※この作品はR-18です。

あなたに捧ぐ恋の夢   作:雨期

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一部の方々へお願い
暫くの間、感想での憲兵ネタを禁止します。作者もああいうネタは大好きなので悪乗りしまくっていました。申し訳ありません。でもそろそろ止めておかないと感想でない感想も増えそうですし、新規の皆さんも感想を書きにくい空間になってしまいますので(経験談)
守れない人はいないと思いますが、もし守られなかった場合は相応の対処をしていきます。でもネタ感想を禁止するわけではないですよ。目立ちすぎた憲兵ネタのみを規制するだけです。

あ、そうだ。今回は中身のない話です。


第二十六話

 魏には術の才能溢れる人材が多い。蜀よりも分母が大きいのだから必然的にそうなるのだが、だとしてもやはり多いのだ。

 

「荀彧さんは飲み込みが早いな。教える側としても楽しいよ」

 

「あんたに褒められたって嬉しくもなんともないわよ。こんなの華琳様の命令じゃなければ参加しないんだから」

 

「自由参加だから無理しなくてもいいんだぞ。あ、その術式は違うぞ」

 

「えっ、どこ?」

 

「こことここ。順序が逆だ」

 

「黒のおにーさーん、教えてほしいのですよ」

 

「はいはい…………程昱、これはお前にはまだ早いって」

 

「やりたいですけどまだやりませんよ。でも知識を付けるだけなら問題ないはずですよ」

 

「早い…………ヤりたい…………ブフーッ!!!」

 

「のわっ!? 郭嘉てめぇまたくだらない妄想しやがったな!! まずてめぇはヒーリング覚えろ!」

 

 荀彧は男性嫌いであるために不平不満は多いが、やるとなると龍見の言う事をよく聞く。あくまで教師と割り切っているのだろう。

 程昱はとても自由奔放だ。言いつけは守るが、とにかく色んなものに手を出そうとする。

 そして龍見が一番の問題と思っているのが郭嘉だ。性格は常識があるし、教えた事はしっかりと覚える。だが何故かよく妄想しては鼻血を噴き出すのだ。彼女の鼻血を治すために龍見のヒーリングの腕は日に日に上達している。

 

「相変わらず大変そうね」

 

「でも楽しいぜ。特に曹操さん、あんたみたいな生徒はな。あんたの成長は早すぎだぜ」

 

「それは凪にも言える事でしょう」

 

 軍師三人の成長は早い。だが曹操の成長はそれを遥かに上回る。そしてそれに等しい速度で成長しているのが凪だ。

 

「凪はオレに付きっきりだからな。いつでも教えてやれる。だがあんたは政に部下の管理、その他もろもろをやりながら凪と同じ成長速度だ。天才ってどこにもいるもんだな」

 

「肉体の成長は他人より劣っているもの。多少は他の才能で補わないと釣り合わないわ」

 

 本人はこう言っているものの、比べる相手が夏候惇といった恵まれた体を持つ一流の武将だ。比べる対象が悪い。

 

「龍見殿、日課の修練は終わりました」

 

「おう、ご苦労さん。なら警羅すっぞ」

 

「その前に薬を塗って下さい」

 

「っと、そうだった」

 

「あの子達は放置していいのかしら?」

 

「いいよ。オレがいなくたってあいつらなら大丈夫だ。それに曹操さんが来てくれたから無茶はしねぇだろ」

 

 立ち去ろうとした龍見は少し考え込むように立ち止まり、曹操の方へと振り返った。

 

「独自に考えた術をオレに試すのは自由だけど、変なもんはやめてくれ。触手を纏わせる幻術ってなんだよ。少なくとも男にやるもんじゃねぇ」

 

「流石に無効にしたのね。ちょっと自信があったのだけれど」

 

「どんな自信だよ」

 

「華琳様にそんな事をされるなんて、うらやま、妬ましい!」

 

「どっちにしろ嫉妬かよ」

 

「ブッハーッ!!」

 

「また鼻血か。もういい。凪、行こうか」

 

「は、はい。分かりました」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 警羅といっても龍見がやる事は何もない。客人なので働かなくてもいいと凪に言われているので働かせてもらえない。なのでやる事は必然的に暇潰しとなる。

 

「ふーむ、どうすっかな…………」

 

「紙を見て何を悩んでいるのですか?

