これは少し未来のお話。龍見が夜なべして作っているのは一体の人形。可愛らしい顔付きから女の子の人形というのが見てとれる。手作りの黒くて長い毛髪を埋め込み、これまた手作りの着物を着せていく。
「よし、いい感じ。あとは微調整だな」
夜が明ける前には愛らしい女雛が完成したのだが、龍見はそこに更に手を加えていく。結局納得いく形になったのは日も昇りきった昼頃だった。人形としては大きめの50cmの女雛はとても精巧に作られていた。
「我ながら惚れ惚れする一品だ」
ーードンドンドンッ
「ととさまー! ごーはーんーだーよー!」
「ああ、悪いな。今行くよ」
娘の恋歌に呼ばれて本日初めて部屋から出る。小脇には作ったばかり女雛を抱えてだ。
「わー! おにんぎょうさんだー! ととさまがつくったの?」
「そうだぞ。みんなの悪いものを持っていってくれるお人形さんだ。さ、撫でてごらん」
「うん!」
壊れ物でも触るかのように恋歌は優しく女雛の頭を撫でた。とても人工のものとは思えない艶やかな髪や、まるで生きているようにも見える輝く瞳は一瞬で恋歌を魅了した。
「ととさま! このこほしい!」
「ごめんな、この子には仕事があるんだ。恋歌にはあげられないよ。今度また別の子を作ってあげるから我慢してくれ」
「むぅー!! このこがいいのー!!」
「どうしたのよ。騒々しいわね」
「ちぃちゃーん! ととさまがおにんぎょうさんくれないの!」
「地和お母さんって呼びなさいっていつも言ってるでしょ。龍見、人形くらいあげてもいいじゃない」
「いやこれ流し雛として作ったもんでさ」
「何よそれ」
流し雛とは人々の厄を吸い取り、川に流す事によって厄を祓う事を目的とした人形だ。本来は紙で作られているのだが、龍見は大陸全体から厄を集めるために相当気合いを入れて作ったために普通の人形となっている。
「これを置いておくといずれ厄が溜まって、回りに災厄を振り撒く事になるんだ。だからこれは渡せないんだ。恋歌も術師なら理解してくれ」
「むむむ………………かわり、つくってくれる?」
「ああ、約束だ」
「仲直りして良かったわ。それよりさっきの話だと、その人形を持って大陸全部回るの?」
「主要な都市だけだがな。それと家族は絶対だ。まずはここの全員の厄を祓わないとな。ちぃも撫でてくれ」
「わかったわ」
撫でて分かるのだが、この人形は非常に完成度が高い。これなら子供が欲しがってもおかしくはないと地和も納得した。
その後龍見は厄祓いのために人形片手に各地を巡った。普段なら各地に数日滞在するものの、今回は厄人形が一緒だ。下手に留まって厄を振り撒くわけにはいかず、厄祓いのみを済ませるとすぐに次の目的地へと向かう。結果半月もしないで各地を回りきる事となった。
「ふぅー、やっと終わった………………」
龍見が城へと帰ってきたのは日も沈み、月が真上まで昇ってしまった深夜。今日のうちに帰れるとはテレパスで伝えたものの、想定よりも遅くなってしまった。もう誰も起きていないだろうと思っていたが、自室からは灯りが漏れている。
「恋? まだ起きていたのか?」
「お帰り龍見。恋歌、頑張ってたけど寝ちゃった」
「仕方ないさ。子供は寝るのが仕事だしな」
恋の膝の上で静かに寝息を立てている恋歌の頭をそっと撫でた。次の瞬間、龍見と恋歌に電流が走る。
ーーバチィッ
「ぬあぉっ!?」
「ぴぎゃっ!?」
「きゃっ!? ど、どうしたの?」
「ぴ、ぴりぴりしゅゆ~」
「びびったぁ………変な術式作りやがって」
龍見が帰ってくれば子供たちに顔を見せるのを恋歌は知っている。寝ていれば頭くらい撫でるだろう。そう考えた恋歌は龍見が触れると電流が走る術式を自分に纏わせた。龍見が遅く帰ってきても確実に起きれるだろうという考えだったが、電流の強さについては考えていなかったらしい。
「と、ととさま。おにんぎょうさんは?」
「苦労したが、三体作っておいたぞ」
「うん、ありがとう。それでさいしょのおにんぎょうさんは?」
「こっちか?」
取り出された女雛は作られたばかりの時とは違い、何か禍々しさがあった。それだけ厄を吸収してきたのだろう。
「おにんぎょうさん、がんばったんだね」
「ああ。最後は流すだけだ」
「れんかもみる!」
「仕方ないな。恋、抱いてきてあげてくれ」
「いいよ。ほら恋歌、抱っこ」
「ありがとうかかさま!」
近くの大きめな川までやってきた龍見は女雛が乗るための船を浮かべて、そこに女雛を乗せた。
「ととさま、おにんぎょうさんひとりぼっちなの?」
「ん? そうなっちまうな」
「じゃあれんかのおにんぎょうさんものせてあげて!」
