※この作品はR-18です。

【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話   作:月見ハク

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新年もボーイッシュ幼馴染をよろしくお願いします…!




幼馴染と軽口を叩きあった(十四日目 木・午後)

 あっという間に、文化祭前日になった。

 朝早く登校すると、学校中が活気に満ちている。

 もう授業はなく、生徒たちが朝から文化祭の準備に追われていた。

 

 うちのクラスも、二組と合同でやるお化け屋敷の設営で、てんてこ舞いだ。

 俺が任された看板作りは、もう終わっている。

 なので、二組に行って設営を手伝う。

 

「お、ぼーやん来たな! 早速そこの机を縦に並べてくれ」

 

 陣頭指揮をとる時田が、テキパキと指示を出してきた。

 

「分かった」

 

 俺は、指示通りに机を運ぶ。

 

 お化け屋敷は、ちょっとした迷路構造だ。

 机を二つ上に重ね、そこに板を張り付けて壁にする。

 所々にお化け役や仕掛け役が隠れるスペースがあり、前を通り過ぎるお客を脅かすというアトラクションだ。

 

 俺は配られた配置図を見ながら、その通りに机を置いていく。

 

 

「ふぅ」

 

 ゴール付近に、机を縦に三個ずつ二列置いて、さらにその上に机を三個ずつ二列重ねていく。

 けっこうな重労働だ。

 最後の一個を重ね終えたとき、ふわっと甘い匂いがした。

 

「やっほー、ぼーやん」

 

 茶髪のショートカットが、ひょこっと視界に入ってくる。

 

「アヤ、おはよう」

 

 俺は、機嫌の良さそうな幼馴染を見つめた。

 

「うん、おはよ」

 

 アヤは一瞬目を泳がせたが、すぐに見つめ返していた。

 「いかんいかん」という心の声が聞こえてきそうだ。

 学校で、俺から目を逸らすことをやめたらしい。

 

「アヤ、今日は体調大丈夫?」

 

「うん、元気だよ! 昨日、あんまり手伝えなかったから頑張ります!」

 

 アヤは昨日、学校を早退した。

 

 美術準備室で、アヤを何度も絶頂させたのが一昨日。

 無理をさせてしまったのか、アヤはその翌日――つまり昨日、文化祭の準備中に体調を崩し、保健室に行き、そのまま早退した。

 

 アヤは今週に入って、二日も体調を崩している。

 

 無理もない。

 大会、遊園地、文化祭の準備……と、ただでさえ忙しないのに、俺のせいで重大な選択を迫られている。目まぐるしいにもほどがある。

 時田との今後に、女友達との関係……不安やストレスも半端ないだろう。

 

 

「一日目は私、ここに隠れるんだよ」 

 

 アヤが楽しそうに話しかけてきた。

 心労は微塵も感じさせない。

 

「ここって……この机の下?」

 

「そうそう、ほら机を縦に並べたから、下がほら穴みたいになったでしょ? この中に寝っ転がって、獲物を待ちかまえるんだ」

 

「獲物が通ったらどうするの?」

 

「手をぐわっと伸ばして、足首をつかむ」

 

 アヤが目の前に腕を伸ばし、拳を握った。

 

「それは……ビックリしそうだね」

 

 俺だったら、小便チビる自信がある。

 

「ちゃんと加減しないとヤバいんだ。最悪転んじゃうかもしれないから」

 

 俺は肘を軽く曲げて、「ん」とアヤに目配せする。

 アヤは俺の腕めがけて、ぐわっと手を伸ばしてきた。

 がしりと力強くつかまれる。

 

「アヤ、これは強すぎ。お客さんコケちゃうよ」

 

「ありゃ、じゃあ……こんくらい?」

 

 今度はふんわりと腕をつかんできた。

 

「いや、それは優しすぎ」

 

「難しいもんだな~」

 

 俺とアヤは、いたって自然に触れ合った。

 まるで、仲の良い幼馴染のように。

 まわりの生徒たちからも、仲の良い幼馴染のように見えているだろう。

 

 一見すると、俺たちの距離感は修学旅行前と変わらない。

 

 でも、アヤが俺の腕から手を離すとき。

 指が、寂しそうにそっと腕を撫でてくる。

 俺も、名残惜しくてアヤをじっと見つめてしまう。

 

