※この作品はR-18です。

あなたに捧ぐ恋の夢   作:雨期

31 / 71
肝心なシーンが短い上にヤる事やらない作者の屑


第二十八話

「馬淵と凪は付き合っているのか?」

 

「はっ? 秋蘭、突然変な事言うんじゃねぇよ。オレには奥さんがいるって言わなかったか?」

 

 唐突に、しかもそういう話には興味のなさそうな秋蘭からそんな事を言われた龍見は目を丸くした。ちなみに華琳の真名を預かってからは全員に真名を預けられている。

 

「それは知っている。だが噂というには証拠が多すぎてな」

 

「詳しく聞こうか」

 

「まずはお前の怪我が治ってからも凪と一緒な事が多いだろう」

 

「まあな。よく術についても聞かれるし、やる事がないから警羅にも付き合っている」

 

「夜な夜な会っているという話もある」

 

「会ってるぞ。主に術の指南だな。覚えがいいからつい熱が入っちまうんだ…………確かに端から見れば付き合っているわこれ」

 

「今気が付いたのか…………北郷も大概鈍感だが、お前も相当だな」

 

「…………実は気付いてたけど、止めてくれなんて言えねぇじゃん」

 

「ならば凪が最近思っている事も分かっているのではないか?」

 

 龍見の口がピタリと止まる。漏れるのはあー、だったり、うー、だったりと言葉にならないものばかり。

 

「成る程、本当に気が付いているようだな」

 

「一応、な。たぶん華琳さんと手合わせした頃だろうな。凪のオレを見る目が変わっていったのは気付いてた」

 

 気付いていながらも気付かないようにしていた。付き合っているという話が出た瞬間も内心ビクビクしていた。

 

「馬淵、決めるのは今だぞ。早めにしなければ無駄に期待を膨らませるだけだ」

 

「分かっちゃいるけど、悲しませたくないって言うか…………」

 

「その優しさは大切だが、時として仇となるんだ」

 

「秋蘭は厳しいな」

 

「凪のためだ」

 

「そうだよな。ただどうするかはオレが決めさせてもらう」

 

 答えなど決まっている。恋の事を思うならば断るのが当然だ。しかし龍見はそれが言い出せず、その場から逃げる事しか出来なかった。

 龍見が立ち去った後、秋蘭は華琳の部屋へと向かった。

 

「華琳様、私です」

 

「入りなさい」

 

 華琳の部屋には華琳は当然ながら、おどおどしている凪もいた。

 

「あの、華琳様。何故私は呼ばれたのでしょう?」

 

「そうね、もう教えてもいいかしら。凪、貴女は龍見が異性として好きなのでしょう」

 

「あ……えっ…………それは」

 

「そんな顔をしなくてもいいわ。別に怒りたくて呼んだ訳じゃないのよ。それでどうなの?」

 

「その、通りです。でも将来敵になる方を好きになるのは…………」

 

「いいじゃない。恋をするのは素敵な事よ。秋蘭、龍見は凪について何か言っていたかしら?」

 

「少なからず凪が好いているのには気が付いていたようです」

 

「ぇっ!?」

 

 凪としては秘めていた想いが気付かれていたのだから動揺する。華琳はそれを聞いて頷いていたので、龍見が気が付いていたのを察していたのかもしれない。

 

「それなら話は早いわね。凪、龍見と逢い引きしなさい」

 

「そ、それは……龍見殿は奥さんもいますし」

 

「そんな事は問題ではないわ。というかあの男、蜀でも何人かに手を出したという話よ。妻の存在は気にしなくてもいいはずよ」

 

「ですが、龍見殿にもそれなりの理由があっての事でしょうし、何より突然逢い引きというのは…………そ、それに傷だらけの自分など見向きも」

 

「沙和! この子に化粧して龍見の前に放り出しなさい!」

 

「はーい! なの」

 

「さ、沙和!? お前どこに隠れて」

 

「はいはーい、さっさとお化粧するの」

 

「ま、待て! 私がそのような」

 

 沙和に連れていかれた凪を見て、華琳は少し不安げだった。華琳の凪の恋を応援したいという気持ちに偽りはない。だが他の思惑もあった。

 

「凪が上手く龍見を落としてくれればいいのだけれど」

 

「そうですね。戦場で確実に馬淵を封じるには、馬淵が思い入れのある相手をぶつけるのが一番でしょう」

 

