【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話 作:月見ハク
俺たちはウォータースライダー乗り場のてっぺんにいた。
高い所から広い屋内プールを見渡すと、人工ビーチにはそこそこ人がいるものの、流れるプールにはほとんど人影がない。
「やっぱり今日空いてるね」
「そ、だね……」
アヤは俺の言葉に上の空で、ウォータースライダーを流されていく人を凝視していた。体は緊張して強ばっているのに、顔はワクワクして口元がゆるんでいる。
そういえば、アヤはウォータースライダーを滑るのは初めてのはずだ。
「二人乗りの浮き輪もあるみたいだけど、あれに乗ろうか」
「うん、そだね」
アヤの体から緊張が抜けていくのが分かる。
ウォータースライダー乗り場にも並んでいる人は少なく、すぐに俺たちの順番が回ってきた。
「ぼ、ぼーやん、落ちないようにね」
「アヤもね」
楕円形のボート浮き輪に寝そべった俺の股の間に、アヤが腰を下ろし、背筋をピンと伸ばしている。間近で見ると、彼女の白い背中と水色の水着のコントラストがエロい。綺麗な背骨のラインを思わずなぞりたくなり、我慢する。
「――じゃあしっかり掴まっててくださいね~、押しまーす」
係員の掛け声に、アヤがボートの両側のひしっとつかむ。まるで両脇に大きな荷物を抱えているように見えて面白い。
「――せーのっ」
その声とともに、俺たちの乗ったボートが水流の中を落ちていった。
「あわっ、わわわ……!」
予想以上の急角度で落下した俺たちは、そのまま猛スピードで流れていく。アヤは早々にボートから手を放し、両手でバンザイをして俺に寄っかかってきた。
「ひゃ~あぁぁぁ~」
アヤが恐いのか楽しんでいるのかよく分からない声を発する。その間抜けな悲鳴に笑ってしまう。
立て続けに急カーブが出現し、体が右、左へと振られる。
「うわっ、うわぁっ」
そのたびにアヤが面白い声を上げる。満面の笑みを浮かべる彼女の顔に、大量の水しぶきが降ってくる。
「わぶっ」
開いた口の中に大量の水が入っただろうに、それすら楽しそうだ。
螺旋トンネルの中をぐるぐると回転した俺たちは、最後の急傾斜にさしかかる。
「うわ、きた」
アヤがもう一度バンザイをして、ボートが一直線に落下した。体が浮き上がり、ゾワッとした感覚が襲う。
「わああぁぁ~っ!」
高いトーンの楽しげな悲鳴が可愛い。
なんて思っている間に、俺たちはウォータースライダーを滑り降りた。
最後にザバンと浅いプールに着水し、二人そろってボートから投げ出される。
「あばっ」
俺の胸の中で、アヤが水面から顔を出した。
両手で顔の水をぬぐうと、すぐに笑顔を復活させる。
「ね、もっかいやろ!」
「そうだね」
彼女の今まで聞いたことのない愉快な声を堪能できるこのアトラクションは、俺も大歓迎だ。
右脇にボートを抱えると、左手をアヤに引っ張られた。彼女はおでこにベタッと貼り付いた前髪を直すこともなく、小走りで階段を駆け上がっていく。
その後ろ姿を見ていると、小学校時代に近所の雑木林を探索したときを思い出す。草むらをかき分けてずんずん進むアヤに引っ張られ、小さい背中に付いていったっけ。
やっぱり、元気なアヤも可愛いなと思う。最近はあまりはっちゃけた姿を見ていなかったから、素直に嬉しい。
不意にアヤが階段で立ち止まり、こちらを振り向いた。段差で身長差が埋まり、ちょうど目の前に豊満なバストがくる。
「どうしたの?」
水着に押し込まれて窮屈そうなおっぱいから目を逸らし、見上げる。妖艶に微笑むアヤと目が合い、呼吸が止まる。
「ぼーやん、髪の毛ベチャってなってるよ。直したげる」
伸びてきた手に抗えるはずもなく、俺の前髪がかき上げられる。彼女の細い指が頭皮をなぞって気持ちがいい。
「ふふ、いいじゃん。かっこいいぞ、リュウジ」
不意打ちで名前を呼ばれて心臓が跳ねる。顔が、体中が赤面してしまう。
テンションが高くなっているせいか、アヤが無意識に反則技を使ってきて困る。
「……アヤも前髪直してあげるよ」
「あ、うん……」
動揺する心を隠し、お返しとばかりに彼女のおでこに手を伸ばす。
濡れた前髪をすくい、ゆっくり持ち上げ、優しく後ろへ撫で付けていく。
