私は内緒に付き合っていた彼氏と交わっていた。
しかし、それとは別れてしまう。
身体の変化に気付かずに。
私は今日も学校にを終えると、バイト先の喫茶店へ向かった。
タイツを履いて気合い十分だ。
「レンちゃん、こんばんは」
「店長、こんばんは」
ちょび髭の店長が迎えてくれた。
「レンちゃん、ちょっとべっぴんさんになった!?」
「そ、そんな事ないですよ」
周りからそう言われることが多くなった。
そんなに綺麗になったっけ?
しかしこの後、事件が起きる。
「う、ううううううう痛たたたたたた」
「レンちゃん!?」
別れた彼氏と交じってからしばらくは私はこれまで腹痛を感じてきたものの、一番の痛みが襲ってきた。
お腹を抑え、黒い膝をついてしまう。
事態を重く見た店長が救急車を呼んだ。
病院での診察の結果はこれだ。
「おめでたでございます」
「レンちゃんに赤ちゃんが出来たの……?」
「私、お母さんになるんだ……」
私の身体には新たな命が宿っていた。
店長が拍手をする。
「おめでとう、レンちゃん」
それには複雑な気分だ……。
赤ちゃんが出きるまでの経緯を話す。
「彼氏がいたの!?」
「最近別れましたけど」
その男は自分の子が出来たことを知らないのだろうか……。
妊娠しても私は学校に通った。
日が経てば経つほど、お腹が大きくなっていく。
いつも履いているタイツはマタニティ用に履き替えた。
隠せないほど大きくなった頃、教室で友人の中紅ユアと萌黄ホミと共に会話した。
2人は私のお腹を見ていた。
「大きくなったわね」
ユアが言う。
「この中に人がいるのが神秘的だね」
ホミが言う。
「あんただって、はじめはお母さんのお腹の中いたじゃあない」
「私だってお腹にいたわよ」
人間は誰だってお母さんのお腹から生まれてくるのは当たり前だ。
ホミがこんな提案をする。
「お腹触ってもいい?」
「優しくね?」
ホミの手が新たな命が宿る大きなお腹に触れる。
私の子供は元気よくお腹を蹴る。
「あ、動いた! 元気だね」
「私も触っていい」
ユアの手も触る。
予定日について訪ねてくる。
「動いているわね。生まれるのはいつ?」
「2ヶ月後だけど」
お腹の子の性別まで訪ねる。
「性別はどっち?」
「女の子よ、おちんちんがついてなかったわ」
「あなたみたいな子に育って欲しいわ」
「ちょ、私だけでなくお腹の子まで狙う気!?」
「親子丼だね」
ユアという子は私に対してよくスキンシップをとってくる。
恋愛感情みたいな物があるのかな?
妊娠しても、バイトを続けた。
運動不足解消と生活費、そしてこの子の教育費を稼ぐためだ。
目立つ大きなお腹を客に見せながら、注文を運んでいく。
「お腹大きいのに働くね、レンちゃん」
「はい、この子のためですから」
「ちょっとは自分のことにも気をつけてね、レンちゃんだけの命じゃあないから」
「元気な娘を産みますから」
日は過ぎて、お腹の子はどんどん育っていく。
そして私は臨月を迎えた。