※この作品はR-18です。

イシュメルガ=リィンでやりたい放題   作:それって

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イリーナの覚悟

 

 エレボニア帝国ノルティア州の州都ルーレ。

 その中心部に、そびえ立つ25階建ての高層ビルがある。――RF(ラインフォルト)本社ビル。

 

 領主ログナー侯爵の屋敷をも東に押しのけ、この街ではもっとも高い建物だ。各領邦をまとめる四大名門は増税を繰り返しているが、ノルティア州ではRFへの配慮で延期されている。それほどまでにRFの力は強い。今ではルーレ自体が、RFグループの企業城下町なのだった。

 

 その23階、会長室にて――。

 

 

「―――公国(レミフェリア)にエルフェンテックとの合(・)弁(・)企業、ねえ。

 あなた自身が(代表)やるの、これ?」

「俺は裏で動かないとならないので……表向き(・・・)の実働部隊は両社から出して貰うことになります」

 

 ショートボブに整えた金髪を揺らし、下座で斜めに構えるご婦人。気の強い印象を真っ先に受ける美貌はやはりアリサとの血を感じさせる。

 俺はイリーナ・ラインフォルトと久しぶりに会い、今後の方針をプレゼンしていた。

 

 外は真夏日だが、RFビル内は導力エアコン完備なので涼しい。こちらが持参した関連資料を読むイリーナの反応も冷えっ冷えだ。

 

 ちなみに、前案――ユミルにルーレの導力ネットを引っぱってくる件は、通信だけで即決してもらえていた。クロスベル側も広域導力ネットに取り組んでいるので、隣接エリアに展開できるのは赤字とはいえ渡りに船だったという。その話が流れて、俺が代替プランとして持ってきたのがこの《ETC(エルフェンテック)・RFG(ラインフォルトグループ)合弁構想》。

 

 合併ではなく❝合弁❞。国籍の異なる企業同士が別会社を作り、共同で事業を行うためにそこに出資することだ。

 

 

   合併        合弁

           企業A 企業B

 企業A+企業B     ↓ ↓

             企業C

 

 

 エルフェンテックとRF社は導力ネット以外でも接点がある。

 

 それが、飛行船の『造船』。エルフェンテックでは現在、リーヴがミラにあかせて高速飛行船《エインセル号》を建造中であり、予定より早く完成しそうなのだ。

 

 ミラ(金)を稼ぐだけならユミルという人の居ない土地でやる必要はない。大企業からミラを引き出すカードを持っているのだから、クロスベルのような経済都市や各国の首都で出稼ぎし、それを故郷に送ミラ(金)すればいい。しかし、俺自身が起業するのは目立ちすぎるし、その暇もない。

 

 両社から効率よくミラを注ぎ込ませる❝受け皿❞が必要だ。それは別に、会社という形を持っていても良い。隠れ蓑にする意味も含めて、両社に接点があり、軍需以外で事業規模がでかく、細かい勘定を誤魔化せる分野といえば?

 

 それは『造船』―――というのがこの構想だった。

 

 

「ETC(Elfen Tech Co.)はミラ・ロンダリングも噂されているハイリスク企業よ? わかってる?

 しかも帝国よりも実効税率の高いレミフェリア……。大公と直接交渉できるとのことだけど……正直、RF側の利益が少ない上に、国内外からかなりの風評被害が予想されるわね……」

 

 ですよねー。RFグループも株式運用を積極的にしているので、イリーナはクロスベル上場銘柄のエルフェンテック社が「ヤバい」会社だとちゃんと分かっていた。めちゃくそ駄目出しされてるぞリーヴ。

 

 この話は圧倒的にエルフェンテック側に都合がいい。世界三大技術メーカーの一、総資産世界二位のRFと組めればエルフェンテックの社会的信用度は爆上がりする。一方でRF側からすれば、投機的な《ミラ・ゲーム》にしか強みがない、限りなくダークグレーな投資会社に価値はなく、それどころか無用な警戒を呼び込むリスクがある。

 

 そもそも、エルフェンテックの極まった悪評(・・・・・・)をどうにかするために、天下りさせた元クロスベル警察局長のコネを通じて、試験的な《官民合同プロジェクト》に協力し、『これで社会的責任は果たしてるわよね?(チラッ)』というのがリーヴだ。彼女の人格にしても、「根は良いやつ」なのだが、手段を問わないところがあり「決して悪人ではない」とは言えないしな……。

 

「……導力ネット分野はイリーナさん直轄で、接点もありますし、ARCUSやカレイジャスは他国との共同開発でしょう? 《第五》に比べれば、そこまで取り沙汰される話ではないという見立てだったんですが」

 

 RFの第五(・・)開発部。第五などという部門は本来存在しない。貴族派の第一製作所を隠れ蓑とし、貴族連合の主力兵器《機甲兵》を開発する非公式の部門だ。現在のRFは部門により❝派閥❞が明確になっており、導力列車や飛行船を製造する第三製作所は中立派。第三には、イリーナの庭である第四開発部ほどではないにしろ、話を通しやすいはずだ。

 

