【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話 作:月見ハク
俺たちはつながったまま、抱きしめる力を強めたり、たまにキスをしたりして絶頂が収まっていくのを待った。
ふと窓から縁側のほうを見ると、陽射しの角度が変わっているのに気づく。空気に赤みが混じっているから、夕暮れが近いのだろう。
――来る。
直感の警告が脳内に響く。
もう少ししたらみんなが帰ってくる。
俺は腕に力を入れてゆっくり上体を起こし、アヤを見つめた。
「そろそろシャワー浴びようか」
すると彼女が少し驚いたように眉を上げる。
「え……一緒に?」
「……いいの?」
「あ、いや……えと、みんなが帰ってきたら……気まずい」
それはそうだ。
二人で仲良く風呂場から出たらお父さんやお母さんとばったり……なんてのはさすがに避けたい。
「そうだね。じゃあ別々に入ろうか」
「うん……別々にね」
と言いつつ、お互い体を離そうとしない。この温もりと幸せな感触から離れたくない。そんな思いからも、時間稼ぎの会話だった。
仕方ないな。俺から離さないと、二人でこのまま家族と挨拶することになってしまう。
「アヤが先に浴びておいで」
「うん……ささっと出るから」
「うたた寝しないようにね」
「しないし」
「じゃあ、抜くよ」
「……うん」
腰を浮かせて、彼女の膣中から肉棒を引き抜く。
お互い緩慢な動きで起き上がると、ティッシュで拭き合った。
「じゃあ、浴びてくるね」
「いってらっしゃい」
アヤはさっきと同じ黄色いニット一枚の姿で、下着とショートパンツを抱えて六畳間を出ていった。
「さすがに冷えるな」
俺も脱ぎ捨てた服に手を伸ばす。とりあえずトランクスを穿こうとしていると、襖の陰からアヤがひょっこり顔を出した。
俺の間抜けな中腰姿を見たからか、彼女がこれから恥ずかしいことを言うからか、頬が朱く染まっている。
「……やっぱり、一緒に入る?」
「ああ入ろう」
俺は間髪入れず即答した。
二人でそそくさと風呂場に行き、シャワーの蛇口をひねる。シャワーヘッドを持ったアヤがこちらを振り向く。
「私が洗ってあげるよ」
「うん、ありがとう」
俺はまたしても即答する。
アヤが俺の肩や胸にお湯を掛けながら、手のひらでこすってくる。温かいお湯で汗やベトつきが落ちていく爽快感と、彼女の優しい手の感触ですごく気持ちがいい。
思わず吐息が漏れてしまうほどだ。
……マズい。
全裸のアヤに体を撫でられているせいで、股間に血が集まってくる。
あれだけ射精したのでさすがにギンギンに剛直するほどではないが、アヤが目を丸くするほどには勃起してしまった。
「ぼーやん……まだ、足りないの?」
呆れるというよりも純粋に驚いたという顔をしている。
「ごめん。アヤの裸を見てたら体が勝手に」
「……時間、ないから」
暗に、今日はもう性行為はできないと言われてしまう。当然だろう。
ただ、そんな名残惜しそうな顔をするのはやめてほしい。
「分かってるよ。楽勝で我慢できるから」
「つらくない?」
だからその心配そうな上目遣いもやめてほしい。
俺はさっき縁側で眺めた山々を思い浮かべ、なんとか股間を落ち着かせる。
「大丈夫だよ」
余裕の表情でニッコリ笑ってみせた。
……さすがに石鹸で陰毛を泡立てられ、肉棒を手のひらでしごかれるように洗われたときは、腰が抜けるかと思った。
アヤは分かっててやっているのだろうか。若干の焦りを浮かべているのを見ると、わざとではなさそうだ。
「――はい、終わり! じゃあ私も洗うからちょっと待っててね……あ、先出ててもいいよー」
「いや、今度は俺が洗ってあげるよ」
「え……えっと、だめ……」
アヤがシャワーヘッドごと自身の体を抱きしめる。
「どうして?」
「今触られたら私、ヘンな気分になっちゃうから」
「……それもそうだね」
今さんざん俺を触ったくせに……と言おうとして、やめる。
こんなに彼女に欲情して、襲って、欲情してしまうことを伝えているのに、どうも自分が放つ色気や煽るような言動には無頓着のようだ。
まあ、それも俺に対してだけなのだろう。
