※この作品はR-18です。

【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話   作:月見ハク

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幼馴染と物置で秘密のキスをした(四十一日目 水・夜)

「おいぼーやんっ、日本酒飲めるか?」

 

「いえ、お酒は飲めないです」

 

「お祝いのときくらいいいだろぉ?」

 

「ちょっとー(まさ)おじさん、ぼーやん困ってる!」

 

「うはぁっ、アヤちゃんが嫁さんっぽいな!」

 

 対面に座る昌おじさん……と呼ばれた中年の男が、愉快そうに笑う。俺の隣でアヤが、口を真一文字に結んで酔っ払いをくっと睨みつけていた。

 まるで威嚇する子猫のようで可愛らしい。

 

 俺とアヤは、なぜかテーブルのど真ん中に並んで座らされていた。

 

 十数人集まったアヤの親戚たちにさっきから質問攻めにされたり、絡まれたりしている。

 

「みんな、元気な人ばかりだね」

 

「うるさくてごめんね。集まるといっつもこうなんだ」

 

 面々を見渡すと、奥さんと思われる人を除くと見事に男だらけだった。子どもはヒロト君以外では小学生の子が一人、中学生くらいの子が一人で、彼らも男の子だ。

 子どもの中では、どうやらハルくんが最年長らしい。

 

 アヤが昔からボーイッシュな感じで、昔から俺の姉貴に憧れを抱いていたのは、こうして男に囲まれてきたからなのだろうな、と思う。

 

「あ、ぼーやんお茶飲むでしょ? 持ってくるね」

 

「うん、ありがとう」

 

「かーっ! アヤちゃんがいい嫁してらぁっ」

 

 アヤはそんな冷やかしを無視して、さっさと台所に引っ込んだ。その後ろ姿が、なんとなく上機嫌なのは錯覚ではないだろう。

 

 アヤを挟んで向こうに座っていたヒロト君が、昌おじさんにぼそっとつぶやく。

 

「そういうの、セクハラって言うらしいよ」

 

「ヒロトおめぇ、言うじゃねぇか……気ぃつけるわ」

 

 アヤの親戚は明るい人たちのようだ。

 

「ねーぼーやん、対戦しよーよ」

 

 小学校高学年くらいの男の子が、俺の肩をトントンと叩いた。見れば手に携帯ゲーム機らしきものを持っている。しかし俺は最近のゲームにはとんと疎い。

 

「ごめん、俺それやったことないんだ。教えてくれる?」

 

「えーめんどい。ハルくんとやってくるわ」

 

 そう言うと男の子は、テーブルを挟んで対角線上に座るハルくんのところへ走って行った。

 

「そいやぁハルキは就職決まったんだっけか?」

 

 昌おじさんが隣に座るハルくんに絡みだす。ハルくんの名前はハルキと言うらしい。

 

「それ前にも聞いたよね。先月内定もらったよ」

 

 ハルくんがうんざりするように答える。

 

「おおそうだった! あのーあれだろ、大企業の……すげーよなぁ、ハルキは昔っから器用だったもんなぁ」

 

「昌おじさんこそ、相手見つかったの?」

 

「俺はあれだよっ、ハルキと違って一途だからよ、お前みたいに女とっかえひっかえはできねえんだ」

 

「それ人聞き悪いな、僕だって付き合ったら一途だよ」

 

 ハルくんは昌おじさんに受け答えしつつ、男の子との対戦に興じていた。本当に器用らしい。男の子が「また負けたー」と叫んでいる。

 

「で、ハルキは今の彼女さんとはどうなんだ、あ?」

 

 そう聞かれたハルくんが、台所のほうに視線を向ける。ちょうどアヤが戻ってきたところだった。

 

「ぼーやんお待たせ、デザートも持ってきたよ」

 

「ああ、ありがとう」

 

 俺が皿を受け取ると、アヤも隣に座る。

 

「――別れたよ、先々月」

 

 ハルくんがアヤを見つめながら答えた。その視線には熱っぽいものが込められている……気がする。

 

 アヤは目をパチクリさせているが、特に何かを感じた様子はない。

 多分、ハルくんの思いに気づいているのは俺だけだ。

 

「どうせ振られたんだろぉ? まあ飲め飲め。顔が良くて高学歴で大企業に内定決まってるハルキでも、振られることがあるんだなぁ」

 

