現在設定として魏、呉、蜀の全てが全武将が揃っている状態です。時系列とか関係ないです。理由は作者が楽をしたいから。龍見の現地妻候補を増やしたいからです。外史という事で許して下さい(土下座)
徹夜をした龍見だが、元気に講義の準備をしていた。徹夜明けのテンションに加え、昨日諸葛亮と鳳統が教えを求めてきた事が余程嬉しかったらしい。
「こんなもんかな。劉備さんに頼んでみんなを集めてもらわねぇと」
「ふわぁ~、おはようございますぅ」
「お、劉備さんちょうどいい。いつでも術の指南が出来るぜ」
「まずは朝御飯にしましょうよ…………」
「ん? それもそうか。飯なんてすっかり忘れてた」
よくよく考えれば昨晩も何も食べていない。それを思い出した龍見の腹は急に鳴り始めた。
「御飯はこっちで食べるんですよ」
劉備に案内された食堂で龍見は昨日から食べていない分も食べるように丼山盛りの御飯と大量の惣菜を貪った。
「朝から食欲旺盛ですね」
「関羽さんおはようございます。お恥ずかしながら昨晩から何も食べていなかったもので。あ、今日は術の指南をしますので参加して下さいね」
「ええ、いいですよ。それと昨日はうちのものがすみませんでした」
「? ああ、敵意を向けられた事ですか。実際敵ですから気にしないで下さい。あんな事もしましたし、謝罪すべきはこっちですよ」
「今日は参加するよう促しておきます」
「それは嬉しいですね。ありがとうございます」
あくまで龍見は術の指南のためにやってきたのだ。参加してもらわなくては役目を果たしたとは言えない。勿論無理矢理教えるつもりはないが。
「御馳走様。じゃあ先に行って待っています」
「分かりました」
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講義の時間となったが、一部が集まっていない。明らかに敵意を向けていた魏延や、勉強が嫌いそうな子供組の張飛や馬岱だ。他にも参加はしているが眠そうな者も居る。
「では始めます。改めて自己紹介をしますが、馬淵龍見です。今日は最初ですので軽く」
「待ってほしい。質問があるのだが」
「趙雲さん、どうしましたか?」
「この指南が我々に必要な理由を知りたい」
「それですが、まずは術がどんなものか知ってもらってから必要かどうかは自己判断にお任せしたい。オレも無理に教えたくはないですからね」
「ほう。ならば途中で抜けるのも自由と?」
「そういう事です。でも最低限必要か不要かの知識くらいは付けていってもらいたいですね。何も知らないものの必要性は誰も判断できないでしょう?」
「いいでしょう。最低限今日くらいは話を聞くとしよう」
「感謝します。では早速ですが、関羽さんに協力を願いたい」
「私、ですか?」
龍見は関羽を前まで呼ぶと、夜なべして作った術具の一つ、木の杖を手渡した。30cmほどの片手で持てるものだ。
「これに気を流してもらえますか?」
「? 分かりました」
関羽が杖に軽く気を流すと、杖の先にライターほどの火が灯った。それに驚いた関羽が気を流すのを止めてしまうと火も消えてしまった。
「はい、ありがとうございます。将の皆さんなら無意識でも使える気ですが、これはオレが術を使用する時に必要とする魔力と大元は同じものです。ただ完成形が違うだけですね。鉄から剣を作るか、斧を作るかのような違いと思って下さい。この杖は気を一度元に戻して、魔力に変換するものです」
「凄いですね。それがあったら私達も術が使えるんですか?」
「残念ですがこれは火を灯すだけです。劉備さんが想像したような事は出来ないと思いますよ。さて気と魔力の大元が同じという事は、術による罠を探り当てるのに気を使う事が可能となります。これは少し慣れが必要ですが…………」
慣れない講義だが、昼前まで龍見はそれを続けた。途中抜ける者、聞いているのかどうか分からない者も居たが、最低限自分の役割を果たすためにやり続けた。
「はい、長々とありがとうございます。もし質問などがありましたらいつでも受け付けますので、遠慮なくどうぞ」
大半は使われる事のなかった術具を持って出ていった龍見は一人で落ち込んでいた。変に張り切って、結果これといった成果も出せずに終わってしまった。まだ何日もあるのでこんなところで落ち込んではいられないのだが、どうにも気持ちを盛り上げる事が出来ないらしい。
「どーしたもんか…………上手く興味を持ってもらえるようにしないと…………」
「何をお悩みかな?」
「ん? 趙雲さん。いや、何でもないですよ」
「何もないのだったら結構。ではこちらの頼みを訊いて頂けるかな?」
「オレにやれる事なら」
「それは良かった。ならば馬淵殿の術を体験させてほしい。正直話を聞くだけではつまらなかったので」
「つまらなかった…………」
事実だとしてもこうもきっぱりと言われてしまうと龍見もかなりへこんでしまう。だが術に興味を持ってもらえた事を良しとして、趙雲に見せる術の候補を考えた。
別に手の内を見せたくないという事はない。神降でどのような神を喚ぶか教えなければどんなものでも教えて構わないと考えている。
「なら術の探知をしてみますか」
「どのようにするのかな?」
「気配を探る感覚でやって下さい。気配を探るという事はその生物から出ている気を探知しているという事です。生物から出ている気が術から出ている魔力に変わるだけですよ。百聞は一見に如かず。やってみましょう」
そう簡単に言った龍見は手を振った。何をしたのか分からずに首をかしげた趙雲を見て龍見はクスリと笑った。
「気配を探って下さい」
「ああ、そうでしたな……………………おや?」
趙雲は何かを見つけたようにそっと龍見の方へと手を伸ばした。その手は龍見に触れる前に何かによって阻まれた。それはまさしく見えない壁だった。
「結界の一種ですよ。どうです? ある程度の心得がある人が集中すれば、見えなくてもこのくらいの術が存在しているのは察知できるんですよ」
「ふむ、しかし今のは分かりやすくやったのでしょう?」
「まあそうですね。なら次はもっと難しくしていきますか。ただやるだけでもなんですし、隠れたオレを見つけたら食事でも奢りますよ」
「ほほう、言いましたな。少し時間をもらいますよ」
そう言ってどこかに向かっていった趙雲。暫くすると将全員を集めて戻ってきた。
「…………おいこら趙雲、てめぇどういうこった」
「ははは、口調が素に戻ってますぞ。ただ私だけが食事を奢られる権利を貰っては不公平だと思ってな。焔耶には断られたが…………」
「いいぜ。もし誰か一人でもオレを見つけられたら全員に奢ってやる。制限時間は夕飯まで。全力で隠れさせてもらうぞ」
結論を言えば龍見の勝利となった。ありとあらゆる術を行使し、なんとか逃げ切ったのだ。流石にこの人数分奢るのは嫌だったようだ。
そんな龍見は徹夜の疲れとかくれんぼの疲れが同時に襲ってきたらしく、早々に床に就いた。
ーーカチャ…………
熟睡する龍見の部屋に誰かが静かにやってきた。そして龍見の横に立つと、手に持った何かを振りかぶり、そのまま振り下ろした。
寝込みを(暴力的な意味で)襲われる龍見!
一体彼はどうなってしまうのか!?
ブジダトイイナー