【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話 作:月見ハク
■Kindle https://www.amazon.co.jp/dp/B0BQC35CL4
■FANZA https://book.dmm.co.jp/detail/b126afrnc00964/
下巻は海沿いラブホデート&頑張ったヒロインを幸せにする書き下ろし5万字が収録されているので、そちらも楽しんでいただければと思います!
新年もボーイッシュ幼馴染をよろしくお願いします…!
あっという間に、文化祭前日になった。
朝早く登校すると、学校中が活気に満ちている。
もう授業はなく、生徒たちが朝から文化祭の準備に追われていた。
うちのクラスも、二組と合同でやるお化け屋敷の設営で、てんてこ舞いだ。
俺が任された看板作りは、もう終わっている。
なので、二組に行って設営を手伝う。
「お、ぼーやん来たな! 早速そこの机を縦に並べてくれ」
陣頭指揮をとる時田が、テキパキと指示を出してきた。
「分かった」
俺は、指示通りに机を運ぶ。
お化け屋敷は、ちょっとした迷路構造だ。
机を二つ上に重ね、そこに板を張り付けて壁にする。
所々にお化け役や仕掛け役が隠れるスペースがあり、前を通り過ぎるお客を脅かすというアトラクションだ。
俺は配られた配置図を見ながら、その通りに机を置いていく。
「ふぅ」
ゴール付近に、机を縦に三個ずつ二列置いて、さらにその上に机を三個ずつ二列重ねていく。
けっこうな重労働だ。
最後の一個を重ね終えたとき、ふわっと甘い匂いがした。
「やっほー、ぼーやん」
茶髪のショートカットが、ひょこっと視界に入ってくる。
「アヤ、おはよう」
俺は、機嫌の良さそうな幼馴染を見つめた。
「うん、おはよ」
アヤは一瞬目を泳がせたが、すぐに見つめ返していた。
「いかんいかん」という心の声が聞こえてきそうだ。
学校で、俺から目を逸らすことをやめたらしい。
「アヤ、今日は体調大丈夫?」
「うん、元気だよ! 昨日、あんまり手伝えなかったから頑張ります!」
アヤは昨日、学校を早退した。
美術準備室で、アヤを何度も絶頂させたのが一昨日。
無理をさせてしまったのか、アヤはその翌日――つまり昨日、文化祭の準備中に体調を崩し、保健室に行き、そのまま早退した。
アヤは今週に入って、二日も体調を崩している。
無理もない。
大会、遊園地、文化祭の準備……と、ただでさえ忙しないのに、俺のせいで重大な選択を迫られている。目まぐるしいにもほどがある。
時田との今後に、女友達との関係……不安やストレスも半端ないだろう。
「一日目は私、ここに隠れるんだよ」
アヤが楽しそうに話しかけてきた。
心労は微塵も感じさせない。
「ここって……この机の下?」
「そうそう、ほら机を縦に並べたから、下がほら穴みたいになったでしょ? この中に寝っ転がって、獲物を待ちかまえるんだ」
「獲物が通ったらどうするの?」
「手をぐわっと伸ばして、足首をつかむ」
アヤが目の前に腕を伸ばし、拳を握った。
「それは……ビックリしそうだね」
俺だったら、小便チビる自信がある。
「ちゃんと加減しないとヤバいんだ。最悪転んじゃうかもしれないから」
俺は肘を軽く曲げて、「ん」とアヤに目配せする。
アヤは俺の腕めがけて、ぐわっと手を伸ばしてきた。
がしりと力強くつかまれる。
「アヤ、これは強すぎ。お客さんコケちゃうよ」
「ありゃ、じゃあ……こんくらい?」
今度はふんわりと腕をつかんできた。
「いや、それは優しすぎ」
「難しいもんだな~」
俺とアヤは、いたって自然に触れ合った。
