なお時系列や出来事は本編に関係ありません。
【ガタッ】
詠は突然意味もなく思った。月のガタッはどんな時に起こるのだろうと。龍見からのテレパスでいくらかネタはある。詠は月の前でそのネタについて呟いてみる事にした。
「そういえば龍見の奴、よく曹操に幻術を掛けられるらしいわよ」
「先生をやってるのに教え子にそんな事されるなんて、龍見さんも大変だね」
幻術程度では当然反応無し。では内容を伝えたらどうなるだろうか。
「なんでも触手攻めを食らうとか」
ーーガタッ
「ちょっと詳しく」
触手はガタッの守備範囲内らしい。目が怖い。
また別の日に別の話でガタッの検証を詠はする事にした。今回は龍見と一刀の話である。
「やっぱり龍見と白の御使いは仲が良いみたいよ」
「同じところ出身だもんね。しかも龍見さんの親戚とお友達なんだよね」
「そうそう。それでよく一緒に風呂に入ったりするらしいわよ」
ーーガタッ
「どうしてそれを早く教えてくれないの?」
静かな声で怒られてしまった。やっぱり目が怖い。なので次を最後とする事にした。
「あ、龍見の奴、また女の人に手を出したそうよ」
「恋さんも許しているし、いいんじゃないかな?」
「黄忠の娘の璃々だって」
「? 娘さんってどれくらいの子なのかな。私達くらい?」
「【ピー】歳みたいね」
「えっ…………」(ドン引き)
流石に自分より小さな子に手を出したのはドン引きだったらしい。
結論。人外、同性くらいならば月はガタッする。
【裁縫】
恋は最近暇である。お腹に子供がいては鍛練は無理だし、何かするにしても誰かと話す程度しかない。なので建設的な事をするために裁縫を始めた。
「…………いたっ」
だがこれが上手くいかない。初めて作った巾着はただの布の塊でしかなかった。少し針を動かせばすぐに指に刺さる。誰かに教えてもらおうにも董卓軍で裁縫がやれそうな人など思い浮かばない。
「恋殿~、新しい布ですぞ」
「んっ、ありがと。それでなんで華雄がいるの?」
「お前が裁縫をやっていると聞いてな。少し見てやろうと思ったのだ」
「…………出来るの?」
「ここに来るまでは一人暮らしだったからな。大抵の事は出来る」
「じゃあお願い」
「うむ。まずはここをキュッとしてグイッとやれ。そしてクルクルとやってからスッと抜くんだ」
「…………は?」
あまりにも大雑把で擬音しかない華雄の説明に音々音は固まった。そんな音々音は放置して華雄の適当な説明は進んでいき、最終的に完成したのは実に綺麗な巾着袋だった。
「こうするのだ。恋、分かったか?」
「分かった」
「分かったのですか!?」
華雄の謎説明を受けた恋が再び裁縫をすると、何故だか見事な巾着袋を作ってみせた。自分がこれまで手伝っていたのは何だったのかと頭を抱える音々音であった。
【虚密区魔阿決闘】
これは三国統一後のお話。
深夜、城を抜け出した月はある場所へ向かっていた。何処とも知れない屋敷の裏口。そこに立っている警備兵に手形のようなものを見せて屋敷へと入っていく。屋敷の中には既に複数人が鎮座している。その全員が何かしら仮装をしていて顔は見えない。月もお面を着けている。
「お待ちしておりました」
「遅れて申し訳ありません。では始めましょう、第六回」
「何してんだてめぇら」
『!!?』
何かを開始しようとしたところで想定外の乱入者が現れた。月が抜け出したのを怪しく思って付いてきた龍見だ。
「えー、月と人和、華琳さんと桂花に稟、穏に冥琳さんと亞莎、朱里と雛里と桃香さん、んで七乃と斗詩か。国でも興すのか?」
「いや発端はアタシなんだけどねー」