 

「凪がどうやったらオレを殿付けしないで呼んでくれるか」

 

「えっと、それは、慣れが必要かと」

 

「本当は真桜に頼まれた『馬淵流術式付真桜式食品冷却保存装置・冷蔵候』の設計図を描いてるだけだよ。ぶっちゃけオレらの国の冷蔵庫って保存庫を思い出して描いてるだけなんだけどさ」

 

 さりげなく李典の真名を口にした龍見だが、凪の真名を預かった後、李典と于禁にも真名を預けられたのだ。凪が認めたなら別に良いとの事らしい。

 

「な、長い名前ですね」

 

「それはオレも文句言ったんだが、改善するつもりはないらしい」

 

「あっ! 黒の兄ちゃんだ! おーい!」

 

「許緒じゃねぇか。また飯でも食ってんのか?」

 

「違うよぉ。流琉と料理の食材を買いに来たの」

 

「んで典韋は店の中で食材探し。お前は暇になったから外で団子でも探してたってとこだろ」

 

「うっ、大当たり」

 

「分かりやすいんだよ」

 

 このピンクの髪色をした小柄な少女は許緒。見た目に合わず凄まじい力を持ち、大食いな子だ。

 

「季衣、お待たせ。あれ、馬淵さんこんにちは。どうしたんですか?」

 

「この食いしん坊が買い食いしようとしていたのを止めただけさ」

 

「ちょっと黒の兄ちゃん! まだやってないから!」

 

「まだって事はやろうとしてたのよね」

 

「げっ、しまった」

 

「今日は好きなもの作ってあげるから我慢してって言ったでしょ!」

 

 許緒に小言を言っている少女は典韋。許緒の幼馴染みで、同じく怪力の持ち主だ。料理の腕は一級品で、才能の塊である曹操も彼女に料理の批評を頼むほどだ。

 

「そろそろ警羅に戻るか。凪、寄り道して悪かったな」

 

「いえ。真桜や沙和よりは短いですのでいいですよ」

 

「…………あの二人なら不思議でもないか」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ーーザパァッ

 

「ふぃー、やっぱ風呂はいいねぇ」

 

 一日何もなく、ただただ警羅をしていただけの日。それでも風呂は気持ちいいものだ。特にこの世界ではお湯を大量に沸かしたり、温泉にしても掃除が大変なので風呂は数日に一回の場合が多い。

 

「龍見さん、もう入っても大丈夫なんですか?」

 

「何言ってんだ一刀君。駄目に決まってるだろ」

 

「なら入らないで下さいよ!!!」

 

「冗談冗談。実際はもうほぼ完治してるさ。明日は慣らしで夏候惇と夏候淵に手合わせを頼むつもりだ」

 

「あの二人にですか?」

 

「軽くな。同時にやるわけでもねぇし、大丈夫だろ」

 

「龍見さんって強いですよね。体もかなり鍛えてますし」

 

 一刀も鍛えていないわけではない。だが龍見と比べるとまだまだ劣る。一対一で戦えば術がなくとも一刀は負けるだろう。

 

「まあな。ある神様が鍛えろって五月蝿かったんだ。でもお陰で今は仲間と戦えてる」

 

「龍見さんはどれくらいの神様と知り合いなんです?」

 

「ふむ、知り合いとなるとそれなりにいるが、契約してるのは四柱と一つだな」

 

「? 一つ、ですか」

 

「この神様はまだ神というより現象に近いからな。んで、詳しく聞きたい?」

 

「はい」

 

「オレが契約してるのは祟り神、冥府の神、戦の神、自殺の神、そんでさっき言った現象に近い神だ」

 

 祟り神は連合軍を一瞬にして無力にしたミシャグジ様というのは一刀にも分かった。冥府の神も戦の神も有名どころはなんとなく思い浮かぶ。しかし自殺の神だけは意味すら分からなかった。