それは嬉しくもあるが、我慢しないといけない局面で我慢しないといけない俺の身にもなってほしい。
そしてアヤの言うとおり、もし今ここで彼女がヘンな気分になってしまったら……俺は間違いなく我慢できない。
そんなことを悶々と考えていると、下を向いたアヤがポツリとつぶやいた。
「帰ったら、また……しよ?」
俺の胸板にそっと手を当ててくる仕草がたまらない。
いよいよ襲いたくなったので、俺はアヤのおでこにキスをして、先に風呂場を出ることにした。
脱衣所で、大きく深呼吸をする。
さんざん彼女を抱いているのに、いまだに自分を抑えられなくなりそうで困る。まるで付き合いたてのカップルみたいだ。
……いや、日数的には付き合いたてだが。
いつか、お互い欲情せずに楽しく洗いっこができる日が来るのだろうか。
そんなことをぼーっと考えながら、俺はシワシワになったTシャツを被った。
***
みんなが帰ってきたのは、ちょうどアヤが髪を乾かし終わったころだった。
「ぼーやん待たせたね、新幹線の駅まで送ってあげるよ」
アヤのお父さんはそう言うと車のキーを掲げて見せた。渋いダンディな顔と相まって、トレンディ俳優みたいだ。
「ありがとうございます」
「あ、私も送るから、ちょっと待ってて!」
そう叫んだアヤが、慌てて階段を上っていく。どうやら服を着替えるらしい。
「そういえばハルくんは?」
聞いてみるとヒロト君がつまらなそうに答えた。
「なんか風邪引いたんだってさ」
「そうなんだ」
なんとなく、ハルくんには最後に何かを言われると思っていたのだが。
アヤのことを頼むよ、とかなんとか。
彼に対して危機感のようなものは一切湧かないが、少し拍子抜けな感もある。
「ごめん、お待たせ!」
アヤが階段をダダダッと下りてきた。
彼女は黄色いニットの下に白いTシャツを着ていた。下はショートパンツではなく七分丈のジーンズだ。
さっきまでの大胆な露出は影を潜めたが、それでも。
「可愛い。そういう格好もすごく似合うね」
「へぁっ!? あ、ありがと……」
お父さんの目の前なのも忘れ、つい甘いやり取りをしてしまった。
***
車の中では、さっきの甘い空気をごまかすように、二人で幼馴染のような会話に終始した。
来たときと同じようにアヤが外の風景をいちいち説明し、俺がそれに相槌を打つ。たまに冗談を言い合ったり、からかったりした。
「ところでプールは楽しかったかい? アヤ、泳ぎの練習に付き合ってもらったんだろう?」
お父さんがために後部座席に話を振ってくる。
「ウォータースライダーが、楽しかったよ……」
アヤが何かをごまかすように、小さくつぶやいた。きっと流れるプールやシャワー室での濃厚なセックスを思い出しているのだろう。
「アヤ、泳げるようになりました」
「おおぉっ、マジか!」
お父さんが珍しく若者口調になった。心底驚いているのだろう。
「運動神経がいいんで、コツをつかんだら後はスイスイでした」
「そっか、そっか……ぼーやんは凄いなぁ」
お父さんが感慨深げに前方の、遠くを見つめた。
きっと、アヤが川で溺れたときのことを思い出しているのだろう。
溺れたと聞いてお父さんも物凄く心配になったに違いない。一緒に海に行って、アヤが泳げなくてまた溺れたりして、ずっと気が気でなかったのだろう。
バックミラー越しに、お父さんの顔がわずかに緩んでいるように見えた。
安心したような、でも少し寂しいような、そんな複雑な心情が伝わってくる。
多分俺も父親になったら、いつかこんな顔をする日が来るのだろうなと、なんとなく思った。
「じゃあ、お父さんは車で待ってるから」
「わざわざありがとうございました」
お父さんにお礼を言うと、アヤと二人で駅の改札へ向かう。
来たとき、彼女が座っていたベンチを通り過ぎる。ついさっき、ここでアヤと再開したような気がする。
二泊三日の小旅行は濃密で、あっという間だった。
だだっ広い駅の構内を新幹線の改札に向かって歩く。俺もアヤも無言だ。
改札まで来ると、アヤが立ち止まった。
「じゃあね、ぼーやん」
一生懸命、上機嫌な笑顔を作ろうとしている。
そんな彼女に、俺はあらかじめ用意しておいた新幹線の切符を二枚差し出した。
