身長約2メートルの親友くんに一千万円で処女を買われちゃったTSっ娘ちゃんの話 作:しじままどせ
「一千万やるから俺と一晩中セックスしてくれ」
放課後の教室、ホームルームが終わった直後のまだ多くの生徒が残っている時間。
自分の席で帰りの支度をしている最中に、僕はそう声をかけられた。
見上げると、そこには真面目くさった表情のものすごく背の高い男子生徒がいた。
がっしりとした男だ。巨岩というか、大樹というか、とにかく大きな体格をしている。百九十センチは確実に越えていて、二メートルに近い身長がある。筋肉質で、首や肩幅は広く、腕も足も太い。無口無表情ながら、とにかく存在感のある人物だった。
そんな大男が、僕を見下ろしている。セックスしたいと言った。その瞳には真摯な色が浮かんでいて、冗談を言っているようには思えない。
客観的には、かなり厳つい男が
「えーっと、清水……? いきなり何を言い出して……? 今、一晩中セックスとか、言わなかったか……?」
巨漢の彼、清水は僕の幼馴染で親友だ。幼い頃からずっと一緒で、お互いの家を行き来するような仲であった。
一年前、僕がTS病に罹患して美少女になってしまってからは、さすがに家を行き来するようなことはなくなったけれど。それでもしょっちゅう一緒に遊んではいる。僕と一番仲のいい人間だと言って差し支えない間柄だ。
だから、彼の性格はよく知っている。この男はこんな馬鹿げたことを言う奴じゃない。むしろ、いつもナンパされがちな
そんな彼から性欲のようなものを向けられたのは初めてで、僕はゾッとしている。
「そうだ。一千万やるから俺と一晩中セックスしてくれ。一千万円あれば一晩中セックスしてやると、以前誰かにそう言っていただろう」
清水は真剣な眼差しのまま、再度そう言った。
その言葉を聞いて、僕は困惑するしかない。
たしかに僕はかつて『そんなに俺としたけりゃ一千万持って来いよ!』と啖呵を切ったことがある。
でも、それは、『女になったんだからおっぱい揉ませてよー』とか『女の子ってどんな感じ?』とか『ちょっとヤらせてよ』みたいな軽いノリで迫ってくるクラスメイトの男たちに腹を立ててのことだったのだ。
どうも男子高校生というやつは性欲が強くて、隙あらばエロいことをしようとしてくるものらしい。
まあ、無理からぬ話だ。僕は身長百五十センチにも満たない超小柄な美少女だし、元男ということもあって彼らにとっては話しかけやすい相手なのだ。目がめっちゃパッチリとしていて愛らしいし、髪の毛はさらっさらのショートヘアだし、鏡を見る度に自分でも美少女だと思うくらいなのだから、まあ、モテるのは仕方ないと思う。自分でいうのもなんだけどさ。
しかし、押しが強い奴は怖い。こっちは小柄な美少女だし、僕が力でかなう男子高校生なんて一人もいないのだし。
そんな怖い連中からいつも僕を守ってくれるのは、他ならぬ清水だったはずなのだけれど……。
「確かに言ったけど……。あれは言葉のあやで……。というか一千万円なんて大金……」
大男は僕の困惑を無視して、無言で、札束を、
おそらく百万円であろう福沢諭吉の札束が十個。
一千万円だ。
こんな札束、初めて見た。
存在感がすごい。
目の前に置かれただけで圧倒されてしまう。こんなものが突然目の前に現れたら、普通の人間ならパニックに陥ってしまうに違いない。
だってここは学校で、周りには大勢の生徒たちがいる。盗まれたらどうする。彼らは当然のように僕らのことを見ているわけで……。
気がつくと教室中の視線がこちらに向けられていた。みんな唖然とした顔つきで固まってしまっている。僕も固まっている。そりゃそうだ。
そんな中、清水だけが平然としていて、まるでバオバブの木みたいにそびえ立っていた。まるでそこに立っているのが当たり前であるかのように。悠然と、感情の読めない岩みたいな目でこちらを見下ろしている。
「あ、朝からこんな大金を持ち歩いていたのか……?」
気が動転して、僕はどうでもいいことを尋ねてしまった。
もっと『こんな大金をどうやって用意したんだよ』とか、『なんで僕が相手なんだよ、もっと他にいるだろ』とか、言うべきことは色々あったのに。
心臓がドキドキしていて、頭が混乱している。呼吸が苦しい。ブラジャーの締め付けがきつい。顔が熱い。
「そうだ。朝から持っていた。銀行は三時で閉まるから、やむを得ずそうした」
「そ、そうなんだぁ……」
どうしてこの男は冷静なんだろう。どうして彼はこんなに堂々としていられるんだろうか。真面目くさった、真摯な態度は感じるけれど、無表情のせいで感情がよくわからない。
「それで、答えを聞かせてほしい」
「えっとぉ……そのぅ……」
正直言って困っている。
一千万円と自分の貞操を天秤になど、かけられるわけがない。
まず、僕は処女なのだ。あと、童貞なのだ。
初めての相手がこんな大男というのはちょっと怖い。というか僕のメンタルは男なので、男とセックスしたくない。一千万貰っても、ちょっと嫌だ。いくら相手が親友とはいえ、困る。
いや、たしかに彼は誠実でいい奴だし、信頼もできる男ではあるのだが。清水ほど頼もしい奴は他にいないとも思うのだけれど。世界一の男だと思うけれど。男のならば彼しかいないと思うけれど。それでもやっぱりセックスとなると話は別である。
「うぅー……」
「……………………」
「……………………」
僕が悩んでいると、周囲のざわめきが大きくなってきた。みんなが僕たちの会話に聞き耳を立てている。
なんだかとても恥ずかしくなってきてしまう。
この場にいる全員の前で、一千万でセックスしてくれと言われたのだ。許諾しても、断っても、きっとこの噂は広まっていく。
どうして彼はこんな目立つ場でこんなことを言い出したのだろうか。
「あの、清水……? せめて、こういうことはもっと人目につかないところで話さない?」
「いやだ。セックスはもちろん誰にも見られない空間でするが、解答はここでしてくれ。俺とセックスするのか、しないのか、どっちなんだ」
有無を言わさぬ口調だった。
怖い。
どう反応すればいいのかわからない。
念のため、清水に押し倒されてセックスしている自分の姿を想像してみる。
クソデカいちんぽで蹂躙されている美少女の姿。
獣のような性欲を小さな体で受け止めている美少女の姿。
巨漢に種付けプレスをされている美少女の姿。
不思議のことに、子宮が、きゅぅぅぅんっ♡♡♡となった。
下腹部に手を触れて、腹の奥、子宮に意識を集中してみる。心の中で『清水とセックスできそうか?』と聞いてみる。
すると、シンプルに『できる』という返事が返ってきた。意外な返事だ。ちょっと動揺する。
困った。できるっぽい。
子宮はきゅぅん♡としている。彼女はこの圧倒的な雄とヤリたがっているっぽい。困った。
精神的には『絶対ないだろ! 相手は親友だぞ!』と言っているけれど、
それから、念のために脳内でルナルナを開いて、自分の生理周期を思い出す。
前回の生理が始まったのが二十五日前で、基礎体温表を鑑みても、次回の生理がおそらく明後日から来るはず。
最悪、膣内に射精されてたとしても大丈夫である可能性が高い。
「………………」
おそるおそる、僕は目の前の大男を見上げる。彼は相変わらず真剣な目で黙ってこちらを見ていた。
目線を落とすと一千万円が見える。
一千万円あったら何が買えるかな、と考えてみた。欲しいものは特に思いつかなかったけれど、お金があればできることが増えるなとも思った。僕はこんな体だし、先行きは結構不安なのだ。
それから周囲を見回して、クラスメイトたちを見る。彼らは固唾を飲んで事の成り行きに注目しているようであった。
やっぱり、逃げられそうにない。僕の足ではでは全力で逃げても数秒で追いつかれるだろう。そうなったら、もっと怖い。
僕は諦めて、覚悟を決めることにした。
親友にブチ犯される覚悟を。
「わかったよ……。やるよ……。あのう、でも、条件がふたつある」
と、僕はピースサインを作って、彼に突き出す。二個あるよ、というジェスチャーだ。
「ひとつは、絶対に避妊すること。初めてだから優しくしてほしい」
「当然だ」
清水は即答した。
その声は低く重々しいものだった。彼の中に秘められた情熱を感じさせてくれる。
ざわ……、と周囲がどよめいた。
僕はうなだれるみたいに指をひとつ下ろして、人差し指だけをピンと立てた。その指をグッと突き出す。
「もうひとつは、その……」
僕は目を伏せる。そして、上目遣いに清水のことを見て、言った。
「一千万円も持ち歩くのが怖いから、銀行に入金に行くのに付いてきてほしいんだけど……」
ブハッとクラスの誰かが噴き出す音が聞こえた。
しかし清水は真面目くさった顔でごくりと大きくうなずいて、「了解した」と言ったのであった。
そうして僕たちは一晩中セックスをすることになった。
あっという間に話がまとまってしまって動揺する。了承したものの、ぜんぜん覚悟ができていないのだ。それなのにどんどん話が展開していく。
セックスの場所は清水の家で、ということになった。両親が旅行に出かけていて、清水の妹も彼氏の家に行っていて、家には誰もいないそうだったからだ。そこまでエスコートしてくれるらしい。というか、逃げないように見張っているのか。
「さあ、行くぞ、冬場」
「ぅ、うん……。わかったよ……」
ふたり連れだって教室から出るときの、クラスメイトたちから浴びせられる好奇の視線がめちゃくちゃ痛かった。
