※この作品はR-18です。

【書籍化】クラスで2番目に可愛いボーイッシュ幼馴染を、二泊三日の修学旅行で寝取って種付けセックス漬けにする話   作:月見ハク

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幼馴染に図書室でイタズラをした・後編(百二日目・月 午後)

 アヤの腕をつかんで、図書室の本棚のほうへ歩く。

 

 彼女は頬を染めてうつむき、俺に引っ張られるままに付いてきた。

 

 図書室の入り口近くの本棚裏。

歴史資料が並ぶ一角は立ち寄る人がほとんどいない場所だ。

 

 少しだけ薄暗いその場所で、俺は彼女を本棚際に追い込んでいた。

 

「ご褒美、ここでいい?」

 

 優しく聞きつつも、体を密着させて逃げ道を奪う。

 胸板にふにゃりと柔らかいおっぱいの感触が当たる。何枚かの布地越しなのに、その柔らかさや弾力、体温までもが伝わってきた。

 久々の彼女の体を味わおうと、俺の全神経が敏感になっているのだろう。

 

「人、来ちゃうよ……」

 

 うつむいたままのアヤが小声でつぶやく。

 

「大丈夫だよ。誰も来ないから」

 

 直感もそう言っている。

 

 とはいえ、普段の彼女なら絶対に嫌がっただろう。人気のない場所ならともかく、同じ空間内に人がいる状態で淫らな行為をするなど、彼女には耐えられないはずだ。

 

 だが、アヤはコクリとうなずいた。

 

 我慢の限界なのだ。俺と同じように。

 

 彼女が顔を上げ、顎を上向ける。

 求めるように俺を見つめ、まぶたを閉じ、唇をわずかに開く。

 

 キスを待つ顔が、あまりに綺麗で色っぽい。

 思わず写真に撮って一生残したい衝動に駆られる。でも俺の情欲にそんな余裕はなかった。

 

「んっ……んちゅ……んっ、ぁ……」

 

 唇を重ねながらその隙間に舌を流し込む。

 すぐに彼女の舌に迎えられ、ねろりと絡まる。

 その瞬間、背筋にビリリと電流が走った。一カ月ぶりのディープキスに全身が昂る。

 

「んちゅっ……んんっ、む、ぁっ……んれ……んんんっ……」

 

 久々の舌の味を確かめるようにねっとりと舐め合う。

 周りに音が漏れないように唇を密着させ、互いの口の中だけでくちゅ、くちゅと淫らなキス音を立て合う。

 

「んくっ……んッ、ちゅぷっ……んちゅっ……んっ、ぇろ……」

 

 アヤの溶けそうなほどに柔らかい舌、熱い粘膜、甘く温かい吐息、そのどれもが濃密に伝わってくる。

 

 やんわりと触れ合う胸元に彼女の心臓の鼓動を感じた。

 トクトクと小さく脈打つ音が愛おしい。

 

 一分、二分……時間の感覚がおぼろげになるほど、俺たちは気持ちのいいキスに夢中になった。

 

 やがてどちらからともなく唇が離され、複雑に絡み合っていた舌が解かれていく。唇と唇の間でなおも舐め合ってから、ゆっくりと接着面を離す。

 

「ん……ぇろ、っ……」

 

 舌先を巻くように互いを一舐めして、やっとキスを終えた。

 

「はぁ」と大きな吐息が漏れる。肺が求めるように酸素を取り込む。

 どうやら俺たちは呼吸を忘れてキスに没頭していたようだ。

 

 はぁ、はぁと二人で肩を上下させる。この場所は肌寒いはずなのに体が火照って暑い。

 

 アヤが熱のこもった瞳で見上げてくるせいで、呼吸が全然落ち着かない。

 

「ご褒美……これで終わり?」

 

 彼女が求めるように聞いてくる。

 

 その瞬間、シャットアウトしていたはずのアヤの欲求が流れ込んできた。

 

 ――ぼーやん。

 好き。

 もっと感じたい。

 もっと気持ちいいこと。

 ぼーやんと、もっと――。

 

 ドクン、と体が震えた。

 全身の血が沸騰して獣欲がグツグツと煮えたぎってくる。

 

 ――問題ない。

 ――犯せ。

 

 追い打ちをかけるように、直感が悪魔の囁きを投げかけてきた。

 キーンと耳鳴りがして、脳内に未来の記憶が映し出される。

 

