※この作品はR-18です。

【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話   作:月見ハク

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修学旅行編
幼馴染を寝取る力を手に入れた(一日目 金・昼)


 観光バスの車窓から、ぼーっと外を眺める。

 うだるような暑さで、歴史的な街並みが熱気で揺らめいて見えた。

 

 今日は、高校の修学旅行の初日。

 クラスメイトたちは、バスガイドさんの案内をすっかり無視して、ぎゃあぎゃあと騒いでいる。

 どうせ恋バナか、恋バナに近い話で盛り上がっているのだろう。

 恋愛とは縁遠い俺には、関係のない話だ。

 

 ふと、隣の空席に誰かが座った。

 

「やっほー、ぼーやん何してんの?」

 

「アヤか。あー……外、見てた」

 

「外?」

 

 俺の視界に、茶髪のショートヘアがずいっと現れた。こっちの席に身を乗り出して、窓の外を見ている。

 白い半袖ブラウスがまぶしい。

 

「何もないじゃん」

 

 そう言って、アヤがこちらを向く。

 

「うっ……」

 

 至近距離で、真っ正面から見るアヤの可愛さに、変な声が出てしまう。

 

 南鳥アヤ。 

 茶髪のショートヘアが特徴的な、同じクラスの女子。

 そして、俺の小学校時代からの幼馴染だ。

 

 アヤはボーイッシュな外見通り、明るくサッパリした性格で男子からも女子からも人気がある。

 そのくせ、顔が整っている。

 比較的童顔だし、今はすっぴんなので「愛嬌のある可愛さ」にとどまっているが、化粧をしたら一気に「美人」に様変わりしてしまうだろう。

 

「ちょっとぼーやん、『うっ』て何よ、『うっ』て……」

 

 アヤが、馴れ馴れしく俺の肩をポテっと叩く。

 むっとした表情も、これまた可愛いらしい。

 この誰にでも人懐っこい感じが、アヤの数多ある魅力の一つだ。

 まあ、ここまでスキンシップが多いのは、男では幼馴染の俺と、もう一人くらいなのだが。

 

「あ、いやごめん……うわっと」

「わきゃっ」

 

 観光バスが急ブレーキで止まり、その拍子でアヤが俺にもたれかかってきた。

 どうやら観光名物の鹿が、道路に出てきてしまったらしい。運転手さんがそう説明している。

 

「アヤ、大丈夫?」

 

「うーん、ぼーやんゴメンね」

 

 アヤが俺から体を離す。

 信じられないほど柔らかい感触が、俺から離れていく。

 ブラウスの襟元はボタンが一つ外されていて、そこから服の中が見えそうだ。

 俺は、慌てて視線を逸らす。

 

 いつかクラスの男子が、「Dか…いやEはあるぞ」と囁き合っていたバスト。

 アヤの数多ある魅力の一つだ。

 

「そろそろ席戻ったら? 時田も心配するんじゃない?」

 

「あー……今日は、一緒に座ってないんだ」

 

 アヤは、どこか気まずそうな顔をする。

 

「へぇ、そうなんだ」

 

 恋愛に疎い俺に、その表情の意味は分からない。

 だから、なんでもない返事をすることしかできない。

 

「うん……。じゃーね、ぼーやん」

 

 なんとなく物悲しい顔をして、アヤは自分の席に戻っていった。

 クラスの男子たちが、そんなアヤの後ろ姿を視線で追う。

 

 アヤは、昔からク(・)ラ(・)ス(・)で(・)2(・)番(・)目(・)に(・)可(・)愛(・)い(・)女(・)の(・)子(・)だ。

 

 中学に上がり、男女の関係がよそよそしくなる年頃になっても、アヤは男子とも分け隔てなく接していた。

 彼女は、男子女子構わず自分の考えたあだ名を付けて呼ぶ。

 一歩間違えばイタい奴なのだが、そこにまったく嫌らしさや計算を感じないため、逆に好まれるという稀有な存在だ。

 ちなみに、俺の「ぼーやん」というあだ名も、アヤに「いつもぼーっとしてるから」という理由で名付けられた。

 それが次第に、「身長高くてぬぼーっとしてるから」「お坊さんみたいに悟って見えるから」といった属性まで追加されて、今ではクラス中が俺をぼーやんと呼んでいる。

 

 とまあ、そんなワケで、誰彼構わずフレンドリーに接するアヤに、クラスのほとんどのヤツが惹かれていた。

 じゃあなんで、そんな彼女がクラスで2番目なのかというと…。

 

「よ、ぼーやん…今さ、アヤと何話してたん?」

 

 隣の空席に、スポーツ刈りの陽気そうな男が座った。

 アヤの彼氏の、時田だ。

 アヤが、唯一あだ名で呼ばない男。

 

「別に……何してんのって聞かれただけだよ」

 

