱線した。シリーズのことへと元に戻そう。
リメイク版の二作は、評価が散々であったにも関わらず、エービーCDはなお社運を賭けて、「稲妻の戦士ヒカリ」の最新作作成に心血を注いでいた。
その結果、ついに、「稲妻の戦士ヒカリⅢ」が生まれたのである。
正統なる続編。シナリオのボリュームも、音声も、グラフィックも、ゲームシステムも、全てが時代に合わせた作りとなっており、純粋にパワーアップしたゲームとしてリリースされた。世が世だったら、ちゃんと評価されていたに違いない。しかし、時はすでに遅かった。パソコン向けのエロゲ自体が、すでに斜陽となっていた時代……もう、普通に頑張っただけでは巻き返せないところまで、事態は悪化していた。
最終的に、平成末期になって、「稲妻の戦士ヒカリ3.5」というスピンオフ作品を出したところで、エービーCDは力尽きてしまった。
そんな悲しい歴史を辿った「稲妻の戦士ヒカリ」シリーズ……
その最終作である「稲妻の戦士ヒカリ3.5」の主人公が、これから向かうこととなる四階のボスである、女エルフ・セシルだ。
ショートヘアと愛くるしいロリ顔が特徴の、おっぱいがちっちゃなエルフ。そのキュートな見た目は、多くのユーザーを虜にしたのだろう、二作目にもゲストキャラとして登場し、そこで初めて「セシル」の名を与えてもらった。ちなみに、二作目には、虎娘レイフーと、三階のボスであるサキュバスも再登場している。
三作目では、主人公のヒカリの仲間となり、彼女の力となった。
で、「3.5」では見事セシルが主人公の座を獲得したのである。
「セシルには気をつけて。あいつ、誰彼かまわず、浣腸しようとしてくるから」
「わかった、気をつけるね」
ミナに注意された俺は、そう答えながらも、内心(知ってる)と頷いていた。
セシルは捕えた女の子に対する調教として、浣腸プレイを強要してくる。太い注射器に浣腸薬を詰め込み、肛門にダイレクトに流し込んで、女の子達を苦しめている。当然、ヒカリが負ければ、その責め苦を味わうこととなる。逆にヒカリが勝てば、ヒカリがお仕置きとしてセシルに浣腸プレイを行うのである。
二作目でゲストキャラとして登場した際も、ヒカリの体力を回復してくれる代わりに、浣腸プレイを要求してくるという徹底ぷりだ。
「あれ……? 誰もいない」
四階のボス部屋に入ったが、そこには主であるセシルの姿は見当たらない。
調教済の女の子が、拘束具を付けられたまま、グッタリと床に横たわっているだけである。
「おかしいわね。誰もいないなんて……」
「ねえねえ、ママ。手紙が置いてあるよー」
アイリに声をかけられて、俺達は近くまで寄ってみた。彼女の手には、一枚の手紙がある。
そこには、こう書いてあった。
『三階から救援の要請あり、助けに行ってきます』
俺とミナは、手紙を読んだ後、顔を見合わせた。
状況は刻一刻と悪化している。三階で何が起きているのかわからないが、救援要請が来た、ということは、相当ピンチなのだろう。この手紙がいつ書かれたものなのか、その時間帯によっては、だいぶ急いで向かわないといけなくなる。
幸い、調教済の女の子に聞いてみると、「セシル様はついさっき出ていかれました……」と教えてくれた。ついさっき、なら、まだ間に合うかもしれない。
「行こう、ミナ。クジャクを止めないと!」
「ええ。急ぐわよ」
俺達は、三階を目指して、また進み始めた。