ここは
水の都とも呼び声が高く、それに比例してか造船技術の発達した街。
ここは顧客が一般の冒険家や商会などの企業、果てには海賊、そして政府御用達としての仕事も請け負う大会社【ガレーラカンパニー】が中心となっている。
彼らにとってちゃんとした金払いをし、船を大切にする人間であれば誰であっても客だった。
「アイスバーグさん」
「ンマー、なんだ?」
そして会社の社長であり他の島との交通の要となる【海列車】の管理人兼市長という最大の権力者でありながら人格者で島民に慕われる男アイスバーグ。
その彼に美人秘書のカリファが声をかけた。
「ドッグの外に客が」
「客…?誰だ?」
「シフト駅のココロさんの紹介状を持った方々とのことです」
アイスバーグとココロが飲み友達と言うのは島民では周知の事実だ。しかし、友人からの紹介程度でアイスバーグが会うかどうかわからないため外で待たせている、というところだろう。
だがアイスバーグは会うつもりのようで「ドッグの外だな」と行ってしまった。
彼がドッグの外へとつく時にちょうど、1番ドッグの大工職人長のカクが空中へと飛び出すところだった。
それに慌てる――若い男性とどこかの令嬢風な女性、気の強そうな女性、それとまだ幼い子供の客に「ンマー、心配するな」と声をかけた。
その声の通り、飛び出していったカクは軽い着地と足並みで建物の屋根を駆けて行ってる。
「…あんなところから飛んでいくんですね」
「より早く、より頑丈な船を迅速に造り上げるためには並大抵の身体能力では間に合わねぇ。それより…お前らか、ココロのばーさんの紹介ってのは」
その言葉に男は「ああ、船長のルフィ。こっちは船員のカヤとナミ、アデルだ」と自己紹介をしながらココロの紹介状を渡した。
開けてみればすごい汚い字で「ふねみてやんなよ ココロ」と書いてあり、キスマークも添えられていた。
それを読むとアイスバーグはビリビリと破いた。
「あぁ!お願いします、船を見てください!」
「いいよ」
「いいんですか!!?だったらなんで!?」
「キスマークが不快だった」
確かに自分の親ぐらい年が離れた異性からのキスマークに喜ぶ人間は少ないだろう。
アイスバーグは「それにもうカクが査定に向かってんだ。紹介状があろうがなかろうが客なのは変わらない」と言った。
「…ところで、そこの嬢ちゃんは船作りに興味あるのか?」
「え、あ、…うん」
ルフィたちとアイスバーグが会話してる間、アデルは柵のギリギリから中を覗いていた。
じっと職人たちの動きを興味深そうに見ていたのは面白そうというより、動きを観察してるようだった。
「うちの船には船大工はいなくてよ、この子は興味があるんだけど技術を教えれる奴がいなくてな」
「ンマー…船大工がいなくてよく航海できたな」
だがルフィは「おれの能力である程度の修繕ができる」と言ってそれに頼りっきりだったのだろうと理解した。
「よし、なら工場を見せてやる」
「! ほんとか!」
「ああ。何事でも憧れからやりたいことを見つけるもんだ。ウチの職人も先人たちの技術に憧れて入った奴が多い」
気前のいいアイスバーグに対して秘書のカリファは「ですが10分後にチザのホテルでグラス工場の幹部と会食、その後リグリア広場での講演会が終わりましたらプッチの市長ビネミ氏との会談。その場で新聞社の取材を受けていただきその後本社で書類に目を通していただきたいのですが」と予定を告げればアイスバーグは間髪入れずに「いやだっ!」と拒否した。
「ではすべてキャンセルに」
「いやいいのかよ」
「俺はこんなこともできる権力者だ」
「いい、アデル。こういう大人になったらダメよ」
「うん」
カリファの反応を見るにこういうのは初めてではないのだろう。
それをさも当然とする姿にカヤは悪い見本として教えていた。
「おぉ、アイスバーグさん!」
「おーい、社長がおいでになったぞ!」
ただ自社の社長が現場に現れたというだけでお祭りのように職人たちが沸いた。
それぞれが仕事の出来や挨拶といったことでも彼に声をかける。
「大人気なんだな」
「当り前です。造船は腕がすべてというこの島で当時7つあった造船会社をその腕一つで魅了し、5年前にまとめ上げたのがこの【ガレーラカンパニー】。彼の造船に対する熱意と腕は変わらず、職人たちは彼への尊敬を忘れない」
「…………」
