「他の相手とは違う特別な存在として、大切に想っていらっしゃるという意味です」
「おれは奈月が大事だけど? 他とは違うし」
笑って返してから水輝は雑煮を平らげた。困ったような顔で奈月が傍に佇んでいる。水輝は仕方ないな、と笑って奈月に手招きをした。箸で栗きんとんを少しつまんで奈月に向ける。
「ほら。あーんして」
「あっ、はい」
慌てたように頷いて奈月が口を開ける。反射なのか奈月は口を開けて目を閉じている。水輝はこっそりと立ち上がって奈月の口に栗きんとんを入れた直後、奈月の後頭部をつかんで唇を合わせた。
小さな口を唇でこじ開けて舌を差し込む。水輝は手にしていた箸をテーブルに乗せ、奈月の身体に腕を回した。呻く奈月の身体を強く抱いて口の中を舌で探る。するとそれまで身体に力をこめていた奈月が小さく呻いて脱力した。
「んっ……」
甘く滑らかな栗きんとんを互いの舌の上で溶かしながら味わう。水輝は静かに奈月の腰に手を伸ばした。固く結わえられた帯を解きにかかる。だが帯は思った以上に難しい結ばれ方をしていて、すぐに解けそうにない。水輝はまあいいか、と心の中で呟いて着物の合わせ目に手を入れた。水輝に押されて奈月がよろけて少しずつ下がる。そのまま奈月をベッドに倒し、水輝は着物の下に隠れていた柔らかな胸に手を這わせた。
奈月に深く口づけながら水輝は薄く目を開けた。ベッドの隅に立てて置いていたタンポンの箱が倒れている。それを横目に水輝はゆっくりと奈月の肩から着物を滑らせた。奈月が力なく水輝のシャツをつかむ。辛うじて理性が残っているのか、奈月は何とか腰を上げようとしているらしい。相当、着物が汚れることを気にしているのだろう。
白く柔らかな乳房が剥き出しになる。水輝は左手で奈月の乳房を弄りながら着物の裾の間に手を入れた。振袖と肌襦袢をそっと指で押し上げて腿に直に触れる。口づけの合間に何かを言おうとする奈月の唇を塞いだまま、水輝は指を滑らせた。だが今ひとつ動かしにくい。水輝は仕方なく分け目を強引に開いた裾を一気に跳ね上げた。
すっかり濡れそぼった陰部に触れる。潤みをたっぷりと指に絡めて水輝はわざと音を立てて奈月を弄った。ひくつく奈月の腰を左腕にかたく抱きしめ、唇を静かにずらす。もう、奈月は何かを水輝に問うことはない。ただ快楽のままに喘いでいる。その様子に薄く笑い、水輝は奈月の白い肌に舌と唇を這わせた。
「中、触るぞ」
奈月の耳元に囁いて水輝は指を出来るだけゆっくりと膣口に挿れた。膣内に溜まっていた愛液が水輝の指に押され、溢れてくる。奈月の陰唇を伝い、白い肌を滑った愛液が着物に染み込んでいく。
男とか女とか別にどっちでもいいじゃねえか。心の中で水輝はぼやいた。軽く持ち上げた奈月の腿の間に顔を埋める。膣壁を優しく指先で撫でながら水輝はクリトリスに唇をつけた。
恋だの愛だのってどうしてそう、簡単に連発するかな。あいつらもそうだ。そう思いながら水輝は唇でクリトリスを軽く吸って舌を伸ばした。くすぐるように舌先でクリトリスを弄ぶ。
都子も火藍も散り際に愛しい者のことだけを思っていた。相手の幸せを願い、祈り、そして自らの想いを託して死んでいったのだ。だから順はあれほど抵抗していたにも関わらず、新しい名前を受け継ぐしかなかった。
そして立城は最愛の弟のためにあれだけ暴走した。かつての水輝と同じように。
「挿れるぞ」
低い声で告げて水輝は奈月に圧し掛かった。手早くジーンズの前を開く。かたく屹立したペニスを右手に支え、水輝は腰を一気に押し出した。
「きゃっ……あっ、ああん!」
ぬめる膣内にペニスが潜り込む。奈月の愛液がペニスに押し出され、尻や腿を伝って流れていく。水輝は奈月に深く口づけながら腰を大きく揺すった。悶える奈月の膣内を何度も強く突く。水輝が抽迭するたび、奈月の陰部からは愛液が漏れて流れた。
永久の誓約。
脳裏に過ぎった姿をかき消すように、水輝は激しく奈月を突いた。自然と息が上がってくる。膣壁を勢いよく亀頭が擦る。まるであつらえたように奈月の膣はぴったりと水輝のペニスに吸い付いてくる。水輝は次第に奈月を抱くことに夢中になっていった。両腕の中に奈月を抱きこんで膣奥を狙って腰を深く突き出す。亀頭で膣奥の狭まりを抉るように弄び、また腰を引く。
定められた道も予定された未来も見たくない。記憶を消すなと頼んでも決して頷いてはくれなかった。すまない、と詫びた横顔が脳裏に過ぎる。
「奈月……。キス、してくれ」
掠れた声で囁くと奈月が震える腕を水輝の首に回す。すがりついた奈月が水輝に唇を寄せる。赤く小さな唇が震えながら水輝の唇に触れる。激しい抽迭を繰り返しながら水輝は奈月の頭に手を回した。
軋むベッドからタンポンの箱が転がり落ちる。
引きずられるな。見失ったらまた狂気に襲われる。自分にそう言い聞かせながら水輝は一気に腰を引いて身体を起こした。迸った精液が奈月と着物の上に散る。それまで喘いでいた奈月が驚いたように目を見張る。水輝は肩で息をつきながら先端が白く汚れたペニスを握った。奈月に跨って上体を傾ける。
小さな呼びかけが遠い。水輝は荒い息をつきながらペニスに残っていた精液を手で扱きだした。鈴口から零れた精液が糸を引いて奈月の腿の間に落ちる。乱れた肌襦袢を水輝は無造作にめくろうとした。そこで我に返る。
奈月が泣きそうな顔をしている。水輝ははっと目を見張り、手を止めた。ねっとりとした精液の雫が小さな音を立てて着物の上に落ちる。
「……ごめん」
「あっ! だいじょうぶです」
奈月が慌てたように言ってから口の中で何かを呟く。やがて散っていた精液が奈月の差し伸べた両手の中に集まる。水輝は黙って奈月のすることを見つめていた。奈月は呪文を詠唱し続けている。そのうちに奈月の手の中で精液と青の力が混ざり始める。緩やかな渦を描いてそれが段々と小さくなっていく。
強く輝いた青白い光が一気に収縮する。奈月の手の中に集まったものはひとつの宝石になった。トルマリンブルーの美しい丸い宝石が奈月の手に収まっている。
「器用だなあ」
水輝は苦笑して身体を起こした。ペニスにまとわりついていた精液すら影も形もなくなっている。
ちょっとミスして19日のままでうっかりアップしました。
クリスマスにアップする予定にしてあります。
見えた方すみません(汗)