GWに暇をもて余している作者が番外編を書きまくります。内容は読者の皆さんに決めてもらいます。お願いされたものは何でも書きます。まだ未登場のキャラとのカップリングや、明らかに時系列無視したお話、本来は会わないようなキャラのカップリング等々。当然R-18でもOK。どしどし応募ください。
では本編どうぞ。
「反董卓連合に集まってくれた事を感謝しますわ」
とても感謝しているとは思えないような台詞に聞こえるが誰も意に介していない。袁紹がそういう人物だというのは先の黄巾の乱で全員が知っている。
「道士の言葉通りならば今董卓は酒池肉林の限りを尽くし、民を苦しめているのです! このような行いは許せませんわ!」
「そんな心にもない事を言わなくてもいいわ。どうせ董卓の領地が欲しいだけでしょう」
「ななっ! か、華琳さん! 失礼な事を仰らないでもらえます?」
「違ったかしら? 麗羽にそんな心があるとは思わなかったわ」
「うぎぎ…………」
「袁紹さんがどう思っているかは分かりませんけど、道士の人が言っていた事が事実なら早く民の皆さんを助けるべきだと思います」
劉備の考えも最もだが、この場にその考えで集まっている者はほぼ居ない。大抵が現在軍力トップの袁紹に逆らわないためか、何かしらの利益を求めての事だ。とはいえ民を蔑ろにしたいわけでもないので、劉備の意見に逆らうものは居なかった。
「とはいえ厄介極まりない相手よ。地形はあっちが圧倒的に有利。華雄、張遼、そして呂布という三人の武将に加え、馬淵龍見という強力な妖術使い。軍師も優秀よ。袁紹さんの意見を聞こうかしら?」
「そんな事も分かりませんの孫策さん。答えは簡単。貴女方が考えればいいだけの話ですわ! おーほっほっほ!」
「ご、ごめんなさい、うちの姫が」
「あー、いいわよ顔良。聞く相手を間違えたこっちが馬鹿だったわ。曹操、貴女の意見を聞かせて」
「難しいわね。武将や軍師が何をするかは大方分かるけど、馬淵龍見という男の行動が読めないわ。妖術による罠を貼られては警戒も無意味でしょう。補給経路を絶って持久戦に持ち込むのもいいかもしれないわ」
「駄目です! そんな事をしたら民の皆さんが飢えてしまいます!」
「そうね。こちらは名目上とはいえ民の救出が目的。民に危害を加えるような行為は控えるべきね」
「何を悩んでいるのです。兵力はこちらが圧倒的に上。ならば突貫すればいいじゃないですの」
「嫌よ。うちの貴重な兵を傷付けるつもりはないわ…………そうね、一刀。貴方はどう思う?」
「俺? 俺の意見なんて参考になるのか?」
「思わぬところから答えは見つかるものよ」
突然話を振られた一刀は皆の満足するような答えを模索したが、どうにも浮かんでこない。歴史通りに進むならば反董卓連合が勝つが、今は自分と龍見というイレギュラーが居る。
「妖術が怖いなら、こっちも妖術使いを雇うとか。龍見さんの術には敵わないけど、察知くらい出来る人は居ると思う」
「成る程ね。妖術には妖術。利に叶っているわ。でもその妖術使いを今から見つけるとなると厳しいわ」
「せめてあの于吉とかいう道士が居てくれれば良かったんだけどね。あいつ、全員に今回の事を知らせてから影も形も無くなったし」
「案外と馬淵龍見にやられたのかもしれないわね」
なかなかに纏まらない意見に袁紹はだんだんと苛立ちを感じてきた。
「作戦が決まらないなら総力戦ですわ! これは総大将である私の決定です!」
「待ちなさい。それはさっき反対されたじゃない」
「貴女方が作戦を決めないからですわ!」
「袁紹さん! それは横暴、じゃ…………」
ーードサッ
「! 桃香様!!?」
「あ、れ? 風邪かな? 体が、怠くて」
「何、この感覚? 寒気? 他は大丈夫!?」
「悪い雪蓮、私は駄目だ。動けそうに、ない」
「冥琳!? しっかりなさい!」
劉備を筆頭に突如として体調不良を訴えるものが現れ出す。比較的体力のあるものはまだ動けそうだが、そうでないものは体を動かす事すら辛そうだ。例外として袁紹と一刀のみは何の影響も受けていなかった。
