「僕、もてなかったから」
だから縁がなかったのだ。立城はそう告げた。
「そんなことは無いと思いますけど。母上は、母さんとってややこしいな、由梨佳さんは抱いたでしょう?」
「だから……人って」
それは真也や水輝、多輝、それから火藍と順とは交わったことがある。だが由梨佳も含め、彼らは人ではない。少し拗ねて唇を尖らせつつ立城はちらりと優一郎を伺った。
「人よりもヒューマノイドのほうが龍神の宿体に近い気がします。ある意味、龍神の宿体も作り物ですから当然といえば当然ですけど」
立城とは対照的に優一郎は酷く淡々と告げる。立城は本格的に拗ねてそっぽを向いた。そういうことじゃなくて、人と違うのかって訊きたかったのに。呟くように言うと優一郎が苦笑してみせた。
「端的に言ってしまうと違います」
そう言って優一郎が立城を抱え起こす。立城は支えられるままに優一郎にすがりついた。軽く開いた足の間に優一郎が立城の身体を落とす。立城は突き上げられた瞬間、微かに声を漏らして仰け反った。体重が乗るせいか、正常位の時よりも深いところにペニスが潜り込んでくる。
「完璧すぎますから」
熱いペニスの感触に震えながら立城は優一郎の胸に頭を預けた。あれだけ快楽に晒されたというのに、まだ身体は疼いている。立城はうっとりと目を細め、囁くように告げた。
「抱き心地、変じゃない?」
「変ですよ。膣の感触が気持ちよすぎます」
くすくすと笑って優一郎が立城の身体に腕を回す。まるで思っていたことを読んでいるかのように優一郎が立城を抱きすくめる。
「もしかしてもっと変えた方がいい?」
言ってもらえれば身体の形をある程度は変えることが出来る。立城は抱かれる心地の良さに目を閉じて告げた。
「人間より優れているのに、変える必要はないでしょう?」
そう言いながら優一郎が立城の腰を両側からつかむ。立城の腰がゆっくりと上下する。再び訪れた快感の波に襲われながら立城は甘い息をついた。
「必要、なら……って、思った、から」
こうして抱いてもらっているのだから、せめて要求には出来るだけ応えたい。立城は掠れた声でそう続けた。
「体験したいのは地上の王と呼ばれる最強クラスの龍神の女性の抱き心地なので」
そう答えて優一郎は苦笑した。その気配を感じて立城はのろのろと顔を上げた。じゃあ、と掠れた声で紡ぐ。
「今日、体験したら、もう終わり?」
今はいい。優一郎が疼く身体をこうして慰めてくれている。だが、また身体が疼いた時はどうすればいいのだろう。立城はぼんやりとした面持ちで考え込んだ。その間にも優一郎がゆっくりと立城の腰を上下させる。そのスピードがほんの少しずつ上がっていることに立城は気付かなかった。
「生身の女性はやはり趣味ではないですから。母上。欲情したなら、別にあの少年の宿体を用いてそれを解消してもかまわないと思いますよ」
困ったように笑いながら優一郎が告げる。せっかくこんなに気持ちいいのに、と少し残念に思いながら立城は深く息をついた。これまで、誰かと性交してここまで気持ちがいいと思ったことはなかったかも知れない。何でだろう、と考えて立城はふと横を向いた。
ベッドの脇に浮かんだ試験管には真っ赤な血と透明な愛液がそれぞれに満ちている。
「そう……。この身体、好きじゃないんだ……」
甘い息をつきながら立城は小声で告げた。次第に呼吸が上がってくる。それまで膣口付近を行き来していたペニスが段々と深いところに届く。
「それに、あなたは僕の母上ですから」
禁忌を侵すのは一度にしたいなあ。そう続けて優一郎が唐突に立城の腰から手を離す。それまで緩やかな刺激しか与えられていなかった立城は、急に襲ってきた強い刺激に思わず声を上げた。小さく震える立城の腰を再度、優一郎が持ち上げる。
「少年の姿なら、水輝さんを抱いても問題は起こらないと思いますよ」
くすりと笑って優一郎が告げる。立城は再び腰を落とされ、悲鳴じみた声を放った。柔らかな快楽に緩んでいた膣壁がペニスを擦るために締まっていく。
「で、でも……そんな、こと」
どうしても言われた状況が想像できず、立城は喘ぎながら掠れた声を返した。
「母上はこっちは?」
小さく笑って言いながら優一郎が立城の尻に手を回す。驚きに息を飲んだ立城は次の瞬間、高い声を上げて身体を震わせた。優一郎がいきなり肛門に指先を挿れたのだ。忘れかけていた感覚が蘇る。
「くあっ! んっ! そこはっ!」
激しく喘ぎながら立城は優一郎を見上げた。優一郎が笑ってゆっくりと指を進める。かたく窄まっていた立城の肛門は優一郎に揉み解され、徐々にひらいていった。
「水輝さんのここを攻めてみるのも楽しいんじゃないかな、とか」
笑い混じりに告げた優一郎が肛門に挿入していた人差し指を一気に根元まで突き入れる。膣と腸の両方を攻められた立城はそれだけで絶頂に達してしまった。思考の弾け飛んだ脳裏に水輝の喘ぐ姿が思い浮かぶ。
「母上。僕の案、良いでしょう?」
立城の耳元に囁きながら優一郎が指先で腸壁を撫でる。立城は絶頂の余韻に浸る暇もなく、びくんと身体を震わせて腰をひくつかせた。忘れていた感覚が呼び覚まされる。
「次に欲情したら、するべきことは、わかりましたよね?」
ゆっくりと噛んで含めるように優一郎が言う。立城は甘く掠れた声で鳴きながら何度も頷いた。我慢が出来なくなり、立城は膝をベッドについて腰を自分から上下し始めた。膣壁でペニスを強く扱く。膨れた亀頭が勢いよく膣壁を擦り、奥の壁を突く。奥に亀頭を感じたところで腰を横に回転させる。かつて真也に教わった通りに立城は腰を艶かしく動かした。
「へえ……慣れてますね」
亀頭を何度か膣奥に擦りつけてから、再び腰を上げ、また腰を落とす。感心したように声を上げた優一郎が腸壁を指で強く擦る。その度に立城はびくん、と腰を震わせた。
「これなら、こっちに挿れても大丈夫そうですね。母上、行きますよ?」
そう告げて優一郎が立城の腰を持ち上げる。膣からペニスが音を立てて抜ける。立城は嫌がって首を横に振った。だが挿れて、と頼んでも優一郎は再び膣にペニスを挿入しようとしない。
立城はベッドにうつ伏せにされた。腰を持ち上げられ、膝立ちの格好になる。そこでようやく立城は優一郎の意図を悟って嫌だと喚いていた口を噤んだ。
エピタイは立城の心の叫びということで。