「……っ」
現れた美少女に言葉を失う。
そうだった。おでこを広げたアヤはもともとの整った顔立ちが際立って、オールバックにしたことで大人っぽさが増して、とんでもない色気を放つ美人顔に変貌してしまうんだ。
仕返しのつもりが返り討ちに合い、いよいよ俺は彼女に見惚れてしまった。
「さ、早くいこ」
再び左腕を引っ張られる。前を向いたアヤの頬がほんのり赤くなっていた。
てっぺんに着くと、アヤが声を上げた。
「ヒロトたちも来たんだ」
彼女の見つめる先には、順番待ちをしているハルくんとヒロト君がいた。
「アヤちゃんたちはもう滑ったんだね。楽しかった?」
にこやかに笑うハルくんはメガネを外していて、濡れてもいないのにすでにオールバックだった。もともと目鼻立ちがくっきりしているので、まるでモデルのような顔立ちだ。
おそらく今このプールで一番のイケメンはハルくんだろう。
アヤの家系はおでこを出すと魅力が引き立つんだなと妙に感心していると、彼女が無邪気に笑った。
「めっちゃ楽しかったよ! 二人のボート押してあげるね」
「え、いや僕らはボートじゃなくても」
「姉ちゃん、はしゃぎすぎだろ……」
「うおおぉぉ」と野太い声を発しながら落ちていくボートを見送り、俺たちも水流の中を滑り落ちる。
アヤはウォータースライダーにすっかり夢中になったようで、その後三回ほど滑っては上り、滑っては上りを繰り返した。
六回目に着水したとき、アヤが浅いプールでしゃがんだまま動かなくなった。
「大丈夫? 疲れた?」
「あ、ぼーやん……っ」
気まずそうに俺を見上げたまま、胸元を手で隠している。
「ちょ、ちょっと水着ずれちゃって」
どうやら着水の衝撃で水着が少し脱げてしまったらしい。
俺は水中の光景を見たい衝動を抑えながら、遠くに視線を逸らす。
「ここに立ってるから」
そう言って、水着を直すアヤを周囲の視線から隠す。
「ありがと……サイズ、ちょっと合わないみたいで」
さっき階段で間近に見た光景が脳裏に浮かぶ。多分だが、水着のほうが小さいのだろうなと思った。
「一回休憩しようか。小腹も減ったし」
「うん、あ、ホットドッグ屋さん行かない?」
水着の中に胸を収納したのだろうアヤが、立ち上がって遠くの屋台を指さす。
俺は、立ち上がった拍子にぼよんと揺れたおっぱいから目を逸らし、ホットドック屋に意識を集中させた。
***
一人更衣室に戻り、財布を取り出す。
「……ふぅ」
心を落ち着かせるために大きなため息をつく。
「まいったな」
会えない日々があったからか、昨日あの物置でお預けを食らった状態になったからか、それともアヤのビキニ姿が新鮮で刺激的すぎるからか、どうもアヤをそういう目で見てしまう自分がいる。
もちろんアヤに対して欲情するのは当たり前なのだが、所構わずというのは避けたい。楽しくデートしている最中、常にイヤらしい妄想を掻き立てている彼氏がいたら彼女も迷惑だろう。
俺は両頬をパチンと叩くと、プールに戻った。
通路を進むと、プール独特の生暖かい風が流れてくる。通路を出てアヤが待っているはずのホットドッグ屋へと視線を移す。
アヤが、見知らぬ男二人に挟まれていた。
体がカッと熱くなり、足が勝手に走り出す。
そんな中、頭は冷静に男たちを分析していた。
髪の毛を黄色と赤色の蛍光色に染めた、チャラそうな二人組。黄色髪はサングラスを掛けた筋肉質の男で、赤色髪はスマホを取り付けた棒を持った小太りの男だ。
配信者、というやつだろうか。ニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべ、アヤに何やら話し掛けている。
まったく、たった三分離れただけでこれだ。
一方のアヤはといえば、案の定ぎこちない愛想笑いを浮かべて困っていた。
どこか人懐っこい雰囲気を放ち、人に嫌われるのが苦手で誰にでも笑顔を見せてしまう彼女の悪い癖だ。
「――俺ら登録者二十万人なんだけど、観たことない?」
「オフシーズンのプールにも美女はいるのかって企画でさ」
「むっちゃカワイイね、一人?」
「水着すっげー似合ってるじゃん」
「どこから来たの?」