「俺、外行ってくる! 袁紹さんはみんなを見ておいて!」
「あっ! 待ちなさい! 勝手な行動は」
袁紹が止める隙もなく一刀は外へと走り出ていってしまった。今この場には袁紹の部下も居る。流石にその部下達を残して出ていってしまうのは袁紹も気が引けた。仕方なく彼女は自分の知識の限りでの応急手当を行おうとした。自身の後ろに白蛇が迫っているのにも気付かずに。
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「驚いたね。本当に無事とは。馬鹿は風邪を引かないっていうけど、呪いにも効果があるんだね。勉強になったよ」
「えっ、マジで袁紹無事だったの?」
反董卓連合の拠点から少し離れた関所に董卓軍の兵の大半が集まっていた。いくらミシャグジ様の呪いを掛けたとはいえ、今回の呪いは本当に軽いものだ。もしかしたらこちらに進軍してくるものが居るかもしれない。そうなった場合に対処出来るように集まったのだ。
「それでミシャグジ様、袁紹はどうしたのかしら?」
「ミーちゃんでいいよ、かくっちゃん。折角だから使いの白蛇を直接ぶつけてみたよ。暫くは昏睡しながら白蛇に犯され続ける幻覚にうなされ続けるはずだよ」
「白蛇による触手プレイとかミーちゃんマニアックだな」
「おっぱい星人のたっちゃんに言われたくないなぁ。感覚共有で視れるけど、視たい?」
「いんや。もう草むらでエロ本拾って興奮してたガキの頃とは違うからやめとくよ。何より恋がそこに居るしな」
「あのたっちゃんに奥さんなんて…………うぅ、なんだか涙が出てきたよ」
「泣かないでくれよ」
「そこ! 二人の世界に入るんはええけど、やる事やってからやで」
「「はーい」」
普段の龍見とは違う雰囲気に、全員がこれが素なのかと思った。ただこれが龍見の素なのかと言えばそうではなく、ただ子供らしいミシャグジ様に合わせた結果である。
「それにしても流石に歴戦の将はしぶといね」
「障害とかが残らない程度に疫病の段階を上げられるか?」
「たっちゃんの注文は面倒だなぁ。ま、僕の親友ならそれくらい我が儘なのがちょうどいいけどね。はい、やったよ。全員下半身不随だ」
「ほ、本当にそれで大丈夫なんですか?」
「安心しなよちゅーちゃん。僕は祟り神だよ。こういうのは慣れっこさ。心配なら現状確認する?」
「えっ! 出来るんですか?」
「うん。ちょっと刺激が強いかもしれないけど我慢してね」
ーーパチンッ
ミシャグジ様が指を鳴らすとその場に居た龍見以外の全員が崩れ落ちた。呼吸は穏やかだがちゃんとしている。ただ意識はない。ミシャグジ様がやったのは幽体離脱。つまりは魂を抜き取ったのだ。
「いってらっしゃーい」
何もないところに手を降るミシャグジ様。彼には魂がどうなっているかが視えているのだ。
「んじゃオレも行ってくる」
「交渉だっけ?」
「この状況じゃ脅迫だけどな」
龍見の目的は反董卓連合を引き上げさせる事。勿論道士の計画や今の洛陽の状態を説明して納得してもらって帰らせるつもりだが、高熱加え下半身不随の相手には確かに交渉というより脅迫となるだろう。
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魂となり飛ばされた月達は反董卓連合の拠点上空まで来ていた。
『妙な感覚ね。死ぬっていうのはこういう事なのかしら』
『服とかも着た状態なんか。うちらなんか武器もあるしな』
『ねねのお気に入りの兵法書もあるのです』
『思い入れの深いものは死んでも傍にあるのかもしれませんね』
「意外とみんな冷静だね」
『ミーちゃん……来たの?』
「うん。迷子になられたら困るからね。ほら眼下を見てごらん。これが僕のやった事だよ」
そこに広がっていたのはまるで屍の山だった。いや生きているので屍とは言えないかもしれないが、誰しもがまともに動けず、なんとか呼吸をしているといった様子だ。
