【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話 作:月見ハク
朝、めずらしく自然に目が覚めた。
むっくりと起き上がり、机の上のアナログ時計に手を伸ばす。
目覚ましをオフにすると、ベッドから降りた。
疲れが溜まっていたからだろう。
昨日は一日中、爆睡していた。多分、アヤもだ。
今日起きられるかも不安だったが、目覚ましよりも一時間くらい早く覚醒できた。
窓を開けてみる。
涼しい朝の風が、起きぬけの体に心地いい。
神様の直感は、もう聞こえない。
文化祭最終日の教室で、俺が決断したあの時から。
もしかしたら、神様なんて最初からいないのかもしれない。そんな気さえしてしまう。
……今となっては分からない。
顔を上げて、体を伸ばす。
空は澄み渡っていた。今日は快晴だろう。
不思議と、アヤとの未来に不安はなかった。
確信が、体中に満ちている。
「リュウジ~、起きてんなら洗濯干すの手伝え~」
俺が地平を見つめていると、窓の下から姉貴の声がした。
庭先で早朝から洗濯物を干している。主に、姉貴の洗濯物を。
俺はゆっくり階下へ降りていった。
***
俺は、アヤの家の前にいた。
あと三十分くらいで家を出ないと、遅刻する。
俺はスマホを取り出し、メールを打つ。
『アヤ起きてる? 今日は登校日だよ』
三分ほどして、アヤから返信が来た。
『おきてる』
二階のアヤの部屋から、ドタドタと物音がした。
飛び起きて、急いで支度をしているのだろう。
また普段着で出てこないといいが。
二十分ほどして、ガチャッとドアが勢いよく開いた。
ついでに制服姿のアヤも飛び出してくる。
俺の姿を見つけると、その頬が真っ赤に染まっていく。
「おは、よ……ぼーやん」
「おはよう、アヤ」
いつものようにアヤに笑いかける……はずが、なぜだかぎこちない笑顔になってしまった。
アヤの顔に、一昨晩のメールの文字が重なって見えるせいだ。
いつもの幼馴染の距離で、いつもの通学路を歩く。
アヤはソワソワした様子で、落ち着きがない。
俺も、なんだか心臓の鼓動が激しい。
お互い、無言で歩き続ける。
いつもは会話がなくても気にならないはずが、今はなぜか気まずい。妙に意識してしまっているせいだろう。
不意に、アヤが立ち止まった。
「……ごめん、コンビニ寄っていい?」
「いいけど、どうした?」
きっと、朝ごはんを食べずに出てきてしまったのだろう。
「……朝ごはん食べるの忘れた」
コンビニの外で待ちながら、店内のアヤを眺める。アンパンとジュースを買ったようだ。
「ぼーやんお待たせ!」
コンビニを出てくるころには、いつものアヤが戻っていた。
いつもの笑顔で、人懐っこそうに近づいてくる。
……俺たちの初々しい気恥ずかしさは、わずか十分足らずで終わったようだ。
俺も、いつもの笑顔を返す。
「ここで食べてく?」
するとアヤは、ちょっとだけ緊張した顔で言った。
「……ううん、駅前の広場で食べるよ。座れるし」
「そっか」
広場のベンチに並んで座る。
駅に吸い込まれていく人々の中には、うちの学校の生徒も混ざっている。
そのうちの何人かが俺たちに気づいて、近づこうとして、ためらう。
俺とアヤの屋上キスが、そこそこ広まっているのだろう。アヤが後夜祭に出なかったことで、噂に拍車をかけたはずだ。
今日の通学路は、誰にも声を掛けられない気がする。
ふぅっと、軽く息をつく。
隣を見れば、アヤが美味しそうにアンパンを頬張っていた。
アヤの数多ある魅力の一つだ。
どうしていつも、こんなに楽しそうに食べるのだろう。
俺の脳裏に、小学校時代の記憶が蘇る。
アヤと知り合ってすぐの、給食の時間。
給食は近くの机をくっつけて班を作るので、この頃アヤは俺と向かい合わせで食べていた。アヤは相変わらずニコニコしながら給食に
ふと、隣の班で男子たちがふざけ合っていた。ミニトマトを相手の皿に放って、押し付け合っている。
なんとなく、イヤだなと思った。
向かいに座るアヤも、そんな男子たちに視線を向けていて……ボソッとつぶやいたんだ。