 

「長風呂するのも体に悪いし、今言った中の誰かについて話してやろう」

 

「じゃあ、気になるんで自殺の神様について」

 

「この方は日本じゃマイナーだよな。名前はイシュタム。女性の神様、つまり女神だ。主に首吊り自殺した人や戦死者を極楽浄土へ連れていってくれる方だ。初めて会った時は驚いたな」

 

「どういう出会いだったんですか?」

 

「あれは中三の時、近所で事件があったらしく警察が集まっていたんだ」

 

 その時龍見は学校も終わり、やる事もないので家でゲームでもやろうとさっさと帰宅している最中だった。そんなところで警察が集まっているのを見つけたものだから暇人の野次馬根性が疼くというもの。

 先に集まっていた野次馬に話を聞くと、どうやら家の主が首を吊って自殺していたらしい。その程度かと興味を失った龍見だったが、とある異様な気配を感じ取って肩を震わせながらその場にしゃがみこんだ。

 

「この気配は過去にも何度か感じたんだが、いや慣れないのなんの」

 

「もしかして、それが神様の?」

 

「そう。気配がする空を見ると、一本の紐がスーッて降りてくるんだ。ちょうど国語でやってた蜘蛛の糸って話を思い出したが、それは違った」

 

 降りてきた紐の先には何かが付いていた。遠目ではよく分からず視力を強化した龍見は思わず二度見した。そこには長いボサボサな黒髪をし、褐色な肌の至るところに刺青をした首を吊った女性が付いていたからだ。

 

「ちなみに二度見をしてからガン見した。何でだと思う?」

 

「目を離せなかったからとか」

 

「裸だったから」

 

「えっ?」

 

「全裸だったんだよその女性が。健全な思春期の男児がそれをガン見しない理由がない! 二十歳過ぎの若い肌。無駄な贅肉はないのに胸はFカップくらいあって、大人の雰囲気ムンムン。なのにアソコには毛の」

 

ーーシュルルッ

 

「グギュッ!!?」

 

 突如として現れた紐が龍見の首に絡まり、そして宙へと持ち上げた。

 

「人の、んにゃ神をオカズにするような話をするのはどーかと思うなー」

 

「うおっ!? だ、誰だ!?」

 

「アタシイシュタムでーす」

 

 いつの間に風呂に入っていたのか一刀の隣には先程の龍見の証言通りの女性がいた。首にはしっかりと紐が絡まっており、風呂に入りながらも首吊り状態だ。

 

「はっ! それより龍見さんは」

 

「……………………」

 

「死んでるわー」

 

「えぇぇっ!!?」

 

「だいじょーぶ。そろそろあれが起動するしねー」

 

 何が大丈夫なのかと訊こうとした一刀だが、少し目が眩んでしまった。逆上せてしまったのかと思った一刀が見たものは、何事もなく湯に浸かる龍見の姿だった。

 

「また死んだじゃないですか…………今回はオレが悪いですけど」

 

「反省してるならいーよ」

 

「えっ、あの、なんで」

 

「現象に近い神様の力…………怠い…………もう寝る。一刀君も、浸かりすぎには注意しな…………」

 

「は、はい」

 

「アタシも仕事しようかねー。つらいわー。戦死者多くてつらいわー」

 

 ふらふらとしながらもさっさと風呂から出ていく龍見と、首に絡まった紐に吊り上げられるように天に昇っていくイシュタム。それを見ながらも一刀は本当に胸でけぇと心の中でひっそりと思うのであった。




唐突に出てきたイシュタムさん。彼女は別に強いわけでもなければ、契約によって龍見に何か恩恵があるわけでもないです。強いて言えば死に対する認識が希薄になり、自分が死のうが他人が死のうがそんなに感情が動かないくらいです。
じゃあなんで契約してるのかというと思春期真っ只中な龍見が

全裸のナイスバディーな神様がいる→契約する→いつでも全裸を拝める→ktkr

という短絡的で最低な変態的思考をしたせいです。

ってかこの主人公よく死ぬな。最終回までに何度死ぬんだこいつ。
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