『こいつらこの後めちゃくちゃセックスするんだろうな』と思われているような感じがした。
その視線に耐えかねて、僕はスカートの裾をつかんでうつむいてしまった。顔が真っ赤になっていると思う。そして連れられていく。まるでドナドナだ。
教室を出てすぐの廊下で立ち止まって、僕はおそるおそる自分の席のほうを振り返る。
『お前らまだヤッてなかったのかよー』とか『お幸せにー』とか『今度詳しく教えてよー』とかいう言葉がクラスメイトたちから投げかけられて、僕の胸はますます苦しくなったのだった。
◇◆◇◆
そのまま銀行へ行って入金を済ませ、薬局でコンドームと替えの下着を買ってから清水の家へ向かう。
ずっと心臓がバクバクしていて気持ち悪かった。これから親友に女にされると思うと、どういう態度をとればいいのか皆目見当もつかなかった。
逃げ出したい気持ちはあるけれど、一千万円が入金された通帳が手元にある以上、逃げてはいけない気がした。かといってお金を返す気もない。なにしろ、大金なのだ。そう思うと頭の中がグルグルして気持ちが悪い。
一方、清水のほうはいつも通りの平静な態度で、それがまた憎たらしい。何を考えているのかは分からないが、いつも通りなのはありがたいことかもしれない。つまり、獣のように襲いかかられたら、超小柄な僕では太刀打ちできないのだし。
自分の腹の下に手を当ててみたところ、子宮がキュン♡としていたので、こちらは僕のメンタルほどは緊張していないようだった。不思議と下着が湿っている感覚がある。女かよ。
「っていうか、この一千万はどうやって手に入れたんだよ」
「宝くじに高額当選した。あとバイトした。コンビニと工事現場と交通整理。全部合法の手段だ」
僕の手首をつかんで歩きながら、清水はシンプルに答える。
こちらは引きずられて歩いているような格好だけれど、意外にも歩みは遅い。清水は僕の歩調に合わせてくれているらしい。デカい手で手首を捕まれるのはなかなか怖いが、掴む力自体はそこまで強くないので痛みはない。
ただ、有無を言わせぬ迫力がある。
これからお前を抱いてやるぞ、という決意だろうか。
そのせいで、こちらも、覚悟だけは一歩ごとに決まっていく。女にされる覚悟が。
そうして清水の家に辿り着いたとき、僕の脳みそは不安と期待で半ばパニック状態になっていた。
「ただいま」
「お、おじゃまします……」
玄関に入るなり、背後で扉が閉まる。
清水が鍵を閉めたのだ。その音を聞いた途端、僕の全身に鳥肌が立った。
この瞬間、この空間は完全に密室になったのだ。
もう逃げられない。身構える。唇を吸われるかもしれないからだ。思わず息を止める。
「はぁーーーっ……」と清水は大きくため息をついた。
その目は穏やかな光をたたえていて、性欲に飲まれているようには見えない。これから一晩中セックスするのだという様子には見えない。むしろ、普段よりどっしりしている。
(……あ、あれ?)
呼吸をして、彼を見上げる。
襲い掛かってくる様子はない。
「あ、あの……清水?」
彼は何も答えない。代わりに靴を脱いで家に上がった。
おずおずと僕も彼の背中を追って、身構えながら家の奥へと進む。
この家に入るのは一年ぶりだな、と思う。TS病に罹って以来だ。あの頃はまだ男だったから、気軽に家にあがれたのだけれど。
リビングに入ると、部屋の中央に大きなソファがあった。革張りの、座り心地の良さそうなやつだ。促されて、そこに座る。
「コーヒーでいいか?」
「え、あ、うん……。お砂糖もほしいです……」
「御意」
悠然と清水はキッチンのほうへ向かっていった。僕はひとり残されて、手持ち無沙汰になる。
てっきり家に入った瞬間にブチ犯されるとばかり思っていたのだけれど、意外にも彼は紳士的だった。
そのせいでかえって落ち着かない。気持ちの置き場がわからない。
とりあえず、バッグを床に置いて、背筋を伸ばす。スカートのシワも伸ばす。ブラジャーがずれてきた気がしたのでそちらも直す。緊張しているな、と思う。
ふと、部屋の隅に置いてある姿見を見た。
そこに写った美少女は、まるで恋をしている乙女みたいな表情をしていて、びっくりした。
どうもこの状況がまんざらでもないらしい。ブチ犯されるかもしれないのに。
(いつからそんな女になったんだよ、お前……)と思う。
どうやらいつの間にか僕の体のほうは清水に抱かれる覚悟を完全に決めてしまっていたらしい。
心を置き去りにするのはやめてほしいのだが……。
しかし、やるしかない。部屋の中にいるのは僕と彼の二人だけだ。シンとしている。自分の心臓の音がうるさいくらいだ。
僕は深呼吸を繰り替えして、心のほうにも覚悟をさせようとする。逃げ出すタイミングも断るタイミングもいくらでもあったのに、それでもここまで来てしまった以上、諦めて腹をくくるしかないのだ。
(………………よし、やるぞ……)
しばらく待っていると、清水がカップをふたつ持ってきて、僕の隣に腰掛けた。
彼は無言で、テーブルの上にそれを置いた。おそるおそる、砂糖を入れてかき混ぜ、それを手に取る。
「……あ、ありがとう」
「おう」
「……い、いただきます」
「熱いから気をつけろ」
香りのいいコーヒーだった。苦みが強くて、酸味は薄い。砂糖の甘味もある。
媚薬やらが睡眠薬やらが入っている気配はない。むしろ、ほっとする味だ。おいしい。
そうしてコーヒーを飲んでいると、なんだか笑えてしまった。なぜ僕は穏やかにコーヒーを飲んでいるのだろう。ブチ犯されに来たのではなかったのか。
しかし、自分が先ほどより落ち着いてに気がついて、なんだか驚いてしまう。
彼の隣は、落ち着くのだ。不思議と。
なんだかかんだ、自分はこの男のことを信頼しているみたいだ、と思う。
一千万円で処女を買われてしまったけれど、この優しい彼は、僕を傷付けるようなことはしないのではないかと思えてきた。
「………………」
「………………」
沈黙が流れる。
お互い、黙り込んでしまった。
いっこうに彼は襲いかかってこない。
じれったい。
いや、こちらからいくべきなのか? 誘惑した方がいいのか? でも、ブチ犯されるために……?
どうしたらいいのかわからずに、困惑しながら清水を見る。
(………………あ)
冷静になって清水を見てみると、彼が緊張でガチガチに固まっているのがわかってしまった。
手がプルプル震えていて、コーヒーの水面が波立ってしまっている。よく見ると顔が、とくに唇が青い。ビビっているようだ。
どうやら、余裕があるように見えたのは単に強がっていただけのようだ。いつもよりずっと無愛想で無表情に見えていたのは、緊張を隠すためだったらしい。
思わず僕は苦笑してしまった。
「ふっ」と小さな笑い声が出た。
「清水、もしかして緊張してる……?」
ビクッと彼の肩が跳ねた。図星を突かれたらしく、恥ずかしそうに俯いている。デカい図体を限界まで縮めて縮こまっている。その姿は滑稽だ。
(あれ? なんかこいつ、かわいいな……?)
こんなに頼りがいのある大男が、どうしてこんなに可愛い生き物に見えてしまうのだろうか。例えるなら叱られた大型犬みたいになってしまっている。
思わず笑ってしまう。なにがおかしいのかよくわからないが。
どうも精神的に優位に立っているのは僕のほうであるらしかった。意外にも。僕のほうが覚悟が決まっているらしい。
(……どうしたらいいんだろう、こういう場合。この状況は想定してなかったな)
とりあえず、ソファーに背中をあずける。ふーっ、とため息をつく。
それからそのまま思いついた話をする。
「なあ、どうしてそんなに僕とセックスしたいんだ? お金を払ってまで、そんなことをする理由なんてないだろうに。一千万円あればもっと良い女を買うことができるだろ」
清水は目を伏せたままで、小さく首を横に振った。
「俺にはお前しかいないんだ」
「……はぁ」
僕は曖昧に返事をした。清水の言葉の意味がわからない。
その次の言葉を待つが、なかなか聞こえてこない。
唇を震わせているけれど、二の句が次げないみたいだ。それでも、辛抱強く待つ。ほかにできることもないしね。
「……知ってると思うが、俺は昔から人付き合いが苦手で、ずっと孤独だった。友達も冬場しかいなかったし、家族だって、正直言って妹とさえもうまく話せない。俺の体はデカすぎて、けっこう皆に怖がられるしな。……だけど、お前だけは違った。お前だけが俺と仲良くしてくれた」
「それは……」
「もしかしたら友情だったのかもしれない。でも、お前が女子になって、ほかの男どもから劣情を向けられているのが耐えられない。俺以外の男に汚されるのが許せなかった。だから一千万という金を使ってでも、お前を手に入れようとした」
清水は熱っぽい目でこちらを見つめてくる。その視線の熱さに僕は戸惑うしかなかった。
その目に宿っている感情が何なのか理解できないけれど、強いていうなら独占欲のようなものを感じる。
それでありながら手を出してこないのは、僕を大事に思っているからなのだろう。そんな気がした。もしかしたらこの男は異性として僕のことが好きなのかもしれない。ようやくそれに気が付いて、愕然とする。
しかし、清水はもっと愕然とするようなことを言った。
「まあ、そういうわけだから……」
と清水は口ごもって、
「
そう言って彼は立ち上がろうとした。
あっさりしたものだ。
そのままどこかへ歩み去ろうとする。
(……………はぁ?)