それを聞いてか、権力者としては悪い見本だとしてもアイスバーグの実力は本物だとアデルは理解した。
するとちょうど、船の査定を終えたカクが戻ってきた。
「あっ、さっきの人!船の査定終わったんですか?」
「ああ。…アイスバーグさんもおったのか」
「おう、事情は聞いてる。っと、おい。この子を見学させてやってくれねぇか?未来の同業者だ」
「あ、了解っす」
アイスバーグは近くにいた船大工にアデルの面倒を見るように口利いてくれた。
ルフィは「あまり迷惑を掛けないようにな」とアデルを見送ると船の状況を聞いて「なるほど」と結果を纏めたアイスバーグと向き合った。
「単刀直入に聞くが、船の損傷はどういうレベルだった?」
「…最悪の一歩手前、ってところらしい。修繕は可能だが、おススメはできねぇし、船はキャラベルだそうだな?陸に上げて確認しないことにはハッキリとは言えないが
「でも、あの船は…」
カヤにとってメリー号は冒険隊に譲渡される前からのお気に入りの船だった。
彼女の執事であるメリーの設計の船で、その中で様々な出会いと経験があった。
「まあ、今は査定までだ。どうするか決めるのはここじゃなくてもいい。結論が出たらまた世話をしてやる。カリファ」
「はい。こちらは最新から中古までのカタログとなります、値段の参考にはなるかと」
こういった客も少なくないのだろう、ガレーラカンパニーの船のカタログを受け取ったルフィは「ひとつ聞いておきたいんだが」と立ち去ろうとするアイスバーグにあることを聞いた。
ウォーターセブン:港
船の査定依頼に出たルフィたちと買い出しに行っていたロビン達も戻ってきて食事をとった後。
誰もがメリー号をどうするか、というのは気になっていたが大事な話は子供であるアデルとオトが寝た後で大人たちだけでするということになっていた。
「それで、どうするの?」
港であるために寝ずの番は必要ない。今までならそうなったらルフィとの体を重ねていた一同だが今はそれをする気分にはなれなかった。
本来なら順番を迎えるはずのビビとカヤですらルフィに「ヤりましょ」と言うつもりはなかった。
それほどまでにメリー号は大事な船で、大事な家だった。
「まず、ここから先はキャラベルのメリー号の強度も能力による操舵にも限界がある」
「それは、そうだけど…」
船はルフィの能力で操舵していた。そのルフィ本人が限界を感じるのであればメリー号での航海は難しいとしか言えない。
だが、それはメリー号と別れるということになる。ノジコ達は船の元々の持ち主であるカヤの方を心配そうに見る――が、当の本人は思いのほか悲痛ではなさそうだった。
「俺の考えとしてはまず、船は購入するんじゃなく新たに建造してもらう。特に能力での操舵は普通の帆船じゃ限界があるからそこを改善する形で」
「じゃあ、メリー号とは…」
「その船の建造に、メリー号の木材を再利用しようと思ってる」
ルフィの考えにあの時、アイスバーグに船の木材は再利用できるのかと聞いたナミとカヤ以外の全員が驚いていた。
「全部が全部使えるわけじゃない。どこまでが使えるかは分からない。だが、その体を使ってメリー号は新しい船に生まれ変わる」
「そんなこと、できるの?」
「可能だ。って言ってもメリー号を陸に上げて解体してからどの程度使えるか確認することになる」
アイスバーグが言うには「15年ぐらい前までは島の外れにある廃船島という廃棄場から資材を集めて船を作っていた」と不可能ではないことらしい。
後の問題は金額と時間。いくらメリー号の木材を使うとはいえ全然足りず、それを含めた費用が必要になる。
あとは船を一から作ることになるため、時間がかかるそうだ。
「まあ、急ぐ旅でもない。費用についても――」
「うん、しっかり準備があるから」
倹約家であるナミのお金の管理は完璧でガレーラカンパニーでもらったカタログの新型の船も余裕で購入できるほどの予算がある。
後の問題はその新しい船に乗るであろう全員の意見。
「もしもこのままメリー号で旅がしたい、あるいは完全に新しい船に乗りたいっていう意見があるなら言ってくれ。船は俺たちにとっての家で命、そこに遠慮をしてこの先も航海を続けることはしたくねぇ」
「――なるほど。じゃあ新規の造船っていう契約でいいんだな」
「ああ、それにあたっていろいろと要望がある」