「《第五》も頭が痛い話だけど……そうね。帝国政府は国外(・・)に軍事技術が漏れることを最も警戒しているわ。貴族派――領邦軍が好き勝手できているのはあくまで国内だからこそ、ということ」

 

 忌々しげに側頭部を指で押さえるイリーナ。導力ネットやARCUSは、むしろエプスタイン財団の通信テクノロジーを帝国側に持ってくる我田引水だから大いに認められるということらしい。

 

「造船は軍事にも影響が大きい。《皇子の船》は皇子自身の権威もあるけれど、導力機関は外部のZCF、うち(RF)にデメリットはなかった。ETCはろくに飛行船関連特許を持っていないはず。必然、こちらからの持ち出しが多くなるのではなくて?」

 

 どうだろうか。確かにエインセル号の技術詳細までは確認していなかったが……動力エンジンはエルフェンテックの自社開発じゃなかったか?

 《ライアットVC》のエスペンが絶賛していた気がする。そうでなければZCFかヴェルヌ社製の二択か。リーヴのことだからろくなルートではなさそうだが……。

 

「『造船』……中立派(第三製作所)に目を付けたのは良い発想だけれど、私の管轄外で中立ということは、革(・)新(・)派(・)・(・)貴(・)族(・)派(・)双(・)方(・)に(・)対(・)す(・)る(・)透(・)明(・)性(・)が(・)高(・)い(・)ということでもある。この点においてレミフェリアが他国(・・)というのは無視できない問題なのよ。せめてクロスベルに置くわけにはいかないのかしら?」

「……クロスベルはダメですね。情報局を含めて、各国の諜報機関の温床ですし、資産凍結で麻痺するタイミングもあるので。何よりあちらに眼を付けられると《計画》の成功率は下がります」

「……そのタイミングは10月?」

 

 おっと。この段階で既に予兆を掴んでいるのか。やっぱり有能だな。

 レミフェリアは小国だが、クロスベル❝自治州❞とは違って歴とした独立国だ。参入するとなると皇族の勅命でもない限りは、政府筋(鉄血宰相)がばりばり介入してくるってことか……。

 

 ルーレでやるならログナー侯爵に暗示を掛けてRF社そのものを乗っ取る方が早い。だが、帝国の屋台骨であるRFは戦略上、どの陣営からも取り合いになる。戦時の実態としては法律は形骸化し、各地に散らばるRF系工場はそこを制圧した軍に接収されてしまうだろう。情勢不安のクロスベルにあるエルフェンテックもリスクがある。俺としては両社が機能麻痺に陥ってもビクともしない基盤が欲しいのだ。ユミルが理想だったが、ダメならレミフェリアと決めていた。

 

「あなたがクロスベルで遊んでいる分には、私のポケットマネーで賄えるのだけど……この話の全体の構想はRF全体に甚大な影響を与えることが前提。……承諾するにはあなたとの間に信頼関係がなさ過ぎるわ」

 

 うーん。リーヴの会社、そこまでヤバい扱いだったのか……? まあ問題があるのは確かだが、ここまで抵抗があるとは思っていなかった。テオに対してもそうだったが、利害の組み合わせだけでプランニングするとやはり上手く噛み合わないな。もっと精度を上げなければ。最終的には暗示でゴリ押しできると思って簡単に考えがちなことも含めて……。

 

「信頼というと?」

「あなたが私たちを裏切らない根拠となるもの。私はあなたの《計画》の全容を知らない」

「と言われても……話せない事情はお伝えしましたよね?」

 

 

 例の❝枷❞が外れた存在に対する、セキュリティ問題があるから話せない。

 

 そう言うとイリーナから予想外の返事が返ってくる。

 少し言いにくそうに、しかし覚悟を持って。

 

 

「ええ。……前提として確認しておきたいのだけど、あなたってこ(・)ん(・)な(・)お(・)ば(・)さ(・)ん(・)で(・)も(・)抱(・)け(・)る(・)の?」

「え。」

「―――シャロンと寝てるのよね? そして《計画》の一部を話している」

「…………」

「そちらの《計画》の最終的な着地点が一体どこにあるのか……見極められないうちは組織の長として、この選択はできない。だから、仮にあなたに抱かれることで❝それ❞が得られるなら――――私も抱いてもらえないかしら」

 

 

 ……。

 

 

 …………(パクパク)。

 

 

 

 しかし、なるほど(・・・・)。

 

 

 ……❝最初の交渉❞時。俺はアルベリヒをルーレに直接呼び出していた。

 そして霊力の供給を一時的に絶ち、まずフランツ(・・・・)をイリーナと再会させた。それが一番手っ取り早く、口頭で説明するだけでは、信憑性に欠けると思ったからだ。

 

『フランツさんから、この精神寄生体――ともいうべき人格を取り除くことはできますが、寿命は3年(・・・・・)、そちらの元に帰せるのはそのうち1年程度になります』

『しかし、俺の《計画》が成功すれば1年以内に完全蘇生できる見込みがあります』

 

―――イリーナとシャロンは当然、俺の条件を全面的に呑み、今に至る。

 

