※この作品はR-18です。

【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話   作:月見ハク

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【アヤ視点】寝ぼすけ幼馴染をキスで起こした(四十三日目 金・午前)

 朝起きたら、昨日の服のままだった。

 

「あ゛れ……」

 

 プールから出て、みんなでハルくんの車に乗って……そこからの記憶がない。

 

 とりあえず一階に下りようとして、ぼーやんが泊まっているのを思い出す。

 

「やばっ」

 

 お母さんがたたんでくれていた服に慌てて着替え、姿見で軽く髪を整える。もう目元にクマはないし、一昨日の朝より肌艶もいい気がする。

 

 きっとこれは、ぼーやん効果だ。

 

 

「お母さんおはよ~」

 

「あら、もう疲れは取れたの?」

 

 台所でお皿を洗っているお母さんが、目をパチクリとさせる。

 

「ん゛……もうばっちり」

 

「あらそう、じゃあもう起きるのね」

 

「うん、早起きは三文の徳って言うし」

 

「早起きってもう十時過ぎよ」

 

「……あれ、ぼーやんは?」

 

「ぼーやんはまだ寝てるわよ~、昨日また宴会始まっちゃってね、その付き合いやら後片付けやら手伝ってもらっちゃったのよ。あ、寝てるあなたを二階に運んでくれたのもぼーやんなんだから、後でお礼言っときなさいね」

 

「え、ぼーやんが?」

 

 二階まで…………重く、なかったかな。

 

 いやでもぼーやんは力持ちだし、プールでもずっと持ち上げられてたし……。

 

「あなた顔赤いわよ、もうちょっと休んだら?」

 

「う……大丈夫」

 

 どうしよう。

 ぼーやんの太い腕とか硬い体とかを思い出してしまう。抱っこされてるときのふわふわする感じとか、体中が覚えてる。

 

「私たちこれから病院行くけど、アヤはどうするの?」

 

「あ、おじいちゃんのお見舞いか」

 

 いつもは私も付いていくけど、今日はぼーやんがいる。一人でこの家に置いていったら、起きたとき寂しいだろうな。

 それに、私だって。

 

「私は――」

 

「姉ちゃんまだ疲れ残ってんだろ? 今日は家にいなよ」

 

 いつの間にか台所にいたヒロトがつまらなそうに提案してくる。

 

「あらそうなの? じゃあお留守番よろしくね。あ、ぼーやん起きたら朝ごはん用意してあげて、そこにラップしてあるから。昨日作ったお味噌汁も、もう一回温めるのよ」

 

「うん、分かった」

 

「こたつ布団も干してあるから、後で取り込んでおいてくれる?」

 

「こたつ?」

 

「そーよ、そろそろ寒くなってきたらかって、あなたがこたつ出したいって言ったんじゃない」

 

「あ、うん、ありがとう」

 

 おじいちゃんが死んじゃうんじゃないかって恐くて、ずっと寒くて。

 平気だって分かっても体の芯が冷たくて。

 

 でも、ぼーやんが来てからはすっかり忘れてた。

 

 

 そそくさと用意を終えたお母さんに引っ張られるように、お父さんとヒロトが出て行った。

 

 しーんと家の中が静まり返る。

 時計を見るともう十一時。

 ぼーやんはまだ起きてこない。

 

「……よし」

 

 台所に戻り、お味噌汁の鍋に火をつける。今日の朝ごはんは焼き鮭と、昨日の宴会の残りらしいサラダだった。

 

「これじゃ、ぼーやん足りないよね」

 

 現に私は足りる気がしない。

 

「いっちょやるか……!」

 

 この前お母さんに教えてもらった出汁(だし)巻き卵を作るべく、卵と白だしを用意した。

 

 

 

 

「うん、まあまあかな」

 

 完成した出汁巻き卵をお皿に盛り付け、ちょちょいと直してスマホで撮る。

 今日の戦果をカナッペに送信し、六畳間のテーブルに置く。もう一度スマホを見ると、もう十二時前だった。

 

「そろそろ寝ぼーやん起こすか」

 

 出汁巻き卵、口に合うかな。

 ぼーやんなら、きっと美味しいって言ってくれる気がする。

 

 大広間を通り、ぼーやんが寝ている和室の前に立つ。

 (ふすま)の取っ手に触れて、軽く呼吸を整えた。この襖の向こうにぼーやんが寝ていると思うと、ちょっぴりドキドキする。

 

 もし今、襖が開いてぼーやんが現れたら、胸に手を当てて深呼吸している私と鉢合わせだ。

 でもきっとぼーやんは、いつもみたいに「おはよう」って笑ってくれるんだろうな。春のお陽さまみたいな顔で。

 