「んで、ぼーやんは何て答えたん?」

 

「外、見てたって」

 

「ぶはっ、お前…相変わらずぼーやんだよなぁ、うくく…」

 

 まったく何が面白いのか、時田は馬鹿にするように笑っている。

 

「アヤのとこに座んないの?」

 

「あー……ちっとな、ぼーやんだから話すけど、ここんとこさ、ちょっと俺ら上手くいってないんだ」

 

「へぇー……」

 

「いや、もっと興味持ってくれよっ!」

 

 時田は、笑いながらツッコミを入れてきた。

 悪く言えば軽くて、良く言えば裏表のない、さっぱりとした性格。

 アヤにはお似合いの彼氏だ。

 

 中学に上がってしばらくして、同じクラスだった時田はアヤに告白した。

 振られても振られても何度もトライし、三回目でようやくアヤは首を縦に振った。

 このとき、アヤは幼馴染の俺にあれこれ相談してきたけど、恋愛に疎い俺は、適当な返事しかしてやれなかった。

 

 アヤと時田は、喧嘩をしたり仲直りをして、今も仲睦まじく付き合い続けている。

 中学では名物カップルとして有名になり、一緒の高校に入ってからも、名物カップルとして名を馳せている。

 

 これが、アヤがクラスで2番目に可愛いと言われる理由だ。

 彼氏がいるアヤを、皆、おおっぴらに好きだとは言えない。

 だから、「確かにアヤは可愛いけど俺は別の子のほうが好みだな~」という予防線を張るのだ。

 

 でも、俺にとっては。

 

 小学校の時からずっと、クラスで一番可愛い女の子だった。

 

 

***

 

 

 観光名所だという大仏様の前で、俺は一人、ぼーっとしていた。

 本当は班行動なのだが、どうにも一人になりたくて、こっそり抜けてきたのだ。

 

「はぁ……」

 

 なんなのかよく分からない感情が、ため息となって出ていく。

 さっきから思い起こすのは、バスの中での、アヤの柔らかい感触と甘い匂い。

 

「いかんいかん」

 

 俺は両頬をパシンとはたいて、煩悩を退散させる。

 別に実家はお寺ではないのだが、ぼーやんぼーやんと呼ばれ続けたおかげで、なんとなくお坊さんのようなメンタリティになりつつある。

 

 

「ぼーやん?」

 

 耳をくすぐる猫のような声。

 振り返ると、アヤが立っていた。

 なんとなく所在なさげに、こちらを見つめている。

 

「アヤ……も、一人なの?」

 

「ああ、うん……ちょっとねー」

 

 根は真面目なアヤが、班行動を抜け出すなんて珍しい。

 

「どうした? なんかあったの?」

 

「あの、さ……ぼーやん、ちょっと相談乗って、くれるかな?」

 

 

***

 

 

 俺とアヤは、大仏様の裏手にある、人影の少ない場所にいた。

 二人して、ベンチに並んで腰掛ける。

 

「で、どうした? 時田となんかあった?」

 

「え、よく分かったね……」

 

 事前に時田から「うまくいっていない」と聞いていたからこそ、出てきた質問だ。

 普段の鈍感な俺なら、絶対に気づいていなかっただろう。

 現にアヤも、俺が気づくとは思ってなかったのか、目を見開いて驚いている。

 

 やがて、その長いまつ毛がそっと伏せられた。

 

「あのね……最近、時田が……なんていうか、強引なんだ」

 

「強引とは?」

 

「あー……なんていうか、え、エッチなこと、求めてくるといいますか……」

 

「…………」

 

 俺は、沈黙してしまった。

 なんでか分からないが、脳みそが上手く働かない。感情がまとまらず、頭がクラクラする。

 

 アヤは俺の沈黙に妙な安心感を覚えたのか、「ぼーやんだから話すんだけどさ」と言って、赤裸々なカップル事情を話し始めた。

 

 曰く、中学時代は恥ずかしくて、デートでもアヤは手をつなぐのが精いっぱいだったらしい。

 うん、これはアヤから聞いたことがある。

 

 曰く、高校に入ってからは、時田のお願いに根負けして、軽いキスと軽いハグはするようになったらしい。

 これは、初めて聞いた。

 

 曰く、最近は、ハグをしていると強く抱きしめてきて、キスをするともっと激しいキスを催促してくるらしい。

 

 …………。

 

 情報量が多すぎて、過激すぎて、俺の脳みそはパンク寸前だ。

 しかも、なぜか胸のあたりがギリギリと痛む。

 どうしてか、無性に腹が立つ。

 

「……アヤはその、イヤ……なのか?」

 

 辛うじて、そう聞けた。

 

「わかんない……時田のことはもちろん嫌いじゃないんだけど、そういうことしてくる時田はちょっと、こわい」

 

「そうなんだ」

 

