【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話 作:月見ハク
新幹線の車窓から、外の景色をぼーっと眺める。
都会のビル群はすぐに山や木々や畑に変わり、駅に近づくと無機質な建物が増えていく。
何の変哲もない風景が、どうしようもなく眠気を誘う。
アヤの田舎の最寄り駅までは三時間以上ある。
俺は、高速で通り過ぎる色あせた景色から目を逸らし、しばらくまぶたを閉じることにした。
『――、次は、――、お降りの際は――』
聞き覚えのある駅名がアナウンスされ、目を開ける。
どうやら三時間以上熟睡していたらしい。窓の外はもう夕暮れに染まっている。
俺は一瞬で到着してしまった目的地で、新幹線を降りた。
新幹線の改札を出ると、広々としたターミナル駅だった。確か、ここからさらにローカル線に乗り換え、一時間ほどでアヤの田舎の最寄り駅に着く。
ローカル線の改札口を探していると、遠くのほうにあるバスロータリーに視線が吸い寄せられた。
ロータリーのベンチに、茶髪でショートカットの美少女が座っている。
アヤが、眉間にシワを寄せ手元のスマホとにらめっこをしていた。
俺は彼女に手が届くか届かないかの距離まで近づき、声を掛ける。
「アヤ、迎えに来てくれたんだ」
「わ、びっくりしたっ」
肩をビクリと震わせたアヤが、目を見開いて俺を見上げた。
「ぼーやん、駅着いたらメールしてって言ったじゃん」
「そうだっけ」
「メールしたよ」
ポケットからスマホを取り出して見ると、確かにアヤからメールが来ていた。
「ごめん、新幹線乗ってる間、ずっと寝てたんだ」
アヤは見開いた目をさらに大きくして、すぐにぷっと吹き出した。
「あいっかわらず、寝ぼーやんだなぁ」
彼女が立ち上がり、手の届く距離まで近づく。いつもの幼馴染の距離だ。
アヤは紺色の無地のフードパーカーに、黒いハーフパンツというラフな格好だった。パーカーの袖を肘までまくり、白い細腕を見せている。
少しサイズの大きいパーカーを着ているせいか、上から見ると襟元から鎖骨が覗きそうだ。そして相変わらず豊満な胸元が、パーカーを押し上げている。
本当に、いつ見ても抱きしめたくなる体だ。
それに。
「……ぼーやん、まだ寝ぼけてるー?」
ぼーっと見つめているとアヤが訝しげな視線を送ってくる。その表情が、なんだか前より大人びて見えた。ぷるんとした唇も、艶めいている気がする。
――最近、めっちゃ可愛くなったじゃん?
さっきカナッペに言われた言葉を思い出す。
「本当だな」
「へ、なにが?」
数日会わなかったから気づけたのか、この数日でそうなったのかは分からない。でも――。
「アヤが可愛いなと思って」
口から本音が漏れた。
「うっ……」
アヤが俺を見上げながら固まる。相変わらず、こういう時の返しにはまだ慣れていないらしい。
――唇を褒めろ。
久々に直感から強めの指令が下る。
「唇、軽く塗ってるの? 知らない色だけど、アヤにすごく似合ってるよ」
「……ぁ、ありがと」
アヤがやっと表情を崩し、照れるように笑う。
久々に会ったからか、俺もなんだか照れ臭い。溢れそうな思いが渋滞を起こし、結果無言になってしまうような……そんな感じだ。
俺は思わず美味しそうな唇に手を伸ばした。
するとアヤが気まずそうにうつむき、目線だけを横に動かす。
その視線をたどると、ロータリーにアヤのお父さんの車が停まっていた。
俺は仕方なく再会のキスをあきらめる。
「アヤのお父さん、待たせちゃ悪いね」
「あ、うん、ヒロトもついてきちゃって」
見れば、確かに助手席に弟のヒロト君も座っていた。
「やぁぼーやん、遠かっただろ?」
「寝てたんであっという間でした。お父さん、わざわざ迎えありがとうございます」
「おぉっ? あ、まあお父さんか」
アヤのお父さんが照れくさそうに笑う。お父さんに会うのは、この前ファミレスでアヤとの結婚宣言をした以来だ。
「ぼーやん、ちっす」
「ヒロト君も、わざわざありがとね」
「いや、ヒマだったんで」
「ヒロトは留守番してていいって言ったのに」
後部座席の隣に座るアヤが、不服そうにつぶやく。
「いや姉ちゃん俺が急かさなかったら、今頃まだ洗面所で鏡とにらめっこしてたっしょ」
「……うるさい」
どうやらアヤは迎えに来るために気合を入れてくいたらしい。
なんというか……すごく嬉しい。