 ――図書室の本棚と本棚の間。

 この場所で、俺たちは熱い吐息を漏らして繋がっていた。

 アヤは立ったままスカートをめくられ、パンツを膝下まで下ろされ、向かい合った俺が小刻みに腰を振っている。

 対面立位の体勢で俺はアヤを犯し、抱き締め、上向いた口内に舌をねじ込んでいた。

 彼女の口から漏れ出てしまう嬌声を濃厚なキスで塞ぐ。

 二人とも目を閉じ、その表情は快楽に溺れるオスとメスのようで――。

 

 慌てて脳内の光景を打ち消す。

 

 これはまずい。

 直感に後押しされた本能に、体を乗っ取られそうだ。

 

 アヤも、驚くべきことにこの先の行為を望んでいるように見える。少なくとも心の底では。

 だとすると直感に逆らう理由がほぼ存在しない。

 

 俺はふぅと小さいため息をつくと、彼女の耳元にささやいた。

 

「ご褒美の続きしようか。アヤ、下を脱いで」

 

「え、でも……」

 

 彼女が不安げに見つめてくる。

 誰かに見つかる恐怖と快楽を求める心がせめぎ合っているようだ。

 きっと、ここで強引に迫ればさっきの光景どおりになるのだろう。

 

「大丈夫。……アヤを気持ちよくさせるだけって言ったでしょ?」

 

 俺は図書室の自習机のあるほうに背中を向けた。

 万が一にも彼女の姿が見えないよう壁を作り、安心させる。

 

「脱いで、アヤ」

 

 もう一度ささやくと、彼女の瞳に涙がにじんだ。

 下を向き、わずかに口を開く。

 

「しないよ、ね」

 

「しないよ」

 

 優しくささやく。

 するとアヤは前屈みになってスカートの中に両手を入れ、ゆっくりと下着を下ろし始めた。

 

 

 ――犯せ。

 ――快楽に狂わせろ。

 

 

 なおも言ってくる直感を無視する。

 

 今回ばかりは、直感をあてにできない。

 

 なぜなら、俺たちが幸せな同棲生活を送ることはもう確定事項だからだ。

 

 直感としては俺たちがこの冬セックスに狂おうが、そのせいで大学に進学できなかろうが、どうでもいいのだろう。

 どうせその未来には到達できるのだからと、今はアヤを快楽に溺れさせることを優先しているのだ。

 まるで彼女をセックスに狂わせないと、その未来すら危うくなるのだと言わんばかりに。

 

 でも俺は。

 

 一緒に大学へ進学もしたいという彼女の望みも叶えたいし、快楽に依存するアヤも見たくない。

 そこは譲れない。

 

「……脱いだよ」

 

 トン、と彼女が俺の胸板をおでこでつついてきた。

 脱いだはずのパンツは床にもアヤの両手にもない。早々にポケットへしまい込んでしまったらしい。

 

「見せて」

 

「え゛っ」

 

 彼女がにごった声を発した。

 

「ご褒美がほしいって言ったのは、アヤだよ」

 

「言ったけど、でも……あの……」

 

「アヤ、見せて」

 

 優しく、でも有無を言わさぬ低い声でささやく。

 

「うぅぅ……」

 

 彼女は眉間に今日一番の深いシワを浮かべるが、それでも拒否する素振りは見せずスカートの裾に手を伸ばした。

 スカートの両端をつまみ、ゆっくりと引き上げる。

 

 俺の視界の下のほうで、彼女のまっさらな局部があらわになる。

 

「これ、恥ずかしいよぉっ……」

 

「アヤ、すごくエッチだよ。スカートそのままにしてて」

 

 俺はその場で腰を下ろすと、彼女の股ぐらに視線を合わせる。

 綺麗な一本筋の割れ目からは、透明な愛液が漏れ出ていた。さっきテーブルの下で弄ったときよりもあふれている気がする。

 顔を近づけ、下腹部全体を視界に収める。

 

「あ、顔近づけちゃ、だめ……」

 

「ここ、さっきより濡れてるね」

 

「だって、こんなのっ……」

 

「うんと気持ちよくするから、じっとしててね」

 

「人、きちゃう」

 

「安心して。ここには絶対に来ないから」

 

 下から微笑みかけると、アヤは覚悟を決めたように目を閉じた。

 

 これまで何度も言ってきたせいだろう。

 彼女は俺の確信めいた言葉を、条件反射的に信じてしまうようになっていた。

 

 俺は舌をめいっぱい伸ばし、割れ目にピタリとくっつけた。

 

「んんっ……ッ」

 

