「クエッ」
「皆、ご苦労様」
夜になると4匹のカルガモがメリー号へと到着した。
ウィスキーピークで瀕死になっていたカルーと呼ばれたカルガモと同じよう、ダチョウと言われても納得しそうなほどの大きさだ。
「ルフィ、どうするの?」
しかし、予定通り超カルガモ部隊が到着したのだが一つ問題がある。
ルフィたちは総員7名、一方の超カルガモは4羽、3人以上留守番することになる。
「俺、ビビは確定してるだろ。そうだな…ナミは留守番してくれ。あとでメリー号を動かす必要が出たら航海術が必要になる」
「わかったわ」
アラバスタはナノハナ以外にもいくつかの港や海岸がある。
メリー号を移動させる必要が出た場合、船の操舵ができるのはナミとたしぎだけだった。
「それとたしぎ、船の護衛を頼む。無いとは思うが万が一があるからな」
「はい!」
「あとは…」
残りはマキノとノジコ、カヤの3人だ。
アルバーナへ向かうだけならルフィとビビだけでいいがその後に何があるかわからない。
人手を考えると1人は連れていく方がよさそうだった。
「そうだな…確か今日の寝ずの番はカヤとマキノだから、ノジコがついてきてくれ」
「うん」
「了解です!」
「オッケー」
―翌朝―
超カルガモに跨り、朝早くに3人はアルバーナへ目指して出発した。
ビビが自慢していたようにサラサラと足がとられそうな砂漠をカルガモが軽快に走っていく。
「すげぇペースだな」
「ストンプ、大丈夫?」
「クェ!」
馬よりも早いスピードにルフィが感心してビビが水などの物資を背中に乗せて追走する超カルガモに声をかける。
それに答えるように超カルガモは砂煙をあげながら走り続けた。
一方、先頭のルフィに並走するノジコは少し恥ずかしそうにマントのフードを被っていた。
「どうした、ノジコ」
「あ、あんたねぇ…わかって聞いて…❤」
アラバスタは夏島の広大な砂漠の国。つまりはとても暑い島だ。
しかし、暑いからと言って肌を見せては直射日光だけでなく地面からの反射もあり日焼けどころか酷い火傷にもなってしまう。
そのため砂漠越えの場合なら長袖やマントが必須になる。現に3人ともマントを羽織って素肌を隠している。
だが、問題はそのマントの下。
「流石に恥ずかしいか?まあ、そりゃあんな服を着てるんだからな」
「うぅぅ…なんだってこんな…❤」
「ふふっ、これが砂漠越えの正装なんですよ❤」
ルフィは普段着の上からマントを着ているが、ノジコとビビはとても卑猥な服装だ。
シースルーと呼ばれる透けて見えるほど薄い生地で作られたシャツはタイツのように肌に巻き居ついて胸を隠すこともなく、むしろ妙な光沢感から強調してるようにも見えてしまう。
さらに下もズボンを履いているのだが股の部分がぱっくりと開いており、下着も履かされてない。
時折砂漠で吹く風がマントの隙間から入り込むと、まるで筆で体を撫でられるようなこそばゆい感覚に襲われる。
「んっ…❤くぅ…❤ビビっ…!これ、本当にアラバスタで流行ってる服なのぉ!?❤」
「えぇ、この格好だと風による冷却が直接肌で感じられるんですよ❤それに排泄も穴が開いてるのでそのままできますし便利ですよ?」
「便利なわけあるかぁ!!あっ……❤」
ノジコは顔を真っ赤にして抗議するがビビは気にせず、マントの中に入ってくる風に声を上げてしまうノジコを見てクスリと笑う。
するとルフィが前方を見つめてからビビの方へと向いた。
「ビビ、この先に何かあるか?」
「え?…もしかしたら中継点があるかも。この国には砂漠の旅団向けに飲食店などがいくつかあるんです」
確かに登山などで途中で休憩するための小屋が置かれるのは普通だ。それと同じ考えで砂漠の休憩所としてカフェや宿泊所があってもおかしくはない。
とはいえ、ビビが国から離れてる間に建物も増減してるかもしれない。
「…なら、建物が見えたら休憩だ」
先を急ぐ中で一番の危険なことは無茶をすることだ。下手に砂漠越えを強行して体力を消耗したときにアクシデントが発生したら目も当てられない。
