莢花は震える手で水輝のジーンズの前を開いた。とにかく男性器を出さなければ交わることは出来ない。莢花は少し身を乗り出し、水輝の下着をそっと引っ張った。
「ん」
水輝が微かに声を漏らす。だがまたすぐに水輝は寝息を立て始めた。莢花は声にびくりと震え、恐る恐る水輝を伺った。水輝はだが起きる気配がない。少し横を向いて眠ったままだ。莢花は自分に言い聞かせるように頷き、再び水輝の股間に意識を集中した。
ジーンズと下着を一緒につかみ、そっと下にずらす。現れた水輝のペニスを見た莢花は困惑した面持ちになった。これをあそこに入れるというのは判る。だがどうやって入れるのだろう。眠る水輝と同じように力なく横たわるペニスをじっと見つめたまま、莢花は考えを巡らせた。
「とりあえず、ふぇらちおとかいうのやるしかないわね」
友達から聞いたことのある話を思い出し、莢花はそう言ってこぶしを握りしめた。そうすればいいに違いない。自分に言い聞かせながら莢花は膝で水輝の腰元にすり寄った。萎えた水輝のペニスを恐る恐る指ですくい上げる。
莢花の目には男性器はとても不思議なものに見えた。まるでそこだけが別の生き物のようにも思える。莢花はごくりと唾を飲み込み、緊張に震えながら水輝の股間に顔を埋めた。とにかく舐めればいいのよ。そう自身に言い聞かせて莢花は舌を少しだしてそれをぺろりと舐めた。そこで動きを止める。だがそうしてみても水輝のペニスの様子は全く変わりない。
「銜えなきゃだめかな。えいっ!」
そう言って莢花はぱくり、と水輝のペニスを口に含んだ。その瞬間、微かな呻きが聞こえる。莢花は驚きに目を丸くして顔を上げた。水輝が少し眉を寄せて手で額を覆う。
「んー……」
だが水輝は寝ぼけているのか、また寝息を立ててしまう。莢花は緊張に激しく脈打つ胸を押さえて水輝の股間を見下ろした。ペニスがほんの少しだけ大きくなった気がする。そのことにぎょっとして莢花は焦って水輝の顔とペニスとを見比べた。
「なんだか、あたしのほうが……へん。んむっ……んあっ!」
奇妙なものがこみ上げてくる。莢花は自分でも気付かないうちに頬を染めていた。むず痒いものが股間を襲う。莢花は震える手で水輝のペニスをすくい、口に含んだ。すると舌が自然と動いて口の中で水輝のペニスを舐め始める。
「う……ん。んー……?」
微かに水輝が声を漏らす。その時にはもう、莢花は水輝のペニスを舐めることに熱中していた。口の中で徐々ペニスが大きく、硬くなっていく。
「んっ、くふっ! んふぅん!」
莢花は唾液を塗しながら水輝のペニスを根元から先端に向かって舐めた。その瞬間、水輝がびくりと震える。
「なっ……! さ、莢花!?」
驚いた声を上げて水輝はがば、と起き上がった。慌てた水輝に引き剥がされ、莢花はその場にへたり込んだ。
「何してるんだ! お前!」
真っ赤になった水輝が引っくり返った声で言う。
「あたし、お兄ちゃんが好きだから!」
水輝の声に負けない大声で莢花はそう言い返した。そこで水輝が硬直する。どうやら莢花が裸になっていることにやっと気付いたらしい。焦った様子で莢花の肩から手を離し、じりじりと後ろに逃げようとする。
「いっ、いや、あの、ちょっと待て! おれも莢花は好きだけど、でも」
必死の面持ちで言いながら水輝が動きを止める。真っ赤な顔をした水輝の目は莢花から離れない。しばし莢花を見つめていた水輝が慌てた声を上げて自分の股間を手で覆う。莢花の目にもはっきりと水輝のペニスは勃起しているように見えた。
「お兄ちゃん、さっきはごめんなさい。お兄ちゃんの言葉疑ったりして」
「え?」
恥ずかしそうに俯いていた水輝が慌てたように顔を上げる。だがすぐにまた水輝は俯いてしまった。
「いや、おれの方こそごめん。自分の気持ち、押し付けるみたいな真似して」
消え入りそうな声で水輝が言う。水輝はそれから慌ただしく周囲を見回し、布団の横に積まれていた莢花の服を取り上げた。余所を向いたまま服を莢花に突き出す。
「とにかく落ち着け!」
莢花は差し出された服ごと水輝の腕を横に押した。
「落ち着いてなんかいられないわ! お兄ちゃんの気持ちがわかったのに。あたし、お兄ちゃんが好きなの。だから、抱いて」
「へ!?」
水輝が目を丸くして莢花を見る。硬直している水輝の頬を両手に包み、莢花は自分から唇を合わせた。口づけを受けた水輝の手から莢花の服が落ちる。莢花はそのまま腕を伸ばして水輝の首筋に抱きついた。
ちょっと短めですみません。
分けるとどーしても短くなるシーンだったので……。