 とてもじゃないけど、仲の良い幼馴染になんか戻れない。

 

 

 ついついアヤと視線を交差させていると、時田が声を掛けてきた。

 

「アヤ! ちょっといいか?」

 

「あ、うん……じゃね、ぼーやん」

 

 時田は教室の出入口から、アヤを手招きしている。

 アヤは重い足取りで、彼氏のもとへ向かった。

 

「今日、昼ちょっと時間ある? けっこう大事な話がある」

 

「……いいよ、私も話あるんだ」

 

 一見すると、いつものカップル同士の会話に聞こえるだろう。

 でも、向かい合う二人の距離は、いつもより離れていた。

 

 

***

 

 

 お昼過ぎ。

 俺は廊下から、空き教室の中を覗いていた。

 教室の真ん中には、アヤと時田が向かい合って立っていた。

 

 別に、アヤや時田の後をつけたわけではない。

 待ち合わせの時間も場所も知らない。

 ただ直感に従い、たまたまこの場所に来たら、二人と出くわしたのだ。

 

 緊張に顔を強張らせるアヤに対し、時田はリラックスしていた。

 なんともいえない優しげな顔で、アヤを見つめている。

 

 最初に口を開いたのは、アヤだった。

 

「あのさ時田、私たち、さ……」

 

 アヤは、必死に言葉を探しているようだった。

 

 ――距離を置こう。

 ――このままじゃダメな気がする。

 ――ごめん。

 ――私、もう時田のこと。

 ――お互い離れたほうがいい。

 ――時田が悪いんじゃない。

 ――別れよう。

 

 渦巻く感情をうまく言葉にできず、口をパクパクさせている。

 手をギュッと握り込み、その拳が震えていた。

 

 やがて意を決して続きを告げようとしたとき、時田が言葉を被せてきた。

 

「アヤ、体はもう平気?」

 

 低くて、有無を言わさない声色だ。

 最近の、高くて焦ったような口調ではない。

 

「え、あ、うん」

 

「そっか……あのさ、もう無理しなくていいから」

 

「え?」

 

「辛かったんだろ? 大会でこっぴどく負けて、なのに遊園地なんて付き合わせちゃってさ。落ち込んで疲れてんのに、ちゃんと気にしてやれてなくてゴメン!」

 

 時田が、頭を下げた。

 その横顔には、心底申し訳ないという表情が浮かんでいる。

 

「なんか俺、最近焦ってたんだよな……だから、ほんとゴメン!」

 

 アヤが「いいよ」と言うまで、頭を上げない感じだ。

 しかしアヤは、何も言葉を発さなかった。

 

 しばらくして時田は、自分から顔を上げる。 

 その表情に、焦りめいたものはなかった。

 

「そんで、本題なんだけど……文化祭の後の後夜祭でさ、今年からベストカップル賞ってのやるらしいんだけど」

 

「う、ん……」

 

 アヤが、わずかに身を引いた。

 嫌な予感がしたのだろう。

 俺も、同じ感じがした。

 

「女子連中が声がけしまくってるみたいでさ、俺とアヤにめっちゃ票が入るらしい」

 

 アヤの心臓がドクンと跳ねたのが分かった。

 

 ベストカップル賞……うっすらそんな催しをやると聞いた気がする。

 確か、文化祭の二日間で投票箱が設置されて、後夜祭で発表されるんだっけ。

 

「んで、実行委員会としても、今年から始まるイベントだし準備しっかりしたいから、俺たちで内定しときたいんだってさ。アヤの友達の分だけでも、票むっちゃ集まるっぽいし」

 

 アヤは、呆然と立っていた。

 

 心情が伝わってくる。

 アヤは、視界がグラグラ揺れるほどにうろたえていた。

 

 女友達たちが動いている。

 実行委員の人たちも動いている。

 それを全部ひっくり返すのは、アヤにはハードルが高すぎる。

 

 いや、それだけで、今のアヤはこんなにうろたえないだろう。

 

 多分だが、小学校時代のトラウマが関係している。

 みんなの前で何かを発表されて、既成事実になって、それを覆さないといけなくて……アヤはすごく辛い思いをしたのかもしれない。

 