馬鹿かこいつ。
そんなことのために一千万をドブに捨てて、途方もない馬鹿なのか。一千万円を稼ぐのがどれだけ大変かわかっているのか。馬鹿なのか。
そんなに僕のことが好きなら、独占したいのなら、どうして素直に『好きだからセックスさせてください』と言えないのか。『恋人になってください』とか言えないのか。どうして真正面から僕と向き合おうとしないのか。
あまりにも不器用すぎる。
イラッとする。
というか僕は清水に抱かれるために学校から一歩ずつ覚悟を決めて歩いてきたというのに、その覚悟は一体何だったのか。
(…………ん? 僕の気持ちってなんだ……? あれ、どうして、僕、怒ってるんだろう……? セックスしなくてすんだならよかったはずじゃないか……。一千万円儲けたじゃないか。どうしてイライラしているんだ……?)
自分の気持ちがわからなくなる。
思考がまとまらない。
でも、体は動きだしていた。
「待てよ!」
気がついたら叫んでいた。かん高い女みたいな声だ。
そのまま清水にすがりつく。ソファーへ引っ張り倒そうとしたけれど、体格差がありすぎてできなかった。ただ抱きついただけみたいな格好になる。
こちらの体が小さすぎる。女の子だからか。頭が熱い。喉が渇く。全身が震えているのがわかる。
しかたなく、そのまま清水を見上げて叫ぶ。
「せっかく覚悟を決めたのに、なんだよその言い方は……! お前はいつもそうだ。肝心なところで逃げやがる。僕の覚悟はどうなるんだよ! お前に抱かれるためにわざわざここまで来たっていうんだぞ!」
(…………あれ?)
これでは僕がまるで抱いてほしいみたいじゃないか。そう思った途端、全身が沸騰するように熱くなった。まるで火照るように顔が赤くなるのが自分でもわかった。
清水は、呆然とした顔で僕を見下ろしている。ポカンと口を開けて、まるで信じられないものを見たような目で僕を見ている。
もしかすると僕も同じような顔をしているかもしれない。自分の言葉に自分でびっくりしている。恥ずかしい。穴があったら入りたい。このまま消えてしまいたい。
顔を隠そうと思って清水の胸元に頭を押し付けると、彼の匂いが鼻腔を満たした。
安心する匂いだ。なぜか、落ち着く。でもそのせいで余計に落ち着かない気分になる。
いや、なんで抱きついているんだよ、僕。誘っているのか。頭沸いているのか。
頭上から彼が息を飲むのが聞こえてきた。
「……いいのか? そこまでされると我慢ができなくなるんだが……」
清水は僕の肩に手を置くと、そのまま体重をかけて押し倒した。ソファーに仰向けに寝転ぶ形になる。
彼の瞳の中に欲望の色が見える。それを見てしまった瞬間、僕のお膣がキュン♡と疼いて、ショーツが濡れていくのを感じた。
どうやら僕が思っていた以上に、僕の体はこの男を愛していたらしい。そう考えると色々と腑に落ちる。納得できる部分もある。
清水の指先が頬に触れて、僕はビクリと肩を震わせた。その指先は冷たくて気持ちよくて、少し心地良かったけれど、同時に緊張してしまう。
もしかすると、僕は清水のことが好きなのかもしれない。
彼とセックスできるのが嬉しくってここまで来たのかもしれない。
「おい、試しに僕に好きって言ってみてよ」
僕は彼の首に手を回して、顔を近づけながら、ちょっと偉そうに言った。そうしないと恥ずかしかったからだ。
ものすごく動揺している清水の表情が至近距離にある。
「いや、その、それは……」
「言・え」
「はい……」
彼は、絞り出すように「大好きです……」と言った。
その言葉を聞いて、なぜだか無性に嬉しくなって、泣きそうになった。胸の奥がきゅんきゅんする。やっぱり僕も清水のことが好きだったらしい。
ようやくそれを認める気になった。
それにホッとしている自分がいて、少し笑える。
僕は清水のことが好きだ。
いつも僕のことを守ってくれていた彼のことをものすごく信頼している。
愛している。心の底から。
自分の中で、そう言葉にしてみると、なんだか納得ができた。
「うん。僕も清水が好きだ。相思相愛だ。嬉しいか?」
「……はい」
「セックスしたいか?」
「……はい」
「よし、じゃあしよう」
そのまま唇を接触させた。ちゅ♡と可愛らしい音がした。僕の唇が可愛いからだ。
キスされて動揺している清水はもっと可愛かった。顔を真っ赤にして、固まってしまっている。
(あはっ……♡ キスしてしまった。自分からキスしちゃった♡)
男とキスするのなんて嫌悪感があってぜったい無理だと思っていたけれど、案外悪くない。むしろ良い。彼が目を白黒させているのが可愛くて、ドキドキして、きゅんきゅんして、幸せになってしまう。こんなに幸せな気分になれるなら、もっと早くしておけばよかったと後悔したくらいだった。
唇を離すと、彼が寂しそうにしていたので、もう一度唇を合わせてやった。柔らかい感触。
今度はトントンと舌先でノックしてやった。
すると清水は、おそるおそるといった様子で、唇を少し開けた。そこにぬるり♡と侵入する。彼の口の中は熱くて、唾液が甘くて、とても興奮する味がする。
そのまま歯茎をなぞったり、上顎を擦ってあげたりすると、彼は面白いように反応して、息を荒くしはじめた。そっと目を開けてみると、清水が涙目になっていたので、ますますゾクゾクする。
「……んむっ♡ ……んっ♡ ……んぅ♡ んむむっ♡♡」
体が大きいやつは舌も大きいらしい。こちらから彼の口に舌を突っ込む分には楽勝なのだけれど、彼のほうから責められると、すぐに主導権を奪われてしまう。
あっという間に、彼の舌が自分の口内に侵入してきて、口の中を蹂躙されてしまう。
「ふぁ……♡ んぁ……♡」
(……あぁ……♡ すごい……♡)
自分のものではない体温と唾液の感触が新鮮だった。気持ちいい。体の奥からとろとろと蜜が溢れ出てくるのがわかる。下腹部がきゅーっ♡きゅーっ♡と疼いている。
呼吸が苦しくなるまで、長いこと濃厚な接吻を続けた。
最後に名残惜しそうに軽く吸い付いてから、お互いの唇を解放する。
二人の口から銀糸が垂れて、部屋の照明でキラキラと輝いていた。
「……はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡ はぁ……♡」
しばらく二人とも何も言わずに、ただ荒い息をしていた。
すっかり発情した顔の清水が面白い。思わず吹き出してしまったら、彼も苦笑いした。なんだかおかしくなってきてしまって、ふたりで笑う。
ひとしきり笑ってから、またどちらからともなく、ちゅ♡ちゅ♡と軽いキスをする。それだけで幸福な気分になれた。
「やる気出たか?」
「……でた」
「そうか、それは何よりだ」
「……お前は大丈夫なのか? 怖くないか? 無理はしていないか……?」
「心配すんな。もう覚悟は決めてあるし、お前になら何をされたっていいと思っているよ」
「……そうか。なら、もう遠慮はしない」
「いや、遠慮はしろ。あと手加減しろ。僕の体はめちゃくちゃ脆いんだからな」
「善処はするが保証はできない」
「そこは嘘でも約束しろよ……」
「御意」
僕は両手を伸ばして、清水の頭を撫でた。短く刈り込まれた硬い髪だ。彼は気持ち良さそうに目を細めて、されるがままになっている。その姿が妙に愛らしくて、胸がキュンとした。
「ほら、ベッドまで運べよ。お姫様抱っこだぞ」
「……わかった」
ごくりとうなずいて、清水が僕を抱きかかえた。予想よりもずっと軽々と持ち上げられて、驚いた。まあ、僕の体重はめちゃくちゃ軽いから当たり前といえば当たり前なのだけれど……。
「重くないのか……?」
「ぜんぜん」
「だよな……」
そうして僕は彼の自室へと運ばれていったのであった。清水は終始優しい目をしていて、その視線に僕はドギマギしてしまうのであった。
◇◆◇◆
清水の部屋に入ると、まず最初に目に入ったのは大きなベッドだった。キングサイズだ。
ひとり部屋のベッドにしてはデカすぎると思ったのだが、考えてみれば部屋の主は身長約二メートルの巨漢である。ゆったり寝ようと思ったらこのサイズのベッドが必要になるのは当然だ。
部屋は綺麗に片付けられていて、あまり生活感がなかった。ベッドと勉強机、本棚があるだけだ。殺風景で面白味がない。
