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よいしょ、と小さな声で言いながら立城はベッドを降りた。部屋の結界を強化してからドアを開ける。立城は背伸びをして静かにドアを閉じてから廊下を進んだ。優一郎はベッドで静かに眠っている。あれだけの衝撃を受けたのだ。そうすぐには目覚めない。
立城は口許に微笑を浮かべて廊下を一人、歩いた。意識を這わせて地下施設内を探る。多輝や斎姫、要、そして鈴は未だに工作室の中に眠ったままだ。白銀は冥界の犬と戯れているらしいが、そろそろ限界だろう。きっと三人が満足するより早く、ストレスで機体が限界に達する。
ゆっくりと廊下を進んでキッチンに居る梨恵に挨拶をする。梨恵は食事の準備中らしい。忙しなく働きながら立城に声だけ返す。そんな梨恵に微笑みを残してから立城は静かに優一郎の部屋に向かった。
ドアをノックする。だが答えはない。立城は壁越しに部屋の様子を見て取ってから静かにドアを開けた。その途端、部屋の隅にいた凪がびくりと身体を震わせて目を上げる。
「どうですか? 性欲は少しは落ち着きましたか?」
ドアを閉め、凪に近付きながら立城は声をかけた。すると凪が真っ赤になって目を逸らす。だが背中に両手を隠して凪は鋭い目で立城を睨んだ。相変わらず気が強い。そんな凪の反応に苦笑して立城は首を軽く傾げた。
「納まらないならどなたかに抱いてもらったらいかがです? 自慰程度ではその情欲は抑えられませんよ」
「……言いたいことはそれだけ?」
凪が挑戦的に立城を見る。立城はおやおやと笑って肩を竦めた。
「僕はただ、あなたに報告をしにきただけですよ。空の標」
立城が告げた瞬間、凪が目に見えて硬直した。そんな凪を見つめながら立城はくすくすと笑った。
「僕が気付かないとでも思ったんですか」
そう言いながら立城は踵を返した。凪は言葉もなく唇を噛みしめている。その目に憎悪にも似た光が浮かんだことを立城は気配で知った。
「標は標。予定通り、封じて頂きましょう。それでは」
小さく笑いながら立城はドアを開け、部屋を後にした。再び静かに廊下を進み、自分にあてがわれた部屋に戻る。背伸びしてドアノブを回した立城は音がしないよう、注意深くドアを開いた。
そっとドアを閉じて額に指を当てる。立城は深く息を吸って部屋そのものを外側から力で固め、完全に閉じた。空気以外のものを通れないように注意深く結界を固めてから続く力を放つ。瞬きするほどの間に立城は幼い少年の姿から、青年の姿に転じた。
「ちょっとまだ本調子じゃないしね。この程度は勘弁してもらおうかな」
小声で呟きながら立城は自分の頭に手を当てた。紫色の髪の間には二本の小さな角が生えている。瞳は京紫のままだ。完全に人の青年の姿を維持するには、若干力が足りないのだ。
さてと。そう呟いて立城はベッドに向かった。横たわる優一郎にかかっていた布団をそっと剥がし、左胸に手をあてがう。立城は目を細めて一気に手を優一郎の胸に埋めた。意識を失ったままの優一郎の身体がびくん、と跳ねる。だが立城はそれに構わず優一郎の器の中を探った。
それまでずっと形を成していなかった優一郎の力は今は龍宝珠を形成している。その中から立城は黒宝珠を選び取った。滑らかな龍宝珠の表面を指で優しく撫でる。するとその指に反応して優一郎が身体を震わせた。
「欲望の海よ」
口の中で呟いて立城はそっと右手の人差し指を立てた。軽い抵抗の後、指が宝珠に埋まっていく。温かな宝珠の中を立城は静かに指で撫でた。まるで膣壁のように宝珠が指に絡み、擦っていく。その感覚に薄い笑みを浮かべながら立城はしばし宝珠を指で犯し続けた。
凪は強情だから……w