 しかし、イリーナには今まで俺の《計画》については詳細を教えず、要求を伝えるだけだった。セキュリティ上の懸念があるからだ。

 

 必(・)ず(・)し(・)も(・)エ(・)ッ(・)チ(・)す(・)る(・)必(・)要(・)は(・)な(・)い(・)のだが、シャロンについては対策できているので、全てではないが《計画》の一端を話している。そして俺と❝深い関係❞になるまで話せなかったという含みのある説明をしてあった。それを会長に伝えてもいいとも。

 

 アリサをして口が堅いと言わしめるシャロンなので、俺が童貞だったという個人的事情は伏せたはず。軌跡しぐさの思わせぶりな言葉濁しも合わさることで、そこだけ変に伝わった可能性があるな。❝リィンと肉体関係になれば情報開示できるようになる❞という風に。

 

 

「……イリーナさんは、魅力的な女性と思いますが。ただ……フランツさんのために協力しているんですよね? ❝浮気❞は不味いのでは」

「それよ」

「え?」

「あなたはフランツというカードで私にどんな条件も呑ませられると高を括っているでしょう?

 確かにあの人が帰ってくるなら、ミラも手段も、選ぶつもりはない。だけど私にとって、RF社もシャロンも……家族同然に大切なものでもあるの。

 あの人が帰ってきても、あなたの行動の巻き添えでそれが失われるのでは意味がない―――生半可な覚悟なら拒否させて貰うわ」

「……………」

 

 俺の気ひとつでフランツは二度と帰らないことをイリーナは理解しているはず。なのに、ぴしゃりと言い放った。

 

 この人に取ってはシャロンも自分の娘同然。

 母親目線の警戒でもある、のか?

 

 協力した結果、RFグループが崩壊したり、シャロンを玩んで使い捨てる相手なら、フランツを失うとしても契約破棄を視野に入れている……という感じか。相手に真の思惑を読みとらせない交渉術なのか知らないが、イリーナの判断力、多角すぎてどこがポイントになっているか分かりにくいな。あるいは経営者らしくすべての利益と損失を天秤で考えているのか。

 

 実際のところ、イシュメルガを抹殺できた世界線では、RFは帝(・)国(・)政(・)府(・)の(・)巻(・)き(・)添(・)え(・)で天文学的な賠償金を払ったようだし、俺が介入しなければRFはろくな結末にならない可能性は高い。

 

 ……これは選択次第で大きくシナリオを修正する必要があるな。

 やっぱり、ダメかしら……と羞恥気味の中年女性に、俺は数分と言って時間をもらい、押し黙って考えることにした。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 イリーナに手を出す意味……性欲抜きで。

 

 この国(エレボニア帝国)の軍事の要であるRFグループを率いる彼女と、より強固な協力関係を得られるメリットは大きい。イリーナからの情報流出も予防できる。また、フランツが戻ってきた後、後ろから刺されないための、保険にもなるか? ……刺される動機にもなりそうだが。

 

 デメリットは……RFを切りにくくなる。またイリーナ側に俺に対して駆け引き材料を与えてしまうことになる。リーヴが想定以上に儲けてくれたのでエルフェンテック単独でも俺の《計画》はギリギリ遂行可能だ。イリーナは居れば助かるが、必須ではない。

 

 それに元々、シャロンが第一で、RFの協力はおまけぐらいの扱いだったのだ。だから、肩入れしてしまうのはなんだか、シャロンへの気持ちに不純物が入るようで……。(《ちょっとエッチなお姉さんの筆おろし》は不純な動機じゃないのか?)

 

 シャロンとは、独自の関係性を築けていると思っているし、俺はフランツを元に戻す契約を違えるつもりもない。しかし、シャロン側のそもそもの動機は、ラインフォルト家への罪滅ぼしだ。この交渉がどう転がっても、ただちに契約破棄とはならないだろうが……、イリーナと関係が悪化してしまうと、いささか事情が変わってくるかもしれない。

 それに、シャロンに話したとおり、❝深い関係❞になれば、話せることが増えるのは事実。《鉄血の子供達(アイアンブリード)》―――クレアがアリオス封じ込めに用いた因果律制御の後押し――。限定的ではあるが《準契約者》相(・)当(・)の加護(呪い)を与えることができる。ただ、これは対ギリアスで見た時、諸刃の剣でもあるのだが……。

 

――――まあ、総合的にはど(・)っ(・)ち(・)で(・)も(・)い(・)い(・)か。じゃあ焦点は性的な意味で「寝取り」「年の差」あたりになるか。

 

 シャロンは、「アントンのほっぺにちゅー」する未来もありえた。リーシャも、ロイドとくっつく未来がありえた。エリゼがパ――そ(・)ん(・)な(・)未(・)来(・)は(・)な(・)い(・)。だが、それらは確定していない未来の話。

 

 イリーナの場合、BSS(ボクが先にすきだったのに)ではなく明確な浮気になってしまう。

 

 しかし、これだけ年齢が離れている場合。

 それって幼い価値観なのか? とも思う。

 