僕はその光景を見て、なんだか不思議な気分になった。以前、男の頃にこの部屋に入った時は感じなかったが、めちゃくちゃ雄臭いのだ。部屋には清水の匂いが染み付いていた。
ボフッと彼のベッドに倒れ込むと、そこからは清水の汗の匂いが漂っている。シーツからも彼の匂いがする。枕カバーに顔をうずめると、彼の匂いが脳髄を刺激してくる。
まるで媚薬のような匂いだった。頭がクラクラして、子宮が疼いて仕方がなくなる。
(……僕、本当に清水のことが好きだったんだなぁ……)
改めて実感する。
恋心に気付かずに一年以上も親友をしていたなんて、信じられない話だ。
清水は胸をキュンキュンさせている僕を見下ろしながら、切羽詰まった顔になっている。どうもこちらの胸の高鳴りには気付いていないみたいだ。
「いいのか……? 今さらだが、俺は男だぞ……? わかってるのか……? お前、自分が女の子だって自覚はあるのか? 俺に犯されるんだぞ? 嫌じゃないのか? 怖くないのか? 後悔しないのか?」
まったく、この男は期に及んでもヘタレているらしい。可愛らしいやつである。僕は微笑んで答える。
「もちろん怖いに決まっているだろうが。僕がどれだけ男とセックスするのが嫌だと思ってきたと思っているんだよ。何回も言うけど、清水が手加減しなかったら僕は壊れるかもしれない。正直、死ぬほど痛いと思う。おまえその痛みを想像するだけで僕は泣きそうになる」
「……そうか」
「ああ、そうだよ。でもセックスしてやる。愛ゆえにだ。大好きだから我慢してやるよ。痛くてもいい。苦しくてもいい。それでもおまえに抱かれたい。……なあ、僕がここまで言ってもまだヘタレる気か……?」
「……いや、悪かった」
清水は申し訳なさそうに謝って、僕に覆い被さってきた。彼の体が影になって、視界が暗くなる。
「優しくする」
「うん」
「できるだけ痛くないように努力する」
「おう」
「好きだ」
「僕も」
そして、再び唇を重ねた。今度は舌を絡め合うような大人のキスだ。舌先を甘噛みされたり、吸われたりするたびに、ゾクゾクしてたまらなくなった。
そのまま彼の体に指を這わせると、清水の肉体がビクリと震えたのがわかった。
(こいつ、筋肉すげえな……)
服越しなので正確なことはわからないけれど、明らかに自分とは違う鍛えられた体つきをしていることがわかる。腹筋がバキバキだし腕とか太股の肉付きが違う。胸板も分厚いし首回りにも太い血管が見えるしで圧倒されてしまう。
でも、よく見ると無駄毛の処理もちゃんとしているようだし、清潔感もあるし、なんかムカつく。男としては僕よりモテそうじゃないか。悔しいけれど、こいつはきっといい男になるだろうなと思った。
女になったのが僕でよかった、と考えて少し笑える。逆だったらえらいことだ。だから、初めての相手がこんないい男が相手ならラッキーだと思うべきなのだ。
「服を脱がしてもいいか?」
「ブラの外しかたわかんの?」
「……わからない」
「じゃあどけよ」
「……御意」
彼は大人しく従った。ちょっとだけしゅんとしていて可愛い。デカい体を縮めて、大きな小動物みたいになって俯いている。
でも、こちらが脱いでいるのは気になるようで、チラッチラッと視線を送ってくる。
「どうせ見るなら堂々と見ろよ。ほら、おっぱいだぞ」
ブラウスを脱ぎ捨て、後ろ手でブラジャーのホックを外した。そのまま両腕で寄せて上げてみせる。
あまり大きくはない胸だけれど、柔らかさはある。むにっ♡と寄せて上げるとすごくえっちだ。鏡越しに練習したことのあるポーズだから、それを見てオナニーもできたから、見た目のエロさは折り紙付きだ。
すると、彼の喉仏が大きく上下したのが見えた。ゴクリと唾を飲む音が聞こえた。
僕はニヤリと笑ってから、わざとゆっくりとした動作で、スカートの裾を持ち上げて、ショーツを見せてあげた。
まさか今日、彼に下着を見せるなんて思ってもみなかったから、ごく普通のショーツを穿いている。色は黒で、飾りっ気のないシンプルなデザインだ。ユニクロで買った、肌触りだけは抜群にいいやつ。
でも、その薄布の奥におちんちんが生えていないということは一発でわかるはずだ。
僕のペニスはとっくに失われているわけだし。
でもかわりに秘密の割れ目がある。柔らかい穴だ。
発情した女の匂いがプンプンしているかもしれない。実際、そこはぐっしょりと濡れてしまっているのだから。もうパンツの上からでもわかるくらいにシミができているのだ。
美少女である自分が胸を丸出しにして、男にショーツを見せつけているなんて、客観的に見たら凄まじい絵面に違いない。我ながらドン引きする。
でも、不思議と恥ずかしくはなかった。
目の前の清水が欲情してくれていることが嬉しかったし、彼に対してならばこういう姿を晒すことも悪くないと思えたからだ。
「えっちに見えるか?」
「……見える」
「そっか、それはよかった。裸が見たいか?」
「……見たい」
「素直だな。よし、わかった。全部見せてやる」
僕はそう言い放つと、しかしゆっくりと服を全部取り去った。ショーツを脱ぐときに粘液が糸を引いた。自分で思っているより数段濡れていて、僕は赤面してしまった。
清水は僕のことを食い入るように見ている。僕の全身を舐め回すように眺めて、息を荒くしていた。
僕はその視線を意識しながらも、最後の一枚を取り払った。
チラ、と部屋の端に置いてある姿見を見ると、全裸の美少女が写っていた。期待で顔を真っ赤にした、とても可愛らしい少女の姿だ。柔らかそうな胸をツンと張って「さあ、どうぞ触ってください」とでも言わんばかりだ。
「綺麗だ……」
清水が熱に浮かされた声で呟いた。
「もっと近くで見てもいいぞ。でも、清水もさっさと脱げよ」
「……御意」
バババ、と服を脱ぎ捨て、パンツ一丁になった彼はフラフラとした足取りで近づいてきた。そのままベッドの上に正座して、熱のこもった目で僕のことを見つめてくる。
ピーンと彼のパンツを押し上げるソレが目に入って、僕は思わず生唾を飲み込んだ。
(めっちゃ勃起してんじゃん。いや、そりゃそうだけどさぁ……)
僕みたいな美少女のストリップショーを見て勃起しないわけがない。当然の反応だ。しかし、その事実に僕はひどく興奮してしまう。じーんっ♡と自分の下腹部が感涙したのを感じた。
彼のふとももに手を置いて、ゆっくりとソコへ近づけていく。
僕の手が触れると、彼の体がビクンと跳ねた。僕は構わずに手を這わせて、下着越しに彼のペニスに触れた。
布越しだというのに、炎天下の鉄の塊みたいに熱い。ドクンドクンという脈動まで伝わってきて、僕はまたドキドキしてしまう。
(勃起してたときって、こんなに熱かったっけ? ちょっと思い出せないな……。とにかくすごい……)
僕は無意識のうちに、彼の股間に顔をうずめて、スリスリと頬擦りをしていた。彼の匂いを嗅いで、肺いっぱいに吸い込むと、頭がクラクラしてくる。まるで媚薬のような雄の香りだ。
客観視するとドン引きするような光景だけれど、そのときは何とも思わずにそうしていた。そのまま下着越しに唇で「はむっ♡」っと亀頭を食んであげると、彼が「うぅ……!」とうめき声を上げたのが聞こえてくる。
(……うわっ♡♡ くっさぁ♡♡ なんだこれ、すげぇ……♡♡)
これは癖になりそうだ。頭がクラクラして、子宮がきゅんきゅんっ♡と疼く。ショーツを脱いでしまったせいで受け止めるものはなにもない。とろりとした愛液がふとももを伝って垂れ落ちてくる。
熱い男根に直接触れたくなって、僕は彼のボクサーブリーフをズラして、中からおちんちんを取り出した。
「……ッ!?」
ぶるん、と勢いよく飛び出してきたそれに、僕は息を飲んだ。あまりも元気が良すぎて僕の顔に衝突したのだ。
「すご……っ」
思わず漏れた言葉だった。想像以上の大きさで、長さがあって、カリ高で、血管が浮き出ている。色もかなり濃い。これが本当に同じ男のものなのかと疑いたくなるほどだ。ちょっとした凶器だ。
でも、ちょっと左に曲がっている。普段の彼のオナニーの結果だろう。
それが清水の手癖だと思うと、案外可愛らしく見えてしまうから不思議なものだ。ハムスターとか子猫とか愛玩動物に対する愛しさに近い感情が湧いてくる。
「……触るぞ?」