「男と女なんてそんなもんだよ。好き同士でも将来のビジョンがすれ違ったりして、うまく行かないことが往々にしてあるんだ。大人になるとね」

 

「うっせぇからとりあえず飲め」

 

 昌おじさんに肩を組まれたハルくんのグラスに、日本酒が注がれていく。

 

「そいで、ぼーやんはどうなんだ? アヤちゃんと結婚すんのか?」

 

 昌おじさんから急なキラーパスが飛んできた。隣でアヤが「ほぇ!?」と面白い鳴き声を上げる。

 

「はい、結婚します」

 

 俺は当然のように即答した。

 

 「おおおお~」と他の親戚の人たちがざわめく。

 昌おじさんはアヤのお父さんとお母さんを睨み、最後に俺を睨んだ。

 

「本気か? 将来のこととかちゃんと考えてんのか? ガキの恋愛が通じると思ったら大間違いだぞ……大人になるとな」

 

「はい、ちゃんと考えてますし、アヤさんとは不自由ない暮らしを送るつもりです」

 

「……そうか、おおそうかっ!」

 

 昌おじさんは一転して満面の笑みを浮かべると、日本酒の瓶を取ろうとしてから、慌てて近くにあったオレンジジュースのペットボトルをつかんだ。

 

「まあ飲め!」

 

「はい、いただきます」

 

 空のグラスを差し出すと、並々とジュースが注がれていく。

 

「はははっ、いい男つかまえたなぁ、アヤちゃん!」

 

 昌おじさんが楽しそうに笑う。横目でアヤを見ると、顔を真っ赤にしてうつむき、「うん」と頷いたのが分かった。

 

 ふと、対角線上から視線を感じる。ハルくんが、唖然とした様子でアヤを見ていた。

 

 

 しばらくすると、アヤは恥ずかしくなったのか台所に引っ込んだまま帰ってこなくなった。

 

 そして、俺の隣には昌おじさんが座っている。

 

「ぼーやん、ほんとに、ほんとにありがとぉなぁ」

 

「はぁ……」

 

「俺らがこんなんだからよぉ、アヤちゃんあんな可愛いのに昔っから男の子みたいでよ、貰い手がいないんじゃないかって俺、心配してたんだよ」

 

「大丈夫です。俺、アヤのこと男の子っぽいなんて思ったことないんで」

 

 多分、出会った瞬間からずっと。

 俺の中で唯一の女の子だった。

 

「そうか…………ほんとありがとうな」

 

 お猪口を見つめる昌おじさんの目には、涙を浮かんでいた。

 

 いい人たちだな、と思う。

 この人たちにアヤはずっと愛されてきたんだと思うと、俺もなんだか心が熱くなってくる。

 

 この人たちと仲良くなりたい。

 彼らがアヤの親戚だから、そう思うのかもしれないが。

 

 うっかり俺までもらい泣きしそうになっていると、男の子が台所に向かって叫んだ。

 

「アヤ姉ちゃん、花火しよー!」

 

 すると笑顔を浮かべたアヤが顔を出す。

 

「いいよー、やろやろ!」

 

 

***

 

 

 暗闇の中に、ぼうっと虹色の火が灯る。

 その灯りに照らされて、楽しそうなアヤの顔が浮かんだ。

 

「えーアヤ姉ちゃん、いきなりそれいくん!?」

 

「え、ダメだった?」

 

「それ最後にみんなでやったほうが綺麗なんよー」

 

 アヤと男の子、それと中学生の子とヒロト君の四人が、輪になって手持ち花火に興じていた。火薬の煙が立ち昇り、俺が座る縁側まで流れてくる。

 

 男の子が花火を持ちながら腕をぐるぐると回す。

 

「見てアヤ姉ちゃん、火の輪くぐり! くぐって!」

 

「いやムリムリっ」

 

「じゃーアヤ姉ちゃんも花火で何か描いてよ」

 

「えー?」

 

 アヤはうんと手を伸ばして上のほうでくるくると小さい円を描くと、スッと一直線に下ろした。光の残像が丸と線を形作る。

 

「……バス停?」

 

「はずれ。これはね、ぼー……」

 

「ぼ?」

 

「棒人間だよー」

 

 

 そんな微笑ましいやり取りに混ざらず、俺は縁側から眺めていた。

 