「こいつらか? だがこれは恋歌の為に作ったんだぞ」
「れんかのなんでしょ? なられんかのすきにする!」
「むっ………」
「龍見の負けだね」
「ああ。一本取られたよ」
恋歌に言われた通り女雛の乗った船に三体の人形を乗せてそのまま川に流す。ゆったりとした流れだが、確実に遠くへと流れていく。
「おにんぎょうさんばいばーい!!」
手を振る恋歌だが、その動きは段々と遅くなっていく。
「眠い?」
「うゆ………………」
「もう遅いんだ。お休みなさいしような」
「ととさま」
「何だ?」
「れんかね、おとーとや、いもーとが、ほしい………」
そう言って眠ってしまった恋歌。龍見と恋は顔を見合わせてクスクスと笑っていた。
ーーーーーーーーー
恋歌が寝てから、龍見は一人温泉へ入りに来た。湯に映る月が崩れないようにそっと入る。
「………………弟や妹ね………出来たらいいんだがな」
「なら、作ろ?」
「!? れ、恋!? いつ入ってきたんだ!!?」
「ずっと後ろにいたよ」
「全く気付かなかった………………」
驚く龍見を横目に恋も温泉へ入る。そして龍見の肩へゆっくりともたれ掛かった。
「恋も、もう一人欲しい」
「………………オレも………………ちゅっ」
どちらからというわけでもなく、互いに自然と顔が近付いていき、やがて唇が重なる。決して激しいわけではないが、長く、濃厚な口付けが続く。
「ん………………ぷはっ………………そういえば、初めてもお風呂だったね」
「はは、懐かしいな。少し肌が触れるだけで顔が熱くなってたな」
「今は熱くならない?」
「まさか。恋といるだけで熱いよ」
湯船から上がって腰掛けた龍見の逸物は既に勃起しており、恋を誘うかのようにビクビクと動いている。恋も湯船から上がり、当たり前のように陰部に逸物をあてがうと、椅子に座るかのように逸物を飲み込みながら龍見の上に座った。
「あ、ふぁ………んんっ」
「久しぶりなのに随分とすんなり入ったな」
「お風呂、のまえ、んぅ、濡らして、おいたから」
「おっ、流石、だな………気持ちいいよ。最高だ」
恋を抱き締めてゆっくりと腰を動かす。口付けと同様に激しさはない。久しぶりに味わう妻の体を隅から隅まで嘗め回すように貪る。
恋も抱かれるだけでなく、龍見の身体中に吸い付き、まるで龍見は自分のものだと言わんばかりに真っ赤な痕を残していく。その間も膣内を蠢かせ、逸物を飽きさせないように意識する。
互いに絶頂にあと一歩というような行為を何十分も続ける。愛を確かめあうようなそれに先に痺れを切らしたのは龍見だった。
「ごめん、恋。我慢の限界だ」
ーーパァンッ
「ひゃぁぁあぁっ!?」
肉と肉がぶつかる音が響きわたる。龍見が恋の腰を掴んで思いっきり恋の腰を下ろしたのだ。同時に自分の腰も上げ、奥の奥まで逸物を叩き込む。その一撃で軽くイった恋は少しだが潮まで出ていた。
「ふんっ! どうだ! 気持ち、いいだろ!!」
「あっ、ひっ!? い、いい!! しょこ、もっと!! あ、あかちゃ、孕ませ、んあぁっ!!!?!」
「一人なんて、言わず!! 何人でも、作ろうな!」
「うん! うん!」
先程までのゆったりとした行為とは真逆の肉欲をぶつけ合わせ性欲を満たす行為。じっくりと焦らした互いの性器は絶頂を待っていたかように感度を高めていた。
「出る! 膣が、満タンになるくらい、イくぞ!!!!」
「はっはっはっ、イく、イく!! た、つみ、の、熱いの、いっぱい、出して!!!!」
ーービュルルルルッ ドクッ ビュルビュルッ ドクンッドクンッドクンッ
「んんんんんん~~~~!!!!」
宣言通り大量の精液が恋の膣内を蹂躙する。精液を吐き出そうと逸物が痙攣するたびに恋も絶頂する。陰部と逸物の間から漏れ出す精液がどれほどの量を注ぎ込んだのかを物語っている。
「た、つ、み」
「はぁはぁ、どう、した?」
「赤ちゃん、できるといいね」
「きっと出来てるさ。愛してるよ、恋」
「恋も、愛してる」
恋は筆が進むね。うん。
本編を期待されていた方々は申し訳ありませんでした。でも恋も書きたかったのです。
裏組織紹介!!
仙道会
本部は中国。仙人になるべく毎年数千の人々が入会する大組織。しかし仙人になれるのは十年に一人いるかいないかというほどに狭き門。
表向きには仙道医学という漢方を中心とした製薬企業。日本のアベノ製薬とはライバル関係。
代表は太公望。年齢や姿も不詳で、本当に存在しているのかも怪しい人物。大抵秘書を名乗る女性を通じて命令を出している。現代で太公望の姿を見たのはその秘書と龍見だけらしい。