 イリーナは確か――40歳(・・)。俺は肉体的(・・・)には18歳。22歳差。

 自分が10代男子の性欲の対象になると思ってる40代女性。

 そう考えるとイリーナ、自己評価高すぎないか? まあ、なるけども。

 

 もう大きな子供がいる親世代(おばさん)だと、セックス観がそもそも違う可能性がある。ビジネス上必要だったら愛がなくてもするみたいな。長いことセックスレスだろうし……まあ彼女の家庭がそうなった理由はイシュメルガ(俺)のせいなわけだが……。

 

―――やっぱ許されないんじゃ。

 

 

 これは、重要な分岐点のような気がする……。

 ……今なら、まだ、引き返す道があるのかもしれない。

 確かに、リーシャに暗示を掛けて催眠肉便器にしてしまったことはもはや取り返しの付かない悪事だが―――。

 

 エリゼとシャロンを幸せにしつつ、ミュゼをセフレにし、リーシャは適度なところで解放して。ギリギリ許されるような、ほどほどに妾を侍らせるちょいクズ貴族なハーレム系主人公になるという現実的な選択肢(未来)が、まだ残っているのでは?

 

 

 

 

――――それは、日和り(・・・)ではないか?

 守りに入ってしまえば、諦めてしまえば、成長はなくなる(・・・・・・・)。

 

 

 この身は既に悪を為している。

 悪なら、言い訳せず(・・・・・)、自分の欲望を優先するべきだろう。《同級生の母親(レア)》属性を持ったイリーナを抱けるチャンスだぞ?

 

 それに、俺はまだ処(・)女(・)し(・)か(・)抱(・)い(・)て(・)い(・)な(・)い(・)。

 人妻を抱くことで、何かが得られるかもしれない。

 剣聖(ヤリチン)ならば、熟女の一人や二人経験しておくべきだ。

 独占厨が、必ずしもすべてのヒロインに対して処女厨ではないことを示すためにも。

 

 

 俺は脳内で一歩歩み出ると、❝鬼気解放❞をイメージした。

 

 

(おいっ……!?)(鬼気を……!?)

 

 

 エリゼを幸せにする。

 それは、同時に世界を救う(・・・・・)という道――――。

 それには俺(・)た(・)ち(・)の(・)す(・)べ(・)て(・)を(・)賭(・)け(・)る(・)必(・)要(・)が(・)あ(・)る(・)。

 

「……ぁ…………」「確かに……」

 

 

 

 イリーナは決意と覚悟を示した。

 

 

 だったらこちらも腹を括り、男としてのステージをさらに引き上げる糧にさせてもらうまでだ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「―――――わかりました(・・・・・・)。今から大丈夫ですか?」

「……ええ」

 

 強調表現で俺の覚悟が伝わったのか、無言で先導され、一つ上の24Fに。

 厳重なセキュリティの扉を開けるとそこから先がラインフォルト邸。最上階の25Fまで吹き抜けのペントハウス。そこらの貴族の屋敷よりも豪奢かつ近代的な内装が広がっている。

 

「相変わらず、すごい豪邸ですね……シャロンさんを寮に回して維持できるんですか?」

「たまに清掃業者を入れているわ。あの子に誰でもできるような掃除をさせるなんてコストの無駄でしょ。それでもやってしまうんだけど」

 

「――というか、法律面でブレーンでもいるの? JVなんて発想、素人が思いつくことじゃないでしょう……」

「絵を描いたのは俺ですが……法務省に勤める知り合いがいるので、事前に確認はしてきました。帝国法では前例がないが、それゆえに問題ないのではないか。貴族の強権行政と違って政府は法に則って動きますから……という返事でしたね」

「それ……先に聞きたかったわね」

 

 間が持たないと思われたのか、イリーナから話を戻される。専門家の説得力は大きいのか、呆れたような反応で幾分かピリピリした雰囲気が和らいだ。

 そうこうしている間に、玄関から一番手前――イリーナの部屋に到着する。

 

 三部屋分はある、広々とした部屋だ。左手にワークスペース、商談用と見られるソファーもあり、ここだけでちょっとしたオフィスが成立していた。だが、イリーナは右手側――カーテンで仕切れるようになっている空間に足を向けた。

 そこには窓がなく、セミダブル程度のベッドが一台。オフィスに併設された簡素な仮眠室、といった感じだが、おそらく彼女は日頃からここで寝ているのだろう。サイドテーブルには蓄音機と導力ラジオが置いてある。……ラインフォルト邸ってほとんど全部屋にあるな、このセット。

 

 ここでするのか。

 

「あまり時間はないから、さっさと終わらせましょ」

「色気もへったくれもないですね……」

 

 苦笑してしまう。

 寝室に入ってすぐカーテンを閉め、慣れた様子でふわふわストールをラックに掛け、服を脱ぎ出すこの部屋の女主人。急く風ではないが、役者の着替えのように動きに無駄がない。

 

 俺も慌てて脱ぎ始める。ジャケットを適当に置くと、イリーナはそれをハンガーに掛けてくれた。今日は普通にフォーマルな私服で来た。この世界の服装規定(ドレスコード)感覚だと汚い格好でなければ大体問題ない感じだが、例(・)の(・)黒(・)衣(・)は今、RFアームズに預けている。