「神なんてものを呼ぶ男ですものね。もし凪と肉体関係を持ってくれれば御の字ね。あの男が情に流されやすいのは一刀を病気にしなかったので分かっているし。問題は凪がそこまで辿り着けるかよねぇ…………遠見の術で観察しましょう」

 

「術を使いこなしていますね。流石です」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 龍見はどうやって断るかを一人でボーッと考えていた。傷付けたくないというのがエゴなのは分かっている。だが出来るならば凪には悲しんでほしくない。

 

「嫌われていくか…………んん? テレパス?」

 

『聞こえる? 僕だけど』

 

「詠? もうこの距離のテレパスが可能になったのか。すげぇな」

 

『感心するのはいいけど、そっちはどう? もう浮気した?』

 

「しねぇよ!!」

 

『ヤればいいじゃない。期待しているのよ』

 

「なんでだよ?」

 

『ヤるだけヤってもらって相手が孕めば戦力減るじゃない』

 

「最低だなおい!!」

 

『恋から許可は取ってるわ』

 

「…………そういえば恋の本心はどうなんだ?」

 

 恋は確かに龍見の浮気について了承している。だがそれが本心かは分からない。もしかしたら無理をして言っているだけで、内心嫌がっているかもしれない。

 

『ちょっと待ちなさい…………ああ、そうなの』

 

「また傍にいるのか」

 

『むしろまだヤっていないのに驚いているわよ』

 

「おいぃぃぃぃぃぃっ!!?!?」

 

『五月蝿いわよ。とにかくヤれる機会があればヤりなさいよ。命令だからね』

 

「待て! そんなめいれ…………繋がらねぇ」

 

 きっちりと接続と切断を使い分けている詠の成長を嬉しく感じる反面、とんでも命令に頭を抱える龍見に誰かが声をかけてきた。

 

「龍見さん! やっと見つけたの」

 

「沙和、と凪か。どうした? 特に凪」

 

「いえ、あの…………沙和、やはりこの格好は」

 

「今更何言ってるの! 隠れてないで腹をくくるの!!」

 

「やーめーろー!」

 

 廊下の角から顔しか出していない凪を沙和は引っ張る。普段ならば確実に凪が勝つのだが、今回に限り沙和が勝った。

 引っ張り出された凪の格好はまるで女子高生の制服のようで、恥じらってもじもじとしている姿が非常に愛らしかった。

 

「お、おぉ、その格好は?」

 

「こ、これは沙和に無理矢理」

 

「二人とも顔が真っ赤かなの。それじゃあ沙和はこの辺りで、お二人さんは楽しんでくるといいの」

 

「いや沙和、説明しろよ」

 

「凪ちゃんから聞いてー」

 

 とっとと退散する沙和。追いかける間もなくいなくなってしまったので仕方がなく凪に説明を求めるしかなかった。

 

「…………凪、悪いが説明頼む」

 

「あの、その、私と龍見殿で、あ、あ…………逢い引き、してこいと」

 

「…………行くか」

 

「へっ?」

 

「どうせ拒否権はねぇんだろ。華琳さんも遠見の術で覗き見してやがる」

 

「え、あ……!」

 

「ほうほう、気付いたか。偉いぞ」

 

「頭を撫でないで下さい…………」

 

 言葉では拒否するものの行動には出さない。むしろ気持ち良さそうでもある。龍見はその間に華琳の遠見の術を無力化していた。何をするにせよ見られ続けているのは良い気分ではない。

 

「どこか行きたいところはあるか?」

 

「そういった事は決めていませんね」

 

「なら適当にぶらつくか。なんか普段の警羅と変わらねぇな」

 

 苦笑いしつつ歩き出す龍見は然り気無く凪と手を繋いだ。それも指を絡めた俗に言う恋人繋ぎというものだ。

 

「あっ…………」

 

「こういうのは嫌だったか?」

 

「そ、そんな事はありません…………」

 

「ならいいじゃねぇか。逢い引きするんならこんくらいやらねぇとな」

 

 やるならとことんやると決めている龍見は吹っ切れて

いるので問題ないのだろうが、そうではない凪の顔は先程よりも赤くなっていた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 街へ繰り出した二人だが、その姿はかなり周りの注目を集めていた。普段から警羅で見る組み合わせだというのにその格好は恋人のそれなのだ。