近づくにつれて男たちの大声が聞こえてくる。ほとんどタチの悪いナンパと変わらない。よく見れば男たちは無遠慮にアヤの全身を舐め回すように見ていた。
思わず拳に力がこもる。
「いや、あの、人と来てて……」
アヤが手首を揉むフリをして、さり気なく胸元を両腕で隠した。
――なんか、こわい。
この人たちの目、気持ち悪い。
……ぼーやん。
アヤの心の声が、生暖かい空気を通して伝わってくる。
あと数歩で彼女のもとへ届くという瞬間、アヤの後ろに背の高い男が立った。ハルくんだ。
「君たち彼女に何の用?」
ハルくんが男たちに笑いかける。
「あれ、お邪魔でした?」
「え、なに彼氏さん?」
薄ら笑いを浮かべた男たちの問いに、ハルくんが一瞬口を引き結び、意を決したように開く。
「そうだよ、この子の彼――」
その言葉を、俺はアヤと男たちの間に滑り込むことで遮った。
「俺の彼女になにか用ですか?」
思った以上に低い声が出る。
「うぉ、そっち?」
「え、アンタが彼氏さん?」
見上げてきた黄色頭のサングラスの奥の一重を見つめる。温和な表情を浮かべようとして、うまくいかない。多分、今俺は眉間にシワを寄せて男を睨みつけている。
「これ、録ってる?」
アヤを向いていたスマホを指さそうとして、気づけばつかんでしまっていた。
「い、いやまだ録ってはないっすよ」
「企画説明してたとこで……」
いつの間にか、ヘラついていたはずの男たちの表情が強ばっている。
――問題ない。
神様の直感が、録画ボタンは押されていないと囁く。
俺はふぅっとため息をついた。
「すいませんが、デート中なのでよそを当たってください」
軽く会釈をするつもりが、赤色髪の男に顔を近づけていた。
黄色髪が何かを言いかけるが、俺としては用件が済んだので、振り向いてアヤの手を握る。
「行こうか」
彼女に微笑みかけるつもりが、顔が強ばったままだ。
驚いて目を見開く彼女の手を引っ張り、俺はホットドッグ屋とは反対方向へ歩き出す。
握ったアヤの手のひらには汗がしっとりと滲んでいた。
「――ぼーやんっ、あのさ」
俺の後ろを付いてきていたアヤが、焦ったような声を出す。
「ん?」
「怒って、るの……?」
怯えたように震える声に、ハッとする。思わず振り向いてアヤの頬に手を添えた。
「怒ってないよ」
「……うそ」
「ほんとだよ」
「あの……ごめんね」
アヤが泣きそうな顔で謝ってきた。
いったい彼女が何を謝るというのだろうか。アヤは何も悪くない。別にあのナンパ配信者たちだって、彼女に害を加えたわけでもない。
直感だって、特に警告を発さなかった。
だからこの怒りは、俺自身への怒りだ。
彼女を一人にしてしまった俺への。
他の男にアヤがイヤらしい目で見られたことに対して、嫉妬と独占欲を爆発させた自分への呆れだ。
「ううん、アヤはなにも悪くないよ。強いて言えば、悪いのは俺かな」
「え?」
「ほら、ここで浮き輪借りようか」
「浮き輪?」
そこは浮き輪をレンタルできる屋台だった。大小色とりどり並ぶ浮き輪の中から、大人二人がすっぽり入りそうな黄色い浮き輪を手に取る。
店員にお金を払うと、そのままアヤに頭からすっぽり被せた。
「わっ……」
斜めに被せた浮き輪が、アヤの胸元もお腹も下腹部も、体のほとんどを覆い隠す。
「これで誰にもアヤの体を見られなくて済む」
「え、あ、ありがと?」
「ううん、俺が誰にも見せたくないだけ」
彼女の耳元で、独占欲むき出しの言葉を吐く。
もう絶対に彼女の側を離れない。
アヤが嫌がっても、鬱陶しがっても、絶対に。
そんな身勝手な思いも言外に伝える。
「うん、ありがと……」
それなのにアヤは、嬉しそうに微笑んだ。
ドクンと心臓が脈打つ。
浮き輪がなかったら思わず抱きしめていただろう。
「――ホットドッグ食べたら、泳ぎの練習しようか」
「うん!」
アヤの笑顔が濃くなる。その目端にはうっすらと涙が浮かんでいた。
直感に頼らなくても分かる。
アヤのあふれるような幸せな気持ちが、その笑顔から伝わってくる。
まいったな。
楽しいデート中なのに、もうこの情欲を抑えられる気がしない。
俺たちは屋台でホットドッグを頬張ると、軽く食休みをしてから、アヤの泳ぎの練習のためにほとんど人影のない流れるプールへと向かった。