「ぼーやん、こっからお祖父ちゃん家まで一時間以上掛かるから、寝てていいよ」
まだ少しムスッとしているアヤが、二の腕に優しく触れてくる。
「もう眠気は無いな。それよりいろいろ聞かせてよ、俺も学校のこととか話したいし」
「うん、そだねっ」
アヤが満面の笑みを浮かべたと同時、車が動き出した。
***
車の中、俺とアヤの会話は尽きなかった。
別に二人なら無言の時間も苦ではないのだが、ここ数日の隙間を埋めるように俺たちは話に花を咲かせ続けた。
「あ、ほら見て、あの川で昔よくお祖父ちゃんと遊んだんだよ」
「そうなんだ」
アヤが窓から外を指差す。ほとんど沈みかけた夕陽に照らされて、大きな川が煌めいて見える。
「あそこに神社あるでしょ? 夏になると盛大なお祭りやってね、県外からもたくさん見物しに来るんだよ」
山の麓に鳥居が立っていて、鬱蒼と茂る木々の中に本殿が見えた。そこだけ異世界かのような、神秘的な感じだ。
アヤの田舎は山あいの平地にある。集落一帯は森に囲まれ、面積のほとんどが畑だ。そこにポツポツと等間隔で大きな家が立っている。田舎と聞けば誰もが思い浮かべる、絵に描いたような田舎という感じだった。
そんな言ってしまえばつまらないだろう風景なのに、楽しそうなガイドをするアヤを見ていると、すごく素敵で刺激的な場所に思えてくるから不思議だ。
「お、もう着くね。あの赤っぽい屋根の建物がお祖父ちゃん家だよ」
「大きいね」
車から降りると、その家はさらに大きく見えた。
昔ながらの日本家屋を改築したような作りで、普通の家の三軒分くらいはある。おまけに小学校の校庭くらいはありそうな敷地には、自家菜園やら物置やらが並んでいる。余ったスペースでも余裕でキャッチボールができそうだ。
「お祖父ちゃん、ここに一人で住んでるんだよ」
「そうなんだ」
少し寂しそうなアヤの後ろ姿を追い、開いたままの横開きの扉をくぐる。土間というのだろうか、玄関スペースは車が一台入りそうなくらい広かった。
「お邪魔します」
「ああぼーやん、いらっしゃい」
土間と地続きになっている台所から、アヤのお母さんが出てくる。
「すみません、突然押しかけちゃって」
「ふふ、びっくりしたけど、ぼーやんなら全然いいわよ」
相変わらず、俺の謎の信頼感は健在らしい。
「それにこの子も、どうしてもぼーやんに来てほしいってさっき大騒ぎだったしね」
お母さんがアヤにニコニコ顔を向ける。
「大騒ぎはしてないし」
「そうだっけ~?」
その楽しげな様子に、アヤがため息をつく。相変わらず明るいお母さんだ。
「さ、ぼーやん上がって。もうすぐ宴会だよ」
気を取り直したらしいアヤが俺の背中を押す。
「宴会?」
靴を脱いで玄関に上がってすぐの畳張りの大広間には、ローテブル三つ縦に並べられていた。その上にはもう、いくつか料理が乗っている。
「お祖父ちゃんはまだ入院中なんだけどね、先に快気祝いだっていって親戚中が集まってくるんだ」
「それは、すごいね」
「うちの親戚、みんな元気なんだよね。……さ、こっちこっち」
アヤに連れられて大広間を突っ切ると、襖で区切られた六畳間があった。
「ここがぼーやんの寝る部屋ね。あ、そこに荷物置いちゃって」
「アヤたちは?」
「私らは二階なんだ」
「そっか」
「ふふ、夜中に一階に一人だけだからって、トイレ我慢しておしっこチビらないようにね」
アヤがからかうように笑う。
自分のホームだからか、それともホームを俺に案内するのが楽しいのか、彼女はいつもよりテンションが高かった。
小学校の頃、アヤの家に初めて泊まりにいったときを思い出す。あのときも、彼女は得意気に家の中を案内して回っていたっけ。
「あのさ、ぼーやん」
「ん?」
「お祖母ちゃんに、一緒に挨拶しよ」
「ああ、そうだね」
アヤが見つめるもう一つの和室には、立派な仏壇が置いてあった。綺麗な壮年の女性が、写真の中から朗らかな笑顔を向けている。
線香の落ち着く匂いが漂う部屋で、二人並んで座る。仏壇に手を合わせながら、俺は「しばらくお世話になります」と心の中で挨拶をした。
「……お祖母ちゃんはね、私が小さいころにいなくなっちゃったんだ」
「そうなんだ」
「うん、お祖父ちゃんは、それからずっと一人なの」
「そっか」
「今もね……お祖父ちゃん、よくお祖母ちゃんの惚気話するんだよ」
「確かに、綺麗な人だもんね」