「……私はアホの子か」

 

 襖の前で一人ニヤニヤしている自分が恥ずかしい。

 

 ふうと息を吐いて、ゆっくり襖を開けた。

 

 薄暗い室内に、ほんのりと落ち着く香りがした。ぼーやんの匂いだ。

 私の、大好きな匂い。

 

「ぼーやん、おはよー……」

 

 こんもりふくらんだ布団に声を掛けてみても反応がない。まだすやすや寝てるみたいだ。

 

「朝ごはんだよ~」

 

 そっと近づいてみると、ぼーやんが横を向いて熟睡していた。

 大きな体がしっかり掛け布団の中に収まり、静かに上下している。人は寝ている間に何度も寝返りを打つっていうけど、ぼーやんは寝ているときも行儀がいい。

 

 こういうところがぼーやんっぽくて、ちょっと笑ってしまう。

 

「……寝相よくていいな」

 

 足音を立てないようにしながら、畳を滑るようにして近づく。

 テレビでよくやる寝起きドッキリってこんな感じなのかな。

 

 レポーターになったつもりで、ぼーやんの顔の近くに腰を下ろす。

 

「…………」

 

 気持ちよさそうな寝顔に、つい見入ってしまう。

 

 短い髪の毛は、長さも髪型も昔から全然変わらない。

 顔だってずっと一緒だ。おだやかで安心する顔。なのに鼻とか顎のラインとか、ほっぺたとかが前より凛々しく見える。

 近くで見ると、まつ毛だってけっこう長い。

 

「のどぼとけ……」

 

 くっきり尖った喉仏。

 私はぼーやんより背が低いから、見上げるといつも喉仏に目が行く。つい、じいっと見てしまう。

 

 ここからあの低い声が出るんだ。

 耳元で聞くと、お腹に響いてくるぼーやんの声が。

 

 昨日のプールで、お水をゴクゴク一気飲みしてるときも喉仏が激しく動いてた。

 思い出しただけで、心拍数が上がってしまう。

 私、ぼーやんの喉仏フェチなのかもしれない。

 

 いつもそうやってドキドキさせてくるくせに、なんの気なしに飲みかけのペットボトルを渡したら、珍しく照れてた。

 

 息ができないくらいの激しいキスをしてくるくせに。

 耳元ですごくいやらしいこと、言ってくるくせに。

 間接キスで、照れるなんて。

 

 反則だ。

 

「かわいいぼーやんめ」

 

 ぼーやんの横に、向かい合わせでごろんと寝転がってみる。

 肩が広くて体が大きくて、向こう側が見えない。

 

「大きな手」

 

 骨っぽい手が、布団に投げ出されている。こんなにゴツゴツしてるのに触れてくるときはいつも優しくて、そのたびに体の芯が熱くなる。

 この手のひらで、体中の気持ちいいところをまさぐられて。

 触れられたところがすぐにアツくなって、とろけそうで。

 もっとさわってほしいって思ってしまう。

 

 だめだ。

 お腹の奥がムズムズして、すごく切ない気分になってしまう。

 

「……寝癖立ってるし」

 

 ぼーやんの手から視線を逸らすと、彼の髪の毛がぴょんと跳ねていた。

 

 手を伸ばして、前髪にそっと指を入れてみる。

 ごわごわしてるのに、妙に手触りがいいぼーやんの髪。

 なんだか、大型犬を撫でているみたいでクセになる。

 

 

「……アヤ」

 

「ふぇっ?」

 

 ぼーやんがポツリとつぶやいた。

 

 寝言、かな。

 

 うん、やっぱり寝言だ。目開かない。

 

 寝てる……のに。

 

「なんで呼ぶんだよぉ……」

 

 心臓がドクドクうるさくて、部屋中に響いている気がする。

 体中が、ほかほか熱い。

 きっと私今、人に見せられない顔してる。

 

 おかしいな。

 どうして私、泣きそうなんだろう。 

 好きすぎて、涙が出そう。

 

「ぼーやん」

 

 お腹の奥が、アソコが……ジンジンする。

 ぼーやんがほしいって疼いてる。

 えっちなことしてるときみたいに。

 あの気持ちいい感覚に、鳥肌が立つ。

 優しくて溶けそうになる、ぼーやんとのキス。

 冷たいところと、温かいところのあるぼーやんの体。

 私の中を熱く満たしてくれる、ぼーやんの。

 ほしくて、たまらない。

 

 ぼーやんの唇に、吸い寄せられる。

 

「っ……」

 

 そっと、先端が触れ合うだけのキスをした。

 