「今アヤちゃん、絶対ぼーやんって言おうとしたよねぇ?」

 

 隣に座るハルくんが覗いてくる。

 

「さあ……」

 

 すっかり日本酒で酔っ払ってしまったハルくんに、さっきからずっと絡まれている。おかげで花火に混ざれない。

 

「アヤちゃん、ほんと可愛いんだよなぁ」

 

 さっきから何度も聞いたセリフだ。俺は心の中で何度目かの同意をしながら、続きを待つ。

 

「昔はさぁ、すっごい僕に懐いてさ……本当の妹みたいに思ってたんだ」

 

「そうなんですか」

 

「うん……でもさ、アヤちゃん可愛いからさぁ……あ、アヤちゃんが中学生のときカテキョしたんだけどね」

 

「はぁ」

 

「その頃さ、アヤちゃん彼氏できてたじゃない? ほらなんか、あの軽そうなヤツ」

 

 時田のことか。

 

「あんなヤツにアヤちゃん任せられないな~、なんて思ったわけだよ」

 

 それは俺も同意見だ。

 

「どうせいつか別れるだろって思っててさぁ、そしたら……僕がもらうのもアリかな~なんて、僕だったらしっかり守ってやれるのに~なんて思ったりしててさ……あ、漠然とね?」

 

 さっきの視線といい、この管巻きといい、漠然とって感じはしないのだがツッコむのは止めておこう。

 

「そこへ来てのぼーやん君の登場なわけよ」

 

「はぁ……」

 

「動じないっていうか、落ち着いてるっていうか……君は大人だよねぇ」

 

 ハルくんからそう見えるのだとしたら、それは直感のおかげなのだろう。

 

 絶対にアヤを手に入れられる。二人で幸せになれる。その確信がなかったら、もっと焦って、アタフタしていただろうし。

 

「はぁ~……にしてもほんと、アヤちゃん可愛くなったよねぇ」

 

「そうですね」

 

「うらやましい」

 

「はい?」

 

「……でも、頼んだよぉ」

 

 消え入るような声でつぶやいたかと思うと、ハルくんはそのまま下を向いて眠ってしまった。

 

 この人も、アヤのことを大事に思っているのは変わらない気がする。最後の言葉はアヤの兄として、俺のことを認めてくれたと受け取っていいのだろうか。

 いずれにせよ、この泥酔ぶりだと明日には忘れていそうだ。

 

 ため息をつき、アヤのほうを眺める。

 

 ちょうど花火の締めくくり、噴水花火の威力が弱まってきているところだった。夜空に向かって噴出する火花がどんどん小さくなり、やがて消える。

 

 フッと……あたりに暗闇と静寂が戻った。

 

 俺は立ち上がり、アヤがいるであろう場所へと歩き出す。家の中に向かう三人の男の子たちとすれ違い、すぐに彼女の姿が見えてきた。

 アヤが水の張ったバケツを二個、両手に持とうとしている。

 

「手伝うよ」

 

「あ、うん……ありがと」

 

 暗闇の中で、アヤが微笑んだのが分かった。

 

 

 家の裏手にある流し台に水を捨てつつ、用意したビニール袋に花火を捨てていく。アヤに言われたとおりにバケツの中を軽くすすいで洗う。

 

「バケツはこっちね」

 

 そう言うアヤに付いていくと、さらに奥まったところに物置があった。物置の入り口にある豆電球を付ける。

 仄かな光が、かろうじてアヤの姿を照らした。

 

「ほい、バケツちょうだい」

 

 アヤが物置にバケツを仕舞っている間、俺はあたりの風景を眺めた。夜闇の中にうっすら畑が続いていて、そのずっと奥に近くの山々のシルエットが見える。

 

「五月になるとホタルも飛ぶんだよ」

 

 いつの間にかアヤが隣に立っていた。彼女の肩と俺の二の腕がくっつく、恋人の距離だ。

 

「俺、ホタルって見たことないんだ」

 

「そうなの?」

 

「うん……俺、田舎っていう田舎がないからさ」

 

「そっか、じゃあまた来ようね……五月に」

 

「そうだね」

 

 気づけばあたり一面、虫の声の大合唱に囲まれていた。趣深さとかはなく、うるさいほどの音量だ。なのに不思議と落ち着く。漂う木々の匂いも虫の声も、懐かしい感じがする。まるでここが自分の田舎になったような感覚だ。