「……ああ。お願いします」
かつてオナニーをしていた自分のぺニスを思い出しながら、おそるおそる手を伸ばす。指先でちょんちょん、と触ると、それだけでビクビクと震えて、先端からは透明な液体が滲んできた。
(やば……めちゃくちゃえっちだな、コレ……)
男のときの記憶があるせいか、彼の性器はグロテスクには見えない。むしろ愛しく思えるし、可愛くて仕方がなかった。
そのまま優しく握ってみる。そしてスライドさせると、手の中でビクッビクッと震えた。生きているみたいだ。
「気持ちいいのか?」
「……ああ。すごく」
「そっか。だよな。わかるよ、僕も同じことしてたからわかる」
僕は彼に微笑みかけてから、パク♡と口を開いて、彼のモノを口に含んだ。
「んちゅ……♡ じゅぷっ……♡」
舌の上に広がる苦味。塩っぽいような、酸っぱいような、よくわからない味だ。でも、信じられないことに不快ではない。美味しいとも思わないけれど。強いていうなら、愛おしい味だ。
とても奥までは飲み込めないくらいに大きいので、半分もいかないところで顎が疲れてしまった。
そこでいったん戻って、カリ首の段差に唇を引っ掛けるようにして刺激する。そこが一番気持ちいいことは、体感として知っている。
そのまま唇を窄めて、くぽっ♡くぽっ♡と出し入れしていると、清水が「うぉ……」とか「はぁ……」とか喘ぎ始めた。感じてくれているみたいだ。
アダルトビデオの男優の声がデカすぎると気色悪いなって感じることが多いけれど、自分が男を感じさせている側だと全然そんなことは思わない。むしろ嬉しい。セクシー女優の嬌声みたいなものだ。もっと声出して欲しいくらいだ。
だから僕は、調子に乗ってさらに激しくしゃぶりついた。彼の腰が引けるのも気にせず、亀頭を舌で撫で回したり、裏筋をなぞったり、思いっきり吸引してあげたりした。
「ちょ、冬場……! まっ」
切羽詰まった声。射精しそうなのだと察する。じわーっ、とカウパー腺液が口内に広がってきて、それを唾液と一緒に嚥下すると、脳髄が痺れるようだった。
睾丸もせり上がってきているし、限界が近そうだ。僕はラストスパートをかけるべく、喉の奥まで彼を迎え入れた。
のどちんこに衝突して嘔吐反応が起こるが、それすらも快感に変換される。僕は夢中で彼のペニスに奉仕した。
「やばい、でるっ……!!」
「んぐっ!?♡」
彼が呻いた、次の瞬間、大量の精液が食道に直接流し込まれた。
びゅーっ、びゅーっ、とポンプのように発射され続けていく。
まるで噴水だ。
すごい勢いで口と喉が満たされていく。
なかなか終わらなくて、苦しかった。ダイレクトに臭い。でも、無理をして飲み込んでいく。
喉に絡みつく粘っこい精液。どろりとしていて、青臭くて、不味い。
でも、そこまで、嫌じゃない。セルフェラをして自分の精液を飲むよりずっといいだろう。好きな人のものだからこそ、そう思えた。
「ぷはっ……、おえっ……」
やっと終わった頃には、僕の顔は涙や鼻水でぐしょ濡れになっていた。口からも白濁が溢れていて、なんとも汚らしい有様だ。
息もしづらいし、ひどい感じだ。「フーーッ、フーーッ」と荒い息を吐く。
「ごめん、大丈夫か?」
「……いや、めっちゃ顎が疲れた。あと青臭い。しかも出し過ぎ。腹一杯だ。胃が妊娠するかと思った」
「……うっ、すまん」
けっこう余裕で飲めてしまった事実が恥ずかしくて照れ隠しを言ったら、彼がシュンとしてしまった。
まるで叱られた犬みたいだ。その様子がおかしくて笑ってしまう。
こちらの一挙一動にいちいちリアクションしてくれるのが可愛く見える。
「冗談だって。謝らなくてもいいよ。僕が勝手にやったことだから。それよりさ、ほら、ぎゅーっ♡ってしろよ。一晩中、愛してくれるんだろ? 嘘つきにするなよ」
「わかった」
デカすぎる腕で、清水が僕のことを抱きしめてくれた。その温もりが心地よくて、僕は彼の胸に顔を埋めて甘える。
胸板にちょっと精液が付着してしまって、申し訳なかったのでそれを舐める。ミルクを舐める猫にでもなった気分だ。
青臭い精液の味と、清水の汗の匂い。彼の体温と鼓動の音。それらに包まれて、だんだんテンションが上がってくる。
すごい胸筋だ。ちゅう♡ちゅっ♡と舐めていくと、清水が「うっ」とうめいた。僕は構わず、キスマークを付けるように吸い付いていく。
「冬場……!」
「ん〜?」
「あの……その……当たってるんだけど……」
「あー……♡」
言われて気づいた。僕の下腹部は彼のふとももに密着していた。つまり、トロトロに蕩けた秘裂が彼の足に押し付けられているのだ。
というか、無意識に彼の脚に擦り付けてしまっていた。発情期の雌犬が雄を誘惑するように、僕の体は自然とそうしていたのである。
「冬場……、興奮しているのか?」
「……んー?」
その質問を無視して、僕は彼の胸筋に頬擦りをする。だって、僕が興奮しているのかどうかって、見ればわかるじゃないか。こんなに濡らしておいて、興奮してませんなんてとても言えない。
でも、あえて答えてあげなかった。焦らすように彼の肌を吸い続ける。
清水は僕が答えるのを待っているみたいだけれど、何も言わずに、ただひたすらに彼へのマーキングを続ける。
「……冬場っ」
辛抱たまらなくなったらしい彼が、強引に僕を引き剥がした。そしてベッドの上に押し倒してくる。
こちらの体は軽すぎて、簡単に動かされてしまった。やはり身長約二メートルのやつはデカすぎる。
その巨漢の、発情した獣のようなギラついた目で見つめられて、ゾクッと背筋が震えた。子宮がぎゅーっ♡と収縮する。
「いいんだな? もう止まらないぞ」
「いや、何度も言うけど手加減はしろよ。マジで死ぬから」
「……善処する」
「ほんとかよ」
「ああ」
「……ちゃんと、膣内をほぐしてからにしてくれ、マジで。自分のサイズを考えろよ」
「わかっている」
「……ん」
僕はコクリとうなずいて、目を閉じた。キスしていいよ、というサイン。
すぐに唇が重なって、舌を絡め合う。さっきまでのとは違う、甘いだけの優しいキスだった。この巨獣は本当に手加減する気らしい。そういうところが大好きだ。
「んぅ……♡」
彼のクソ太い指が秘所に触れてきて、ゆっくりとなぞっていく。ぬちゃぁ……♡と糸を引くほどに愛液が分泌されていることが恥ずかしい。
でもそれ以上に期待してしまう。これから与えられるであろう快楽に。
そのまま、割れ目の表面を指先でスリスリされると、「んひぃ……♡」っと、情けない声が漏れてしまう。まるで女みたいな声だ。いや、実際に僕は女の子なんだけどさ。
ぬるぬるっ♡と愛液をまぶされて、入り口をマッサージされる。指先が少しだけ挿入ってきて、ちゅぽっ♡と抜かれて。それを繰り返されるうちに、入口が柔らかく解れてきた。
「……んっ♡ な、なんか上手いな、清水。練習した?」
「いや、してない」
「そっか」
じゃあ才能か。羨ましい限りだ。
ふと、こいつのテクニックは僕しか知らないんだな、と気がついて、他の女の子に対して優越感を感じた。まるっきり女の子目線である。心まで女の子になったみたいで、ちょっと恥ずかしい。
「んっ♡ は、はやく……♡」
「御意」
ようやく準備が整ったのか、彼の人差し指が侵入してきた。
「んくっ……♡ ああぁっ♡ ゆ、指きたぁ♡」
ちょっとした木の棒みたいな男の指だ。圧迫感はあるけれど痛みはない。むしろ、待ち望んでいた感覚に腰が浮いてしまいそうになる。
膣内はすっかり出来上がっていて、愛撫する必要などないくらいに潤っていた。だからといって、彼に愛撫をやめるつもりもないようだけれど。
内臓の内側を触られているのだと意識すると、怖くて、ドキドキする。同時に、なんだか不思議な気持ちにもなる。
ほっぺたの内側を舌でなぞられるような、くすぐったさと気持ち良さが同居した感じ。
くちゅくちゅと音を立てて、丁寧に内側をほぐされていく。
「うぁっ♡ そこっ、そこだめっ♡ きもちいから、やめてぇ……♡」
おなか側を優しく撫でるように触れられると、ゾワゾワッとした快感に襲われる。全身がビクビク痙攣して、シーツを握り締めることくらいしかできない。
膀胱が刺激されるのか、ちょっとずつおしっこが漏れそうになってきて、焦る。漏らしても許してくれるといいけど。もし漏れたら潮吹きだってことにして誤魔化そうと決意する。