「トマト、かわいそう」と。
本当に、心の底から残念がるように。
俺は、なぜだかその横顔から目が離せなくて――。
そうか。
あのとき俺は、アヤに――。
「アヤ、好きだ。俺と付き合って欲しい」
つい、口からこぼれていた。
アヤが七口目を食べようと口を開けたまま、ピタッと固まる。
俺のほうを向いて、目を見開く。
なんで今? と思っているのだろう。
俺にも分からない。できれば屋上とか、ロマンチックな場所でと思っていたのだが。
気づいたら告白していた。
アヤの顔が下を向く。
その横顔が、真っ赤に染まっていく。
口を閉じかけて、辛うじてアンパンを唇で挟む。
「……うん、よろひむ」
アヤが、小さく返事をした。
***
学校に着くと、いよいよ俺たちへの視線の数は多くなった。
物珍しげな視線を向ける者、友達同士でヒソヒソ噂をする者、なんとも言えない複雑な表情を浮かべる者、さまざまだ。
アヤは緊張しながらも、一生懸命前を見ていた。
俺も、平然と振る舞う。
二組の教室に着くと、すでに何人もの生徒が忙しなく片付けをしていた。
「ぼーやんっ、ちょっと机並べんの手伝って!」
「あーアヤだ! 一緒に飾り外そうよ」
俺たちを取り巻く雰囲気は、いつも通りだった。
教室内を軽く見渡してみる。
時田の姿はない。
生徒たちが話しているのによると、どうやら実行委員のほうで作業があるらしい。
お化け屋敷の撤収作業に追われ、午前中は怒涛のごとく過ぎ去った。
午後になると担任の先生が来て、大声を上げる。
「おーい今日は授業なしなー! 片付け終わったところから帰っていいぞー」
聞けば、まだ片付けが終わっていないクラスや部活があるらしい。
特に後夜祭の準備や本番に駆り出された生徒が多く、そのせいで撤収作業が遅れているのだとか。そんなわけで、学校全体で自習日にすることにしたという。
俺は片付けが一段落すると、アヤにメールを送った。
『もし用事なかったら、一緒に帰ろうか』
すぐに返信が来る。
『帰る! けどちょっと用事あるから正門で待ってて』
『俺も用事あるから、もしかしたらアヤに待っててもらうことになるかも』
『うん、待ってるよ』
俺はスマホの画面を暗くすると、そこに映る冴えない顔の俺につぶやく。
「さて、ケジメつけないとな」
***
俺は、校舎の中を彷徨っていた。
実行委員がいつもミーティングをしていた一階の会議室をのぞき、各教室を回り、屋上にも上がってみる。
もしかしたらと思い、図書室に向かった。
図書室の扉を開けると、目当ての後ろ姿を見つける。
時田が、窓側の自習机に座って勉強をしていた。
他にも勉強熱心な生徒がチラホラ、テーブルや自習机に座っている。
俺はその中を、一直線に時田のもとへ歩く。
自習机の横に立つと、時田がハッと顔を上げる。
「……おぉ、ぼーやんか……何の用だよ」
机の上の参考書は、一冊も開かれていなかった。
俺はその場でしゃがみ、座っている時田と目線を合わせる。
時田がふいっと目を逸らす。
「時田に伝えたいことがあって」
「なんだよ」
時田をまっすぐ見て、言う。
「俺、アヤと付き合うことになった」
「…………あーはいはいっ、分かったよ……分かったからちょっと静かにしろ、ここ図書室なんだぞ」
時田が焦ったようにささやく。
落ち着きなく、目をキョロキョロさせている。
まるで追い詰められた小動物のように見えた。
「ああ、すまん」
「…………そんだけか?」
「ああ、それだけ言いにきた」
「あっそ……はいはいっ、分かったよ」
「じゃあ、行くよ」
「あー……」
時田が口を開いて、言葉を探している。
チラチラと図書室内の様子をうかがうと、大声を発した。
「よろしく頼むわ!」
けっこうな声量に、テーブル席に座る何人かがこっちを見たのが分かった。
まるでポーズを決めるように、明後日の方向を見ている。
俺は、時田にだけ聞こえるような声で言う。
「ああ、幸せにする」
すると、時田も音量を下げた。
「くそっ、重いんだよお前は……」
これで、この会話は終わりだ。
