でもまださわさわっとした感じですw
あ、一応、百合警報です。一応。
「その上で私からお訊ねするわ。……姫君が覚醒されたのはご存知?」
立城は僅かに目を細め、次いで息を潜めた。この場合、姫という名で言い表されるものは幾つかある。まずは吉良瀬の姫と呼ばれる斎姫だ。が、恐らく斎姫のことを凪はわざわざ姫とは言い表さない。それに斎姫のことを言うならわざわざ比喩的な表現を使わなくとも問題はない。何しろ斎姫の状態を誰よりもよく知っているのが優一郎だからだ。
心の底で何度か取捨選択を繰り返して立城はにっこりと凪に笑みかけた。
「いつですか」
「昨日」
答える凪の声には迷いがない。最初から立城が訊き返すことを承知していたのだろう。なるほど、と立城は答えてしばし黙考した。
「僕が原因ですね?」
「ある意味ではイエス。でもある意味ではノー」
凪が静かにそう答える。要するに立城が記憶を失うほどのことが起こった件は、覚醒のきっかけに過ぎず、実質の意味での原因は別のところにあるという意味だ。立城は凪の答えを胸中で何度か繰り返しながらそうですか、と微笑んだ。
今は意識の糸は完全に外界とは遮断されている。そうでなければ今すぐにでも水輝を呼び出して事情を問うところだ。立城は苛立ちにも似たものを覚えつつも平然さを装った。
早く回復しなければならない。凪の言い表したのが金色の扉であるなら、じきに自分が必要になる。その時に回復していませんでした、ということになれば洒落にならない。
「困りましたね。僕はこの通りですし」
にっこりと笑って立城は自分の左胸に手をあてがった。やはり違和感がある。保険は保険として役に立ったらしいが、今度は逆に急がなければならなくなった。
背に腹はかえられない、か。立城は胸中で苦く呟いてから凪に笑みを向けた。
「水輝と連絡はとれますか?」
「ごめんなさい。今は無理だと思うわ。あの子、電話をどこかに置き忘れているらしいの」
そう言って凪が楚々と笑う。困った人ですね、と立城も一緒に笑った。
となると、だ。立城は内心で呟いた。口許に手をあててしばし考えを巡らせる。どちらにしろ、ここにいつまでも居座る訳にはいかないだろう。先の件では恐らく優一郎に迷惑をかけているし、凪にも当然、手間をかけさせている。下手をすれば多輝や斎姫、ここにいる関係のない者たちにまで迷惑をかけているかも知れないのだ。
「一つ、提案があるのですが」
にっこりと笑って立城は手にしていた湯飲みをテーブルに置いた。何でしょう、と凪が微笑む。
「凪さん。あなたの純潔を僕に頂けませんか」
「あら。困ったわ。私、実はバージンではないの」
立城の問いに凪がくすくすと笑いながら答える。あれ、と立城は笑ってみせた。ごめんなさい、覚え違いでしたか。さらりと続けて立城は頭をかいた。凪はくすくすと笑いながら静かに腰を上げた。手にしていた湯飲みをそっとテーブルに戻す。
「伽のお相手をするのは私は一向に構わないわ。ちょっと優一郎さんに訊いてくるわね」
そう言って凪は静かに部屋を出て行った。立城は笑顔で凪を見送ってから湯飲みに手を伸ばした。少し冷めかけた茶を慎重にすする。この器になってからというもの、全ての刺激が強すぎてかなわない。いつか慣れるのかな。何となくそう呟きながら立城は深くため息をついた。
しばしの後、凪が部屋に戻ってくる。凪は笑みを浮かべて告げた。
「構わないそうよ」
「それは良かった」
にっこりと笑って立城は静かに立ち上がった。幸い、動ける程度にまでは回復している。凪が傍にいる間に力を少しずつ注いでくれていたからだ。立城はパジャマのボタンを一つずつ外しながら苦笑した。
「何だか照れますね」
出来れば避けたかったがやむを得ない。心の底で凪と水輝に詫びながら立城は静かにパジャマの上衣を床に落とした。下着を着けていないため、胸の膨らみが露になる。凪がベッドに近づいて立城の肩をゆっくりと押す。立城は促されるままにベッドに腰を下ろした。
凪が静かに立城の隣に腰を下ろす。片手に胸の膨らみをそっとつかまれ、立城はぴくりと眉を寄せた。
「きれいな胸……。傷一つないのね」
「それはまあ」
力で構成するため、表面の傷は力さえあれば消すことは可能だ。だがその意味では凪も恐らく同じだろう。そう思いながら立城はちらりと凪を見た。凪が細い指先に立城の乳首を軽くつまむ。
「舐めてもいい?」
「どうぞ」
問いにすかさず答えて立城は微笑んだ。触れられている部分から徐々に力が立城の器に注がれている。凪は立城の正面に回ると跪いた。両手で優しく乳房を撫でる。触れるか触れないかという微妙な愛撫に立城は思わず息を詰めて唇を噛んだ。
伸びた舌先が乳首の先を軽く撫でる。その感覚に立城は眉を寄せてシーツを強く握りしめた。凪が口許に笑みを浮かべて舌先を乳首の先に触れるか触れないかのところで左右に振る。立城は出そうになった声を殺して首を反らした。天井を仰いで深い息を吐く。
「まあ。もう感じているのね」
くすくすと笑いながら凪が囁く。濡れた乳首の先端にわざと呼気をかけられて立城は思わず身震いした。下腹部にじんわりと熱いものがこみ上げてくる。
「そ、うですか? 敏感に、なってるの、かな」
熱い息を吐きながら立城は困ったように笑った。すると唐突に凪が立城の両の乳首を指先で強く握る。いきなりの強い刺激に立城は掠れた声を上げて仰け反った。
凪は割と容赦がないです。