 アヤの腰が引けて本棚に当たる。棚全体がわずかに振動し、並んだ歴史資料の一つが揺れた。

 

 俺は両手で彼女の腰をつかみ、逃げられないよう固定する。

 そうして今度は舌腹を割れ目にくっつけると同時にれろんと舐め上げた。

 

「ひぁっ……んっ、ふ、ぅっ……」

 

 急に視界が暗くなり、頭の上に布が被さってくる。

 彼女は早々にスカートから両手を離し、自身の口元を押さえたようだ。

 

 薄暗いスカートの中、俺は犬になったような気持ちでアヤの秘部を舐めた。

 

「んぅッ……ん……は、ぁっ、ぁッ……ん゛んん――ッ」

 

 少し舐めただけで彼女は軽くイったらしい。

 腰が可愛らしく震え、愛液がトロリと分泌される。

 

 スカート内にこもった彼女の香りに頭がクラクラする。

 甘い彼女の体臭がさらに濃密になったような……心が安らぎ、なのに股間を奮い立たせる女の匂いだ。

 アヤの愛液は無味無臭のはずなのに、脳が美味しいと変換してしまう。

 

「ぼーやんっ、これ……やぁ……」

 

 弱々しい悲鳴が頭上から降ってくる。

 

「嫌だったら止めるね」

 

 彼女にだけ聞こえる小声でつぶやく。

 

 アヤからは「いや」も「やめて」も返ってこなかった。

 返事を待たずに俺がまた舐め始めたせいかもしれない。

 

「ふ、ぅっ……ん゛ッ……ん゛っ……」

 

 俺の舌の動きに合わせて彼女がくぐもった声を漏らす。

 

 少し八つ当たりじみてるな、と心の中で自嘲する。

 

 これは、まだ受験前なのに無防備に誘惑してきた彼女へのお仕置きだ。

 まあ、アヤはこの冬に我慢をしないと大学進学が難しくなるという未来を知らないので、彼女にまったく非はないのだが。

 

 ふと、アヤにしてみたらここで俺に犯されるよりも恥ずかしい行為なのではと思い至る。

 

 そう考えた途端、さらに興奮がこみ上がってきた。

 

 縦筋を下から上にたどるように舐め、花弁をぱっくりと開く。

 鮮やかなピンク色をした膣内を舌先でえぐるように、ねっとりと舐め上げる。

 すると両手でつかんだ柔尻がきゅっと引き締まった。

 

「ん゛ぅうううっ……ッ」

 

 アヤが腰をビクビクと震わせる。

 彼女の絶頂が振動となって舌先に伝わってきた。

 

 膣内が収縮する感じがして、やがてアヤの足腰から力が抜けていく。

 

 俺はスカートの中から顔を出した。

 見上げると、蕩けきった表情の彼女と目が合う。

 瞳からは涙がこぼれ、両手で押さえた口元からは荒い吐息が漏れている。

 

 つかんでいた腰を離すと、彼女は本棚を背にしたままへたり込んだ。

 

「アヤ、大丈夫? ……ごめん、またやりすぎた」

 

 彼女はまだ口を押さえ、体を上下させている。絶頂が続いているのだろう。

 瞳は熱っぽく潤み、お尻を床に付けて膝を立てている。

 そのクロスさせた両膝の奥に、濡れそぼる割れ目が見えた。

 

 まるで獣に追い詰められた小動物のようで、嗜虐心を掻き立てられる。

 

 このままアヤに襲い掛かりたい衝動を必死にこらえ、俺は再び自習机のほうに背中を向けて壁を作った。

 

 少しして、彼女の呼吸も落ち着いてくる。

 

 へたり込んだまま顔を上げると、腕を伸ばして俺の腰をつかんできた。

 

「ぼーやん」

 

「アヤ?」

 

「ぼーやんもご褒美、ほしいよね……?」

 

 腰元から見上げてくる彼女と目が合う。その瞳は熱く蕩けていて、まだ絶頂の余韻に染まっていた。

 

「口でしたら、ぼーやんうれしい?」

 

 その誘惑するような声に、ドクンと心臓が跳ねる。

 

「ああ、すごく嬉しいよ」

 

「じゃあ……してあげるね」

 

 蠱惑的に微笑む彼女に、またも心を打ち抜かれる。こんなふうに彼女に迫られて、抗える男はこの世にいないだろう。

 

 本当に、驚きだ。

 

 誰よりも人目を気にするアヤが、まばらとはいえ人のいる空間でフェラをしてくれようとするなんて。

 