「これでも僕にとっては凄く軽くやったんだよ。殺さないように調整するのって難しいんだ」
『…………一つ訊きたい』
「何、かゆーちゃん?」
『もし全ての人間を殺し尽くそうとしたらどれほど掛かる?』
「この世界の人間となるとこれくらい?」
ミシャグジ様は手をパーにしてみせた。五という数は分かったが、単位は何かと華雄が訊こうとした。だがその前にミシャグジ様の指が一本、また一本と折られていく。そしてグーになった時、ミシャグジ様は答えた。
「今指を折ったくらいの時間かな。あ、袁紹って人みたいな例外は除くよ」
『嘘、だろう…………?』
「そうだね。言葉だけだと信じられないよね。でも実践するわけにはいかないから言葉で信じてもらうしかないんだ」
全員が祟り神というものをみくびっていた。龍見と親しげだからというのもあるが、実感がないのが一番だろう。だが実感すれば世界が滅ぶ可能性もある。そんな事は出来ない。
「あ、たっちゃんだ。随分と早いなぁ。走ってきたのかな」
『この状況なら交渉失敗はないでしょう』
『龍見さん、頑張って下さい』
反董卓連合の拠点にやってきた龍見はみんなへと軽く手を振った。ミシャグジ様がそこに居るからか、もしくは月の応援が聞こえたからかは分からないが、彼なりに頑張るつもりなのだろう。
そんな龍見は倒れている兵達を無視して一直線に会議が行われていた場所に向かった。
「邪魔するぜ」
「馬淵、龍見!」
「全員意識あり。うん、交渉には問題ないな」
「ふふ…………交、渉? 随分、立場が、違うけど」
「孫策さんだっけか。そう言ってくれるな。こっちも守りたいものがあって必死なんだ。よっと」
龍見はポケットから大きめの袋を取り出して机の上に置いた。
「それ、は?」
「今あんたらが掛かっている病気を治す薬だ」
「病気…………!? 呪いでは、なかったのか!?」
「勘違いする気持ちは分かる。でもこれは病気なんだ。ある神様によるな」
「貴方、神すら……操るというの?」
「操れるわけねぇだろ。お願いしたんだ。失礼な事言うんじゃねぇぞ曹操さん」
彼女らからすれば大した違いでもないのだが、龍見にとってはとんでもない違いなので内心かなり怒っていた。
「あの……交渉、するなら…………せめて、動ける、ように…………」
「んー、まあ劉備さんの主張も分からんでもないが、駄目だ。こっちも同伴者ありならいいけど」
この言葉に全員がアイコンタクトをして考えた。同伴者とは何者か。可能性として考えられるのは軍師か、あるいは自分達相手ならば呂布かもしれない。だが…………
「わかり、ました」
「いいだろう。ちょっと待ってくれ」
ここは同意せざるを得ない。体もまともに動かせず、高熱により思考能力も低下している。その状態で交渉などしたらどうなるか分かったものではない。
「おう、来てくださるってよ」
そう言った龍見の足元に何かが集まってくる。真っ白な蛇の群れだ。それが一つの塊となり、巨大な蛇へと変貌する。
「こちらがオレの呼び掛けに応えて下さった神。ミシャグジ様だ」
「か、み……!?」
あまりに想定外過ぎた同伴者に動揺が広がる。そしてもう一つ想定外の事が起こった。
「み、ミシャグジ様だって!?」
「くっ、ばか、一刀…………」
「おお、一刀君はそこに居たのか。入ってこいよ」
龍見がやって来てからすぐに戻ってきた一刀の存在がバレてしまったのだ。折角身を隠していたのだが、日本の祟り神の名前に動揺しすぎてしまったらしい。ただ龍見は気にしていない。むしろちょうど良かったとばかりに迎え入れた。
「この薬をみんなに飲ませてやってくれ。オレじゃ警戒されるだろ」
「あ、はい……これ本当に薬ですか?」
「毒は盛らねぇよ。あくまで交渉に来たんだからな」
多少の不安を感じながらも一刀は全員に薬を飲ませていく。すると飲んだ者からたちまち体調が回復していった。しかし袁紹は変わらず昏睡したままである。