 時田はアヤの様子を気にもとめず、楽しげに話し続ける。

  

「なんかすげえサプライズ演出みたいなのも、もう準備進めちゃってんだって。俺とアヤ、なんか変装させられるんだってよ? 最初に『え、誰?』みたいに会場をざわつかせんだってさ」

 

 興奮気味に笑う時田とは対象的に、アヤは絶望的な顔をしていた。

 彼女の心に、黒くて重いものがずしりと覆いかぶさっていく。

 

 そんなアヤの動揺にやっと気づいたのか、時田は少し慌て出した。

 

「あ、ゴメン、勝手に話進んじゃってて困るよな。アヤは無理しなくていいよ、セリフとかパフォーマンスとかは俺がやるからさ、アヤは笑って隣に立っててくれれば……」

 

 アヤの体が、フラリと揺れる。

 前のめりで倒れそうになり、近くの机に手を置いた。

 

「うおっ、大丈夫!?」

 

 時田はとっさに手を伸ばし、アヤの二の腕をつかんだ。

 

「んっ……」

 

 アヤの口から、悩ましげな声が漏れる。

 無意識に、発してしまったのだろう。

 俺がキスをしたり体に触れたりするときに出す、いつもの切なげな声だ。

 時田も、誰も、聞いたことのない声。

 時田の理性を、容易に破壊する声だった。

 

「……アヤ、立ちくらみか?」

 

 時田は、アヤの二の腕をつかみながら、ゆっくり体を引き寄せた。

 顔を近づけて、キスを迫る。

 

 アヤはつかまれていないほうの手を、時田の眼前に突き出した。

 

「ちょ……時田ごめん」

 

「は? 何でよ」

 

 時田がアヤを覗き込みながら、さらに顔を近づけた。

 アヤは身をくねらせ、その唇から逃れようとする。

 

「待って時田、あのね……」

 

「修学旅行では、したじゃん」

 

 時田が、二の腕をつかんでいないほうの手で、アヤの腰を引き寄せた。

 

「やっ、ちょっと……あっ やだってば」

 

 抵抗を口にしながら、ほんのり混じるアヤの切ない声色に、時田はもう我慢できないという顔になる。

 その下半身は、ズボンがこんもりと膨らんでいた。

 

「なんで、ダメなん?」

 

 時田が、低い声で言う。

 

「聞いて時田、あのねっ――」

 

 

 俺は、もう我慢の限界だった。

 

 修学旅行の駐車場でのキスとは違う。

 アヤは明らかに嫌がって、拒絶している。

 いや今の俺は、アヤが嫌がっていなかったとしても、耐えられないのだろう。

 

 俺は、空き教室に突入すべく一歩を踏み出す。

 

 その時、キーンと耳鳴りがした。 

 

 ――行くな。

 ――動くな。

 ――邪魔するな。

 

 神様の直感が、頭の中で叫んでいる。

 

 頭の中に大量のイメージが流れ込んできた。

 直感というには鮮明すぎる映像。

 江藤先生からアヤを救い出したときと同じ。

 この先に起きるであろう、未来の記憶だ。

 

 ――時田がアヤを強引に引き寄せて、唇を重ねる。

 襲うような、前のめりなキスだ。

 力任せに抱きしめられたアヤは、なんとか時田を押し返す。

 そこではっきり自覚する。

 ぼーやん以外に、触れられたくないと。

 ぼーやんは、本気で嫌がったらやめてくれる。

 絶対、嫌がることをしないだろう。

 アヤは涙を流しながら、時田に告げる。

 「ごめん、別れて」と。

 そうして、教室を飛び出すアヤを俺は追いかけて――。

 

 

 神様は、これがアヤを手に入れる最短コースだと提示してくる。

 

 そうなのだろう。

 だが俺はもう、他の男がアヤに指一本でも触れるのを、許すつもりはない。

 

 俺はためらうことなく、空き教室のドアに手を掛けた。

 その時。

 

 ガタンッ――。

 

 何かが机にぶつかる音がした。

 見れば、時田が机にのけ反っている。

 

 アヤが、時田を突き飛ばしていた。

 

 

 ――――問題ない。

 

 神様の直感が、少し遅れて軌道修正する。

 このアヤの行動は、直感でも予測できなかった。 

 

 