 どうしよう、もっと。

 もっとしたくて。

 全然おさまらない。

 

 また昨日みたいに、ぼーやんに抱きしめられたい。

 全身で、ぼーやんを感じたい。

 

「ん……っ」

 

 今度は、唇を押し当てる。カサついたぼーやんの唇がやわらかい。

 

 もっとキス、したい。

 起きるまでずっと。

 だめ、かな。

 

 ぼーやんは強引なのに、いつも聞いてくれる。

 私は、いいのに。

 ぼーやんにされてイヤなことなんて、一つもないのに。

 それをちゃんと、伝えられてるのかな。

 

「私は、大丈夫だよ」

 

 ぼーやんが、いつも目で追ってくれるから。

 私だけに、優しい声で話しかけてくれるから。

 私を、泳げるようにしてくれたから。

 

 暗い水の底に沈んでいく記憶。

 いくら叫んで手を伸ばしても、誰にも気づかれない。

 そんな私を、引き上げてくれたから。

 手を伸ばさなくても、そこにいるって教えてくれたから。

 だから、大丈夫って思える。

 何をされてもいい。全部、幸せだから。

 

 ぼーやんも、そうならいいのに。

 私で、うんと気持ちよくなってくれたら。

 

「ぼーやん……んっ……ぁ」

 

 唇が潰れるくらい押し付けて、ぼーやんを吐息で温めた。

 私の熱が、伝わってほしい。

 

 ゆっくり顔を離して、寝顔を見つめる。

 胸がぎゅうって締めつけられる。

 

 いつもそうだ。

 この顔を見るたたびに安心して、つい口元がゆるんでしまう。なのにどうしようもなくドキドキするんだ。

 

 うまく呼吸ができない。

 視界が潤んで揺れてる。

 

 昨日プールでぼーやんの体を見たときから、一昨日物置でキスをしてから……ううん、迎えに行った駅で、ぼーやんが私を見つけてくれたときから。

 ほしくて、たまらないんだ。

 

「起きて……起きないと、たべちゃうよ」

 

「んう」

 

 ぼーやんのまぶたがピクっと震えた。

 大きな体がもぞもぞと動き出す。

 もうすぐぼーやんの目が覚める、感じがする。

 

 やばい。

 

 息、整えなきゃ。

 冷まさなきゃ。

 こんな顔、ぼーやんに見られたら。

 

 たべ……。

 たべちゃうってなんだ。

 

 落ち着け。

 私は出汁巻き卵だって作れた。

 出汁巻き卵、は今関係ない……!

 

 正座。

 とりあえず正座。

 

 体を起こして。

 ゆっくり息を吸う。

 

「ん、う……アヤ?」

 

「お、起きた? おはよう」

 

 なんでもないという声を作る。

 

「ああ、おはよ……」

 

 ふんわりと微笑んだぼーやんが、正座をしている私の膝にちゅうっとキスをした。

 

「あっ――」

 

 内股が震えて、つま先が外に広がる。正座がとろけて間抜けなアヒル座りになる。お尻が畳に落ちて、下半身がジワリと熱くなる。腰が砕けて、動けない。

 

 こんなの、反則だ。

 ぼーやんのばか。

 

「なんか、いい匂いする」

 

 私の膝にキスをしながら、ぼーやんがつぶやく。

 

「だ、出汁巻き卵……作ってみた」

 

「え、アヤが?」

 

 急に目が覚めたみたいに、ぼーやんが私を見上げた。新種の生き物を見つけたみたいな顔で、目を見開いている。

 

 む。

 

 私が、とはなんだ。

 

「そうだよー?」

 

 文句あんのか~? という文句をこめて寝ぼすけ幼馴染を見下ろす。

 

「それは、早く食べたいな」

 

 驚き顔が、ふわっとゆるんで優しい笑顔に変わった。

 

 あ。

 また反則だ。 

 そんな本当に嬉しそうな顔をされたら、もうだめだ。

 

 必死に視線を泳がす。

 カーテンの隙間から差し込む光が畳に白い線を描いていた。

 半開きの襖から、うっすら線香の匂いが漂っている。

 

 火照った体が秋の空気で肌寒い。

 ぼーやんの体温が、近い。

 

 なんとなく、私はこの瞬間を一生忘れないんだろうなと思った。

 

 こうやって忘れられない思い出が増えていくんだ。

 ぼーやんと、最期の時までずっと。

 こんなふうにドキドキしながら、でも安心しながら、ずっと一緒にいれるんだ。

 

 

「うん、味わって食べてね」

 

 私はぼーやんに、四回目のキスをした。

 

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