エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥ 作:夕凪カサネ
五日かけて馬で進んでいき、ようやく、辺境の地リンドに到達した。
最初はのどかな草原を進んでいたのが、途中から山あり谷ありで、険しい道のりとなっていき、ついには岩場ばかりの荒れ果てた土地へと風景が変わっていった。
天候も、常に暗雲垂れ込めており、雷が鳴り響いている、不穏な状態となっている。
「あれがヴァレリアの塔か」
マキナさんが指さす方向に、天まで達しそうな高い塔が見えてきた。
ロード・オブ・ザ・リングに出てくる「二つの塔」のようなデザインだ。ドゥームの塔はバベルの塔じみた、シンプルで古典的なデザインの塔であるけど、ヴァレリアの塔はもうちょっとサグラダ・ファミリア的というか……まあ、俺の少ない知識では、上手く説明できる言葉が見当たらない。とにかく、壮大で禍々しさを感じさせる塔である、ということだけは言える。
「そう……あそこに、大魔法使いヴァレリアがいるわ」
「モンスターとかも、当然いるんだろうな」
「自分の塔の守りを固めるために、いくつか配備している……とは聞いている」
「戦わずに済む方法はないかな」
「ムリだと思う……」
言ってるそばから、岩場の陰より、一つ目の巨人が姿を現してきた。
サイクロプスというやつだろう。
これが、「稲妻の戦士ヒカリ」の舞台だったら、可愛い女の子モンスターとなるのだろうが、あいにくここでは、ガチのモンスターのようだ。辺境の地リンド、恐るべし。女の子モンスターなら、負けてもエッチな目にあうだけですみそうだけど、こんな無骨なモンスターとなると、負けるイコール死、となりそうなイメージだ。
「とりあえず全部ぶっ倒していくか。お前ら、おくれを取るなよ」
ゴウッ! と手から炎を発して、マキナさんは自信たっぷりの笑みを浮かべた。この人なら、どんな敵が出てきてもなんとかしてくれそうな安心感がある。俺もまた、マキナさんの横に並び立ち、剣を構えた。いまだったら、雷の魔法を五発は放つことが出来る。それなりに成長している。
レベッカは、直接戦闘向きではないからか、隊列的には後方に陣取った。後ろから支援するスタイルで戦うのだろう。
「おらああ!」
威勢の良い掛け声とともに、マキナさんは両腕から火炎を噴き上げて、サイクロプスへと攻撃を仕掛けた。炎の渦が巻き起こり、やがて蛇のごとくうねりながら、サイクロプスの顔面目がけて襲いかかる。
一つだけの眼球へと、火炎はぶつかった。
グアアアア! とサイクロプスは絶叫を上げた。目を潰されて、グラリとよろめく。
そこへ、俺は斬りかかった。狙うは、足首。巨大な敵を相手するには、まず足を攻めるべしと、なんかのアニメか映画で学んだことがある。サイクロプスの後ろへと回り込んだ俺は、足の腱を思いきり斬り裂いた。
ただでさえ火炎の魔法を喰らってバランスを崩していたところに、足首を切られて、サイクロプスは呆気なく横倒しに倒れた。
「気をつけて……! まだいる!」
レベッカの警告を受けて、俺達は勝ってなお、気を引き締めた。
次々と、岩陰から、新手のサイクロプス達が姿を現してくる。みんな、仲間がやられたことで怒りを感じているのか、目を血走らせて、鼻息荒く迫ってくる。なかなか怖い光景だ。
それでも、マキナさんは恐れることなく、立ち向かっていく。
「さー! ファイアーパーティーといこうか!」
ゴォッ! と炎を盛大に巻き上げて、マキナさんはサイクロプス達に向けて休む間もなく攻撃を仕掛けていく。どんどん火炎弾が飛んでいき、サイクロプス達の弱点である単眼を潰していく。人数差も、体格差も、ものともしない。
「ウォータージェイル!」
ついにレベッカも動き出した。
呪文詠唱とともに、大量の水が飛んでいき、サイクロプス達の体へとまとわりついた。それは単なる水ではないようで、一定の粘着力を持つのか、サイクロプス達は拘束されたかのように身動きが取れなくなる。
よし! と俺は頭上に剣を掲げた。バチバチと、あたりに電撃が走り始める。
ドゴォオン!
雷の魔法を炸裂させた。剣を媒介して、稲妻が宙を走り、サイクロプス達へと襲いかかる。水によって拘束されている一つ目の巨人達は、次々と電撃で感電し、肉体を焼け焦げさせた。グギャアアア! と悲鳴が上がる。
こうして、俺達は連携しながら、モンスター達を倒していき、あっという間にヴァレリアの塔の真下へと辿り着いた。
「さーて、いよいよ本丸だ。別に敵対するつもりはないけど、向こうは歓迎してくれないだろうからな。気を引き締めていくぜ」
「ちょっとドキドキする……」
「エロいトラップとかあったら、ヒカリ、お前に任せた」
「な、なんでよ! 私ばかり、そんな目に遭えって言うの⁉」
「得意だろ、そういうの」
「そ、それは否定しないけど、本当に、次にそんなトラップに引っかかったら、まずいんだってば……!」
「おいおい、頼むぜ、しっかりしてくれよ。簡単にメス堕ちとかしてくれんなよ。何気に頼りにしてるんだから」
そんな掛け合いをしながら、俺達は塔の中へと入っていった。