エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥ 作:夕凪カサネ
「その変な夢って……」
どんな夢? と聞こうとして、俺はハッとなった。
アスカさんは、顔を赤らめてモジモジしている。
なんだなんだ? 妙にエロいぞ……?
ちょっと気まずくなり、俺はアスカさんから目を逸らした。あんまりジロジロ見るのも悪いな、と感じたからだ。
「えっと……けっこう真剣な悩みなんだけど、話、聞いてくれる?」
「俺? 俺が? 佐倉さんの悩みを?」
「うん。ダメかな?」
ど、どういうことだ。
正直、佐倉さんとはあまり話をしたことがない。一年生の時に行った野外教室で、キャンプファイヤーを囲みながら、ちょっと会話をしたことがあるくらいだ。あのとき、何を話したのか……他愛もないことだったような気がする……よく憶えていない。
とにかく、俺は、佐倉さんの悩み相談に乗れるような立ち位置にいるクラスメートではないはずだ。
それなのに、どうして?
だけど、ここで断るわけにはいかない。チャンスだ。佐倉さんと関係を深めるチャンスだ!
「いいよ。どんな悩み?」
「あ、ここで話すのは、ちょっと……」
なるほど、デリケートな内容なんだね。
……ますます、なんで俺が相談相手に選ばれたのか、よくわからない。
「じゃあ、放課後でも……」
「できれば、いますぐ聞いてもらいたいの」
いますぐ⁉ それって、つまり、学校をサボろう、っていうことか⁉ 意外とアスカさんは大胆だな!
「わかった。次の駅で降りようか。たしか、駅前にカフェがあったはずだから」
「うん、お願い」
こうして、俺達は、ふだんは寄らないような駅で下車し、駅前のカフェへと入っていった。
平日の午前中だからか、あまりお客さんは入っていない。暇そうな老人や、大学生らしい四人組がいるだけだ。
窓際の席に座って、俺はアイスカフェオレ、アスカさんはホットアップルティーを頼んだところで、さっそく、アスカさんから口を開いた。
「一年生の時の野外教室で、私が話したこと、憶えてる?」
「え、いや、えっと……」
どうしたものか、と思ったけど、ここは素直に答えることにした。変に自分をよく見せようとしても、しょうがない。
「ごめん。忘れちゃったよ」
「そうだよね。さすがにね」
「どんな話だったっけ?」
「……ひとつだけ、約束して」
顔を赤くして、目を背けながら、アスカさんは小声で言ってきた。
「もう一度、あのとき話したことを話すけど……それ以上詳しいことも話すけど……他の人には、絶対に言わないでね」
「も、もちろん。約束するよ」
「宮守君は私の家庭事情とか、理解してくれると信じてるから、話すんだからね」
「俺が?」
どういう信頼だろうか。
アスカさんは、俺の何を知っているのだろうか。
「宮守君って、ゲームが好きなんだよね」
「うん」
「エロゲ……やるんだよね」
「ふぁ⁉」
急転直下、俺は一気に血の気が引いてきた。
な、なんで、アスカさんがそのことを知っているんだ⁉
「あの野外教室で、宮守君が、他の男子と話をしてるの、こっそり聞いていたんだ。だから、私、君に興味を持って、キャンプファイヤーの時、声をかけたの」
「お、俺が、エロゲをやることに、興味があるって、どういうこと⁉」
「実はね……私のお父さん、小説家なんだ」
「あ! それは思い出した! そうだった、キャンプファイヤーの時に話をしていたね!」
「うん。だけど、それしか私は話さなかった……でもね、もっと隠していることがあったの」
「なに? どんなこと?」
「お父さん、ゲームのシナリオライターもやっていて……主に、エロゲのシナリオを書いていたの……で、聞いたことがあるかな? 『銀河天使アストライア』」
「うおおおい、知ってる! 知ってるよ! 俺、すごく好きなゲームだよ!」
思わず興奮気味に語ってしまったが、ふと気がつけば、アスカさんが若干引き気味になっているので、慌てて自分を抑えた。
「ご、ごめん……」
「いいよ、ありがと。お父さん聞いたら喜ぶよ」
クスッ、とアスカさんは微笑んだ。
「で、悩み事って? お父さんがエロゲのシナリオライターだっていうことが、恥ずかしいとか?」
「ううん。それは大丈夫なの。私も、こっそり遊んでみたことあるし」
え。
「それで……こっそり、コスプレをしてみたこともあるし……」
え。え。
マジで⁉
この学年一の才媛と言われている、黒髪ロングストレート美少女のアスカさんが、「銀河天使アストライア」のコスプレをしただとぉ⁉
「こんな感じで……」
照れくさそうにしながら、なんだかんだで、アスカさんはスマホに入れている自分のコスプレ写真を見せてきた。
す、すごい。本格的だ。アストライア独特のピンク髪を、ウィッグで再現してる。純白のレオタードの上から、ピンクのスカートをはいた、可愛らしいけれど、どこかエッチなコスチュームで、バッチリとポーズを決めている。
「可愛い! 可愛い! むちゃくちゃ可愛い!」
俺が褒めまくると、アスカさんは嬉しそうに笑みを見せた。わざわざ俺に見せてきたのは、承認欲求からだろう。誰かに見てもらいたかったのに違いない。
「ありがとう……誰にも見せたことなかったから、ちょっと自信なかったけど……よかった♪」
「それで? 悩み事って、このことに関する話?」
「ううん。違うの。悩み事って、ここ最近見ている夢のことなんだけど……」
「夢?」
「実はね……こんなコスプレしたからかもしれないんだけど……」
アスカさんはうつむいて、話しにくそうにしながら、夢の話を切り出してきた。
「私が、アストライアに変身している夢を見るの……毎日……それも、毎回、ゲームみたいにバッドエンドを迎えて……酷い目にあうの……」
うわあ……それはキツい……。
アストライアは、バッドエンドでは、民衆の肉奴隷になったり、宇宙生物の苗床にされたり、散々な目にあう。そんな夢を毎日見るのは、精神的につらいだろう。
「だけどね……どうも、それらの夢って……夢じゃないみたいなの」
「え? 夢じゃない?」
「どれもこれも……別宇宙にいる私の……ううん、アストライアの、かもしれない……それが現実に陵辱されている様子を、見せられている……そういうことみたいなの」