「ぬおっ!? イシュタム様いらしたんですか!? てか発端って」
「未来の文化知りたいって喚ばれちゃってさー」
「何を神様と世間話感覚で話してんだてめぇらは。てかイシュタム様も契約していない相手にほいほい喚ばれないで下さいよ。わざわざ契約したオレの存在意義がないじゃないですか」
軽く頭を痛くしながら龍見は溜め息を吐いた。そんなものは知らないとばかりにイシュタムは話を続ける。
「そんで色々と教えたんだけどー、コミケに興味持っちゃってねー」
「…………ではこれはコミケの集まりと?」
「そゆことー。まあ龍見なんてほっといて開催宣言しちゃってー」
「あ、はい。第六回『虚密区(コミック)魔阿決闘(マーケット)』を開催します!」
「六回もやってんのかよ。主催者ならどんな事やるか教えてくれよ、月」
「皆さんが作った本や人形を持ちあって交換したりするんです」
「思ったより普通だな。まあ見学させてもらうぞ」
龍見は部屋の隅に座り込んで様子を眺める事とした。神まで巻き込んでワイワイ騒いでいる。異様にマニアックな本を見せあったり、人形の受け渡しをしている。ここまでならば少し変わった女子会といった感じだ。ちなみに稟と亞莎の全国の眼鏡は龍見も熟読する完成度だった。
「そういえば華琳さんと冥琳さんの用意したものはなんですか?」
「気になるかしら桃香。確かにそろそろ見せてもいいかもしれないわね。冥琳、着色は済んでいるわよね」
「勿論。完璧だとも。おい、誰かあれを持ってきてくれ」
冥琳が部屋の外に声を掛けると何かを引きずるような音が聞こえてきた。しかもかなり大きなもののようだ。
「さあご覧あれ! これが私と冥琳の合作!」
「題名は『咲き誇る薔薇』だ!」
『キターーーーーーーーーーーー!!!
開かれた扉の先には等身大の龍見と一刀の人形が全裸で
「アウトォォオオオオッ!!!! 終焉をもたらせ大いなる焔!!! レーヴァテイン!!!!」
超高速超短縮詠唱によって自身が放てる極大火炎術によって人形を灰に変えようとした龍見だったが、その術は一瞬にして掻き消された。この場でそんな事が出来るのは一人しかいない。否、一柱だ。
「ノンノン。ここは火気厳禁よー」
「イシュタムコノヤロー!!!」
「ハハハ、これを見た時の反応が見たかったんだよねー」
「残念だったわね龍見。でも貴方と一刀を絡ませたのはこれだけじゃなわよ。月と人和はいつものあれを用意してるんでしょう?」
「勿論ですよ。今回は定番の龍×一から外れて、ミジャ×龍で」
「やめろー!!! この際オレは許すけど神様まで掛け算するのはやめろー!!!」
「落ち着いて下さい先生。大丈夫ですよ。完成度はとても高いので」
「何に安心すればいいんだよ!?」
「ほうら斗詩さんの描いた一枚絵ですよ~。定番の龍×一」
「なんで七乃はそんなに嬉しそうに見せ付けてくるんだ!! 斗詩も何描いてんだ!?」
「はぁ~、もう堪りません」
「穏脱ぐんじゃねぇえぇぇえええええっ!!!?」
ーーガバッ
「えぇぇっ…………夢? どんな夢を見たんだオレ…………叫ぶような夢って……うっ、思い出せない。頭痛がする、吐き気もだ…………少し夜風に当たろう」
ゆっくりと起き上がった龍見は頭を冷やすように窓から顔を出した。意味もなくボーッと外を眺めていると何かが動くのが見えてしまった。
「? あれは、月か? なんであんな格好で外に? 気になるな。追いかけてみるか」
無限ループって怖くね?
Fate/GO楽しい。ただしストーリーのみ。
荊軻さんと呂布の中華コンビで頑張っています。この荊軻さん可愛いよ。