翌日、ルフィと一行の財布の紐を握るナミはガレーラカンパニーに行くとアイスバーグが出迎えてくれて昨日話し合って決めた方針を告げれば「よし分かった」とあっさりと認めてくれた。
本来なら専門の内勤職員がいるのだが「どうせ暇だ」とまた予定をキャンセルしたのかそう言って対応をしてくれていた。
「内装は設計時に話し合いたいがその前にまず、俺の能力を十全に使えるようにしたい」
「そういえば昨日も言っていたが、お前の能力は?」
「ああ、こんなんだ」
そう言ってルフィは「【チェンジ】」と能力を発動させれば、接客のコーヒーのお茶請け代わりのシュークリームがリンゴへと変わった。
突然の出来事にアイスバーグが目を丸くするが、気にせずにそれをルフィが齧れば『シャリ』『シャリ』ととてもみずみずしい音を立てた。
「タグタグの実。モノの情報を書き換えたり付与する能力だ。今までの船の操舵も帆や舵の情報を交換して俺一人でしていた」
「…なるほど。しかし、能力で動かす船か…」
ルフィの能力による操舵の有用性を理解したのだが、それを活用することにアイスバーグが難色を示した。
というのも能力を動力にする船は過去に造ったことはある。
しかしあくまで能力を動力に、という点でタグタグの実は少しばかり変化球なのだ。
「炎を生み出す」とか「風を操る」と単純なものと違う。
むしろどういう構造にするかというのが悩みどころだった。
「…ウチの設計士に任せてもいいが、そういう変わった船を作るのが好きだったやつがいる」
「それで、ここ?」
アイスバーグの紹介されたのは町はずれにあるフランキーハウスというちんちくりんな建物だった。
賞金稼ぎ兼解体屋というウォーターセブンにやってきた海賊団そのものを解体するというあまりいい噂を聞かない『フランキー一家』の棟梁であるフランキー。
過去に様々な船を設計したことがあり、そのアイデアは買っていたアイスバーグが「おれの紹介だと言えば話だけは聞いてくれるだろう」と、そのついでにメリー号の解体も依頼すれば頼みを無下にはしないとのことだった。
人はいるのだろう賑やかな建物の扉を叩けばその声が少し小さくなって網タイツに鎧という妙な風貌でゴーグルを掛けた男が出て来た。
「はいよ、どちらさん?」
「アイスバーグ社長からここにいるフランキーと言う男を紹介された。それと船の解体の依頼がある」
仕事だと聞いて「アニキィ!仕事の依頼です!!」と中に声をかけて「どうぞ」とルフィとナミを迎え入れた。
中には男と同じような風貌の男が仕事やら食事やら、あるいはトランプなどをしてるようでその際奥、海パンにアロハシャツを着たリーゼントの男が「客か」と立ち上がった。
「バカバーグの野郎の紹介らしいな。おれはァコイツ等を纏める家長のフランキーだ」
「俺は船長のルフィ。こっちはナミ、船の財務を担当してる」
自己紹介をすればフランキーは近くのソファにドカッと腰かけると「まあ、座れ。コーラぐれぇ出してやる」と言った。
勧められるままにルフィとナミが座れば板のように独特な髪形の女性がコーラ瓶を2つテーブルに置いて、同じ髪型の女性から新しい瓶を受け取ったフランキーがそれを開けながら「んで、仕事について聞こうか」と言った。
「まず、解体についてなんだが、うちの船を解体してほしい。その材木をガレーラカンパニーにまで運ぶのが依頼だ」
「オメェらの船を?ガレーラに売っぱらうつもりか?」
「いや、その材木から使えるものを新しく造る船に使うつもりだ。東の海からここまでずっと乗ってきたらからな、愛着もあるし何より大事な仲間が乗る船だからできる限り使いたいんだ」
船を大切にしているという気持ちを感じたのかフランキーは「ああ、わかった」とそれ以上は聞かなかった。
そして「おい、ザンバイ!」と先ほどルフィたちを案内した男を呼びつけると「仕事の準備だ。解体道具を準備しておけ」と指示を出した。
「んで、本題は?」
「…【チェンジ】」
ルフィが能力を使い、テーブルの上にあった瓶をグラスの形に変形させた。その様子に驚きながらも「悪魔の実か」と納得したフランキーにルフィは変えたグラスでコーラを口にした。
「俺はこういう風にモノの状態の変化や温度大きさ重さといった情報を操作する能力を持ってる。今までは普通の帆船に能力を使って操舵していたが、十分に発揮できる船が欲しい」
「そしたらアイスバーグさんが、そう言うアイデアは貴方が得意だって話だったから」