なので適度に休息を挟みつつ進むのは一番安全な方法だった。
そしてしばらく走れば、建物が見えてきた。
その建物には馬やラクダなどの動物が繋がれておりほかに砂漠を行く旅人たちがいるようだった。
しかし、気になるのはその中でひときわ目立つ動物だった。
「…なあ、なんだあれ」
「…ワニ、だよね」
超カルガモは繋いでおく必要がないため馬やラクダと同じ水飲み場のところで待機させればいいのだが、少し離れた場所に待機してるのはワニだ。
しかし、ワニが砂漠にいるのも驚きなのだがそんなことよりも気になるのはその大きさだ。
ゴンドラ船なんかよりも大きく、人間すらも一口で飲み込みそうなほど大きな顎を持ってる。
鼻先や尻尾の先がバナナのようになってるのが妙に似合ってるが、これもアラバスタの動物なのかと聞いた。
「アレはワニ目バナナワニ科のFワニね。アラバスタにはバナナワニと呼ばれるワニがいるけど、その中でも地上生息に特化して進化したワニよ。超カルガモには劣るけど地上での走行スピードに優れてるわ。肉食だけど、鞍があるところを見ると誰かのペットね。たぶん、躾もされている、はずです」
いくらアラバスタで生まれ育ったビビでも肉食のバナナワニに対しては危機感はあるようで引き気味だった。
だが、そのFワニは飼い主が用意していたのだろうか大きな肉をムシャムシャと食べて大人しくしていた。
ともかく、休息をとろうと建物に入った。
「らっしゃい。開いてる席へどうぞー!」
中はカフェのようになっており、いくつかの旅団が休息や食事をとっていた。
しかし、狭い店内のカウンターやテーブルはほとんど埋まっており店員たちが忙しそうに接客しながらそう言った。
「あれっ、ルフィさん…?」
奥の方で空いてるテーブル席があったためノジコとビビはそこに座ろうとしたがソレよりも先にルフィがもっと手前――1人だけ座ってる4人掛けテーブルのところに向かった。
わざわざ空いてる席があるのになぜそっちに行くのかと不思議そうに思ってるとルフィがその座ってる人物に声をかけた。
「相席いいか?」
「あら、他に空いてる席があるのに?」
フードを被って顔が見えなかったが声からして女性だということは分かった。
そして、その声にビビとノジコは覚えがあった。
「その声…!?」
「ミス・オールサンデー…!!」
それはバロックワークスのNo2にして謎の多い女だ。
なぜここにいるのかと驚くがルフィはそれに気にせずに彼女の向かい側に座った。
「二人も座れ、目立つぞ」
確かにずっと立っていたら目につく。ビビはルフィの、ノジコはオールサンデーの――すこしスペースを開けて席に着いた。
ルフィはウェイトレスに「アイスティーを3つ」と言って注文した。
「よくわかったわね。私がいるの」
「まあ、俺の能力の応用だ」
実はウィスキーピークでミス・オールサンデーが接触してきたときにルフィは彼女に能力を発動していた。
タグタグの実は周囲の情報を読み取り、取り外しと貼り付けを行う能力。
つまりはルフィの目には編集する情報が見えているというわけだ。
そのタグを発信機代わりにして居場所を見ることができるのだ。
ただし、有効範囲内ではないと感知できないためこうして砂漠の踏破中に発見できたというわけだ。
「だが、そっちも俺たちに会うためにここにいたんだろ?」
「…ええ、そうよ」
否定することなく彼女は肯定した。
しかし、なぜ自分たちに接触しようとしたのか、その理由までは分からなかった。
「それで私たちに会いに来た理由は?まさかとは思いますけど……」
ビビは警戒心を露わにして言うと、オールサンデーは小さく笑みを浮かべた。
「安心して、あなたたちを始末しに来たわけじゃないわ。むしろ――」
そう言ってミス・オールサンデーが取り出したひと巻きの紙。それをテーブルに置いた。
ルフィはそれを手に取ると中身を見ずに「これは?」と聞いた。
「バロックワークスの資金の流れ。主にダンスパウダーの材料を仕入れる裏ルートのね」