 

 そうしてお互い下着姿になると――母と子ほどの年の差がある二人が、一つしかないベッドの前で見つめ合う。

 

「へえ。意外に、ではないかしら。鍛えているのね……その、胸の傷跡は?」

「幼少期に死にかけたって話しましたっけ? その時の傷です」

 

 帝国人、それも士官学院生とあらば肉体は鍛えていて然るべき。彼女はその常任理事でもあるが、実際のところ技術畑で軍人の育成自体には関心は薄そうである。とはいえ、お眼鏡には叶ったのか、イリーナの声色には感心が宿っていた。

 しかし、シャロンと同じこと言ってるな。やはり主従か。

 

「というか……そういうイリーナさんも見事な体型維持なのでは」

「ふう……デスクワークが基本だからどうしても運動不足になるのよね」

 

 中年らしく、軽くたるんだお腹に手を当てているが、俺的には逆にエロいという感想だ。

 細身なのに安産型で、女性らしい身体のラインを保っている。

 それはいまだ男の劣情を誘うのに十分すぎた。

 

「……で、どうするの? やっぱりやめる?」

「いいえ、しましょう。ここで引いたら男が廃ります」

 

 イリーナにとってはチキンレースという感じもあるのか?

 やっぱりごめんなさいと俺から言い出させることで交渉を優位にしようという。

 

 しかし、俺にとってイリーナは❝守備範囲内❞だ。

 娘と異なるライム色の瞳。数々の優秀なオスを見てきただろう、女帝の眼に、俺は怯まない。イリーナの眼をしっかり見つめ返して、その肩に手を添えた。

 

「あ、キスは……―――」

 

 口づけを交わす。ここまできて、断らせない。

 

「ん……ふぅ……。ちゅう、ちゅ」

 

 ここ一ヶ月、徹底的に鍛え上げてきたキススキル。

 意図的に銀のアーチを作ってイリーナの反応をみる。流石に恥ずかしそうに眼を背けた。

 

 そのまま、唇を重ねながらイリーナの熟れ切った肉体を愛撫していく。

 肌艶は流石に年を感じさせるが、40歳と思うと意外なほどの若さだ。

 

 

「おっぱい、触ってもいいでしょうか?」

「ん、今更聞くの? 好きにして良いわよ。外し方分かる?」

「大丈夫です」

 

 シャロンでやったところだ。ブラのホックを即座に外すとたわわに実った――服の上からでもはっきり分かるバストラインが、少し垂れ気味で露わになった。

 

「大きい方が好きなんでしょう?」

 

 自慢しているのか謙遜しているのか、反応に困る言葉だが……。

 思いつつ両手で揉み始める。リーシャほどではないが、大きなおっぱいだ。柔らかく揉みごたえがある。好きに変形させて楽しむ。

 

「っ――ちょっと、強く掴まないでちょうだい」

「すいません、つい興奮してしまって」

 

 ならば。おっぱいの側面を下から上に優しく揉んでいく。リーシャはこうされるのが好きだが、どうか。頃合いを見て、子持ちにしてはそこまで黒ずんでいない乳首を口に含み吸い上げる。

 これをアリサは吸って育ったんだよな。10数年を超えての間接キスか……我ながらめちゃキモな思考がよぎった。

 

「ふっ……上手よ。それもシャロンの薫陶なのかしら?」

「……女性を知らなかったので。頼み込んで手ほどきしてもらいました」

「……あなたのその行動力で落とせない女なんて居ないでしょうに。シャロンもまんざらじゃないようだし。悪い子ね……」

 

 おっぱいを吸う俺の頭に、困った子という感じで手を当てるイリーナ。

 ……いや、でも。その子供扱いしている男にこれから抱かれるんだぞ?

 イリーナも存外変態な気がしてきたな。時属性か?

 

 明らかに俺に好意を持っているアリサを抱くことは妄想しても、流石にその母親のイリーナを抱くことは考えてもみなかった。が、親子なんだよな。アリサとイリーナで好きな男のタイプが似通っていてもおかしくはない。

 

「俺は……わりとイリーナさんのタイプだったりします?」

「は?……ノーコメント、ということにしておくわ」

 

 む、違うのか。勘違い男っぽくなってしまった。

 流石イリーナ、一筋縄ではいかない。

 ベッドに入る前に、最後に残ったパンツも脱いで貰う。

 

「……ベッドの中では、イリーナって呼び捨てて良いですか?