ルフィから引き継いでナミがそう言ったら思い当たるところが在るのか、どこか面倒くさそうながらもフランキーは「わーったよ」と引き受けてくれた。
そこからは、長期にわたるウォーターセブンの滞在が始まった。
船の図面引きはフランキーのアイデア待ちとなり、まずはフランキー一家にメリー号解体から取り掛かられた。
「……メリー号、可哀想」
「そうかもしれないね。だけど新しい船にメリーの思い出とかを持っていくにはこうするしかないの」
「………」
フランキーハウスに陸上げされて解体されていくメリーを見て悲しそうなオトをウタが慰める。
それからはメリー号のことで落ち込むオトと気分転換に観光したり、
初めて前の穴に入れて処女膜を破ってもらったのを悦んだり、
気のいい船大工達がアデルにアレコレと作業を教えたり、
スカートのと下にパンツを履かずに行って軽い露出行為をしたり、
あるいは政府御用達ということで人の目を気にして男性化したロビンたちが新しい船に入れる家具などを見て回ったり、
普段じゃできない一度に全員同時に相手にするということをしたり、
そうやって過ごしているうちに数日が経過した。
「アクアラグナ?」
「ンマー、要するに裏町を飲み込むほどの高波だ。この季節になると毎年来るから島の連中は慣れてるが、仕事はストップするしかない」
毎日のように工場を見学に行かたがるアデルを連れて解体したメリー号をガレーラへ搬入する打ち合わせに来たルフィにアイスバーグがそう言った。
確かにここに来るまでに何かの警報が町中に響き渡っているのは聞こえていたが、まさかそれが街を飲み込むほどの高波に対するものだとは思ってなかった。
「じゃあ、今日は船、作らねぇのか?」
「ん?あー、そうだが…そうだな。あとでいろいろと聞いて回ればいい。ただ木を加工して組み立てるのが造船じゃねぇ。図面の作成、ロープの結び、他にも経験や知識も大事な要素だ」
今日は見学できないと知ってガッカリするアデルにアイスバーグが「船大工として勉強したがってるやつを蔑ろにするヤツはうちにはいねぇ」と言った。
それにアデルは「わかった」と素直に頷いた。
「さて、本題に戻るがひとまず解体した木材・部品は予定通り今日中にドックへ運び一時的に保管する。あとはフランキーの仕事待ちとなるが…」
「――アゥ!呼んだか!!」
「うわっ!?」
まるでタイミングを図ったかのようにフランキーがやってきた。ノックもなしで扉を勢いよく開けたことでアデルがビクッと驚いて、それに気づいたフランキーがサングラスの位置を直すと「おう、驚かせちまったみてぇだな」と詫びるように頭を撫でた。
「フランキー、来るならカリファに話を通せと何度も…」
「ハッ、そう言ってお前が応じたことが何度あるんだ」
「今はおれがお前に仕事を依頼してる形だ。断るわけないだろ。それで?できたのか」
「オゥ!最高にスゥーパァーなモンが出来上がったぜ!」
そう言ってフランキーはテーブルの上に持ってきた図面を広げた。
予想外だったのはフランキーにはルフィのタグタグの実を使った機構のアイデアを依頼したのだが、彼はなんと船の図面を引いてきた。
「アッハッハッハ、悪魔の実を動力する構造ってのは考えれば考えるほど面白れぇアイデアが浮かんじまうな。おかげぇ船の図面まで作っちまった」
「おい、その作業はこっちの領分だと…」
「…すげぇ」
あくまで能力を使った機構を設計するだけの契約だったのだが、それ以上の作業にアイスバーグが苦言を呈そうとするとその図面を見たアデルがボソリとこぼした。
その呟きが耳に届いたのか、高笑いをしていたフランキーも眉間を抑えていたアイスバーグもアデルを見た。
「オゥ、嬢ちゃん!おれさまのすごさが分かったか!」
「え…普通と違うのは、なんとなく…こことか…」
そう言ってアデルが指さしたのは今回のメインとなる操舵機構――ではなく、船の船底部分に付けれた6つの区画だった。
4つのガレージに2つのパドルを収納した通常の船ではまず見ることはない機構だった。
「へっ、小せぇのに見る目があるな。この『ソルジャードックシステム』は本当は燃料を入れて動かす構造だったんだが、タグタグの実の能力の付与能力を使えばパドルのエネルギーに変えるのも簡単だ。4つのガレージにはそれぞれ買い出し船や潜水艇などを入れるつもりだぜ」