「ダンスパウッ!?」
驚いたビビが声を上げようとするが咄嗟にルフィがその口を押えた。
一体それが何なのかわからなかったが、幸いにも周りにいた客たちには聞こえていなようだった。
「ビビ、目立つから静かにな」
「…ご、ごめんなさい」
「それで、それはなんだ?」
ダンスパウダーについて知らないルフィはそう聞くとミス・オールサンデーは「雨を奪う粉」と言った。
「この粉を燃やせば空中の水分――雲を発達させることができる。けどその雨はやがて周囲に降り注ぐはずだったもの。そのためにダンスパウダーを作った国では雨を奪い合い、この国のように戦争になった。そのため、世界政府ではダンスパウダーの製造・保持を禁止しているわ」
「…けど2年前に港で王国行きの荷車からダンスパウダーが発見された。もちろん、父も、国も、ダンスパウダーの使用を禁じていた。だから誰かに嵌められたと考えた」
「ええ、王女様の言う通り。バロックワークスが使用していたわ。この国の反乱意識を煽るために」
オールサンデーの告白にビビは恨めしく睨む。そのためにビビとイガラムはバロックワークスへ潜入していたのだ。
だが今の問題はその証拠となる資金の流れはクロコダイルにとっては大事な生命線に変わりない。それを渡すという意味だ。
「ボスは表向きにはこの国の英雄よ。簡単に姿を見せるわけにはいかない、そのために社員たちの情報を頼りに状況を把握してる。そして社員にも存在を隠してる関係上、その情報は一度全部私のところに来る。聞いたわ、世界政府が動いてるのね?」
「ああ、そうだ」
世界政府はその気になれば国すらも亡ぼすことができる兵力と権力がある。いくら七武海のいち勢力とは言え戦力には天と地ほどの差がある。
今ではクロコダイルの国家乗っ取りの証拠がないが、王国へ向かうビビがいる以上それも時間の問題。
「なるほど、つまりはこいつは手土産ってことか」
「そういうことになるわね。これで少しは信用してくれるかしら?」
「まあ、今になってあんたが俺たちに嘘を言う理由はないからな」
ルフィの言葉にオールサンデーは小さく笑みを浮かべた。
もしも罠に嵌めるつもりならウィスキーピークで取引なんて応じないだろう。
「…ああ、そうだわ。一つ言い忘れてたけどMr8、彼は生きてるわよ」
「…えっ?」
オールサンデーの言葉にビビが理解できて内容だった。Mr8――つまり、イガラムのことだ。
彼はウィスキーピークでビビたちを引き付ける囮となって目の前で船が爆発したのだ。
「ボスからは消すように命じられていたけど、殺しは趣味じゃないわ。少し痛い目にあってもらったけどウィスキーピークで療養してるはずよ」
「う、嘘よ!そんなデタラメなんて…!」
「信じるかどうかは王女様次第だけど、事実よ」
まさか、あの爆発で生きてるなんて思えなかった。しかし、それでも生きていると言われたら希望が生まれてしまう。
もしもウソだった時、ビビは立ち直れないだろう。
「……おそらくバロックワークスの討伐後は各拠点に海軍の手がはいる。その時に確かめたらいい」
「……そう、ですね」
ルフィの言うことは最もだ。ここでオールサンデーを問い詰めても何も変わらない。
それにもし本当に生きていたとしたら嬉しい気持ちもある。
「さて、それじゃあ私は行くけど取引は忘れないでちょうだい」
「ん?なんでだ?一緒に行かねぇのか?」
席を立とうとするミス・オールサンデーに対してルフィが不思議そうに聞いた。
「バカね。私は犯罪組織の一員よ?それに元々政府に追われてた身なの。世界政府の人間がいる場所へは行けないわ。第一、どうやって私が貴方達と一緒に国王に会えるのかしら?」
「…チェンジ」
「え?」
突然、ルフィが能力を発動させた。
すると、ミス・オールサンデーの体が魅力的な女性から引き締まった男性へと変わった。
「こうやってだが?」
「ビビよ、よく戻ってきた」
アルバーナの宮殿。その王座に座るはネフェルタリ・コブラ。