 アヤは、意外にもウブな性格をしている。

 男とも平気でフレンドリーに接するが、いざ恋愛対象として見られたり、女として扱われたりすると、途端に茹でダコのようになってしまうのだ。

 

 最初に時田に告白された時も、顔を真っ赤にして両手でアワアワした挙げ句、その場から逃走した。

 二度目に告白された時なんて、「む、むり、むりむり、むりむりむり」と壊れたラジオのようになっていた。

 だから、三度目の時に、何も言わずにコクリと頷いたのを見て、俺は心底目を疑ったものだ。

 

 俺が「そうなんだ」以外の言葉を紡(つむ)げない様子を見てか、アヤは急に謝りだした。

 

「ごめんっ! ぼーやん、いきなりこんな話されても困るよね」

 

「え、いや、うん……」

 

「うん、ごめんごめん、でもなんかぼーやんに話したらスッキリしてきたよー、ありがとね!」

 

 絶対そんなことないだろうに、アヤは笑ってそう言った。

 遠慮なく人の懐に入ってくるように見えて、実は人の心に敏感で気にしい。

 これは、俺だけが知っているアヤの魅力の一つだ。

 

 俺がまたも黙ってしまったので、アヤは焦った様子で話を変えてきた。

 

「と、ところでさ、ぼーやんはその、気になる人とかいないの?」

 

 気になる人?

 アヤを抜いて気になる人は……特にいないな。

 

「いや、俺そういうの、よく分かんないんだよね……ていうか、俺が人と付き合うとか、想像できないっていうか――」

 

「もったいない!」

 

「はぇっ?」

 

 アヤが急に大きな声を出すものだから、俺もびっくりしてしまった。

 そんな俺にかまわず、アヤがずいっと距離を詰めてくる。

 大きな二重の目が、俺をじっと見つめた。

 

「もったいないよ、ぼーやん!」

 

「えっと、何が?」

 

 困惑する俺に、アヤが拳を握って断言した。

 

「ぼーやんは、もっとガツガツしたら絶対モテる!」

 

 モテ……る?

 俺が?

 お坊さんとか、女子と二人きりになっても絶対に変なことにならなそうだから「アンパイマン」とか言われてる、俺が?

 

「みんな、ぼーやんの良さを分かってないだけ!」

 

 アヤは、なぜか目に涙を浮かべていた。

 

 俺の良さ……を、アヤは分かってるってことか?

 

 なぜかその時、俺の心臓がドクンと跳ねた。

 徐々に、喜びに似た感情が体を満たしていく。

 俺は、何かにすがるように、アヤに返事をした。

 

「そう、なのかな」

 

 俺は、自分でも頬が紅潮していくのを感じていた。

 

 なんだこれ。

 なんでこんなに嬉しいんだ、俺。

 

「そうだよ、だから私、ぼーやんに好きな人できたら、めちゃくちゃサポートするから!」

 

 ガーンと、頭をハンマーで打たれたのかと思った。

 

 浮かれた気持ちが吹き飛び、一気に奈落の底に落とされたような感覚に襲われる。

 

 その後、アヤとは一言、二言会話をした気がする。

 「班に戻るね」と去っていく後ろ姿を見送った気がする。

 

 気づけば、俺は大仏様を見上げながら、ぼーっとしていた。

 

 俺は、悟った。

 自分の気持ちに気づくのが、遅かったことに。

 アヤを好きな気持ちに、ずっとフタをしていたことに。

 気づいてしまえば、俺は昔からびっくりするほどアヤに惚れていたことに。

 そして、今さらそれに気づいても、完全に手遅れだということに。

 

 それなのに。

 

 俺は今、アヤに恋い焦がれていた。

 アヤが欲しくて欲しくて、欲しくて欲しくてたまらない。

 

 俺は、一心不乱に大仏様に祈った。

 

「もうどうなってもいいから、俺にアヤをください……!」

 

『――叶えます』

 

 誰かの声が聞こえた気がして、目を開ける。

 気づけば漆黒の闇が広がっていた。

 そして、また誰かの声が響く。

 

『――叶えました』

 

 パッと視界が戻る。

 目の前には、温厚そうな大仏様が座っている。

 

 幻覚、幻聴?

 

 いや、違う。

 

 今のは多分、神様的な何かの声だ。

 なぜか、そうだという確信がある。

 

 神様は、「叶えた」と言った。

 でも別に、世界は何も変わってない。

 アヤが、急に俺に惚れた、なんてこともない。

 それもなぜか分かる。

 

 ただただ、俺(・)が(・)変(・)わ(・)っ(・)た(・)。

 

 なんというか、活力のようなものが止めどなく溢れてくる。

 どんなことでも、今の俺ならできる気がする。

 どんなことをしても、誰も俺の邪魔をすることができない。

 

 絶対に、アヤを手に入れることができる。

 

 そんな確信がみなぎっていた。

 

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