「おぉ…!あ、こっちのこの機構って帆に繋がって…」
「ああ、そうすればこれが連動するから…」
まるでアデルの勉強をフランキーが見てるような状況にルフィとアイスバーグも顔を見合わせた。
しかし、アデルはその設計図をワクワクした様子でフランキーに質問しており、それはいい影響だというのが分かる。
「…ウチの船大工のお眼鏡にかかったようだな。多少の変更があるかもしれないがこれを下敷きに話を進めていいか?」
「ンマー、顧客はそっちだ。それに、おれも…悪くない船だと思う」
フランキーの腕前については信用してたアイスバーグはその設計図に、彼が船を作ることを諦めきれてなかったのに気づいてそれ以上は何も言わなかった。
「…これ、例年なのか?」
「周りを見る感じ、いつもよりすごいみたいね」
アクアラグナが通り過ぎて朝を迎え、避難所から出てみれば半壊した街が広がっていた。
旅人であるルフィたちもそうだが、慣れている住人達も驚いてるところを見れば異常レベルのようだった。
「万が一のために貴重品を持ってきておいて正解だったな…」
「うん、ミカンの木もメリー号の材木と一緒にドックに置いてもらってよかった…」
フランキーハウスは海岸沿いに建てられているため、丸ごと持っていかれていた。
もしもメリー号やミカンの木を昨日のうちに搬入してなかったら波に攫われてしまっただろう。
ホテルの方はどうなってるか分からないが火事場泥棒ならぬ洪水泥棒でもいるかもしれないとお金などの貴重品を分担して持ち込んだのも功を奏しているようだ。
「一応たしぎたちはホテルの方に戻ってみてくれ。無事だといいんだが無理なら宿を探してくれ。おれはアイスバーグと話してくる」
街がこの状態なら船
少なくとも町がこの状況で造船がまともにできるとは思わないため、その打ち合わせをする必要があると思ったからだ。
「ンマー、心配はない。例年より被害はひどいが最悪の被害は常に考えている」
社員たちに指示を出していたアイスバーグはその引継ぎをゴーグルをつけて葉巻を加えた男に任せるとルフィにそう言った。
するとゴーグルをつけた男が「オメェら!裏町を仕事の合間に1か月で直すぞ!」と鼓舞していた。
「船の建造は心配するな。うちは顧客ファーストだ、予定通りに進める」
それから1ヵ月後
ゴーグルの男の宣言通り――ルフィたちも復興に手を貸してはいたが予定よりも早く裏町が見事に修繕を終えた。
やはりと言うべきか造船の合間の復興の両立はなかなか難しい。
そこで能力を使っての修復や残骸の撤去を申し出たのだ。最初はアイスバーグは「自分たちでやる」と言っていたのだが、「手伝った分早く船ができるだろ?」と言いくるめた。
復興が終わり、本格的な造船作業へと戻るとアイスバーグは「ンマー、世話になった礼だ」となんと世界最高峰の造船会社の精鋭である1番ドッグの職人が造船を担当した。
フランキーの設計を元に仕上げた図面に最初は困惑していた職人も流石と言える腕前で見事に船を完成させた。
「まぁ…」
「素敵!」
「いいじゃない!」
進水式に披露された船。
メリー号の数倍の大きさに彷彿とさせるライオン――?ヒマワリ――?太陽――?のヘッド。
それを見て一同は歓喜の声を上げた。見た目が遊覧船のような風貌だが、それでも海を駆けて行くのが楽しみなのは違いなかった。
「さて、ワインは誰がやる?」
「ワイン?」
「船の進水式には船体にワインボトルを投げて割る風習があるの。メリー号だと私がやったの」
なぜワインなのかとノジコが聞いたらカヤがそう説明した。
――ちなみにワインが割れないと不吉とされて、メリー号では割れなかったのだがそのことはカヤしか知らないことだった。
「オト、やる?」
「うーん…ううん。アデルお姉ちゃんのほうがいいよ」
「え、おれ?」
一番の年下で、こういうイベントでは一番優先されるであろうオトにやるかと聞いたがそのオトはアデルを推した。
理由は分からないしが、酒を受け取っていたビビが「はい」とアデルにボトルを渡した。
「じゃあ、アデル。思いっきりな」
「…うん、わかった。…これから、頼むな」
アデルは両手でボトルを持つと、一度船を見てから一言呟いて思いっきり振りかぶった。
「よろしくな、サウザンドサニー号!!」
そう言って投げたボトルは弧を描き、船体に当たると【バリン】と音を立てて割れた。