もちろん、そんな策略は頭の隅で考えているだけで、頭の大部分は与えられる快感に埋め尽くされていた。
陰核を同時に擦られると、背骨が融解してしまいそうだ。
「ここが気持ちいいのか」
「うんっ……♡ そこっ♡ すきっ……♡」
「もっとして欲しい?」
「してっ♡ いっぱいしてっ♡」
「……わかった」
そう言って、彼はさらに柔らかく責め立ててくる。僕の弱点を的確に把握しているようで、弱いところを集中的に弄られる。
膣内に指を入れられたままで、クリトリスを指の腹で擦られたり、カリッ♡と爪の先で引っ掻かれたり、あるいは二本の指で挟み込むようにして揉まれたりすると、もうダメになる。
自分でオナニーするとのは比べ物にならないほどの快楽だ。お膣が彼の指をぎゅーっ♡と食いしばって、離さない。それどころか、もっともっと♡と媚びている。
「なんか、可愛いな」
「うるさいっ……♡」
「好きだ」
「んあっ♡ やめろよぉ……♡」
耳元で囁かれると、ゾクゾクとした寒気にも似た気持ちよさが走る。好かれて嬉しい、と心が思う前に体が反応してしまう。
彼の声が好きなのだ。低くてセクシーなバリトンボイス。耳に流し込まれるたびに脳髄が痺れる。
「冬場、冬場」
「うっ……♡ ううっ……♡ らっ♡ なんだよっ……♡♡」
名前を呼びながら、彼は僕の頭を撫でてくれる。大きな手が僕の髪をくしゃくしゃにして、それから、頬を押さえて、顔中にキスしてくれる。
その間も膣内の愛撫は続けられていて、僕はみっともなく喘ぎ続けることしかできなかった。
いつの間にか主導権を握られていることに気がついて、その嬉しさで子宮がぎゅーーっ♡♡となった。好きという気持ちが溢れてしまって止まらない。
「すきっ♡ 清水のこと好きぃ♡ 大好きっ♡」
「俺も好きだぞ、冬場」
「うっ♡ うれしいっ……♡」
「愛してる」
「〜〜~~~~ッッッ♡♡♡」
その言葉ひとつで軽く達してしまった。体の芯から溢れ出す幸福感。
でも絶頂の余韻に浸っている暇もなく、快楽信号が送られ続ける。チカチカと視界が明滅している。やわやわと甘やかすように子宮口をマッサージされ、Gスポットを指の腹でぐーっ♡と押されて、背中が反ってしまう。
「んああっ♡ なにっ♡ なにこれぇっ♡ しゅごいよおっ♡」
彼の動きも、声も麻薬みたいだった。名前を呼ばれるたび、頭がクラクラする。彼のこと以外考えられなくなる。何もかもどうでもよくなる。
寄せては返す波のように、気持ちいいのが止まらない。しかも満ち潮のようにどんどん気持ちよさの水位が高まってくる。いつの間にか僕の全身は淫蕩な海に浸っていて、もう戻れないところまで来ていた。
「んぅーっ♡ んぅうっ♡ イっちゃうっ♡ またイクぅ♡ イクからっ♡♡」
彼の腕にしがみつき、必死に耐える。少しでも気を抜いてしまえば一気に持って行かれそうな恐怖があった。
それでも我慢するのは辛い。早く楽になりたい。でも、まだ終わって欲しくない。ずっとこうしていたい。相反する感情がせめぎ合って、僕は混乱してしまう。
でも、そんな僕に構わず、清水は指の動きを止めてくれない。まるで棚の上に荷物を置くみたいに軽々と押し上げられる。
「やだぁっ♡ やだぁっ♡ いまちょっとイッてるのにぃっ♡ またイクっ♡ イクぅっ♡」
そしてついに、快楽の津波が押し寄せてきて、僕はそれに飲み込まれてしまった。
「ああぁぁっ♡ イクッ♡ イグゥッ♡ んお゛お゛ッ♡♡♡」
今までで一番深いアクメ。
けっこう汚い声が漏れた。僕は美少女なのに。
視界が真っ白に染まる。呼吸ができない。頭の中で真っ白い花火が何発も打ちあがっている。まるで熱帯の海に沈んで、水中からキラキラ輝く太陽を眺めるような感じ。視界が眩しくてチカチカして、ものすごく気持ちがよかった。
「お゛っ……♡ あ゛っ……♡ あ゛っ……♡」
全身が痙攣して、足がピンと伸びる。
膣内がヒクヒクとうねって、彼の指を締め付けてしまう。指先を奥へ誘うような動きに、彼が「んっ」と息を漏らす。
その吐息が聞こえた瞬間、膣内がキュウッ♡♡と締まった。彼の指の形をはっきりと知覚しながら、何度も絶頂を迎えたのである。
「あ゛ぁ゛~~~~~~~~~~~~ッッッッッッ♡♡♡♡♡♡」
と叫びながら。
◇◆◇◆
「…………はひゅーーーっ♡♡♡ …………ふひゅっ♡♡ …………ひゅーーーっ♡♡」
数分後、僕はまだ息も絶え絶えになっていた。なんとか酸素を取り込もうとするけれど、うまくいかない。鼻の奥がツンとして、涙が滲む。
いつの間にか愛撫は終わっていて、彼の指が引き抜かれていた。でも、僕の体は言うことを聞かない。全身が脱力して、ベッドの上で仰向けになっている。
「大丈夫か?」
「……だいじょぶじゃない」
「そうか」
「……あたま、おかしくなった。死ぬかと思った。おしっこ漏れそう」
「そうか」
「……あと、めっちゃ気持ちよかった。……ありがと」
パタン、と清水は僕の隣に倒れ込んできた。そのまま僕の体を抱き締める。彼の胸板に顔を埋めると、心臓の音が伝わってきた。少し速い。
ビンビンに勃起しているくせに、僕に無理強いしようとしないところが紳士的で、そういうところにキュンとくる。いや、単にヘタレているだけかもしれないけれど。
勃起しまくっている彼を楽にしてあげるためには、こっちから誘わないといけないんだろうな。ヘタレだから。そんなことを考えながら、僕は彼の胸にスリスリと頬ずりをする。まるで愛らしい女の子みたいに。逆の立場だったら嬉しいだろうな、なんて思いながら。
「……あのさ」
「なんだ」
「やる? 続き」
「うん。やる。いいか?」
「もちろん」
僕はゆっくりと仰向けに戻って、受け入れ姿勢を取る。両足を開いて、くぱぁ♡と秘所を見せつけるように。さんざん清水にほぐされたから、ちょっと口を開けるみたいになっていて、恥ずかしいけれど。
その間に彼は薬局で買ったコンドームを取り出して装着する。僕はその様子をじっと見つめていた。そういえば僕は最後まで童貞だったし、コンドームをつけたことはないな、なんて思う。
そして、そんな感慨以上に、これからこの大きなモノが入るのだなと思うとドキドキするし、怖いとも思う。痛いのかな、とか、裂けちゃったりしたらどうしよう、みたいな不安がある。
でもそれ以上に、彼と繋がりたい。一つになりたいという思いが強かった。
「……いいんだな?」
とっくに臨戦態勢のくせに、不安げに清水が聞いてくる。目は僕の胸を見ていて、今さらなんだけど、こいつの性癖はドスケベだと思う。
「いいってば。……優しくしろよ」
そう言って両手を広げると、彼は僕の上に覆い被さってきた。そして唇を重ねて、舌を絡めてくる。唾液を交換し合うキスは甘くて、優しい。
「好きだ」
「知ってるって」
耳元で囁かれると、ゾクゾクした。僕の心と体が歓喜しているのがわかる。
やがて彼は僕の脚の間に体を滑り込ませると、先端で入り口を探り始めた。正解の場所を見つけたのか、めちゃくちゃ熱いものが押し付けられる。ぬちゃ♡と僕の秘所が音を立てた。
清水のペニスの熱さに思わず腰を引いてしまいそうになるけど、それをグッと堪える。
「いくぞ」
「うん。こいや」
ゆっくりと、慎重に、ズブブッ♡と彼の太い幹が沈み込んできた。僕の狭い肉壁を押し広げていく。
指とは比べ物にならないほどの圧迫感があって苦しい。押し広げようとする彼の分身は、膣内のあちこちに引っかかってきて、そのたびに僕は「んっ♡」と小さく声を上げてしまう。
視覚的には、僕のおまんこに彼の巨根が入っていく様子が見える。ちょっとグロテスクで倒錯的な光景だった。
お膣の中に何かが入ってくるという感覚は、やっぱり異物感が強い。
僕の膣内は徐々にみっちりと満たされていって、隙間がなくなった。膣内を埋め尽くす圧倒的な存在感のせいで、子宮が押し上げられているような錯覚に陥る。
そして、こつん♡と最奥の壁に触れた。僕の子宮口が彼の亀頭にキスをしている。それが体感でわかる。
「入ったな」
「んっ♡ ……ぜんぶ、はいった?」
「ああ。奥まで届いてる」
「そっか」
お腹に手を当てると、確かにそこには彼のものがあることがわかる。ドクンドクンと脈打っている。