 するからには、感情移入したいので」

「…………好きにすれば……んっ」

 

 ベッドの上布団を退け、そこにイリーナを寝かせる。

 そして足を広げさせ、お待ちかねのおまんこアナライズの時間だ。

 経産婦だけあって、淫唇の色は浅黒く、ビラがかなり肥大化している。陰毛の処理はしているのか、金色のそれは整っているが、それが却ってアンバランスなエロさを醸し出していた。

 

「凄いな……これが大人のおまんこか……」

「っ、そんなまじまじと見つめられると流石に恥ずかしいのだけど……」

 

 俺の頭の中で『ここがアリサの生まれてきた場所か』『くさそう』『コマしがいがありそうだ』脳内Ⅶ組が一言ずつ、クソ好き勝手な感想を言っていく。目を逸らして恥ずかしがるイリーナの姿は普段とのギャップも相まってそそる。

 だが、あまり濡れてはいないな。前戯はサボるべきではないだろう。

 

「んふ……あっ……ああっ」

 

 熟女のヴァギナに薬指を挿入しつつ、淫核をしゃぶってやる。久々の性感を与えられ、じゅわじゅん♥と濡れてきたことを確認してから、中指も入れて二本指でかき回していく。

 濡れにくいならもう少し手こずるかと思ったが、そうでもないな。久闊おチンポを迎えるための挿入準備はすぐに完了した。

 

「はぁ……はぁ……さすがに、手慣れてるわね。

 私も舐めた方がいいかしら?」

「うーん、フェラは……っていうか自分のをしゃぶった口とキスするのが好きじゃないので大丈夫です」

「そ。確かに……その必要はなさそうね」

 

 バキバキにそそり起った俺の巨(おお)きいおチンポになんとも言えない表情をするイリーナ。

 

「そろそろ挿入れますけど――――本当に、いいんですね?」

「……ええ。もう8年よ? 最後に1回ぐらい浮気しても罰は当たらないというものでしょう。

 あなたこそシャロンに言えるの? 私を抱いたって」

「……言いたくないので、二人だけの秘密にしてもらえれば」

「あの娘に隠し通すのは無理でしょう。女を甘く見ないことね」

 

 流石。仮にフランツに浮気を問い詰められても平然と言い出しそうなこの感じ。逆に俺は前回(リーシャの時)と違ってシャロンに少し罪悪感があった。それが強い背徳感をも生み出し、興奮にも繋がってしまうのだが。

 

「行くよ(・・・)、イリーナ」

「んっ……ふっ」

 

 気持ちを切り替えよう。今の俺は、同(おな)クラ女子の義姉に次いで母親にも手を出してしまう、超肉食系なオラついた竿役だ。そう自己暗示を掛け、ゆっくりと腰を沈めていく。

 アリサの母親とは言え、口ぶり通りなら何年も未使用な蜘蛛の巣おまんこのはず。

 慎重に進めないと痛い思いをさせてしまうかもしれない。

 

「ふっ……あっ………」

 

 今までの女(処女)にしてきたように、まずは浅くピストンをして入り口をほぐす。イリーナは結構余裕そうだ。

 

「痛みますか?」

「いえ、平気よ。もっと奥まで入るなら、来て構わないわ」

 

 言われるまま、根元近くまで入れる。ぎゅうっと膣内が締まる感覚。

 ただ心地良い程度で、処女穴のそれとは違って幾ばくか余裕もある。

 

「あっ……はぁ……えっ、嘘。そんなところまで」

 

 亀頭が最奥に届いたのか、驚いた声を上げる。一方で、俺の方も内心驚いていた。締まりはそれほどでもないが、膣内は奥行きがあり、チンポが奥に絡みつかれるような未知の感覚だった。

 

 ――子宮口セックス。ポルチオは出産経験が無いと柔らかくならないと《ケインズ書房》で買ったあのエロ本に書いてあったが、まさかこれほど違うとは……。

 流石に産経婦とやるのは、というか非処女自体が初めての経験であり、まだまだ未熟だったと思い知らされる。征服しきったと思っていたリーシャの子宮も、これに比べるとまだ硬質と言えた。

 俺はそのまま上部にぐりぐりと押し付けるように動かす。組んずほぐれつ先端が子宮口とこすれあうのがなんとも気持ちいい。

 

「あっダメ♥……そこ、弱いから」

 

 今までとは違う甲高い声で喘ぐイリーナ。

 その表情には先程までの余裕はなく、ただ快楽に流されまいとする女の本能だけが浮かんでいるように見えた。

 

「ここ(・・)を突かれるのははじめて?」

「そ、そんなこと言わなくても分かってるでしょう」

 

 キッと睨まれるものの、オラオラとピストン運動を始めるとすぐに甘い吐息が口から漏れ出る。

 

「はっ、そんな、ながいわ……。こんなの初めて……」

 

 普段の厳然な口調からは想像できないほどの女の声。

 

「イリーナ、可愛いよ。もっと聞かせてくれ」

 

 囁くように耳元で語りかけると締め付けが強くなった気がした。

 最近分かってきたのだが、シャロンやリーシャにしても俺の低音イケボで囁かれるのは凄くキクらしい。義妹はそれだけで股を濡らすほどだ。

 今後は積極的に活用していくとしようか。

 

「だめ、だめ♥ イクッ! イッちゃう!」

 

 長いストロークで奥まで2、3突きしてやると、びくんと身体を震わせ、呆気なく絶頂を迎えるイリーナ。おまんこが脈動し、額から汗が噴き出ている。

 マジで? 1回目でイクとかありえるのか?