 直感の警告は……ない。

 

 俺は念のためチラリと後ろを見て、人の気配を確認する。

 

 その瞬間、アヤがハッと息を呑むのが分かった。

 

「……アヤ?」

 

「ごめん、ぼーやん……別の場所でも、いい?」

 

 その顔は、つい先ほどとは打って変わって羞恥に染まっていた。

 大胆なことをしようとした自分に、愕然としているようにも見える。

 

「人のいないとこ、いく?」

 

「うん……ぼーやん、知ってる?」

 

「知ってるよ」

 

 即答すると、アヤがぷっと吹き出した。

 

「なんで知ってるの?」

 

 彼女が呆れたように笑う。

 それはいつもの上機嫌そうな笑顔だった。

 

 なんとなく、アヤはこっちのほうがいいなと思う。

 

「アヤを抱ける場所はどこかなって、いつも探してるからだよ」

 

「うっ……なんじゃそりゃ……」

 

 茶髪のショートカットが恥ずかしそうに下を向いた。

 自分で聞いておいて返り討ちに合う彼女が面白い。

 

 俺はアヤに手を伸ばすと、ゆっくり立たせた。

 

 

***

 

 

 図書室を出て、廊下を歩いた突き当たり。

 

 階段裏のデッドスペースに俺とアヤはいた。

 普段からほとんど人が訪れることはなく、放課後ともなれば誰も近づかないような場所だ。

 俺たちのように、こっそり情事に耽るカップル以外は。

 

「ぼーやんの……すごく硬くなってる」

 

 勃起した俺の肉棒をつかみながら、アヤが目を丸くしている。

 

「アヤにそんなふうに触られたら……誰だってそうなるよ」

 

「ぼーやん以外に、しないし」

 

 その言葉に、彼女の手の中で肉棒がさらに強張る。

 

 ズボンを太ももまでずり下げた俺の前に、アヤが膝立ちをしていた。背筋をピンと伸ばし、俺の股間に鼻先をくっつけている。

 さっきから彼女が言葉を発するたびに、吐息がペニスを温めて気持ちがよすぎる。

 

「じゃあ、するね」

 

 ぺろん、と肉棒の裏筋を舐められる。

 

「くっ……」

 

 震えるような快感が背筋を走り抜ける。

アヤの舌がすごく温かい。ゾクゾクするような射精感がこみ上げ、長くはもたないだろうことを一瞬で悟る。

 焦らしに焦らされた肉棒に、この刺激は強烈過ぎる。

 

「ぼーやんの、ビクビクってしてる……かわいい」

 

 裏筋を下から上へ、まるでソフトクリームを舐めるように舌を這わされ、カリ首のあたりを舌先でちろちろと舐め取られる。

 

「また、おっきくなったね……んっ」

 

 腰をビクつかせる俺の反応を愛しむかのように、アヤは肉竿の真ん中あたりにキスをした。上目遣いで見上げてくる彼女が、色っぽくてたまらない。

 反り返った肉棒を根元かられろぉ、と舐め上げられ、やがて先端がアヤの口内へと収まっていく。

 

「ぐ、ぅ……それ、やばい」

 

 思わず腰が引けそうになる。そのくらい彼女の口内は気持ちがよかった。熱い粘膜が先端に密着してきて、舌が裏筋に添えられる。

 

 亀頭を覆っていた生暖かさが、徐々に竿までも包んでいく。裏筋に当たっている舌が左右に動き、やがて上下に波打つ。俺の快感のツボを押さえたような舌遣いに、肉棒の硬度がどんどん増していく。

 前にアヤのバイト先でしてもらったときよりも、さらに気持ちがいい。彼女が上達したのか、俺の肉棒が敏感になっているのか……多分両方だろう。

 

「ん……んっ……」

 

 やがてアヤが頭をわずかに振り始める。細くしなやかな指が根元を優しく握り、もう片方の手が睾丸をふにふにとマッサージする。

 舌が肉棒の裏側部分に密着したまま、上下に動く。

 股間を彼女の荒い吐息が温め、心地よさに脳が蕩けそうだ。

 

「んっ……ん……んっ……」

 

 一定のリズムでアヤの喉奥から発せられる声が可愛くて愛おしい。頑張って俺を気持ちよくさせようという思いが伝わってくる。

 

 やがて竿全体が引っ張られるような感覚が襲ってきた。彼女は口でしごくと同時に吸引しているようだ。ぬめぬめとした粘膜の動きと時おり吸われる快楽に、腰が砕けそうになる。