彼は1人の王としてやってきた人間を出迎えた。
コブラの護衛のためにアラバスタ王国護衛隊副官のチャカとペルの二人が脇を固めていた。
「そして、そちらが我が娘を守り通して下さった…」
「船長のモンキー・D・ルフィ。代表として名乗るのを許しを乞う。後ろにいるのは私の船員です」
片膝をついて頭を下げながらあまりにも畏まった挨拶にノジコは「アンタ誰?」と思っているのだが、頭を下げているためその表示に気づく人はいない。
コブラが「親として、国王として感謝を送ろう」と言う頃には落ち着きを取り戻して、いや改めて国王の御前ということで緊張していた。
「そう身構えずともよい」
ノジコの緊張を見てか、コブラはどこか砕けたようにそう言った。だがその王としての立場があるためチャカが「国王様」と咎めるが彼は気にしてないようだった。
「この場は非公式な場だ。それに娘の恩人を不敬罪で捕らえるような真似をするつもりはない、楽にするといい」
「だとよノジコ。少しは気を抜けよ」
そう言うルフィは立ち上がって片足に体重をかけるように楽な姿勢をとった。それにノジコもどこか諦めたように「うん」と返事をして立ち上がる。
「そちらの者も」
「…ええ」
そう言って、男の身体になっていたミス・オールサンデーも立ち上がった。
彼女の場合、緊張してるのは国王の前だからではなくルフィのタグで性別を変えて男の服を着て変装をしていることがバレないかということだった。
体は男性だが、顔つきは元の彼女に似て兄弟のようにも見えた。
だが、コブラもチャカとペルもミス・オールサンデーの正体に気づいてないようだった。
「シャウ、情報は揃った。あとは我々に任せてもらおう」
いつの間にか部屋にいたのか、猫のような雰囲気の男が立っていた。
その手にはビビが集めた情報とミス・オールサンデーが渡してきた資金の帳簿があった。
「くれぐれも民に危害及ばないようにな」
「ああ…心配するな」
そして足音を立てることも気配を感じることもなく部屋から出ていった。
おそらく彼が政府の人間なのだろう。
「さて、ルフィ君。君たちは最大の恩人だ。政府からの働きかけには反乱軍も無視をすることができず、今回の一件を以て彼らとの和解へと漕ぎ着けることができる。そして何より、この国の雨を取り戻してくれた」
「…まあ、結果論だ」
「だとしてもだ。君たちの行動で民が救われた。その『恩賞』を与えようと考えているが、なにか要求はあるかね?知っての通り、この国はクロコダイルの手で碌な見返りは用意できないかもしれないが、望みがあるなら我々は全力を持って応えたい」
コブラがそういった時、わずかにミス・オールサンデーが反応したのには誰も気づかなかった。
それこそ彼女がルフィと交わした取引で重要となる単語だったからだ。
「…では2つ、要求したい」
「言ってみたまえ」
「一つは今後の旅での支援を行ってもらいたい」
そう申し出たところ、チャカとペルの目が鋭くなった。
コブラもその言葉の真意を測りかねているようで「どういう意味だ?」と詳細を聞いてきた。
「始まりは冒険隊とも言えない二人旅だったのがいつしか船員を抱えるようになりました。しかし、我が冒険隊には後ろ盾も支援者もいない個人の集団に過ぎない。万が一の場合を備えて力となってくれる権力が欲しいのです」
「…なるほど。だがなぜ故国ではなくアラバスタを選ぶのだ?他国の危機を救った英雄ともなれば支援を要請するのは難しい話ではないはずだ」
チャカとペルが気にかけてるのはそこだ。いくら無名だった冒険隊だったとはいえ、アラバスタは世界政府の加盟国だ。
コブラの一声があればルフィの故国でも彼らを国家所属にすることを要請はできる。
「…残念ながら、私には自国に対する愛国心は持ち合わせてない。故郷には思い入れはありますが、国への忠誠を示すことはない」
過去にルフィは国に対して不信感を持つなにかがあったのだろう。
そう考えたコブラは「認めよう、今この時を持って冒険隊はアラバスタの庇護下とする」と宣言した。
