※この作品はR-18です。

エロRPGにTS転生した俺、快楽に身を委ねるかバッドエンド回避か、気持ち♥よすぎて♥困っちゃう♥   作:夕凪カサネ

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第7話 ドゥームの塔へ

「あ、起きたんですかあ?」

 

 柔らかく、甘ったるい声が、聞こえてきた。

 

 ドアを開けて、部屋の中に女の子が入ってくる。エプロン姿の、素朴な雰囲気の、可愛い子だ。

 

 俺はこの子のことを知っている。宿屋の主エレナだ。

 

「おはよう」

 

 素っ気なく挨拶だけすると、急いで俺はベッドから下りて、荷物をまとめ始めた。ここでモタモタしている暇はない。早く出発しないと、ドゥームの手下達がやってきてしまう。

 

 そんな俺の慌ただしい様子に、エレナは目を丸くしている。

 

「えっと……? どうかされましたか? もう、出発されるんですか?」

「ええ。淫魔王ドゥームを倒しに行かないと」

 

 さらにエレナは驚きの表情を浮かべた。どうして、ドゥームのことを知っているのか、と言わんばかりの顔だ。

 

「噂は聞いているわ。この町の外れにある塔に、淫魔王ドゥームが居を構えて、女の子達を捕えているんでしょ。私は、それを助けに行きたいの」

「あ、あなたは……?」

「私はヒカリ。稲妻の戦士ヒカリ。よろしくね」

 

 そう言って、俺はエレナに向かって、ウィンクした。

 

 何が何だかわけがわからない、といった様子で、エレナは最初から最後まで困惑しっぱなしだった。

 

 ※ ※ ※

 

 町を出て、歩くこと三十分後、荒れ果てた岩場の中に、ドゥームの塔は姿を現した。

 

 ゲームでは、その全容を見ることはなかった。塔の入り口の前にヒカリが立っている一枚絵が表示されるだけ。あとは、ドゥームを倒した後、エンディングでヒカリの雷魔法によって倒壊した後の塔を拝めるくらいである。

 

 いざ、こうしてリアルに、目の前にそびえ立つ六階建ての塔を見上げると、想像していたよりも巨大な威容に圧倒されてしまう。

 

 よく考えたら、内部は複雑な迷宮となっているのだ。かなり広くて、大きい建物になるのは当たり前である。

 

(この中に、ドゥームがいるのか)

「この中に、ドゥームがいるのね……」

 

 相変わらず、自分の言葉は、自動的に女言葉へと変換されてしまう。意図せずして、俺はヒカリを演じている形になっている。

 

「それにしても、私の声って、ほんとエッチだなあ……」

 

 一番の推しキャラであるヒカリの声だけあって、聞き応えは抜群である。多少、他人として彼女の声を聞くのと、自分自身で発声するのとでは、声の聞こえ方は違うが、それでも、聞き心地はいい。昔の声優さんだから、最近の女性声優のような可愛らしい感じの声ではなく、どこか落ち着きのある大人の女性感のある声だが、それがまた色香を感じさせてたまらない。

 

「よし、とりあえず、中に入りますか!」

 

 俺は塔の入り口に立ち、扉をグイッと引っ張った。

 

 ゴゴゴゴゴ、と派手な音を立てて、両開きの大きな扉は、ゆっくりと外側に開いていく。

 

 さっそく、目の前に迷宮が現れた。

 

「ええっと、そういえば、いまの私の強さって……?」

 

 ふと気になって、そう呟くと、俺の意思に従ってか、ピコンという音とともに空中にステータス画面が表示された。本当に、こういうところは、ゲームの世界であることを実感させられる。

 

 レベルは……予想通り、1だ。

 

 HPは10、MPも10。攻撃力10 防御力8 素早さ7。経験値は0。

 

 このゲームには、魔力という概念はない。全ての攻撃と防御は、攻撃力、防御力、に集約される。ある意味わかりやすくて、助かる。

 

 たしか、一作目は、レベルは40でカンストとなった。レベルが1上がるごとに、どれだけステータスが上がったか、よくおぼえていない。ただ、昔のゲームだから、劇的に変化する、ということはなかったはず。それでも、記憶が確かなら、レベルが1違うだけで、かなり強さも変化したはずだ。

 

 MPの残量はかなり重要である。雷の魔法を使うごとにMPは5消費する。つまり、レベル1の段階では、二発しか撃てないという計算だ。その代わり、通常攻撃三撃分くらいの強烈な攻撃を繰り出すことができる。ボス戦までMPを温存できれば、かなり有利に立ち回ることができるだろう。

 ただ、一作目では、道具屋が存在しない。敵キャラからのドロップアイテムもない。消費アイテムは、全て宝箱から入手するしかない。

 

 MPを回復する魔法薬は、たしかそんなに入手できなかったはずだ。だから、考えなしに魔法を使っていると、場合によっては詰む可能性もある。

 

(慎重に……慎重に……)

 

 そんな風に思いながら、俺はダンジョンの奥へと歩を進めた。

 

 曲がりくねった道を進んでゆくと、じんわりと汗ばんできた。どうやら緊張しているようだ。額だけでなく、体からも汗が滲み、レオタードが湿ってくる。

 

 元々のゲームとしての「稲妻の戦士ヒカリ」は、3Dダンジョンゲームである。だから、立体的に空間を捉えている、という点では感覚的には同じであるけど、やはり、リアルに内部を探索するというのは、ゲームでやるのとは違う緊張感がある。濁った空気のにおいや、ヒンヤリした壁の手触りなど、五感に訴えてくるものも、ゲームとは異なる。正直、かなり怖い。

 

 俺は、そこまで「稲妻の戦士ヒカリ」をやりこんではいない。一度クリアした後は、セーブデータをロードして、ひたすら抜きポイント……ヒカリがボスキャラ達に犯されるHシーン……を楽しんでいただけだ。だから、攻略法が頭の中に叩きこまれているわけではない。

 

 それでも、一つ、思い出してきたことがある。

 

 ドゥームの塔の一階で特に気をつけるべきことは、初戦で、モンスター「ウェアウルフ」に当たらないこと。

 

 ウェアウルフは、レベル1の段階で戦うには、あまりにも強すぎるモンスターである。運が悪ければ、あっさりゲームオーバーになりかねない。

 

(どうか、出会いませんように、出会いませんように……)

 

 そんなことを祈りながら、曲がり角を曲がった瞬間。

 

 すぐ目の前に、ウェアウルフが立っていた。

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