※この作品はR-18です。

エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥   作:夕凪カサネ

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第35話 異世界転生の秘密

 アイリは純粋なキラキラした眼差しで、俺のことを見ている。

 

 きっと、褒めてもらいたいのだろう。外の世界へ出ようと考えている、自分のことを。淫魔王の娘として立派に務めを果たそうとしていることを。

 

「ちゃ、ちゃんと、パパの了解を得ないとね」

「うん!」

 

 俺は何も言えなかった。アイリのやろうとしていることに。

 

 でも、これでいいのだろうか?

 

 などと考えていると、突然、空間がグニャリと捻じ曲がり始めた。

 

「え⁉ うそ⁉」

 

 驚く俺の目の前で、アイリもまた目を丸くしている。

 

「ママ⁉ どうしたの! ママーーー!」

 

 最後に聞こえたのは、アイリの叫び声だった。

 

 俺の意識は、そこから闇へと飲み込まれてしまった。

 

 ※ ※ ※

 

 気がつけば、真っ白な空間にいた。

 

 ここには以前も来たことがある。創造神クーリアの領域。

 

 クーリアは、前と同じように、パソコンデスクの前に座っている。相変わらず眼鏡が似合う、白衣の美少女だ。

 

 彼女はモニターを睨んだまま、かなり険しい表情を浮かべている。

 

「やってくれましたね、ヒカルさん」

「あ、あの……私……」

「忘れてしまったのですか? 全ての敵を倒して、ゲームクリアしてくれれば、元の世界へ戻すと。でも、もしも敵に負けて屈服したら、存在をデリートすると」

 

 やっべ、その約束、すっかり忘れていた。

 

 だって気持ち良すぎたから……! レイフーとのエッチ、ドゥームの触手責め……! あんなの、快楽に溺れるな、っていうほうが無理あるだろ!

 

「あなたは使命を忘れて、ドゥームに身を委ねた挙げ句、とんでもない淫魔姫を誕生させてしまった。その罪、万死に値します」

「リ、リセット! もう一度だけ、チャンスをください!」

「いいえ。もう私達には時間的余裕がありません。あなたには何も期待できない」

「私『達』?」

 

 俺が首を傾げると、ちょんちょんと、誰かが後ろから肩をつついてきた。

 

 振り返れば、そこには破壊神デストラがいる。色黒肌に白ビキニ。何度見ても、エッチな格好だ。

 

「やっほ♪」

「え? どうしてここに?」

「手を組んだのよ。クーリアと。混沌神クンルンに対抗するために」

「クンルン? あいつが、どうかしたの?」

「簡潔に説明するわね。この世界を、やつはむちゃくちゃにしようとしている。それどころか、異世界にまで侵略しようと目論んでいるの。そう、あんたが元いた世界へと」

「んんん? どういうこと? ここって、ゲームの世界でしょ?」

「ゲームの世界よ。だけど、世界は世界。ちゃんと存在している。ただ、あなたが元いた世界とは明確に次元が分かれているだけ。その境界線を、クンルンはうやむやにして、融合させようと考えているわけ」

「そ、そんなこと、できるの?」

「できるわよ。だって、あんたがやらかしちゃったから」

「わ、私?」

「異世界から来たあなたと、この世界の住人である淫魔王ドゥーム。その間に生まれた子ども、淫魔姫アイリは、世界観を渡り歩けるドリームウォーカーとなった。マルチバースを飛び越えられる存在ね。ここから先は、アイリのやりたい放題。なんでも出来ちゃう」

「よくわからないけど、ものすごい、とんでもない事態になってる……ってことだけは理解できた……」

「あんたが軽率に、ドゥームと手を組もうとしなければ、こういうことにはならなかったんだけどね」

 

 呆れ顔でため息をつくデストラ。

 

 しかし、そう言われても、俺には他に選択肢がなかった。

 

「しょ、しょうがないでしょ。そもそも、あのクジャクってなんなのよ! 私以外にも、異世界転生してきた奴がいたんだけど! そいつがこの世界をむちゃくちゃにしようとしてたから、それを止めるために、わざわざドゥームと手を組んで――」

「クジャクは、間違いなく、クンルンが呼び出した存在でしょうね」

 

 タン! とエンターキーを強く叩いたクーリアは、モニターを俺のほうへと向けてきた。画面を見ろ、ということだ。

 

 その画面には、小太りの、さえない中年男性が映っている。

 

「あなたがいた世界での、クジャクの姿。本当は、こういう男だったの」

「クジャクでいる時は、それなりにナイスミドルな感じだったのにね……正体は、残念な感じ……」

「おそらく、クンルンは、クジャク以外にも何人かこの世界へと召喚しているはず」

「もしかして……あの隕石って……」

「クンルンが使った召喚魔法によるものでしょう。混沌を司るクンルンは、世界を飛び越えることは出来なくとも、異世界に干渉することは出来る。その力を利用して、あなたの世界に隕石を落として、『稲妻の戦士ヒカリ』プレイヤー達を異世界転生させたんだと思います」

「ちょっと待って。だったら、どうして私は、あなたに召喚されたの? この間、あなたが呼び寄せた、って言ってたじゃない。私のところに落ちた隕石は、あなたの仕業?」

「いえ、隕石は、クンルンが仕掛けたもの。ただ、私達もまた、クンルンの陰謀に対抗すべく、動いていた。その結果考えたのが、クンルンによって呼び寄せられた『稲妻の戦士ヒカリ』プレイヤー達の魂の内、一部を、こっちのほうへと引っ張り込むという作戦。いわば、横取りですね」

「で……私は、あなたに召喚された形になった……」

「実は、もう一人、デストラが召喚、というか横取りに成功したプレイヤーがいるんです」

「え」

 

 またも、クーリアは、タン! とエンターキーを叩いた。

 

 画面には別の人物が表示される。無精髭を生やした中年男性。ただ、こちらはクジャクの正体の男とは違って、かなりイケメンである。

 

「彼の名は燕尾マキオ。あなたの世界では、プログラマーをやっていたみたいです。こっちの世界では、『炎の戦士マキナ』として転生しました」

「『炎の戦士マキナ』!」

 

 そういえば、あった! そんな作品! メーカーのエービーCDが、密かにスピンオフとして発売していた作品。ただ、明確にスピンオフとは銘打っていなかったので、誰もそれが「稲妻の戦士ヒカリ」とも連動する世界観であるとは気がついていなかったやつ。俺のようなヒカリファンくらいじゃないだろうか、そのことを知っていたのは。

 

「というわけで、ここから先は、『炎の戦士マキナ』に頑張ってもらうこととします。あなたはこれにて永遠の死を迎えてもらいますね」

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