上半身を起こして股間を見たら、彼の巨大なモノが自分の中に全て収まっているのが見えた。びっくりだ。下半身が密着している。
あんなに大きなものを全部受け入れることができたのだと、改めて実感して嬉しくなる。
大きな彼の剛直は、とてもエロティックで、卑猥で、官能的だ。こんなのを入れられたら、どんな女だって屈服してしまうだろう。僕も例外ではない。女にされたのだな、と思う。
「動くぞ」
「だめっ! 動くなっ!」
「えっ、ええ?」
「まだダメっ♡ このままっ♡」
「あ、ああ」
彼が戸惑いながらも従ってくれた。動かずに、繋がったままじっとしてくれている。まだ彼のペニスに膣内を馴染ませている最中だったので、助かる。
そのまま、両手を広げて、ハグを求める。
おずおずとした調子で彼が覆い被さってくるので、ぎゅーっ♡と抱きついて、彼の体温を感じた。
彼の匂いがする。彼の鼓動が聞こえる。彼の汗の味がする。
肌の触れあっている部分がピリピリとした淡い快感を伝えてくる。それが嬉しくて、密着感が気持ちいい。
デカすぎる彼に蹂躙されるのではなく、自ら迎え入れたとのだという充足感もある。彼に包まれているという安心感もあって、幸せすぎて泣きそうになった。
セックスってすごい。好きな人と繋がるのが、これほど気持ちいいなんて知らなかった。
「動いていいか?」
「だぁめ♡」
「なんでだよ……」
「女の子側の負担を考えて、最初は動かないで待ってくれるのがマナーだろ。考えろよ」
嘘である。本当は単にずっとこうして甘えたかっただけだ。
でも清水は真面目なので、律儀に「そうだな」と言って、我慢してくれた。偉い。僕の大好きな人は本当に良い男だ。惚れ直す。
「ねえ」
「ん?」
「キスして」
「ああ」
ちゅっ♡と触れるだけの軽い口づけ。それだけで幸せな気分になる。
それから何度も何度も啄むようにキスをして、次第に深いものへと変わっていく。
舌を絡ませ合い、互いの唾液を飲み込み、吐息を混ぜ合わせる。
彼の背中に手を回したまま、彼の首筋に顔を埋めると、さらに濃厚になった彼の香りを感じてクラクラした。
清水が身じろぎをすると、ずんっ♡と膣内に振動が伝わってきて、その刺激にお腹の奥がきゅんきゅん♡と疼いた。
だんだん欲しくなってくる。わがままかよ、僕は。でも事実なので仕方がない。
上目遣いにおねだりをする。
「ね、そろそろうごいていいよ♡」
「……御意」
彼がゆっくりと腰を引くと、僕の中が引き留めようと吸い付いてしまうのが自分でもわかってしまう。
ズルリと引き抜かれる感覚が気持ちよくて、「あっ♡」と声が出てしまう。カリが入口に引っ掛かった瞬間にビクッと反応してしまい、それに気付いた清水が「大丈夫か?」と聞いてくる。
そのまま思いっきり突かれたらどうなるのか、体中が期待で震えた。
「だいじょーぶだから♡ はやくきて♡」
そう言うと、彼は再び腰を沈めてきた。ゆっくりと時間をかけて挿入して、僕が馴染むのを待ってくれている。優しいけれど焦れったい動きに興奮して、自然と彼のモノを締め付けてしまう。早く動けと言わんばかりに。
彼のペニスに絡みついた僕の媚肉は、もっと強く、激しくして欲しそうにヒクついている。それはきっと彼も同じで、時折苦しそうな表情を見せるものの、僕の様子を見ながら徐々に腰の動きを大きくしていった。
そしてついに、ズンッ♡と重い衝撃が走る。子宮口をこじ開けられて、そこをノックされているような感じがする。その度に脳天にまで響く快楽の電流が走って、僕は体を仰け反らせた。
「お゛っ♡♡♡ あ゛っ♡♡♡ ん゛ぉっ♡♡ お゛っ♡♡」
めちゃめちゃ汚い声が出た。子宮口を押されるたびに横隔膜まで刺激がきて、勝手に変な声が出るのだ。
せっかく顔が可愛いんだから、もっとかわいくあんあん♡って言いたいところだけど、そんな余裕はない。彼のちんぽがデカ過ぎるのが悪い。僕は悪くない。
「こっ、これすごっ♡♡♡ お゛っ♡♡ ひぃっ♡♡ やばっ♡♡ おっきい♡♡♡」
「痛くないか?」
「うんっ♡♡♡ きもちいいっ♡♡♡ しゅごいっ♡♡♡ おっきくてきもちい♡♡♡」
「そうか」
僕の言葉に満足したらしい彼は、少しだけ口角を上げて、ピストンのペースを上げた。
ぱちゅん♡ぱちゅん♡とリズミカルに肉と肉がぶつかり合う音がする。そのたびに僕の口からは下品な喘ぎ声が漏れる。恥ずかしがる余裕はない。
一方、清水はといえば、目を閉じて、眉間にシワを寄せて、必死に射精を抑えていた。歯を食い縛って、なんとか耐えようとしているのがわかる。
もうちょっとでイキそうなのだけれど、僕のために我慢してくれている。そういうところが愛おしくて、キュンとくる。
「いいよ♡ イッて♡♡ ぼくのなかにだして♡♡♡」
「くっ……!」
僕の言葉に応えるようにして、彼はラストスパートをかけた。ずんっ♡ずんっ♡と甘い重低音が脳に響くようだ。
膣内を掻き回す彼の剛直は、もはや凶器としか思えないサイズになっている。こんなので好き放題されたら、壊れてしまうかもしれない。
でも、それでもいいかな、なんて思う。むしろ壊して欲しい。破滅的に気持ちがいい。脳髄が蕩けて、何も考えられなくなる。
「イクぞ」
「うんっ♡ きてぇっ♡♡」
彼は腰を強く押し付けると、ビクビクと身体を震わせて、ぐーーっと僕を突き刺した。
ぐりゅっ♡と子宮口を押し上げられる。
そのまま彼はゴム越しに精を放った。熱い。ドクンドクンと脈打つのがはっきりと感じられる。
「ふぁ♡♡♡ でてる♡♡♡ あついのいっぱい♡♡♡ んっ♡♡♡」
僕のおまんこは、まるでそれを搾り取ろうとしているみたいに、彼のモノをきゅううっ♡と締め付けた。そのせいで彼のモノがピクピクと痙攣しているのがわかる。ぐっ♡ぐっ♡と射精の勢いで奥が突かれる。
その振動で、僕も同時に果てた。全身がガクンガクンと跳ねて、頭が真っ白になって、目の前がチカチカする。
「あ゛〜〜♡♡♡♡♡ イグぅっ♡♡♡♡ んお゛っ♡♡♡♡」
子宮が収縮して、お膣が彼のモノをきつく抱きしめる。彼のモノが脈動するのに合わせて、絶頂の波が押し寄せてくる。
「あ゛〜♡♡♡♡ んお゛っ♡♡ ~~~~~~ッッ♡♡♡♡♡♡♡」
僕の頭は快楽で埋め尽くされていた。思考回路は完全にショートしていて、まともに考えられない。
幸せの花畑に虹が架かっているのが見える。天使がラッパを吹き鳴らしていて、祝福の鐘が鳴り響いている。
完全にラリっている。セックスと脳内麻薬だけでこんなに気持ちよくなれるものなのか。知らなかった。
その快楽の波が引くまでに数分かかった。
その数分間は僕の人生でもトップクラスに幸せだった。
「しあわせすぎて、しんじゃうかも……♡♡」
ようやく波が引いてきたころに、僕は呟く。幸福以外、何も考えていなかった。
「お前な……」
呆れたような声を出す彼だけど、僕を見つめる瞳には愛情が溢れている。
それがすごくうれしい。
いつから僕はこんなに彼のことを好きになってしまったんだろうか。今となってはよくわからない。
でも、まあ、清水のことが好きなのは逃れのようのない事実だし、それでいいのだろう。
膣内が彼のモノで満たされている。お腹の中が熱くて、心地よい圧迫感があって、多幸感で胸が一杯になる。
心も体も気持ちいい。充足感で蕩け落ちてしまいそうだ。このまま眠ってしまいたいくらいだったけど、まだセックスの余韻に浸っていたかったので、彼のデカすぎる体に抱きついて、甘えるように頬擦りした。
「思ったより、全然痛くなかった」
「そうか?」
「うん。なんかこう、ゾクゾクって感じで、気持ちよかった」
「そうか。それなら良かった」
「あと、すっごく幸せ」
「俺もだ」
「えへへ♡
幸せすぎて笑いが止まらない。彼に頭を撫でられるのが気持ちいい。猫になった気分だ。
「……………………」
ふと気がつくと、清水は僕の顔をじっと見下ろしていた。視線に鋭さがある。何か違和感があった。
「清水?」
無言の圧力を感じた。なんだこの空気。
彼は何も言わないまま、僕の首筋を指先でなぞった。突然触れられて、体がビクリと震えてしまう。彼の手はそのまま僕の背中に回されて、ぎゅっと強く抱き締められた。
「
冷えた鉄の塊みたいに冷静な声が耳元で聞こえた。