 

「はー、はー…………。ごめんなさい、先にイってしまって」

 

 そう言うイリーナがババア可愛くて(にアリサを幻視して)、俺は自然に唇を重ねた。

 舌を絡めながらお互いの唾液を交換し合う恋人ディープキスだ。

 

「ちゅぱ、じゅるっ、ふぅ……ん、ぷは♥」

「イリーナ、ちゅる、ぢゅう……」

「ちゅっ♥ れろっ……や、じゅる♥」

 

 一旦距離を離そうとするイリーナの頭を―――それには及ばない。と押さえて追撃し、さらに貪るような接吻を交わし続ける。どちらともなく、腰も動き出していた。楽しむため、奥はあえて避けてGスポラインを狙う。それを焦らしと受け取ったのか、同級生の母の表情には、おねだりをすべきかの葛藤が混ざり、それが更にチンポを高ぶらせてくれた。

 

「そろそろ、イキそう」

「いいわよ、来て。……私ももっと欲しいの」

 

 ついに漏らした小声での要請に、子宮への侵攻が再始動する。今度は激しく、獣のように。

 ぎしっ……ぎしっ……ぎしっ…ぎしっ…ぎしっぎしっぎしっぎしぎしぎぎぎぎぎぎぎぎ。ベッドの軋むペースが小刻みになる。

 

「あんっ♥ 激しいっ、んっ……ンンっ♥ また、すぐ、イッっちゃいそぉ♥」

「ああ、一緒にいこう」

 

 イリーナの嬌声もとうとう、はっきりと、強い雄に媚びる弱々しい雌の声に成りはてていた。シーツを掴み、俺の責めを耐え凌ぐだけだ。

 

 ……この密室、このフロアには俺たち二人だけしかいない。

 だから無遠慮に腰を振ってもいいし、この女をどれだけ大きな声で喘がせてもいいのだ。

 その久々のカタルシス(開放感)に俺は気をよくしていた。

 

 イリーナの両手をラブ握りし、ラストスパートをかける。

 左手の薬指の金属の感触が否応なく、この女が人妻であることを意識させてくれた。

 

「んっ、そんな握り方……んっ、おっ♥ ん~♥」

「はっ、はっ、はっ、はっ」

「んんっ、ん、あっ………は、んん♥」

「……あ、イクぞ!」

 

 どぴゅるるっ、ぴゅーっ♥ ぴゅっ♥ ぴゅっ♥

―――俺はイリーナのだらしないお腹の上に精液を大量に噴出させた。

 

 

「……ふう」

「はぁ、はぁ、はぁ……♥ はぁ……」

 

 ……生で挿入して外出しするのって、初めてかもしれないな。

 今までは「生挿入・中出しまでが処女セックス」という気持ちで必死に雄の独占欲をぶつけてきた。対してイリーナは人妻なので、どこか今までと違って……独占欲が湧いていないがゆえの気楽さがあるのである。純粋にセックスを楽しめる感覚。全部のNPCに話しかけなきゃ……という軌跡と雑にクリアできるRPGの善し悪しというか……。

 

 

 イリーナのお腹をウェットティッシュで雑に拭き取ると、俺はこの女社長の肩を我が物顔で抱き、隣り合って寝そべった。ちょっと優越感。

 シングルベッドなので、二人で寝るには少し手狭だが、それもいい。

 

 

「……あなた、凄いわね。正直、予想以上だったわ………」

「イリーナも素敵だったよ」

 

 既に満足げなイリーナ。

 だけど、俺の方はまだハメ足りない。

 

「さっきの件だけど……んむ!?」

「―――――それは後にして、もっとしませんか?」

 

 俺の巨(おお)きなままの息子を見て「え? なんでまだ起ってるの?」という怪訝な顔のイリーナ。ハッ、10代の若い男が一発で済むわけがないだろう……。股ぐらに足を割り入れ、女の下腹部にチンポの巨(おお)きさを誇示すると、愛液でぐちょぐちょな友達のお母さんおまんこはあっさり再挿入を許す。

 

「んっ……ふっ、んん♥」

 

 浮気ベロキスしながら、俺はイリーナの背中を持ち上げて強制対面座位に移行させた。本来夫以外としてはいけない、夫婦のまぐわい体位だ。

 

「んっ、れろっ……んふぅ……♥」

 

 曲線美を描く尻を掴み、下から突き上げる。

 長い膣壁と柔らかい子宮に深く包み込まれる感覚。

 

「あっ、すごぃっ。これ、深いっ……んっ、んふっ、んっ、んっ♥」

 

 腰を動かす度、イリーナの豊満な胸が激しく揺れ動き、俺に存在を主張してくる。俺はそれを見て、片手を伸ばし乳首を摘まみ上げた。

 

「ひゃうっ……おっぱいまでぇ……♥」

 

 ひゃうって。アリサの母親のくせして、生娘みたいな声出してるんじゃないぞ。そのまま指先で転がすようにして弄り回すと、さらに膣内が蠢いた。

 

「ちゅっ、れろっ、れろれろぉ、ずちゅっ、ちゅうう♥」

 

 引き続き、激しく唇を重ねる。快楽を重視した下品なドスケベキスだ。

 