「袁紹さんはミシャグジ様の直々の呪いだ。まあ明日まではこのままだよ」
「なんで姫だけ?」
「病気が何故か効かなかったからだ。さあ話し合おうじゃないか。総大将の袁紹さんがあれだし、誰が取り仕切ってくれるかな?」
「私がやろう」
「じゃ周瑜さんよろしく。早速だがこっちの要求はあんたらの撤退と解散。そして丸一年の同盟だ」
「撤退と解散は分かるけど、同盟は何故ですか?」
「諸事情があってな」
まさか恋が妊娠しているから出産まで待ってほしいなどと言えるはずもない。
「馬淵龍見。お前は交渉と言ったな。ならば我らに何か利益はあるのだろうな?」
「当然だろ周瑜さん。まあ気に入らないなら気に入らないって言ってもらえればいいけど、全軍にオレの術を指南に行こう」
その言葉にざわめきが起こるが、曹操が一言苦言を呈した。
「それって私達の内部を知るための行為にならない? いくら便利な妖術が使えてもお断りね」
「そう取られちゃったか。そんなつもりはねぇんだけど」
「ならば我が契約を絶対のものにしてやろうぞ」
「はっ? ちょっ!? ミシャグジ様これって契約紋!!?」
これまで黙っていたミシャグジ様が喋ったかと思うと、龍見の手の甲に蛇が絡まりあったような紋章が浮かび上がる。それを見た龍見は冷や汗をだらだら流し、全身を震わせている。
「あの、それは?」
「契約紋。本来はミシャグジ様、いや神様全般と契約したりしたら現れるもんで、これがある限り契約は破れない。もし破ったりしたら」
「したら?」
「死ぬ。肉体も魂も蒸発して死ぬ。輪廻転生すら許されない。ミシャグジ様! 今回はミシャグジ様との契約ではありません! 人間同士の契約です!」
「信用が欲しいのだろう? 汝は我が友。契約を破るはずもない。気にする必要はなかろうて」
「ちなみに契約内容は?」
「術の指南の際手に入った内部情報は公表しないというものだ。期間は同盟とやらが終わるまでの一年間。簡単であろう?」
「くっ、分かりました。曹操さん、これがオレの誠意だ。認めてくれ」
「華琳様! このような男の言葉を信用する必要はありません!」
「桂花、少し言葉が過ぎるわ。それに見てみなさい。馬淵龍見の今にも泣きそうな顔。あれが演技だとしたら私達の完敗よ。いいわ、その条件を我が軍は呑みましょう」
「うう、有り難い。いやマジでこの紋章は嫌なんだよ」
最早泣きそうではなく完全に泣いてしまっている龍見。一体どれだけ嫌な事なのか。
「同盟自体は賛成ですけど、質問があります」
「どうぞ、劉備さん」
「私達は董卓さんが悪政を敷いていると聞いてやって来ました。それは事実かどうか」
「事実無根の大嘘だよ。全部道士の二人がオレを殺すために仕組んだ計画だ。だから、あんまりうちの大将を貶めるような事は言わないでくれ。キレそうだ」
「ご、ごめんなさい…………」
「あの道士、そんな事考えていたの。あ、うちも同盟賛成よ。ねぇ冥琳」
「雪蓮が言うのなら。それにあいつの術を知れるのは確かに魅力的だ」
「あの、私達の軍も賛成です。道士の方々の言葉が嘘だったのなら全面的にこちらが悪いですし」
「全員賛成してくれて助かる。うちの大将も喜んでるよ。あいつ争いが苦手だからな。ああ、袁紹さんのところは?」
「賛成、しないと思います。でもここは退かせてもらいますね」
「顔良さんだったよな。大変だな」
「はい…………」
一部は無理だったもののなんとか連合軍の解散に持ち込めた龍見だったが、下手くそな交渉をしっかりと見られていたので詠にこってりと絞られる事になった。
そしてその晩、ミシャグジ様に『みんなで鬼ごっこやらなきゃ帰らない』と言われて行った鬼ごっこが翌晩まで続く事となり、今度は全員に絞られるのであった。
次回からは術の指南という名の現地妻作りの回が始まっていくゾ。
でもどの国から攻めるか決めていないので、参考程度に皆さんの意見を聞かせて下さい。オナシャス