「ごめん、ちょっとだけワガママに付き合ってくれない?」
「え……?」
「できればホームで見送ってほしいんだ」
「……なにそれ」
アヤは呆れたように微笑むと、嬉しそうに切符を一枚手に取った。
エスカレーターを上り、ホームに出る。
夕陽が照らすホームには驚くほど人の影がない。
軽快な音楽が鳴り、アナウンスが流れる。
あと十分ほどで新幹線が来るらしい。
アヤを見れば、ニットの長袖の中に手のひらを隠していた。いつもは袖をまくっているのに、今は指先だけをちょこんと覗かせている。
秋の冷たい空気を通して、彼女の心情が伝わってきた。
――またすぐ、学校で会えるのに。
寂しい。
いってほしくない。
あの縁側に、いっしょに。
もどりたいな。
「ぼーやん、あの」
――どこにも、行かないでね。
アヤが顔を上げ、少し泣きそうな顔をした。
別れ際、いつも一瞬だけこういう顔をする。
人一倍の寂しがり屋。
彼女の数少ない短所で、俺にとっては数多ある魅力の一つだ。
「アヤ、俺はどこにも」
――行かないよ。
そう言おうとして、やめる。
アヤの強い思いが流れ込んできたからだ。
――ううん
違う。
ぼーやんに伝えたい言葉は、そうじゃない。
「私は、どこにもいかないから」
――だから安心して。
大丈夫だよ、ぼーやん。
温かい、確信めいた心が伝わってくる。
そうだな。
アヤも俺も大丈夫だ。これから、一生。
「うん、知ってるよ」
優しく微笑み、同じように微笑んでいる彼女の唇にキスをする。
アヤが別れ際を明るくしてくれた。次は俺の番だ。
「俺からもいい?」
「なに?」
「これ、まだ渡せてなかったから」
俺はリュックのサイドポケットからベロア素材の小箱を取り出す。アヤに差し出しながら上下に開くと、中にはシルバーに輝く指輪があった。
「これ……」
「結婚……いや、婚約指輪かな。結婚指輪は二人で選ぼう」
俺はもう一つのサイドポケットから同じ小箱を取り出し、中の指輪を自分の薬指にはめた。
アヤはさっきとは別の意味で泣きそうな顔になっている。下唇を噛み、必死に堪えているようだ。
「……ありがとう」
絞り出すようにつぶやき、涙目で見上げてくる。
指輪に視線を落とし、もう一度俺を見つめてからわずかに唇を開いた。
「はめてもいい?」
そよ風にもかき消されてしまいそうな声で、アヤが聞いてくる。
「いいよ」
俺がはめるのは、結婚式までとっておこう。
アヤはおずおずと小箱に手を伸ばし、大事そうに指輪を取る。
バイトで溜めた金で買った特注のシルバーリングだ。
サイズはぴったりなはず……なのだが、少し不安になっている自分が笑える。
彼女の細い薬指に、指輪がおさまる。
アヤは今にも泣きそうだ。
「……うれしい」
か細い声でつぶやく。
「うれしいよ、ぼーやん」
今度はしっかり言葉にした。
涙ではなく、満面の笑みをこぼすことにしたようだ。
「よかった」
本当に。
別れ際は、全部幸せな思い出にする。
一瞬だって寂しい思いをさせない。
俺はそう決めている。これからもずっと、そうするつもりだ。
ちょうど、新幹線の到着を告げるアナウンスが響く。
すぐに白い流線型の車体がホームに滑り込んできた。
「じゃあ行くね」
「……う゛ん」
――だめ。
こういうときに泣いたら。
別れ際は楽しくしてあげたい。
泣くのはぼーやんが行ってから。
新幹線の狭い乗車口に入り、振り返る。
目が合うと、アヤはにっこりと笑った。
俺が手のひらを見せると、彼女も手を上げる。
いつの間にか袖まくりをしていた白い細腕が、左右に振られた。
この光景を、俺は一生忘れないだろう。
ふとそんなことを思ったら、なぜだか泣きそうになった。
いけない。この流れで俺が泣いたら元も子もない。
口角を上げて微笑み返す。
何も心配はいらないという、いつもの平然とした顔で。
俺たちは家の前でバイバイする幼馴染のように、手を振り合った。
新幹線の席に座り、外の景色をぼーっと眺める。
無機質な建物群はすぐに、平凡な山々や畑に変わった。あと三時間もすれば、俺を取り巻く世界は日常に戻る。
アヤがいないとき、俺の視界はいつも色あせている。
なのに今は、この何の変哲もない夕暮れの風景が、不思議と輝いて見えた。