次から本番です。
「龍神に、ただ人が対抗することなどほぼ不可能です。僕の監督不行き届きであなたに危害を加える事態になってしまい、こちらこそ申し訳有りませんでした」
「そんな」
慌てたように鈴が顔を上げる。だがすぐに鈴は焦ったように視線を落としてしまった。
「私はいいんです。優一郎様の命令は絶対に聞くようにとお館様に申し付かっておりますので」
どうかお気になさらず。小声でそう告げて鈴はぺこり、と頭を下げた。だが頭を下げたまま鈴は顔を上げようとしない。不思議に思って優一郎は鈴に声をかけようとした。が、それより少し早く、鈴が意を決したように勢いよく顔を上げる。
「あの! 実は、お館様には他にも命令を受けておりまして……」
そこまで言って鈴がかっと頬を染める。優一郎は瞬きをして鈴を見下ろした。鈴はじっととあるところを見つめている。その視線が向かっているのが自分の股間だと気付き、優一郎は困ったように笑った。開いていた白衣の前を閉じ、ボタンをかける。
「どのような命なのか、お聞きしてもよろしいですか?」
にっこりと笑って優一郎は訊ねた。鈴が真っ赤な顔をしたまま、視線を彷徨わせる。だがすぐに鈴は決意したように頷いた。
「はい。優一郎様がお望みであれば、その身を捧げるようにと申し付かっております」
淀みなく言って鈴が優一郎を見つめる。
「それは正確な命なんだね。君は、あるひとつの解釈に縛られているようだけど、いくつか他の解釈の余地があることを理解してるかい?」
噛んで含めるように優一郎はゆっくりと告げた。鈴が目を丸くして首を傾げる。だがすぐに言われていることを理解したのだろう。あ、と小さな声を上げて俯いてしまう。
「す、すみません。考えが至りませんでした」
消え入りそうな声で鈴が詫びる。俯いているために表情は見えないが、髪の間に見え隠れする鈴の耳は真っ赤になっていた。どうやら相当に恥ずかしいと感じているようだ。
「単純に僕が望むならセックスをしろという解釈も可能だし、例えば僕の研究素材として君を用いてもいいという解釈も可能だし、極端な話、君という存在を僕のものにしてしまってもいいという解釈もできるよね?」
そう言って優一郎はにっこりと笑った。慌てたように顔を上げ、鈴がはい、と頷く。だがそんな鈴から流れてくる感情を読んだ優一郎は思わず吹き出しそうになった。口許に手をあてがって何とか衝動を堪える。
おかしいなー。お館様はいけいけごーごーだってゆってたのにー……。
どうやら泰蔵は鈴に変なことを吹き込んだらしい。挙句、タイプなのにー、という残念そうな思惟まで飛び込んでくる。
「僕は君を抱きたいと思う。ただし、君が全てを僕に捧げてくれるならという条件付きだけど、かまわないかい?」
鈴の思惟を読みながら優一郎はにっこりと笑いかけた。途端に鈴の嬉しそうな思惟が頭に飛び込んでくる。だが鈴はさすがに感情を面に出すような真似はしなかった。神妙な面持ちではい、と頷く。
実際に鈴には興味はある。が、房中術に嵌ってこちらが操られるようなことになってはどうしようもない。そう警戒していた優一郎は鈴が頷くのを見て微かな笑みを口許に浮かべた。
「それじゃあ、今、この瞬間から君の全ては僕の物だ。さあ、服を脱いで」
「ちょっ、ちょっとお待ちください! 汚れた身体を差し出すのは余りに失礼ですので、せめてシャワーを」
鈴が焦ったように優一郎を制する。それを聞いた優一郎はなるほど、と呟いた。
「そのままでいいよ」
そう言いながら優一郎は白衣を脱いだ。鈴が焦った声を上げる。だがすぐに諦めたのだろう。鈴はわかりました、と返事して着ていた物を脱ぎ始めた。服を解くと下着が現れる。優一郎は鈴の傍に立ち、じっとその様子を見つめた。ブラジャーを外すと少し小さめな乳房が露になる。左右の乳房の大きさは若干の差がある。左側の方が多少大きいのは心臓があるからだろうか。優一郎は遠慮のない目でつぶさに鈴を観察した。
鈴はこの性格なのでなかなか愉快な使い方をされます。