エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥ 作:夕凪カサネ
「で、それが、佐倉さんの悩みっていうわけ? 毎晩変な夢を見る、ってことが」
「と言うよりも……いやな予感がするの」
「いやな予感?」
「もうすぐ、この世界が終わりを迎えそうな、そういう予感」
アスカさんの表情は真剣そのもの。
さすがに茶化す気になれず、かと言って同じテンションで同調することもできず、俺は黙った。
ひたすら沈黙の時間が続く。
その時――外から、大きなクラクションの音が鳴り響いてきた。
え? と思って、窓のほうを振り向いた瞬間――
ガシャアアアアン!
窓を突き破って、暴走トラックが店内に突入してきた。
グシャッ!
俺とアスカさんは、トラックに轢き潰されてしまった。
※ ※ ※
う、うーん……
俺は呻きながら、身を起こした。
トラックに潰された、にしては、どこも体は痛くないな……?
不思議に思いながら、立ち上がる。
そして、自分の体を見て、
「えええ⁉」
驚きの声を上げた。
いつの間にか、俺は黄色いレオタードを着ており、肉体は女体と化している。動く度に巨乳がプルンプルンと揺れる。頭に手をやれば、サラサラした赤いロングヘアが指に絡みついてくる。
この姿、もしかして……⁉
目が覚めた場所は、全体が石で作られている殺風景な部屋だった。広さ的には、学校の教室くらいはあるだろうか。その中に、他にも何人か床に倒れている。みんなゲームの登場人物のコスプレのような格好をしている。
ちょうど壁に鏡がかかっているので、自分の姿を映してみた。
「うそだろ、ヒカリ……⁉」
間違いない。「稲妻の戦士ヒカリ」の主人公、ヒカリに、俺は変身してしまっている。3Dグラフィック風に立体化されているものの、この見た目は、まさにヒカリだ。
「ど、どういうことだよ⁉ なんで……⁉」
驚いている、俺の背後で、うーん、と女性の呻き声が聞こえた。
振り向いてみると、やはり見覚えのあるゲームキャラが身を起こしているところだ。
「アストライア……⁉」
ピンク色のロングヘア。白とピンクを基調とした、いかにも変身ヒロインといった風情のコスチューム。むっちりした肉体が、ただ立っているだけで健康的なエロスを醸し出している。大手ゲームメーカー・ワンダーランド社が出した傑作ゲームだけあって、アストライアは、いまだに根強いファンがいるキャラクターだ。俺も、オナニーのオカズに何度もさせてもらっている。
そんなアストライアが、リアルに目の前に存在する……!
だが、どうも様子がおかしい。彼女は、自分のコスチュームを何度も見ては、
「え⁉ えええ⁉」
と驚きの声を上げている。
自分がアストライアであることに戸惑っているようだ。
「あの、鏡、こっちにあるけど」
俺に教えられたアストライアは、黙って鏡のほうへと駆け寄り、そして、自分の姿を見て、愕然とした。
「ほ、本当になっちゃった……! 私が、アストライアに……!」
その発言を聞いて、もしや、と思った俺は、
「ひょっとして、佐倉さん?」
と声をかけてみた。
アストライアは目を見開き、びっくりした様子で、俺のほうを見てきた。
「どうしてわかるの⁉ あなた、誰⁉」
「俺は、俺だよ。ヒカル。宮守ヒカル」
「み、宮守君⁉」
「まさかの『稲妻の戦士ヒカリ』の格好になってるんだけどね」
「どういうこと⁉ 私達、なんで……⁉」
「俺達、トラックに轢かれたし……もしかして、これが有名な、転生ってやつじゃないの?」
「宮守君は、なんで『稲妻の戦士ヒカリ』に⁉」
「なんでだろうなあ。あんまりにも熱心にプレイしていたからかなあ。ヒカリにTS転生することになるなんて、思ってもいなかったよ」
そんな会話を交わしているうちに、他の倒れている人達も起き上がってきた。
「なんじゃこりゃああ⁉」
ボンテージ風の衣装に身を包んでいるセクシーなお姉さんが、声こそ女の人のものであるが、およそ見た目に似つかわしくない荒い言葉づかいで、自分の姿に驚いている。
「え……あれ……どうして……え……え……」
水色のビキニ姿の、ロリ系のボブカット少女が、オロオロとうろたえている。
「死んだと思っていたが……どうも生かされたようだな……天に感謝せねば」
渋い髭を生やした騎士風の中年男性が、やはり渋い声で、そんなことを言っている。
そして、最後の一人。不敵な笑みを浮かべている紫ショートヘアの、魔法使い風のローブを着た少女が、周りを見ながら語り始めた。
「へええ、こいつはいいや。どうやら僕らは、転生系デスゲームに巻きこまれたようだね」
「転生系デスゲーム……?」
俺が尋ねると、ショートヘアの少女はコクリと頷いた。
「このシチュエーション、どう考えてもデスゲームでしょ。君も、命を落として、この世界へやってきたんじゃないの?」
「そうだけど……君も?」
「うん。僕は、通り魔に刺されたんだ」
通り魔、と聞いた騎士風の中年男性が、「あ、俺もだ」と手を上げた。
「中学生くらいの少年が目の前で刺されたから、助けに入った。だけど、通り魔に返り討ちにあって、俺も刺されてしまったんだ」
「その中学生って、僕のことだよ、きっと」
「本当か⁉ いや、しかし、お前は女の子じゃないか。見た目も全然違う」
「それが転生ってやつさ、オジサン。しかも僕の場合は、TS転生。性別も変わっちゃってるんだ」
その時、何もなかったはずの空間に、突然光源が現れた。
もやのような光が輝いている中、一人の少女が空中に姿を見せた。彼女はそこに実体がないのか、ホログラムのように不安定な映像として浮かんでいる。
少女は、俺達一人一人を見回すと、自己紹介してきた。
『私は、創造神クーリア。頼みがあって来ました』