 

「おいおい、そんなに顔を伏せてたらぶつかるぞ」

 

「しかし、恥ずかしいです…………」

 

「何も恥ずかしがる必要ねぇよ。警羅している時だってイチャイチャしている奴らを見た事あるだろ」

 

「見るのとやるのは違いますよぉ」

 

 恥ずかしがる凪の姿がとにかく可愛く感じる龍見だが、あくまでこれは仕込まれた逢い引き。ここで凪に手を出したら間違いなく仕込んだ者の思惑通りだ。龍見は逢い引きはするが、凪の練習という形と割り切っているつもりであった。

 

「甘いもの食いたくないか? この辺りに流琉ちゃんのオススメの店があるんだ」

 

「は、はい。お付き合いします」

 

「固いなぁ。凪らしいんだけどな。こっちだこっち」

 

 それからは何をするわけでもなく、普通のデートを心掛けて色々な場所を回った。一緒に甘いものを食べた。一緒に買い物をした。一緒に旅芸人の音楽を聴いた。ただ何をしても凪の緊張は取れなかった。

 

「凪、これ食ってみ。はいあーん」

 

「わざわざ街中でそのような事はしなくても」

 

「そうか」

 

 自分がぽりぽり食べていたあられを凪にあげようとした龍見だが、あーんは拒否されてしまう。なるべく距離を近付けようとしているつもりだが、それも上手くいく気配はない。

 

「…………凪、楽しくないか?」

 

「そ、そんな事は」

 

「でも無理はしてるんじゃないか? いやオレが無理させ過ぎた。ごめんな。今日のところは終わりにしよう。元々互いにやりたくてやってるわけじゃないんだしさ」

 

「あっ……………………龍見殿。でしたら最後に我が儘を聞いてもらえますか?」

 

「何だ?」

 

「いつものように、辛いものが食べたいです」

 

「そんな事か。そうだな、無理してこんな逢い引きするよりそっちの方が楽しいもんな。よっしゃ! 今日は奢ってやる! どこにする?」

 

「ありがとうございます! あまり辛いと服に臭いがついて沙和に怒られますし…………そうだ! あのお店にしましょう!」

 

 自然体のままに食事を楽しむ二人。今日大分無理をした反動か、二人とも心行くまで辛い料理を堪能した。結局服に臭いは付くわ、汁は飛んだわで沙和には怒られ、華琳からは遠見の妨害についてねちねち言われてしまったものの、二人にとってその日一番楽しめた時となった。




本来ならね、エロに移行する予定だったんですよ。でもなんだか手を出せなかった。ガイアがまだ手を出すべきではないって言うんですよ。むしゃくしゃしたので次回はエロ書きます。凪じゃないけど。

オマケ!!!

逢い引き後の夜 凪編

凪「それでな、龍見殿がな、私のためにもう色々としてくれてな」

真桜(zzz)

沙和(真桜ちゃん! 起きるの!)

真桜(ハッ! また寝とった…………)

凪「む、聞いているのか? 全くお前らは。いいか、龍見殿は本当に私を思って」

真桜(これ何度目や?)

沙和(十から先は数えてないの)

真桜(頼むから寝かせてくれんかなぁ…………)

凪「ふふふ、また龍見殿と出掛けたいな」

逢い引き後の夜 龍見編

龍見「ああ、そうだ。逢い引きした。相手の練習みたいなもんだ」

詠『つまらないわ。報告するならもっと派手なのにしなさいよ。一応恋には伝えるけど、特に反応ないと思うわよ』

龍見「それならそれでいい。しかし凪、楽進は良い子だよ。これまでだったら逢い引き後に襲われてた」

詠『あんた、それは普通じゃないから』

龍見「分かってるよ。ただ楽進もオレを好いてるようだから、絶対にないとは思うがもしかしたらがあるかもしれねぇぞ」

詠『もしかしたらとかはいいからヤりなさいよ。恋や月も楽しみにしているから』

龍見「…………恋はオレの浮気を期待しているのか?」

詠『魅力的な自分の旦那が襲われないのはおかしいって今日言っていたけど』

龍見「一度恋には教育してやってくれ」

詠『時間があればね。じゃ』

龍見「あっ、待て。月もって…………切られた。月が何故浮気を期待するんだ?」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。