まるで、仲の良い幼馴染のように。
まわりの生徒たちからも、仲の良い幼馴染のように見えているだろう。
一見すると、俺たちの距離感は修学旅行前と変わらない。
でも、アヤが俺の腕から手を離すとき。
指が、寂しそうにそっと腕を撫でてくる。
俺も、名残惜しくてアヤをじっと見つめてしまう。
とてもじゃないけど、仲の良い幼馴染になんか戻れない。
ついついアヤと視線を交差させていると、時田が声を掛けてきた。
「アヤ! ちょっといいか?」
「あ、うん……じゃね、ぼーやん」
時田は教室の出入口から、アヤを手招きしている。
アヤは重い足取りで、彼氏のもとへ向かった。
「今日、昼ちょっと時間ある? けっこう大事な話がある」
「……いいよ、私も話あるんだ」
一見すると、いつものカップル同士の会話に聞こえるだろう。
でも、向かい合う二人の距離は、いつもより離れていた。
***
お昼過ぎ。
俺は廊下から、空き教室の中を覗いていた。
教室の真ん中には、アヤと時田が向かい合って立っていた。
別に、アヤや時田の後をつけたわけではない。
待ち合わせの時間も場所も知らない。
ただ直感に従い、たまたまこの場所に来たら、二人と出くわしたのだ。
緊張に顔を強張らせるアヤに対し、時田はリラックスしていた。
なんともいえない優しげな顔で、アヤを見つめている。
最初に口を開いたのは、アヤだった。
「あのさ時田、私たち、さ……」
アヤは、必死に言葉を探しているようだった。
――距離を置こう。
――このままじゃダメな気がする。
――ごめん。
――私、もう時田のこと。
――お互い離れたほうがいい。
――時田が悪いんじゃない。
――別れよう。
渦巻く感情をうまく言葉にできず、口をパクパクさせている。
手をギュッと握り込み、その拳が震えていた。
やがて意を決して続きを告げようとしたとき、時田が言葉を被せてきた。
「アヤ、体はもう平気?」
低くて、有無を言わさない声色だ。
最近の、高くて焦ったような口調ではない。
「え、あ、うん」
「そっか……あのさ、もう無理しなくていいから」
「え?」
「辛かったんだろ? 大会でこっぴどく負けて、なのに遊園地なんて付き合わせちゃってさ。落ち込んで疲れてんのに、ちゃんと気にしてやれてなくてゴメン!」
時田が、頭を下げた。
その横顔には、心底申し訳ないという表情が浮かんでいる。
「なんか俺、最近焦ってたんだよな……だから、ほんとゴメン!」
アヤが「いいよ」と言うまで、頭を上げない感じだ。
しかしアヤは、何も言葉を発さなかった。
しばらくして時田は、自分から顔を上げる。
その表情に、焦りめいたものはなかった。
「そんで、本題なんだけど……文化祭の後の後夜祭でさ、今年からベストカップル賞ってのやるらしいんだけど」
「う、ん……」
アヤが、わずかに身を引いた。
嫌な予感がしたのだろう。
俺も、同じ感じがした。
「女子連中が声がけしまくってるみたいでさ、俺とアヤにめっちゃ票が入るらしい」
アヤの心臓がドクンと跳ねたのが分かった。
ベストカップル賞……うっすらそんな催しをやると聞いた気がする。
確か、文化祭の二日間で投票箱が設置されて、後夜祭で発表されるんだっけ。
「んで、実行委員会としても、今年から始まるイベントだし準備しっかりしたいから、俺たちで内定しときたいんだってさ。アヤの友達の分だけでも、票むっちゃ集まるっぽいし」
アヤは、呆然と立っていた。
心情が伝わってくる。
アヤは、視界がグラグラ揺れるほどにうろたえていた。
女友達たちが動いている。
実行委員の人たちも動いている。
それを全部ひっくり返すのは、アヤにはハードルが高すぎる。