国の恩人に対してのコブラの決定にはチャカとペルも異論はないようだった。
「それで、もう一つの要求とは?」
「先程申した通り、我々は冒険者としてはまだ駆け出し。歴史的な遺跡や建物を調査した経験も少ない。そこでアルバーナ宮殿の中を見学したい。もちろん立入禁止となる場所へは立ち入らないことは約束します」
「なるほど、いいだろう。チャカ、彼らが王宮内を出歩くことを兵士たちに伝えよ。ペル、案内を」
「あ、パパ!ルフィさんたちの案内は私がするわ!」
コブラの命令を聞いてチャカが退室し、ペルが案内をしようとするとビビが割って入った。
とはいえ、ウィスキーピークからアラバスタまでの護衛をルフィたちがしてきてたため、自分の家とも言える王宮を案内したいと思ったのかもしれない。
「ふむ…ではビビよ、案内は任せた」
「第一関門は突破だな」
玉座の間から出た一行はビビの案内で王宮内を移動していた。
しかし、自由に移動できるというのにミス・オールサンデーはどこか不満げだった。
「約束と違うんじゃない?貴方はこの国の秘密を王に取り合ってくれるハズだったのでしょ」
「…アンタの求めてるのはこの国の秘密だ。もしもあの場で正直に聞いたところで答えてはくれなかっただろ」
「けどさ、ルフィ。どうするつもりなの?」
ノジコが心配する通り、アルバーナ宮殿は広い。調べるにしても何も手がかりがない状態でなら数年掛かっても見つからない可能性だってある。それに下手に嗅ぎ回っていたら誰かに不審に思われても仕方ない。
「大丈夫だ。少し歩けばわかる」
それからしばらく一行は王宮内を歩いた。
特に人気のない場所を重点的に回り、たどり着いた場所は――
「ここだ」
「ここって…」
「ここは葬祭殿よ」
アルバーナ宮殿西に葬祭殿ーー王家の墓だった。
昼間とはいえ人の気配が全く、神秘的でありながら不気味な雰囲気が漂っていた。
「【チェンジ】」
ルフィが能力を発動すれば地面の一部が動き、石像前に人が1人入れそうな入り口が現れた。
「すごい、ホントに見つけちゃった」
「なんらかのギミックがあるならタグで分かるからな」
メリー号でも帆や舵の状態をタグで操作できるのだ。海楼石など能力を無効化でもしてない限りは簡単に操作することができる。
長い階段と薄暗い通路を進んでいけばそこにあった、人よりも大きな正方形の石。
明らかに人工物のはずなのに、何処か不思議な神秘を感じてノジコとビビは言葉を失った。
「目当てのモンか?」
「ええ、間違い無いわ」
ルフィが確認すればこれが彼女の目的の秘密だと分かった。
早速石に刻まれた独特な文字を手でなぞりながら解読を始めたようだ。
その間、自分が生まれ育った宮殿の地下にある秘密に興味があるのかビビも周囲を見て回った。
「それにしても、宮殿の地下にこんな場所があるなんて…」
「本当に国の一部…もしかしたら国王だけが知る秘密だったかもな。ところで…なんでそんな格好してるんだ?」
いつの間にかノジコはマントを脱いでシースルーの肌着と股間部が丸見えのズボンになっていた。
「仕方ないじゃ無い、暑いんだから」
地下は空気穴はあるだろうが換気をする機構は無いようで、外よりかは室温は低いが籠った空気のせいで体感は結構蒸し暑い。
そう言ってパタパタと手で仰ぐも、生温い空気では清涼感は得られず、逆に汗が滲み出てきた。
「――はぁ…」
一通り読み終えたのか、オールサンデーはため息をついた。しかし、感嘆でも達成感でもない、落胆によるものだというのはすぐに分かった。
「どうした、アテが外れたか?」
「ええ、私が求めてるモノとは別ね。知りたいことでは、」
振り返ったオールサンデーはノジコの姿を見て固まった。
いや確かに一緒にいた人間が裸同然の恰好になれば驚くのは無理もない。
「あ、貴女なんて格好してるのかしら!?」
「うわっ、ビックリした!急に大きい声出さないでよ。それに砂漠越えするのに仕方なくて」
「あっ、それ俺の冗談だぞ」
