エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥ 作:夕凪カサネ
とりあえず扉へのフェラ奉仕をしたおかげで、先へと進むことはできた。
ただ、俺はちょっと不満を抱いていた。
なんでエロ担当は俺、っていう風に決まってるんだよ。
マキナさんだっていい女だし、レベッカだってかなり可愛い。誰がやっても同じことじゃないか。ジャンケンとか、そういうので公平に決めてくれればいいだろ。
「そう怒んなって。お前だって、けっこう乗り気だったろ」
塔の上へ向かう螺旋階段を上りながら、マキナさんはカラカラと笑いながら、そんなことを言ってきた。
そりゃあ、確かに、俺だって気持ち良くなっていたけどさあ。なんだかんだでチンポをしゃぶりながら感じていたけど……でも、いまだに口の中に残っている精液の味が、本当に気持ち悪い。
「次は、絶対に、マキナさんがやってちょうだいね!」
「やーだよ。オレはやりたくねーよ」
「私だってやりたくないもん!」
それにしても、この塔は実に単純な構造をしている。一階であんなエロ扉があるから、もっと仕掛けが施されているのかと思えば、あと最上階までは螺旋階段一本で繋がっている様子だ。変にダンジョン攻略とかならなくて、本当に良かった。
最上階の扉を開けると、そこはゴチャゴチャと物に溢れかえっている部屋だった。
何かの実験も行っているのだろう、試験管やビーカーもテーブルの上に置かれている。部屋のあちこちに魔方陣が描かれており、全体的に禍々しい雰囲気だ。
その部屋の奥に、スリットの入ったローブを着た妖艶な女性が立っている。
俺達が来ることをすでに察していたのだろう、ようこそ、と言わんばかりの笑みを浮かべて、待ち構えている。
この女が、おそらく、大魔女ヴァレリア。宝石をあしらった冠をつけ、イヤリングやらネックレスやら、宝飾品で溢れかえっている。眼鏡をかけており、知的な印象がある。その眼鏡の奥の細い目を、さらに細めて、彼女は口を開いた。
「ふふふ、いらっしゃい。待っていたわ。二人の転生者に、精霊に愛された女の子。私がヴァレリアよ」
「転生者?」
耳慣れない単語に、レベッカは首を傾げた。
俺は慌てて、ヴァレリアの言葉を否定にかかる。
「な、なにを言ってるのよ! 転生者⁉ 私達、そんなんじゃないわ!」
「あらあ、その様子だと、転生、という言葉の意味を知っているようね」
「し、知らないわよ」
「隠さなくていいわ。ここがゲームの世界であるということは、私も自覚しているから」
次から次へと、ペラペラと、核心に迫ることを話すヴァレリア。
俺はハラハラしながら、なにも知らないレベッカのことを、横目で見た。レベッカはますます怪訝な表情を浮かべている。
「ゲームの世界……?」
「惑わされないで! 私達を混乱させようっていう手段だから!」
そんな風に騒いでいる俺のことを見て、ヴァレリアはクスクスと笑った。
「なんのために、ここまで来たの? 私に、元の世界へ戻してもらうための方法を教わりに来たんじゃないの?」
「違うわよ。私は、淫魔王ドゥームとか、混沌神クンルンとかを倒さないといけないの。それなのに、全然関係ない場所に来ちゃったから……」
「やめておいたほうがいいわ。あなたでは勝てない」
「どうして!」
「だって、一度、心身ともに屈服しているでしょう? クセがついた以上は、欲求に抗いようがないわ」
「わ、私、耐えられるわ」
「どうだか」
ふふん、と鼻で笑い、ヴァレリアは床に描かれている魔方陣のひとつへと歩み寄る。そこへ、パラパラと何か粉をかけた瞬間、パアッ、と魔方陣が光り輝き始めた。
「この魔方陣に乗れば、元の世界へ戻れるわ」
「えっ」
「しかも、ヒカリの姿のまま。あなたもよ、マキナ。どうするの?」
マキナさんは、ヴァレリアを睨みつけた。
「どういうことだ? なんで、お前、そんなに詳しいんだ? っていうか、どうしてオレ達が転生してきたことを知っている?」
「ここは辺境の地リンド。ありとあらゆる世界や時間とつながっている場所。ここにいれば、ありとあらゆる動きをつぶさに見ることが可能なの」
「お前は観察者、ってわけか」
「そんなところかしら。あなた達の活躍も、ずっと見ていた」
ヴァレリアは、俺達を挑発するように、ジッと見つめてくる。
「さあ、どうするの。選びなさい」
「待って! 私のことも観察してきたのなら、淫魔姫アイリの誕生も見ていたんでしょ!」
「ええ、見ていたわ。あれは激しかったわね。ふふふ、まさか淫魔王の子どもを産んじゃうなんて」
「アイリは世界を飛び越える力を持った、って聞いている。これから何が起ころうとしているの」
「簡単に言えば、アイリがその気になれば、あなた達がどこにいても、あとを追いかけることが可能、ってことね」
「元の世界に戻ったとしても……⁉」
「あらゆる次元を超えて、アイリは存在することができる。それだけの力を持っている」
「じゃあ、逃げ場がないってことじゃない……!」
「そういうことになるわね」
だったら、やっぱり、いま元の世界へ戻るわけにはいかない。
当初の予定通り、戦うしかない。
「元の世界には戻らないわ! まずは、倒すべき相手を倒す!」
「勇ましいことね。でも……」
レロォ、とヴァレリアは、自身の唇を舌で舐めた。
「残念だけど、私は混沌神の部下なのよねえ」