「も、もう、シャロンにも……んちゅ……こんな抱き方してるの、あなた?」

「今は、イリーナに集中させて欲しい。あとリィンって呼んでくれ」

「れろっ……ん♥ あぁぁぁ♥ ダメ……そんなにされたらおかしくなるわ……リィン」

「もっと乱れてくれ、今のイリーナは俺の女(・・・)なんだから」

 

 おでこをくっつけ、さらに強く抱きしめると、イリーナもそれに応えるように俺の背中に抱きつき、腰の動きが早くなっていく。

 

「はげしっ、激しすぎるのぉ♥ こんなの、知らないっ♥ あっ、イク、イッちゃう♥ イグゥウッ!!」

 

 ビクンと身体が跳ね上がり盛大に絶頂を迎えたイリーナ。

 しかし、まだだ。イリーナの心を融かし、俺のまじかる☆チンポを届かせるには。

 

「ちゅる、じゅるっ、れるっ♥」

 

 そのまま唇を塞ぎ、抱きしめながら犯し続ける。

 

「むちゅ、ちゅる♥ ンっ、リィン、ダメよッ! 今イったばっかりなのに♥」

 

 キスをしながら子宮を小突くと、膣内が締まる。

 イリーナのおまんこは完全に俺の列車砲に無条件降伏していた。

 1発目で即子宮を明け渡すとかフランツに申し訳ないと思わないのかな?

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ♥ んっ、んっすご、ンンっ♥」

「また、イキそう。イリーナ、膣内で出してもいいか?」

「……それ、は」

 

 甘えるように耳元で囁くと言いよどむ浮気妻。肯定と見なす。

 

「出るぞ! 子宮で受け止めろッ――イリーナ!」

「~~~~ッ♥」

 

 びゅる、びゅるるぅぅうう!

 イリーナを強く抱きしめながら、そして子宮とこっつんこ♥しながらの射精。まるで合併だ。俺のチンポの放つ巨額精子に、人妻おまんこは為す術なく買収され、議決権を俺に委ねてしまう。イリーナも同時に深イキできたようで、多量の汗をかきながら膣内が激しくキュンキュン♥している。

 

 完全に一体になったような感覚。

 シャロンやリーシャと何度も肌を合わせ、何度も合体し、到達できた境地。

 イリーナには、この一回で通じてみせる!

 

「これ、何」

「あ、ぎりぎり届かせてもらえたみたいだ」

 

 イリーナの下腹部に魔方陣が浮かび、淫紋を刻むように、《準契約者》相当の契約を成立させた。《準契約者》は《契約者》とともに騎神の試練を突破した者の呼称であり、厳密には異なるのだが―――今は良いか。

 

「ぁ……んちゅ……ちゅ、レロレロぉ♥ じゅっじゅる♥」

 

 用事は既に済んだ。しかし、挿入したまま、子宮にダラダラ精子をだしながらキスを続ける二人。

 ここからは契約外の、本来の意味でのセックス。

 同(・)級(・)生(・)の(・)お(・)母(・)さ(・)ん(・)との言い逃れ不能な不貞交尾だった。

 

 

 その日、俺はイリーナの予定を全キャンセルさせて、窓のないこの密室で夜中まで交わった。

 

「……ちょっと、休憩させて、ちょうだい♥」

「ダメだ」

 

 

 翌朝、イリーナに怒られながらも後日の交渉立ち会いの段取りをまとめ……俺は《精霊の道》でクロスベル(・・・・・)に向かった。そこから数日間のイリーナは誰の目にも明らかなレベルで艶々していたという。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

クロスベルタイムズ

◆速報・悪名高いエルフェンテックの提携先はなんと◆

 

 その強引な手法や内部情報流出で本誌を賑わせてきたエルフェンテック社が、帝国ルーレに本拠を置く大手ラインフォルト社との事業提携契約を結んだ可能性が高いことが本日未明、わかった。「エルフェンテックは買収を繰り返して急速に事業を拡大しています。その過程で帝国大企業に対する何らかの取引材料を得たのでは(事情通)」

 

 本誌取材に対してエルフェンテック社は――

「げっ、クロスベルタイムズ……(ママ)。担当者不在のため、詳細は控えさせて頂きます。後日の公式発表をお待ち下さい」

 

 

帝国時報

◆ラインフォルトG、レミフェリアで合弁企業を設立◆

 

 ラインフォルトグループは、レミフェリア首都アーデントに飛行船造船事業の拡大を目的とした合弁企業を設立すると発表した。パートナーはクロスベル自治州のエルフェンテック社。同社がレミフェリア系企業であることがこの合弁の決め手となったようだ。設立時期は9月。レミフェリアは国外企業に対する課税や入国審査が厳しいことで知られる。通商会議での緩和交渉に期待が掛かるところだ。

 

「飛行船の需要は年々増加しており、本拠地ルーレが手狭になった現在は帝国西部に拠点が集中しています。ノルティア州と隣接するレミフェリア公国にも拠点を置くことで造船の効率化とリスク分散に努めて参ります(同社発表)」

 




イリーナとの絆が深まった!
好感度(絆ポイント)ランクアップ!
★★☆☆☆
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