「そうかな」
アヤが自分のことのように、嬉しそうに笑う。
「うん、目元がアヤに似てる」
「そ、そうかな……」
自分のこととなると、相変わらず照れるから面白い。
ふと、家の外に車が停まる気配がした。
バタンと車のドアを閉める音が聞こえると、アヤが立ち上がる。
「お、ハルくん戻ってきたのかな」
「ハルくん……」
「あ、ぼーやん会うの初めてだっけ? 従兄のハルくんだよ」
アヤと一緒に大広間に戻り、窓から外を見る。ちょうど広い庭を歩いてくる男と目が合った。
「ハルくんお帰り~、手伝う?」
「いや、いいよー」
両手にビール缶の入ったビニールを持ったその人は、一言でいうとイケメンというやつだった。
アヤと同じく茶髪の髪はうねり、肩まで届きそうだ。均整の取れた顔立ちで、おしゃれだが品のあるメガネを掛けている。
一見するとチャラくも見えるが、服装や雰囲気はどこか整っており誠実そうにも感じる。
アヤが大広間の窓を開けると、ハルくんが縁側にドサリと荷物を置いた。
「やぁいらっしゃい、ぼーやんくん……で合ってる?」
「はい、初めまして。お邪魔してます」
「アヤちゃんから聞いてるよー、ゆっくりくつろいでね……って僕の家じゃないんだけど」
「ありがとうございます」
俺が軽くお辞儀をすると、メガネの奥の二重がニッコリと弧を描いた。
間近で見ると、けっこう筋肉もある。背は……俺よりも少し低いくらいだろうか。
「アヤちゃん、おばさんいる?」
「いるよ、呼んでくる?」
「うん、お願い。頼まれたものこれでいいか、見てほしいから」
「おっけー」
台所に去っていくアヤの後ろ姿を、ハルくんは優しげに見つめていた。その視線には、従妹に向ける以上の何かがこもっているような気がする。
「えっと、ぼーやん君はアヤちゃんの恋人、で合ってる?」
「はい、恋人です」
「そっかそっか、それはお世話になってるねー。アヤちゃん、学校では楽しくやってる?」
「はい、いつも楽しそうです」
「そりゃ良かった。アヤちゃん、ああ見えて繊細な子だからさ」
「そうですね」
「じゃあ、これからも末永くよろしく……ってことでいいのかな?」
ハルくんが手を差し出し握手を求めてきたので、それに応じる。
「はい、仲良くしたいです」
スポーツでもやっているのだろう、握られた手がけっこう力強い。
「…………うん、ぼーやん君いいね。すごく肝がすわってる」
「そうなんですか?」
「そうだよ。普通はこういうとき少しは緊張する」
なんとなく……ハルくんにけん制されている気がする。
普通だったらイケメンの、それもアヤに気がありそうな従兄が現れたら、もっと警戒したり焦ったりする場面なのだろう。
だが俺は、さっきから「アヤの親戚はみんな顔が整ってるんだな」程度の感想しか湧いていない。
なぜなら。
直感が、何の警告も発してこないから。
ハルくんはアヤを不幸にしたり、アヤと俺の未来を邪魔したりする存在にはなりえない。
そういう確信がある。
「よかった」
「ん? ああ……僕こう見えて話しやすいでしょ? 普通は緊張するもんね」
どうやらハルくんは、自身の人当たりが俺の緊張を解きほぐしていると思っているようだ。
どことなく不敵な笑みを浮かべるハルくんに、俺も笑顔を返す。
「はい、優しそうな人でよかったです」
実際に会うまでは正直不安もあったけど。
会ってみて、問題ないという確信が得られて本当によかった。
だったら今後も付き合っていく親戚として仲良くしたいと思う。
「ふふ、さぁぼーやん君も手伝ってくれる? まだ車にいっぱい積んであるんだ」
車を近くで見てほしそうな感じが伝わってくる。確かに黒くて大きいスポーツタイプの車はおしゃれでかっこいい。SUVというやつだろう、値段も高そうだ。
「はい、車すごいですね」
俺は素直な気持ちで返事をすると、縁側に置いてあるサンダルを履いて車に向かった。
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タイトルは「クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、幸せセックス漬けにして最高の未来を誓い合った話」です。
この恋人編(第49話~63話)に書き下ろしエピソードを5話追加しました。
二人の濃厚に深まる恋模様を、ぜひお楽しみください!