「あ、時田ごめんっ……」

 

 アヤが両手を突き出した格好のまま、謝った。

 

「いや、俺も……がっつき過ぎたわ」

 

 時田も、我に返った様子で謝っていた。

 しかしその表情は、どこかムッとしている。

 

「……ううん、ほんとにごめん」

 

 アヤが真っ青な顔で、今度は頭を下げる。

 突き飛ばしてしまったことだけじゃなく、これまでや、これからについても謝っているように見えた。

 

 時田が、なだめるような口調で話しかける。

 

「あのさ……週末久々に、デートしよう?」

 

「え……?」

 

「ほら最近さ、俺らなんつーか、まともなデートしてなかったじゃん。そういうのもあんのかなって。まあ、フラストレーションつーか」

 

 アヤは無言だった。

 頭を下げ、茶髪が横顔を隠しているので、俺のほうからはどんな顔をしているのかが見えない。

 

「てかさ、そろそろ俺らが付き合った記念日じゃん?」

 

 それはもう、とっくに過ぎている。

 初デート記念日すらも。

 

「ごめん、いきなり誘ったもんな……都合とかあるだろうし。また後でメールするから」

 

 アヤは、ただコクリと頷いた。

 

「……俺、ちょっと実行委員のミーティングあるからさ、先行くわ」

 

「……うん」

 

 時田が、逃げるようにこちらに向かってくる。

 俺は、急いでドアから離れ、廊下の角まで走って隠れた。

 

 

 

 

 時田が去った後。

 廊下の陰で、アヤが出てくるのを待つ。

 

 三分ほど経っただろうか。

 アヤが空き教室の入り口に姿を見せた。

 そのまま廊下を向こうのほうへ歩いていき、突き当たりにある女子トイレに消えていく。

 

 

 俺もトイレの前まで行くと、再びアヤを待った。

 

 アヤは、大丈夫だろうか。

 多少克服できたと思ったトラウマが、大きくなって再び現れたのだ。

 人一倍気にしいで、臆病で、人間関係が壊れるのを恐れるアヤが……この状況で、時田に別れを告げられるのだろうか。

 

 一瞬だけ、心配する。

 

 しかし、一瞬だけだった。

 俺は、さっきの空き教室での光景を思い出す。

 直感の予想を超えて、時田を突き飛ばしたアヤの姿を。

 

 

 

 

「あれ、ぼーやん! どうしたの!?」

 

 アヤが、目を丸くして立っていた。

 

「ああ、文化祭準備のためにここ歩いてたら、トイレ入ってくアヤ見かけてさ」

 

「そう、なんだ」

 

 アヤは頬を赤らめた。

 トイレに入るのを見られたのが、恥ずかしいらしい。

 

 よく見ると、髪が少し濡れていた。

 目元も腫れている。

 けっこう泣いて……何度も顔を洗ったのだろう。

 胸が、ぎゅうと締め付けられる。

 

「大丈夫?」

 

 つい、聞いていた。

 今の俺は、さぞや「心配で仕方ない」という顔をしていることだろう。

 

 アヤはハッとして、すがるような目を向けてきた。

 揺れる瞳から、アヤの心が伝わってくる。

 

 ――ぼーやん。

 私は、ぼーやんと。

 でも、どうしよう。

 どうしたら。

 こわい。

 たすけて。

 

 ……ダメだ。

 だめ。

 ぼーやんに甘えちゃダメだ。

 私が、決めなきゃ。

 私が、決める――。

 

 

「うん? 大丈夫だよ?」

 

 アヤは、強がってみせた。

 明らかに、大丈夫じゃない顔だ。

 でも、アヤは自分で乗り越えようと決めた。

 

 力づくでアヤをかっさらうことは簡単だろう。

 俺が出ていって、強引にアヤを寝取ったことにしてもいい。

 そのほうが、アヤもきっと楽だ。

 

 でもアヤは、立ち向かうことを選んだ。

 自分の力で、俺の元へ来ると。

 

 なら俺は、そんなアヤを見守るだけだ。

 

 

「ああ、いつもの悩みの無さそうなアヤだったわ」

 

「なんだとっ!」

 

 俺たちは、仲の良い幼馴染のように軽口を叩きながら、教室に戻った。

 

 

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