俺はゆっくり立ち上がると、出口に向かって歩き出す。
背後で、時田が机に突っ伏したのが分かった。
図書室を出て、廊下を歩く。
正直、時田にぶん殴られるくらいの覚悟はしていた。
誰も見ていない所でなら、一発くらい受けても騒ぎにはならないと思ったから。
でも時田は思いのほか穏やかな感じだった。
多分、諦めたのだろう……完全に。
ぼーっと歩きながら、考える。
別に、時田の心を軽くするために会ったわけじゃない。
対峙して、はっきり宣言して、決別させる。
わずかでもアヤのストーカーになる可能性を潰すために。
さっきの時田の表情を思い出す。
……俺だったら、諦めただろうか。
俺が時田だったら……。
アヤの気持ちが離れたとして。
アヤを奪うと言われて。
実際にアヤを奪われたら。
もし仮に、アヤと時田の情事を見せつけられたとしたら。
多分、それでも俺は諦めきれないだろう。
***
下駄箱に向かうと、アヤと女友達たちが話しているのが見えた。
俺は咄嗟に下駄箱の裏に身を隠す。
彼女たちの雰囲気は和やかで、責められているような気配は感じない。
ホッと胸をなでおろす。
「アヤ、気にすることないぞ。アタシらが守ってやっから」
「そうだぞ~、マブダチじゃん?」
「さんざん話し合ったべ?」
「そうそう、アヤはマジなんでしょ?」
「……うん、マジだよ」
アヤのマジな声に、女友達たちから「きゃー」と小さい歓声が上がる。
「男前になったなーっ」
「ほんならアタシらは応援するのみよ」
「二組のヤツとか一年の陰口なんて気にすんなー、ひがみっつーか、やっかみだから」
「そうそう、私らはアヤの味方だし」
なるほど、アヤに心無い言葉を掛ける生徒もいるのか。
「うん、ありがとう。私も……覚悟決めてるから」
「それ何回も聞いたわ」
「お、男前やな……」
「すごいよなぼーやん、アヤをこんな風にしちゃって」
「今思うと、むっちゃベストカップルじゃね!?」
「ねえねえ、そんなにぼーやん、いいの?」
「うん……いい」
「ひゅ~」「あつ~い」と囃し立てるような声が上がる。
「え、いやっ、違くてっ……」
あまり、俺が聞いてちゃいけない会話のようだ。
俺は廊下を引き返しながら、アヤにメールを打つ。
『アヤ、屋上来れる? ゆっくりでいいよ』
すると、すぐに返信が来た。
『おっけけ』
あたふたしながらメールを打ったのだろう。
その様子を想像して、俺はふっと笑ってしまった。
***
屋上で待っていると、ギィっと重い扉が開く音がして、アヤがやってきた。
「ごめんぼーやん、お待たせ」
走ってきたのだろう。少しだけ息が切れていた。
「ううん、大丈夫」
アヤが上機嫌そうな笑顔を浮かべて、俺の元までやってくる。
いつもの表情なのに、その瞳がいつもより優しく見えた。
「うわー……気持ちいいねぼーやん! むっちゃ晴れてるし」
「そうだね」
涼しい風が吹き抜けて、自然と上がってしまう体温を調整してくれる。
しばらく、近所の家々の屋根を二人で眺めた。
アヤが遠くの風景に目を輝かせながら、口を開く。
「でも、よく屋上開いてるって知ってたね?」
「さっき校舎回ったときに見つけたんだ。片付けの後、閉め忘れたんだと思う」
「校舎回ってたの?」
「ああ……時田、探してて」
「……そう、なんだ」
どうして時田を探していたのか、アヤはいちいち聞かない。
俺が何をしに行ったのか、何を伝えたのか、察してくれたのだろう。
胸の中に、愛おしさが湧き上がる。
――愛してる。
――結婚したい。
――ずっと一緒にいて欲しい。
そんな言葉が、次々に浮かぶ。
今なら、伝えてもいいだろうか。
今が、ベストなタイミングだろうか。
なんて、伝えたらアヤの心に刺さるのだろう。
付き合ったばかりで、呆れられないだろうか。
変なプレッシャーを与えてしまわないだろうか。
そういえば修学旅行でアヤの初めてを奪ったとき、俺はプロポーズして、「むりだから」と言われたっけ。
また、拒否されたら。
機嫌を損ねてしまったら。
そんな思いが、とめどなく湧いてくる。