 

 きっと、アヤがいるからなのだろう。

 

「俺、ここ好きだよ」

 

「気に入るの早いね」

 

 アヤがぷっと吹き出した。

 

「みんないい人たちだし、自然も豊かだし、アヤの田舎だし」

 

「そっか」

 

 ――キス、したいな。

 ぼーやんと……ぎゅってしたい。

 

 

 触れ合う肩を通して、アヤの心が流れ込んできた。

 ちょうど俺も同じことを思っていたところだ。

 

「アヤ、キスしていい?」

 

「えっ、あ……でも、近所の人に見られるかも」

 

「大丈夫。暗くて誰にも見えないよ」

 

「あの子たち、来るかも」

 

 親戚の男の子たちのことだろうか。

 

「さっき家の中に入っていったよ」

 

 ここまでアヤがためらうのは、きっと今キスをしたら、それだけでは済まない気がしているからだろう。俺も同感だ。

 

「ていうか俺……もう我慢できない。さっきの、ロータリーで会ったときからずっと我慢してた」

 

 アヤの顎をつかみ、上を向かせる。豆電球の光で艶めく唇に、ゆっくり唇を押し当てる。

 

「ぁっ……んっ、ん……ちゅぅ、んっ……ん……」

 

 お互い唇を突き出すようなキスをして、体を密着させる。久しぶりのアヤの感触と柔らかさに、全身が発火するのを感じた。

 薄く塗られたリップグロスを舌で舐め取る。ぷるんと震えた唇にもう一度吸い付く。

 彼女の甘い匂い、胸元の柔らかいふくらみ、火照った体温を堪能する。

 

「ちょっと、そんな匂い嗅がないでよぉ」

 

「アヤの匂い、落ち着くんだ。すごくいい匂いだ」

 

「……私も、ぼーやんの匂い好き。……あの、さ」

 

「ん?」

 

「会いたかった」

 

「……うん、俺も」

 

「ぼーやんと、花火したかったな」

 

「今度は二人でしようよ」

 

「約束だぞ」

 

「ああ、大仏様に誓うよ」

 

「ふふ……それはいい考えかも」

 

 以外にも、アヤは俺の冗談に乗ってきた。

 

 柔らかい体をぎゅうっと抱きしめる。彼女のパーカーの隙間から甘い匂いが立ち込め、脳を蕩けさせていく。すでに股間は剛直し、彼女の下腹部あたりに押し当てられていた。

 

 今度はアヤの頬を手のひらで包み、顔全体を当てるようにキスをする。

 

「んんっ……はぁっ、んっ……ちゅぁ、んッ……んぁっ……」

 

 ――どうしよう。

 もっと……ほしくなる。

 会えたのに。

 会えるだけで、よかったはずなのに。

 もっと。

 もっと、ぼーやんがほしいよ。

 

 アヤの心の声に、俺の理性がいよいよ飛びかける。

 

 すでに俺の舌がアヤの唇をこじ開け、彼女の熱くなった口内をむさぼっていた。舌と舌が絡まり、息が止まるほどに気持ちがいい。

 

 虫の声はもう聞こえない。粘膜と粘膜が絡み合うちゅくちゅくという水音だけが、互いの脳内で響いていた。

 

「はぁっ、んっ……ぼーやん、……っ、ぁっ、んぅっ……んっ、んんっ……」

 

 アヤのしっとりとした唇が、今にも溶けそうな舌が美味しい。互いの顔を温める吐息がどんどん速く、小刻みなものになっていく。唾液を混ぜ合うじゅる、じゅるという水音が心地いい。

 

 こらえきれず彼女のパーカーをめくり、ごわっとした手触りのブラジャーごと乳房を少し揉む。

 

「んっ、ああぁっ……ッ」

 

 悩ましげな喘ぎ声が、あたりに響いた。

 

「あっ、まって、声でちゃ……ん、あぁんっ」

 

 ――なんで。

 ぼーやんの手、触られるだけで。

 電気が走ったみたいに。

 体、ゾクゾクって……。

 やだ、聞かれちゃったら。

 恥ずかしいよ。

 

「んぁっ、まって……ぼーやん、おねが……なんか、おかしいのっ……」

 