いや、それだけで、今のアヤはこんなにうろたえないだろう。
多分だが、小学校時代のトラウマが関係している。
みんなの前で何かを発表されて、既成事実になって、それを覆さないといけなくて……アヤはすごく辛い思いをしたのかもしれない。
時田はアヤの様子を気にもとめず、楽しげに話し続ける。
「なんかすげえサプライズ演出みたいなのも、もう準備進めちゃってんだって。俺とアヤ、なんか変装させられるんだってよ? 最初に『え、誰?』みたいに会場をざわつかせんだってさ」
興奮気味に笑う時田とは対象的に、アヤは絶望的な顔をしていた。
彼女の心に、黒くて重いものがずしりと覆いかぶさっていく。
そんなアヤの動揺にやっと気づいたのか、時田は少し慌て出した。
「あ、ゴメン、勝手に話進んじゃってて困るよな。アヤは無理しなくていいよ、セリフとかパフォーマンスとかは俺がやるからさ、アヤは笑って隣に立っててくれれば……」
アヤの体が、フラリと揺れる。
前のめりで倒れそうになり、近くの机に手を置いた。
「うおっ、大丈夫!?」
時田はとっさに手を伸ばし、アヤの二の腕をつかんだ。
「んっ……」
アヤの口から、悩ましげな声が漏れる。
無意識に、発してしまったのだろう。
俺がキスをしたり体に触れたりするときに出す、いつもの切なげな声だ。
時田も、誰も、聞いたことのない声。
時田の理性を、容易に破壊する声だった。
「……アヤ、立ちくらみか?」
時田は、アヤの二の腕をつかみながら、ゆっくり体を引き寄せた。
顔を近づけて、キスを迫る。
アヤはつかまれていないほうの手を、時田の眼前に突き出した。
「ちょ……時田ごめん」
「は? 何でよ」
時田がアヤを覗き込みながら、さらに顔を近づけた。
アヤは身をくねらせ、その唇から逃れようとする。
「待って時田、あのね……」
「修学旅行では、したじゃん」
時田が、二の腕をつかんでいないほうの手で、アヤの腰を引き寄せた。
「やっ、ちょっと……あっ やだってば」
抵抗を口にしながら、ほんのり混じるアヤの切ない声色に、時田はもう我慢できないという顔になる。
その下半身は、ズボンがこんもりと膨らんでいた。
「なんで、ダメなん?」
時田が、低い声で言う。
「聞いて時田、あのねっ――」
俺は、もう我慢の限界だった。
修学旅行の駐車場でのキスとは違う。
アヤは明らかに嫌がって、拒絶している。
いや今の俺は、アヤが嫌がっていなかったとしても、耐えられないのだろう。
俺は、空き教室に突入すべく一歩を踏み出す。
その時、キーンと耳鳴りがした。
――行くな。
――動くな。
――邪魔するな。
神様の直感が、頭の中で叫んでいる。
頭の中に大量のイメージが流れ込んできた。
直感というには鮮明すぎる映像。
江藤先生からアヤを救い出したときと同じ。
この先に起きるであろう、未来の記憶だ。
――時田がアヤを強引に引き寄せて、唇を重ねる。
襲うような、前のめりなキスだ。
力任せに抱きしめられたアヤは、なんとか時田を押し返す。
そこではっきり自覚する。
ぼーやん以外に、触れられたくないと。
ぼーやんは、本気で嫌がったらやめてくれる。
絶対、嫌がることをしないだろう。
アヤは涙を流しながら、時田に告げる。
「ごめん、別れて」と。
そうして、教室を飛び出すアヤを俺は追いかけて――。
神様は、これがアヤを手に入れる最短コースだと提示してくる。
そうなのだろう。
だが俺はもう、他の男がアヤに指一本でも触れるのを、許すつもりはない。
俺はためらうことなく、空き教室のドアに手を掛けた。
その時。
ガタンッ――。
何かが机にぶつかる音がした。
見れば、時田が机にのけ反っている。