 

 ぐっと尻に力が入る。射精が近い合図だ。

 

「アヤ、もう出る」

 

「ん……らひて」

 

 上下の動きが速くなる。彼女の口元がじゅぽ、じゅぽと卑猥な音を立て始める。

 アヤが小刻みに頭を振り、俺の射精を煽ってくる。

 腰の奥から熱い塊がせり上がってきて、俺はあっという間に絶頂した。

 

「ぐ、うぅ……!」

 

 ビュルルッ、ビュルルッと鈴口から大量の精液が彼女の喉奥へと流れ出ていく。

 思わず目をつぶってしまうほどの快楽だ。射精に合わせてまぶたの裏が明滅し、体がガクガクと震える。

 目を開けると、彼女の口内に精を放っている事実に直面して再び絶頂した。

 

 

 

 

「……アヤ、全部飲んだの?」

 

 息も絶え絶えになりながら、眼下でたたずむ美少女に聞く。

 

「うん……すごい、いっぱい出たね……」

 

 アヤは喉をコク、コクと動かして、なんとか嚥下しているようだった。

 

 お互い荒い呼吸のまま、しばらく無言の時を過ごす。

 

「……ん、そろそろ行こっか」

 

 アヤがゆっくりと立ち上がる。

 

「ああ……というかアヤのフェラ、すごく気持ちよかったよ」

 

「そっか……よかった」

 

 心底嬉しそうに彼女が微笑む。

 ズボンの中へ収納した肉棒が再び熱くなり、アヤをこのまま犯したい衝動に襲われる。

 荒ぶる情欲を抑えていると、彼女が恥ずかしそうに聞いてきた。

 

「あの、トイレ寄ってもいいかな。下、スース―して……」

 

 今の彼女は下着を穿いていない。さすがに落ち着かないだろうし、うがいもしたいだろう。

 

「もちろん。あ……でも今日下着の替えは?」

 

「今日は……持ってきたから」

 

「……そっか」

 

 俺は、再びズボンの中で暴れそうになる肉棒を必死に鎮めた。

 

 

 

 

 一階の階段横にあるベンチに、二人並んで座る。

 

 俺たちはトイレを済ませた後、図書室に戻って帰り支度をし、一階の階段下の自販機で冷たいお茶を買い、なんだかまだ帰りたくなくてベンチで一休みすることにした。

 

 静かな廊下をぼーっと眺めていると、アヤが俺の肩に寄りかかってきた。

 

「ぼーやん……一人で抱えちゃだめだからね」

 

 彼女が膝の上で空のペットボトルをいじりながら、俺と同じように廊下を見つめる。

 

「……なんの話?」

 

「ん……なんとなく。ぼーやんって、いっつも一人で悩んでるイメージがあるから」

 

 やっぱりアヤは鋭い。

 俺が未来のことであれこれ悩んでいることを感じ取ったのだろう。

 

「アヤに言われたくないかも」

 

「私は、悩んでないし」

 

 その強がりに笑いそうになってしまう。

 彼女も俺とのことや千春さんのことであれこれ悩んでいるのを知っている。

 

「俺も悩んでないよ。淡々とやるべきことをやるだけだ」

 

「ふふ、それかっこいいね……ブタ侍の決めセリフだっけ。ぼーやん好きだったもんなー」

 

「……そうだっけ」

 

 不覚にも記憶がない。

 あんなに夢中になって観ていたアニメなのに。

 

 というか、ブタ侍のセリフだとしたらけっこう恥ずかしい。かなり得意げに言ってしまった気がする。

 肩ひじ張って、心の中で何度も自分に言い聞かせていた言葉がアニメのセリフだったとは。

 

 つい、苦笑してしまう。

 

「あ、ぼーやん恥ずかしくなったな」

 

 してやったりという彼女の顔が憎たらしくて可愛い。

 アヤはたまにこういう悪ガキのような顔をするからたまらない。

 

「ていうか、アヤもブタ侍観てたんだ」

 

 意外だ。

 小学校の頃、夢中になっていたのは俺だけで、彼女はいつも俺の話を「またブタ侍か~」と呆れ顔で聞いていたから。

 彼女のベッドにブタ侍シールを貼ったときも、それこそ烈火のごとく怒られたのに。

 

「……アヤ?」

 

 ふと、彼女がぼーっと何かを見ている。

 その視線を追うと、廊下の奥にある非常口だった。緑色の誘導灯がほんのりと光っている。

 

「なんかあの人ってさ、ぼーやんに似てるよね」

 

 あの人?