 彼女の声に悲痛なものが混ざり始めたので、俺はパーカーの中から手を引き抜く。

 

 俺も、変だ。

 心臓がバクバクで、呼吸が苦しい。

 快感で自制心が蒸発してしまいそうだ。

 

 これ以上は本当に、我慢ができなくなる。

 

「ごめんアヤ、俺も……なんかやばい」

 

「はぁ、はぁっ……はぁ、うん……ごめん、ね」

 

 しばらく会っていなかったせいなのか。

 心の距離がまた近づいたからなのか。

 それとも神様の直感の仕業なのかは分からない。

 

 とにかくアヤとの触れ合いのすべてが気持ち良すぎて、正気じゃいられなくなる。

 

 俺は息を整えながら、アヤの髪を撫でた。とにかく何か話してクールダウンしないと、また襲ってしまいそうだ。

 

「明日、みんなでプール行くんだっけ?」

 

「……うん、ぼーやんも行くよね?」

 

「行くよ。アヤを泳げるようにするって約束したし」

 

「うん……ありがとね」

 

「俺のいない所で、アヤが水着姿になるなんて嫌だし」

 

 本当は誰にも見せたくはないのだけど。

 

「……ぼーやんはエッチだなぁ」

 

「そうだよ。アヤ限定だけど」

 

「もう、そういうこと言うから……」

 

 ――私も、ほしくなっちゃう。

 ぼーやんのばか。

 

「なに?」

 

「ううん、ぼーやんのばかって思っただけ」

 

「そうなんだ」

 

 だいぶ、鼓動が落ち着いてきた。

 そろそろ戻らないと、家の人たちが心配してしまうだろう。

 

「……ねぇぼーやん」

 

「ん?」

 

「プールでさ……二人きりになれるとき、あったらいいね」

 

「…………そうだね」

 

「うん……」

 

 まいったな。

 明日、水着姿のアヤを見てしまったら衝動を抑えられる自信がない。

 異常なほどアヤに欲情してしまう自分が、ときどき恐ろしくなる。

 

「そろそろ戻ろうか」

 

「うん」

 

「アヤが迷子になったかもって誰か探しに来るかも」

 

 (たか)ぶる獣欲をごまかすために、彼女を軽くからかってみる。

 

「なるわけないじゃん、お祖父ちゃん家で」

 

「でも子どものころ遊園地で迷子になってたよね」

 

 小学六年の夏休み、二人で近くの遊園地に行ったときのことを思い出す。

 

「あれはっ……ぼーやんがハグレたんだよ。だから探しに行ったの」

 

「俺、トイレの前でずっと待ってたんだけど」

 

「少しは動いたでしょ。いなかったもん」

 

「そうだっけ」

 

 昔話をしていると、あの頃の……純粋な幼馴染同士に戻ったような気分になってくる。下半身の熱も落ち着いてきた。

 

「そうだよっ、私が見つけてあげたときさ、ぼーやん『寂しかった~』って顔してたし」

 

 観覧車の前で、ポツンと立っているアヤを見つけたときのことを思い出す。

 キョロキョロとあたりを見渡していた彼女の肩を叩くと、すぐに振り返って。

 

 「もう、一人でどっか行かないでよぉ」

 

 目に涙を浮かべながら、笑ったんだ。

 その安心しきった笑顔に、なぜか胸が苦しくなり、俺まで泣きたくなったのを憶えている。

 

 今ならはっきり分かる。

 あのときにはもう、アヤをたまらなく好きで、どうしようもなく欲情していたんだ。

 

 最初から俺にとってアヤは、純粋な幼馴染なんかじゃなかった。

 

「――さ、家に戻ろうか」

 

「ああうん……もー、ぼーやんと話してるとすぐ時間過ぎちゃうんだよなぁ」

 

「夏だったらいっぱい蚊に刺されてただろうね、主にアヤが」

 

「ぼーやんだって刺されるし」

 

「とりあえず、はい」

 

 俺はアヤに手のひらを差し出す。

 

「え、なに?」

 

「アヤが迷子にならないように、手をつなごうと思って」

 

「だから私じゃないってば」

 

 アヤの手がそっと重なり、同時に握り合う。

 

「ほら、玄関まで連れて行ってあげる」

 

「いやそれ私の役目だし」

 

 俺たちは笑い合うと、玄関まで手をつないで歩いた。

 

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