「あっ、そうなの?……って、ちょっと待って!冗談!?人をこんなビッチみたいな格好にして冗談だって言った!?」
砂漠越えの経験がないノジコはビビの話を信じていた。そのために趣味でもないぴっちりとした服や「排泄を楽にするため」という痴女みたいな姿を渋々と受け入れていた。
その苦労がまさか嘘だと聞かされれば怒るのは当然だろう。
「どういうことのよぉ!!」
「たしぎが俺のモノになってから順番待ちでなかなかヤる時間がなかっただろ?」
「ひっ、なっ、に」
ルフィはグジュリと丸出しの股間に手を伸ばして耳元で「今夜は寝られると思うなよ」と言った。
「あ❤」
そう聞いてノジコは理解した。今日一日こんな格好をさせたのはただの仕込みだと。
夜に自分を使うために、料理人が食材の下準備をするように。そう思うと、先程までの怒りや恥ずかしさは消えて興奮したように頬を赤らめて甘い吐息を漏らした。
その様子をオールサンデーは茫然と見ていた。
「………ふふ❤」
その後は、『宮殿を見学したい』と申し出た以上、不審に思われないように普通にアルバーナ宮殿を見学した一行。
もちろん地下に入った痕跡は全部消したため、誰も侵入したことには気づかないだろう。
「あんっ…❤人が、いるのにぃ…!」
そして、ノジコが今夜のことを想像してか、近くに兵士や従者がいるのに物陰に隠れて、時には廊下の真ん中でオナニーをし始めた。
そもそもがマントの下が全裸よりも恥ずかしい恰好なのだ。
時折、宮殿の人が「おぉ、ビビ様!」と王女の帰還を聞いて挨拶をするために近寄って来る際にルフィたちに「王女様をお守りいただいて感謝します!」と声をかけてくる。
それに応える際には「バレるかも」という恐怖と羞恥がありながらもなんとかごまかしていた。
それはノーパン・ノーブラでいるのとは比にならず、乳首はビンビンに勃起して歩いたところには愛液がたれていた。
「……………っ…」
その様子をオールサンデーは興味がないように装いながらも、その目はノジコのマントに薄く勃つ乳首や、わずかに濡れている股のところを見ていた。
はい、と言うわけでアルバーナ到着です。
先に行っておくとバロックワークスは壊滅してクロコダイルも捕縛されてます。
戦闘を期待してた人は申し訳ないですが、このシリーズでがっつりとした戦闘をするつもりはないので長くてクロ戦、短かったらアーロン戦ぐらいのものしかないです。
本当はヒナやそれこそ青キジとかの海兵で行こうかなと思ったけどいっそのことウォーターセブンにいないCP9にしてみようと。
ただそしたらコブラの護衛に…フクロウ?余計なこと喋るからなぁ…ジャブラ?なんか絵面がカオスじゃないかな…クマドリ?余計にカオスになる…ってことで新入りのネロ君になりました。
最初は全員でアルバーナに移動しようと思ったらカルガモが足りないことに気づいた…カルーを意味もなく退場させた弊害がここにきて…!
それで砂漠越えするメンバーを考えたらルフィ、ビビは確定であと一人か二人と考えて、リトルガーデンでエロ要素がなかったノジコになりました。
そしてミス・オールサンデーことニコ・ロビンと合流。
政府の動きを察知して早々にクロコダイルを見限ってます。
実を言うと最初、ロビンに対して交換するタグは「性別」ではなく「年齢」の予定でした。
「こんな子供がニコ・ロビンなわけないよなぁ…」みたいな感じにする予定でしたが、さすがに子供にしたら手配書と同じになるし、多少若返られせてもバレるかもしれないし…と合格ラインがさじ加減過ぎたのでいっそのこと性別を変えてみることに。
ちなみに「認識タグ」で「男性に見える」のではなく「情報タグ」で「男性になった」のは認識タグはあくまで「そう見える」だけで例えば偶然ぶつかってロビンの胸に触れて「あれ、この人女性…?」と違和感を感じたりしたらバレてしまうからです。
次回はこの続き――このシリーズで初めてのニコ・ロビンのR18となります。
ただこのままTSF及びふたなり要素が出てくるので注意です。