 

 ああ、誘導灯に描かれた緑の人か。非常口に向かって走っている姿は……確かに俺のシルエットに見えなくもない。

 

「なんか必死に逃げてる気がするな」

 

「ううん、あれは逃げてるんじゃなくて、こっちが出口だよーって先導してくれてるんだよ」

 

「そうなの?」

 

「そうでしょ。だって一人で逃げるつもりなら体の半分くらい隠れてるはずだもん」

 

 それだと分かりにくくて誘導灯の役割を果たさない気もするが。

 

「……私ね、避難訓練のたびにいっつも、この人ぼーやんみたいだなぁって思ってたんだ。あーこっちに行けば安心なんだなって」

 

 その横顔が少し寂しそうに見えた。

 

 私も一緒に行くから、一人で悩まないで、一緒に悩みたい……そう言いたいのが伝わってくる。直感の力を借りずとも、分かってしまう。

 

 もしこれが恋愛ドラマなら、ここで俺が悩みを赤裸々に語るシーンなのだろうか。

 二人の……俺が目指したい未来にはいろいろなハードルがあるのだと。

 

 全部洗いざらい吐露したら、きっとすっきりするだろう。

 多分アヤも安心する。

 

 でも、俺は彼女に明かすつもりはない。

 直感の力のことも、試練のことも、未来のことも。

 男の意地とかそんなものではなく、立ち止まりたくないから。

 

 立ち止まったり、迷ったりしている姿を、一瞬でも彼女に見せるわけにはいかないからだ。

 

 アヤを引っ張り、翻弄させ続ける。

 それが、彼女をずっと繋ぎ止めておくための絶対条件だ。

 だから絶対に、油断しない。

 

「確かに、ちょっと似てるかもね」

 

「ふふ……でしょ? それになんかぬぼーっとしてるし、あの人」

 

 からかうような口ぶりが小気味いい。

 

「アヤはあれに似てるよね」

 

 お返しとばかりに、俺は廊下の角を指差す。

 

「あれ? ……って消火器じゃんっ」

 

「赤いところとか」

 

「私赤くないし」

 

 ぷくっと膨らませた頬は確かに白い。今は。

 

「それに俺が怒り狂って燃えても、アヤならぷしゅーって鎮めてくれそうな気がする」

 

「……ぼーやんが怒ることってあるの?」

 

「あるよ」

 

 もし今アヤに手を出そうとするヤツがいたら、激怒を通り越して殺意が湧くだろう。

 あの教室で、手錠をはめた彼女を見ていた男子たちの顔を思い出す。

 

 怒りだけじゃない。行き場のない感情や欲望や焦りで、感情が爆発しそうになることがしょっちゅうある。

 

 でも、そういうときにいつも。

 彼女が俺の心をあるべき場所に落ち着かせてくれる。

 いつだって、一緒に幸せになる道を俺に示してくれる。だから冷静でいられるし、我慢もできる。

 

「じゃあさ、私たちいいコンビだね。火事のときに役立つ二人、みたいな」

 

 アヤが得意げに片方の眉を上げる。

 

「緑男と消火器女、みたいな?」

 

「いやそれだとホラー映画みたいじゃん……。んー、グリーンボーヤンとレッドアヤ……とか?」

 

 自分で言っていて少し恥ずかしそうなのが面白い。

 

 そういえば小学校の頃も、そんなふうに彼女が名前を付けていた気がする。

 近所の林を探検していたら、知らない防空壕を見つけて。

 すごく興奮したアヤが確か……。

 

「キャプテン・サウスバードだっけ?」

 

「え゛ぁっ」

 

 南鳥だからサウスバード。

 当時、覚えたての英語を得意げに披露していた姿は可愛かった。

 

「で、確か俺が……ジ・ドラゴン」

 

「ん゛ぅっ」

 

 リュウジだから、ジ・ドラゴン。

 これもアヤの命名だ。懐かしい。

 

「なかなかカッコいいよね。俺けっこう気に入ってたよ」

 

「言わないでぇ……」

 

 自分の黒歴史に顔を真っ赤にするアヤが、なんとも可愛い。

 

「本当に、アヤはずっと可愛いままだね」

 

「ふぇっ!?」

 

 つい、本音が漏れてしまった。

 

 幼馴染とは違う、でも恋人に向けるものとも少し違うような、不思議な愛おしさが胸に広がっていく。

 

 金魚みたいに口をパクパクさせるアヤを、俺はしばらく眺めていた。

 




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