エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥ 作:夕凪カサネ
「クジャク……? えっ、誰……?」
そんなキャラ知らない俺は、相手が何者かと、首を傾げた。
「そんなことも知らないのかよ。漫画『ソード・オブ・ホーク』のライバルキャラ、クジャクって言ったら、オタクなら誰でも知っているキャラだろ」
「いや……知らない……俺、その漫画を見たことないから……」
「かー! マジかよ! テンション下がるわ」
そんなことを言っている間に、両腕を失ったガルムが、怒り心頭の様子で、ズンズンと歩を進めてきている。腕の断面からバシャバシャと血をこぼしているが、そんなのお構いなしだ。
「おのれ! わしを愚弄しおって!」
「おいおい、タフにもほどがあるぜ。斬鉄剣喰らって、一撃で死なないなんて。まあ、さすがボスキャラ、っていったところか」
「この程度の傷!」
フンッ! とガルムは気合を入れた。
たちまち、グジュルル! と気持ち悪い音を立てて、無くなった両腕が復活した。
「わああ! 再生した!」
「うろたえんなって。それよりも、妙だな……タフなだけで、全然、ひとつのゲームのラスボスらしい強さを感じないぜ」
「十分強いって!」
「あのなあ、お前だって、『稲妻の戦士ヒカリ』を知っているくらいだから、ゲームには詳しいだろ? だったら、ラスボスっていうのがどれだけ厄介な存在か、わかっているはずだぜ。特に、『マドマド』のラスボスである外道王ガルムは、十何人ものキャラクター総がかりでやっと倒せるような強敵なんだ」
「つまり……?」
「こいつは偽物、ってことだよ」
クジャクは、腰を落として、刀の柄に手を当てた。抜刀術の体勢だ。
ぐおおおお! と吼えながら、ガルムは飛びかかってくる。
そこを、一刀両断!
クジャクの放った斬撃が、ガルムの体を縦一文字に真っ二つに斬り裂いた!
「うべえええ……!」
気色の悪い断末魔を上げて、ガルムはドロドロとただの肉塊となり、溶けていく。
「やはりな。ガルムポーンだ」
「ガルムポーン?」
「ガルムの肉体から生み出された兵士だよ。肉人形ではあるが、ガルムと同じ攻撃力、防御力を持つ凶悪なモンスターだ。ただ、知能レベルは低いから、そこにつけいる隙はある。お前、『マドマド』はやったことないのか?」
「う、うん……名前だけしか知らない」
「そうか。とにかく、いま倒したのは偽物だから、本体はいまごろ――」
とクジャクが話している途中で、溶けたはずのガルムポーンが、再びグジュグジュと肉が固まっていき、形をなしてきた。
「あ、危ない!」
「しつけーな!」
俺が警告を発するのと同時に、クジャクは振り返って、斬撃を放とうとする。
その時、玉座の間へサッとピンク色の残像が飛び込んできた。
アストライアの姿になっているアスカさんだ。
「ギャラクティック・レボリューション!」
その手にビーム状の剣を宿すと、必殺技の名前を叫び、一瞬にして、ガルムポーンを八つ裂きにした。
ガルムポーンの肉は四散し、ベチャベチャと床や壁に飛び散った後、ドロオと溶けていった。そして、二度と復活することはなかった。
「佐倉さん……! 戻ってきたんだ……⁉」
「ごめんね、宮守君。途中まで逃げたんだけど、やっぱり、見捨てておけなくって……」
「ううん、ありがとう。おかげで助かったよ」
そんな俺らの会話を聞いていたクジャクが、おいおい、と突っ込みを入れてきた。
「お前ら、うかつに転生前の名前を名乗るなよ。名前を使って呪いをかける敵だっているんだぜ」
「そ、そうなの?」
「かー、常識だろうが。こういうファンタジー世界ではよぉ」
常識と言われても、普通の世界に生きてきた俺達には、まったくわからない話である。
そこで、ふと、疑問が湧いてきた。
「もしかして、クジャクって……俺達と同じ、転生者?」
「ああ、そうだぜ。元々がどんな人間かは、教えないけどな。いまは、この激シブサムライ・クジャクとしての人生を謳歌しているところだ」
「ひょっとして、クジャクもクーリアに召喚されて……?」
「ちゃんと話を聞いていたのかよ。もともと召喚したのは、混沌神クンルンだ。クーリアは、それを横からかっさらっただけでしかねえ」
「とにかく、俺達と同じ……ってこと?」
「ま、もっと複雑な事情があるみたいだがな、とりあえず、そんなところで合ってるぜ」
俺とアスカさんは目を合わせた。
「そうしたら、どうしようか……」
「んと……この人……クジャクさんって言うの? ……教えてくれた通りに、本当の名前で呼ぶのはやめよ」
「そうだな。そしたら、アストライア、って呼べばいいのか。うわあ、慣れないなあ」
「えっと、あなたのキャラクター名って、なんだったっけ」
「ヒカリ」
「そうそう、ヒカリだった。うーん、なかなか馴染みそうにないわ……」
俺達のやり取りをニヤニヤと眺めていたクジャクは、おもむろに、「よーし!」と声を上げた。
「じゃあ、お楽しみタイムといくか!」
「え? お楽しみタイム?」
「お前ら、俺がいなかったら、ガルムポーンに犯されて、殺されていたかもしれないんだぜ。そこを助けてもらったんだから、それ相応のお礼はすべきだろ」
「ぐ、具体的には……?」
「そうだな。二人で一緒に、フェラチオ奉仕してもらおうか」
とんでもないことを、クジャクは要求してきた。