アヤが、時田を突き飛ばしていた。
――――問題ない。
神様の直感が、少し遅れて軌道修正する。
このアヤの行動は、直感でも予測できなかった。
「あ、時田ごめんっ……」
アヤが両手を突き出した格好のまま、謝った。
「いや、俺も……がっつき過ぎたわ」
時田も、我に返った様子で謝っていた。
しかしその表情は、どこかムッとしている。
「……ううん、ほんとにごめん」
アヤが真っ青な顔で、今度は頭を下げる。
突き飛ばしてしまったことだけじゃなく、これまでや、これからについても謝っているように見えた。
時田が、なだめるような口調で話しかける。
「あのさ……週末久々に、デートしよう?」
「え……?」
「ほら最近さ、俺らなんつーか、まともなデートしてなかったじゃん。そういうのもあんのかなって。まあ、フラストレーションつーか」
アヤは無言だった。
頭を下げ、茶髪が横顔を隠しているので、俺のほうからはどんな顔をしているのかが見えない。
「てかさ、そろそろ俺らが付き合った記念日じゃん?」
それはもう、とっくに過ぎている。
初デート記念日すらも。
「ごめん、いきなり誘ったもんな……都合とかあるだろうし。また後でメールするから」
アヤは、ただコクリと頷いた。
「……俺、ちょっと実行委員のミーティングあるからさ、先行くわ」
「……うん」
時田が、逃げるようにこちらに向かってくる。
俺は、急いでドアから離れ、廊下の角まで走って隠れた。
時田が去った後。
廊下の陰で、アヤが出てくるのを待つ。
三分ほど経っただろうか。
アヤが空き教室の入り口に姿を見せた。
そのまま廊下を向こうのほうへ歩いていき、突き当たりにある女子トイレに消えていく。
俺もトイレの前まで行くと、再びアヤを待った。
アヤは、大丈夫だろうか。
多少克服できたと思ったトラウマが、大きくなって再び現れたのだ。
人一倍気にしいで、臆病で、人間関係が壊れるのを恐れるアヤが……この状況で、時田に別れを告げられるのだろうか。
一瞬だけ、心配する。
しかし、一瞬だけだった。
俺は、さっきの空き教室での光景を思い出す。
直感の予想を超えて、時田を突き飛ばしたアヤの姿を。
「あれ、ぼーやん! どうしたの!?」
アヤが、目を丸くして立っていた。
「ああ、文化祭準備のためにここ歩いてたら、トイレ入ってくアヤ見かけてさ」
「そう、なんだ」
アヤは頬を赤らめた。
トイレに入るのを見られたのが、恥ずかしいらしい。
よく見ると、髪が少し濡れていた。
目元も腫れている。
けっこう泣いて……何度も顔を洗ったのだろう。
胸が、ぎゅうと締め付けられる。
「大丈夫?」
つい、聞いていた。
今の俺は、さぞや「心配で仕方ない」という顔をしていることだろう。
アヤはハッとして、すがるような目を向けてきた。
揺れる瞳から、アヤの心が伝わってくる。
――ぼーやん。
私は、ぼーやんと。
でも、どうしよう。
どうしたら。
こわい。
たすけて。
……ダメだ。
だめ。
ぼーやんに甘えちゃダメだ。
私が、決めなきゃ。
私が、決める――。
「うん? 大丈夫だよ?」
アヤは、強がってみせた。
明らかに、大丈夫じゃない顔だ。
でも、アヤは自分で乗り越えようと決めた。
力づくでアヤをかっさらうことは簡単だろう。
俺が出ていって、強引にアヤを寝取ったことにしてもいい。
そのほうが、アヤもきっと楽だ。
でもアヤは、立ち向かうことを選んだ。
自分の力で、俺の元へ来ると。
なら俺は、そんなアヤを見守るだけだ。
「ああ、いつもの悩みの無さそうなアヤだったわ」
「なんだとっ!」
俺たちは、仲の良い幼馴染のように軽口を叩きながら、教室に戻った。