俺は、そんな自分に苦笑する。
ああ、直感のサポートがないと、こんなに不安なのか。
俺は、アヤの横顔を見つめた。
アヤは、いつもこんな不安の中で、決断してきたんだ。
不安に押し潰されそうになりながら。
それを頑張って飛び越えて。
この、屋上で――。
俺は、ゆっくり深呼吸をした。
本当は、不安なんてどこにも存在しないんだ。
体がスッと軽くなる。
「アヤ」
「うん?」
「俺、実はブロッコリーが嫌いなんだ」
「へ……?」
アヤが俺のほうを向いて、目を丸くする。
「俺、けっこう嫉妬深いと思う」
アヤの目を、じっと見つめる。
俺の真剣な眼差しに、アヤも何かを感じ取ったのだろう。「うん」と頷き、最後まで話を聞くと態度で示してくれる。
「独占欲も……性欲も強いほうだ。毎日二回はアヤを抱きたい」
「う、うん……」
アヤが気まずそうに、瞳だけを泳がせる。
「あと、本当は朝が苦手なんだ」
そうなの!? と言わんばかりにアヤの目が見開く。
毎朝、俺がどれだけ努力しているかは、今度話そう。
ふぅっと息を吐く。
俺の、面倒なところは全部明かした。
多分、これから話し合っていくことになるだろう。
だから――。
「俺と、結婚して欲しい」
こちらを向くアヤのショートカットが、風にふわりと浮いた。
普通だったら、高校生のプロポーズなんて、恋愛に浮かれた戯言に聞こえるのだろう。
高校生が付き合い初めにこんな言葉を言ったら、引いてしまうのだろう。
さっき時田に言われた通り、重いと。
でも、アヤに限ってはそうじゃないんだ。
「えっと……今、すぐ……?」
アヤが確かめるように言う。その目は、真剣だった。
「ううん、近い将来。一生幸せにする」
付け足せ。
頭の中に、直感の声が響いた気がした。
違う、これは俺の声だ。
そうだった。
一生幸せにする、だけじゃ何の約束にもならないよな。
俺は、確信に満ちた声で伝える。
「……そのための準備も進めてるから」
この二週間、寝る間を惜しんでアヤの家族の説得方法や、家庭を養っていく方法を考え、準備をしてきた。
アヤは揺れる瞳で、じっと俺を見つめている。
戸惑っているようにも、泣きそうにも見えた。
その表情から、思いは読み取れない。
やがて、その小さい唇が薄く開いた。
「……私も、嫉妬深い……と思う。他の子に、髪とか触らせないで欲しい……」
「うん」
俺は、優しく続きを促す。
「私の初恋は……リョウジ叔父さん」
それは……知らなかった。
後ほど詳しく聞こうと思う。
「本当は、笑いたくないときも、ある。笑ってても、笑えてないとき……ある。それを、全部分かって欲しいって、思っちゃう……」
「うん」
「わっ…………」
……わ?
「私も……ぼーやん幸せにする」
アヤは、挑むように俺を見つめた。
相変わらず、頬は真っ赤だ。
多分、俺も。
「うん、ありがとう」
俺は、アヤを優しく抱きしめた。
アヤも、俺の腰に手を回してくる。
体温が上昇していく。
俺は、ハアァーっと肺からすべての息を吐いた。
「……ぼーやん?」
俺は小さくて柔らかい体を、さらに強く抱きしめる。
アヤの可愛さに、理性がもちそうにない。
「アヤ」
「う、うん?」
「襲っていい?」
「なっ、へ!? えと……今、すぐ?」
アヤが、「まさかね」という口調で聞いてきた。
だが、そのまさかだ。
今度は近い将来じゃない。
「うん、今すぐアヤを抱きたい」
「……む、むり、だから……!」
「どうして?」
「ここ、屋上だしっ……! あっ、ちょっ……」
俺はアヤのお尻に手を這わす。二日ぶりの弾力に、股間が剛直していく。
「……ごめん、アヤが可愛くて、我慢できないんだ」
「え、えと、それは嬉しい、んだけど……ここ、屋上だからね……」
アヤが子どもをあやすような口調で言う。
それすら、俺には艶めいて聞こえた。
「大丈夫、こっち来て」
「あっ、まって……」
俺はアヤの手を引いて、屋上の建物裏に連れ込んだ。
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