はい、まずは皆さん、前回までに「投稿を終了します」「やっぱりやろうかな」と作者のモチベーションがグラグラして執筆をつづけるかどうかご心配をおかけして待って申し訳ありません。
とりあえず今現在、仕事が夏季休暇に入ったためその間にいくつかの話を作っているところです。
さて、そんなこんなで今回はサウザンドサニー号の話となりました。
原作と違うからいろいろと悩みました…
まず大きな違いとしてロビンはCP9と接触してないしエニエスロビーには行ってません。
というのもアラバスタを出てからロビンの出自についてある程度は明かされたので海上はともかく、人の目があるときは変装として男性になっているため誰もロビンだとは気づいてないです。
それと原作では青キジが接触した際にロビンの存在を確認してますが、ここでは接触してないので政府・世間的にはロビンは【行方不明】となってます。
(デービーバックファイトを申し込まれても受ける理由がないし…)
そのため、ロビンがウォーターセブンにいることに気づかれてません。
それとCP9の作戦も麦わら海賊団(ルフィ冒険隊)に罪を着せることはできないためそのまま潜入続行という形にしました。
メリー号については、海賊として戦闘とかしてないため原作よりもダメージが軽微です。
ただ、それでもこの先の航海には不安ということでメリー号を分解し、それをサウザンドサニー号に使うということにしました。
(※この作品のサニー号は宝樹アダムを使ってません)
危険な空島にもいく必要がないから金塊をゲットしてないかもな…と考えてます。
フランキー一家も流石にカタギには手を出さないだろうし、ルフィたちは3億もってないし、ということで戦闘もないです。
そのまま船を作る流れにしようかと思ったんですけど、アデルを船大工見習いにするのも面白そうだな、と。両親が船大工だったし。
ということで数週間だけガレーラのところで勉強しました。
(その後は本屋で買った本で勉強するかな)
サニー号に関しては本当にどうするか、フランキーに設計させる流れもいろいろと悩んで本文の形となりました。
「フランキーは船を作ってくれるん?」っていう疑問ですが、言い訳的なことを述べるならフランキーはだいぶ前から宝樹アダムを購入する資金を集めてるし、本人も「つい船の図面を描く」と言ってるから「絶対にやらん!!」ってわけでもないはず。
ちなみにコーラエンジンの代わりにルフィの能力が動力でパドルはあるけど、クードバーストはない設定です(流石に強度が持たない)
その他の大きな違いはないため「クードバーストの機構がないサニー号」と思っていただければ…まあ、あったとしても使用する場面はないから関係はないと思いますが…
あとは命名はアイスバーグのを採用してますが、一応ここでもルフィとアデルがアイスバーグの元に来た際に決めた、ということにしてください。
本当はノジコやカヤ、たしぎとロビンなどで原作みたいにあれこれ珍妙な名前を出すのもいいかなと思ったんですけど、それでアイスバーグが命名する流れもどうかなぁ…って感じでカットしました。
あと、作中に入りきらなかったんですがフランキーがソルジャードックシステムにミニメリー2号を入れたのは泣いているオトを見てメリー号の木材を使って作った、という設定にしてます。
(シロモクバ1号とシャークサブマージ3号はどうしよう…4番はオトとアデルのために【飛び出すびっくりプール】が入ってます)
さて、今回の作品はここまでですが一つ。
気づかれた方もいるかもしれませんが投稿を「Unknown」による匿名を解除しました。
あそこまで応援してくださる方々がいて、それで先述したように二転三転しながらの投稿をしないようにケジメとして名前を公開することにしました。
もう一つ理由があり、実を言うとネタがほぼほぼ尽き始めてきました。
一応「ミキータ」と「ハニークイーン」が船に乗る展開だけは何とかなりそうですがそれ以外は全然…
そこで活動報告にてキャラクターとシチュエーションの募集をしようと思います。
詳しい応募事項は活動報告にて掲載してるので、希望するキャラクターやシチュエーションがあるのならアイデアの投稿をお願いします。
残念なことに次もエロ要素はあまりないです。
追記:
予定を変更して次回R18の話となります。