体の奥がゾクッとする。
そして、繋がったまま、無理矢理に対面座位へと持っていかれた。重力に従って自分の体重で深く繋がってしまい、子宮口を押し潰されるような感覚がした。
「お゛っ!?♡♡♡」
一瞬、意識が飛んだ。視界がホワイトアウトして、何も見えなくなる。
でも、そのまま揺さぶられて、強制的に現実へと引き戻された。
「お゛っ♡♡ お゛っ♡♡ お゛っ♡♡ お゛っ♡♡」
獣のような声が口から漏れる。脳みそがシェイクされている。気持ちいいとか、苦しいとか、そんな次元じゃない。快楽という概念そのものを叩き込まれているような感覚だ。
あまりの衝撃に、僕はただひたすらに喘ぐことしかできなかった。射精したばかりのはずの剛直が僕の深いところを押している。
どうしてこんなことになっているのかわからない。
男側は対して動けない体位のはずなのに、ものすごく蹂躙されている。ブチ犯されている。対面座位で体を揺すられているだけなのに。
でもなぜ。どうしてこうなった。
「お゛っ♡♡ やべでっ♡♡ じんじゃうっ♡♡♡ ごめんなさっ♡♡♡」
「大丈夫だ」
何が大丈夫なんだよ! そう叫びたかったけれど、言葉にならない。それどころか、彼の唇によって口を塞がれてしまった。
舌を絡ませ合って、唾液を交換し合う。僕の口内は、彼の味しかしなくなった。
酸欠になりそうだったので、息継ぎをするために一度キスをやめたけれど、すぐにまた再開されてしまう。
体格が違いすぎる。力ずくで抵抗することもできない。そもそも、今の僕に抵抗する意思なんてあるわけがない。
「冬場は『
彼がヒントをくれた。
それで理解する。僕が『
「あっ♡ ごめっ♡♡ あ゛っ♡♡ お゛っ♡♡」
「わかったか?」
「わかりましたっ♡♡ ごめんなしゃ♡♡♡ しみずとせっくすしゅきっ♡♡♡」
「よし」
「い゛っ♡♡♡ あ゛っ♡♡ ん ゚っ♡♡ お゛っ♡♡」
謝っているのに体を揺すぶられる。奥の気持ちいところをゴリゴリと押される。頭の中がめちゃくちゃになって、気持ちがいい。圧倒的な、暴力的なまでの快感。
「いやっ♡♡ こわれちゃっ♡♡♡ おまんここわれるっ♡♡」
「安心しろ。壊れてもずっと愛してやる」
「やだぁっ♡ やだやだやだっ♡♡ やめてぇっ♡♡♡」
「だめだ。許さない。お前は俺の女だろうが」
「ひぐっ♡ あ゛っ♡♡ あ゛〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ♡♡♡♡♡♡」
ピストンが激しくなる。子宮口に亀頭が押し付けられる。そのたびに頭の中で火花が散るみたいだった。もうイキたくないのに、体は絶頂を求めているみたいにガクガクと痙攣している。
甘ったるい声で鳴きながら、僕は絶頂を繰り返す。
そうして、そのまま、意識が飛ぶまでブチ犯された。
まあ、ある意味では最初の想定通りだ。
ほとんど意識を真っ白にしながら(そういえばこいつは独占欲に駆られて僕に一千万も払っちゃうような馬鹿なんだったな)と思う。
まあ、セックス自体は気持ちよかったので、よかったです。
◇◆◇◆
目を覚ますと、清水のキングサイズのベッドで寝ていた。たぶん漏らしたり潮を吹いたりしたと思うのだけど、後始末してくれたのか、シーツは綺麗なものになっていた。
体も拭いてもらったのか、汗臭い匂いもしないし、体表には不快感はない。精液も付着していない。服は着ていないけれど、タオルケットをかけられていた。
体を起こすと、下半身に鈍痛を感じた。下腹部というか、下肢全体が痛む。股関節も筋肉痛になっているようで、少し動かすだけでも辛い。
喉も痛いし、頭も痛い。全身が怠い。
でも、不思議とスッキリしている。変な話だ。憑きものが落ちた感じというか。
「………………あっ」
こちらが目を覚ましたのを察したらしい彼がめちゃくちゃ小さな声を漏らした。
見ると、部屋の隅で限界まで体を縮めて正座をしている清水の姿があった。いかにも「反省してます」という様子である。ヤリすぎた自覚はあるのだろう。
僕は大きなため息をついた。まあ、別に怒ってないんだけど。
「清水」
「……はい」
「とりあえず水ちょうだい」
「…………ああ」
ペットボトルに入った経口補水液を受け取って、一気に飲み干す。ぬるい水が食道を流れていくのがわかる。美味しい。精液よりも美味しいしい。
「……その、すまん。……やり過ぎた」
「ほんとだよ。死んだらどうする。僕が死んだら悲しむのはおまえだろ?」
「すまん……」
彼はしゅんとした顔で項垂れた。本当に申し訳ないという表情だった。
可愛いやつである。僕は思わず笑ってしまった。
正座している彼のところへ歩み寄って、その顎をクイッと持ち上げる。
小動物みたいにビクッとしてから目を閉じる清水。まったく、どこまでも可愛くて仕方のない奴だった。
「おい、こっち見ろよ」
と、ちょっぴり怖い声を出す。といっても元が女の子の可愛らしい声なので、迫力は皆無なのだが。
おそるおそる、といった感じで目を開ける彼。至近距離で目が合った。上目遣いで、目がウルウルしている。女子かよ。
そのまま唇にちゅ♡とキスをする。
清水が目を見開くのが見えた。可愛いやつめ。
「僕から嫌われた状態でセックスするのと、僕から愛されてる状態でセックスするの、どっちが好き?」
「……後者だ」
「だろうな。じゃあ、僕から嫌われるようなことはするなよ。わかったか?」
「……御意」
「反省したときは
「……はい」
「よろしい」
僕は満足げに笑って、彼の頭を撫でてやった。すると清水は大型犬みたいに嬉しそうな顔をする。尻尾があればブンブン振っているだろう。
まあ、許すもなにも、怒っていないのだけれど。むしろ感謝したいくらいだった。僕にとっての清水は、間違いなく特別だった。こんな風に、誰かに甘えたくなったのは初めてのことだった。
だから、彼に抱かれたことが嫌だとは思わなかったし、後悔もしていなかった。それに、あのセックスのおかげで、自分の気持ちがよく理解できた。
僕は彼のことが好きだ。それはもう、恋愛感情的な意味で好きになってしまった。今更誤魔化しようもないくらいに。抱かれてよかったと思う。
そして、これからも彼とセックスするのは悪くないだろうなと思った。
まあ、もちろん、僕が気持ちよくなって、彼が気持ちいい思いをするなら、という前提においての話だけれども。
両手を広げて、彼の頭を胸元に抱き寄せる。僕のおっぱいに埋もれる形になった清水は、幸せそうに頬ずりした。なんだこの生き物。デカいくせに、可愛い。
「僕は清水としかセックスする気はないよ。お前だけだ」
「……本当か?」
「当たり前だろ。こんなこと冗談で言うか」
「……ん」
「僕のことが好きか?」
「好き」
「恋人か?」
「……ッ! こ、恋人です」
清水は僕の胸にグリグリと額を押し付けた。彼の耳が赤くなっている。恥ずかしいのか、照れているのか。どちらにせよ、可愛いことに変わりはなかった。
「でも、昨日のプレイはさすがに僕も疲れたな……。処女にはつらいぜ……。なあ、今日はもう学校に行かなきゃいけない時間っぽいからセックスしないけど、……またしてくれるか? 今度は、もっと優しく」
「……はい」
「よしよし」
素直に返事をした賢い恋人を褒めるようにして頭を撫でる。
ふと時計を見ると、ちょうどいい時間だ。シャワーを浴びて制服を着てしまえば、なんとか間に合いそうだな。
急いでシャワーを浴びて、薬局で買った新品のパンツを穿いて、学校へ行く準備をする。
「今日は手を繋いで学校へ行こう」
「……いいのか」
「いいよ。クラスの連中に見せつけてやろうぜ」
「……お前って結構性格悪いよな」
「まあね。惚れ直したか?」
「ああ」
「即答かよ」
なんだか照れ臭くなって、つい軽口を叩き合ってしまう。僕らの恋人同士としての関係はまだ始まったばかりだ。これからもっと好きになっていければいいと思う。
さて、まずは何から始めようか。手を繋ぐところからかな? いや、やはり、こうだろう。
「まずは行ってきますのキスからはじめようか」
「うん」
「ははっ、なんだよ、その顔」
「うるさい」
唇を重ね合う。
恋人同士の、甘い口付けだった。とても甘かった。
めでたしめでたし
おしまい